ロクでなし魔術講師と糸使いの少年   作:ネコ耳パーカー

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これで遠征学習編終了です。
ここである意味急展開です。
よろしくお願いします。


小話3

その後、俺達は後始末をアルベルトさんに任せ、リィエルとルミアを連れて、泊まっているホテルに帰った。

当然遠征学習は中止になったが、まだ期間があった為、ここサイネリア島に2日ほど泊まってから帰る手筈になった。

そんな俺達は今、再びビーチバレーをしていた。

 

「行くわよ!ハァ!」

 

「うわぁ!?」

 

システィーナのスパイクに驚きながらレシーブするギイブルだがその腰は引けてるし、ボールも見れてないので、あらぬ方に飛んでいく。

俺はそんな様子を日陰で見ていた。

 

「はあ…退屈」

 

今までみたく、乗り気にならなかったではなく、

昨晩の腹に受けた攻撃が、結構酷かったからだ。

安静を言い渡され、ビーチバレーに参加出来ないのだ。

 

「…まあ、いっか」

 

俺は目の前に広がる平和な光景に笑みを浮かべながら、微睡んでいた。

 

「アルタイル。体は大丈夫?」

 

テレサが話しかけてきたのはそんな時だった。

 

「テレサ?俺は大丈夫だけど…テレサはどうした?」

 

「ふふ、ただの休憩よ。遊び疲れちゃって」

 

そう言いながら俺の隣に座るテレサ。

この間貸した俺の上着を着ているが、それでも隠しきれないスタイルの良さ。

ルミアもスタイルがいいが、テレサのそれはルミアすら超えている。

そんな彼女が隣にいると流石に男として緊張する。

しかも、貸した上着の袖や裾が長いらしく、まるで彼シャツみたいになっているのも、結構グッとくる。

以外にこういうテンプレ展開に弱いのだ。

 

「アルタイル、上着ありがとう。洗って返すわね」

 

「いや、別にいいぞ?そのままでも」

 

「あら、ダメよ。女の子として気になるのよ///」

 

そう言いながら、少し顔を赤くするテレサ。

どうやら女の子的に本当に恥ずかしいらしい。

まあ、これだけ暑ければ汗もかくか。

確かに異性にたとえ不可抗力でも、匂いを嗅がれるのは、女の子的に嫌なのだろう。

 

「…まあ、そういうことなら。そっちに任せるよ」

 

「ええ、責任をもって洗わせてもらうわ。…それはそうと、少し歩きましょう?」

 

…確かにこのままボサっとしててもあれだしな。

向こうには先生とアルベルトさんがいる。

余程の事がない限り大丈夫だろ。

 

「OK。行こうか」

 

そして俺はテレサとビーチ散歩をする事にした。

さっきまで木陰にいたから、少し涼しかったが一度出てしまえば、まさに炎天下だった。

 

「アッチィ…」

 

「アルタイルは暑いのは苦手?」

 

「まあな。寒さの方が強い。寒いのは着込めばいいんだけど、暑いのはな〜。どれだけ脱いでも暑いし」

 

「ふふ。確かにそうね。でも、波打ち際は気持ちいいわよ?海が冷たくて」

 

そう言われて俺は、ここに来て一度も、海に近づいてない事を思い出す。

 

「折角だし波打ち際まで行こうぜ。海を感じたい」

 

「そうね!行きましょうか」

 

俺達は波打ち際まで近づいて、海を感じていた。

 

「おお…気持ちいい」

 

「そうね〜…あら?」

 

「ん?どうした?」

 

突然テレサがしゃがみこんで、何かを拾った。

それは綺麗な貝殻だった。

 

「まあ!すごく綺麗!」

 

「そうだな。すごく綺麗だ」

 

俺も足元を探すと、よく見ると同じ柄の貝殻を見つけた。

 

「テレサ、同じ柄だぞこれ」

 

「ホントね!…これ記念に持って帰らない?」

 

「…ちょっと貸して。加工する」

 

そう言って俺はアリアドネを取りだし、貝殻の周りを包む。

出来るだけ大袈裟になりすぎないように、貝殻を目立たせるように包む。

包んだらそこに糸を通してネックレスにする。

 

「ほら。こんな感じでどう?」

 

「…ありがとう。アルタイル。宝物にするわ!!」

 

「…どういたしまして」

 

