ロクでなし魔術講師と糸使いの少年   作:ネコ耳パーカー

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どうも、3話です。
やっと主人公がタイトルらしい姿を見せます。 そして以外な優秀さを発揮しますよ?
それではよろしくお願いします。


学院テロ編3話

「すまなかった」

 

…おい、マジかよ。

ただでさえ、始業前にいただけでも驚きなのに、まさかの謝罪かよ。

 

「昨日の事は…俺の価値観を押し付けすぎたっていうか…とにかく、その…すまなかった」

 

みんなその光景に唖然としていた。

いや、俺も唖然としてるけど。

その時、ふとティンジェルと目が合って、ウインクされた。

何あれ、可愛い。

等と考えてると

 

「それでは授業を始める」

 

また驚かせてくれるなあの人。

何にせよ楽しみだ。

 

「その前にお前達に言っておくことがある…お前らって本っ当に馬鹿だよな〜」

 

「「「「「「「ハァァ!?」」」」」」」

 

…相変わらず爆弾を落とすなこの人。

 

「お前らの授業態度見てて分かったよ。お前ら魔術の事なーんも分かってないってな」

 

その言葉に更にヤジが飛ぶ。

その中には【ショック・ボルト】の3節詠唱が出来ないことが混じってる。

 

「まあ、それを言われちゃ耳が痛い。俺は略式詠唱とかのセンスがなくてな…だが()()()()()()()()()()()()とか言ったか?やっぱお前ら馬鹿だわ」

 

その言葉に今度はみんな黙り込んだ。

 

「じゃあ、今日はその【ショック・ボルト】について教えてやる。基本的な詠唱はこうだ。【雷精よ・紫電の衝撃以て・撃ち倒せ】」

 

「やっぱり3節詠唱…」

 

「とっくに究めてますわそんなの」

 

そんな生徒の呆れた声を無視して授業を進める先生。

 

「ご存知の通り、大抵の奴なら【雷精の紫電よ】の1節で発動可能だが…じゃあ、ここで問題な。【雷精よ・紫電の・衝撃以て・撃ち倒せ】3()()()()()()4