俺達はそのまま歩く。

テレサはずっとニコニコしながら貝殻を触ってる。

大人びてる印象があったが、その様子を見ているとやっぱり年相応の女の子だ。

ふと前を見ると少し崖になっている場所を見つける。

 

「テレサ、あそこ登るか?眺め良さそうだぞ」

 

「いいわね。行ってみましょう」

 

俺達は崖を登ることにした。

崖といっても大したことないから、俺は手も使わずに登れる。

でもテレサには少し不安だったので手を貸しながら登る。

 

「テレサほら。手を掴め」

 

「…ありがとう///」

 

何故顔を赤くするのか分からないまま登っていく。

5分くらいして、てっぺんに着くとそこには

 

「わぁ…!」

 

「すげぇ…」

 

太陽で煌めくエメラルドグリーンの海と、どこまでも広がる澄み渡った青空。

遥か彼方まで広がるそれは、まるで世界の大きさを表現してるかのようで、それに対して少しワクワクする自分がいた。

この広い世界には一体何があるのだろうか、そういう思いに馳せれていると

 

「アルタイル」

 

突然名前を呼ばれ振り返る。

その瞬間、頬に何か柔かいものが当たる。

 

「…へ?」

 

目に前にテレサの顔があった。

その顔は真っ赤で、その目は何か決意した目をしていた。

 

「…貴方がルミアを見てるのはわかってるわ。でも、負けない。必ず振り向かせてみせるわ。…さ、そろそろ戻りましょう?」

 

「お、おう…///」

 

思わず頬に触りながら、間抜けた返事をする。

そのまま俺達は特に会話しないまま、みんなの元に戻る。

戻った俺達に向けられるのは、みんなのニヤニヤした顔だった。

それを見た時、俺は悟った。

こいつら、()()()()()()()

 

「アイル君」

 

ルミアがこっちを見ながら近づいてくる。

何故かやましい事は無いのに、浮気現場を見られたような気持ちになる。

 

「いや、ルミア!?これは…」

 

「ルミア」

 

突然、テレサが俺達の会話に割って入る。

 

「…テレサ?」

 

「私は貴女に負けないわ。今は貴女がリードしてるかもしれないけど、それでも負けないわ。いつまでも、素直じゃないと…私がアイルを貰うわ」

 

「!?テレサ…いつの間に?」

 

「そんなこと関係ないわ」

 

バチバチ!!!

何やらすごい火花が散っている。

 

「それじゃあ、今日はありがとうアイル。これ、宝物にするわね」

 

そう言ってテレサは、俺がその場で作ったネックレスを掲げながら俺達の前から去っていく。

 

「…アイル君。あれは?」

 

「…記念に?」

 

何故浮気がバレた男みたいな事してるんだ俺?

それでもルミアの無表情を見てると、冷や汗が止まらない。

 

「ふ〜ん…。アイル君明日私と買い物ね」

 

「へ?いや明日は…」

 

「ね?」

 

「…仰せの通りに」

 

こうして、俺の残りの日程が決まった。

楽しかったかと言えば、凄く楽しかった。

ただ、ルミアとテレサの仲が大丈夫だろうかと心配になった。

 

「…ねぇ」

 

「ん?どうしたレイフォード」

 

心配していると突然、レイフォードが話しかけてきた。

 

「えっと…あの時はありがとう。…アルタイル」

 

「お、おう…」

 

俺の名前を覚えてるなんて意外だ。

そんな失礼な事を考えながら、俺はレイフォード…リィエルの頭を撫でた。

 

「まあ、なんかあったら相談してくれよ、リィエル。可能な範囲で力になるから」

 

頷いてからルミア達の元へ向かうリィエル。

どうやら、少し関係は前進したらしい。

俺はこのクラスの仲間との日常の大切さを改めて噛み締めながら、みんなの元に向かった。

こうして俺達の遠征学習は終了し、いつもの日常へと向かっていった。




という訳で何と!
テレサが恋愛レースに参戦です!
その都合上、タグを追加しました。
最初リンにしようかと思ったのですが、リンだと少し弱い気がしたのでテレサにしました。
色んな意味でインパクトありますからね彼女。
ええ…どこがとは言いませんけど。
そういうのがある方が、ルミアとの関係が盛り上がるかなっと思い、出来心でつい…。
ルミア以上に積極的なテレサを見てあげてください。
ありがとうございました。
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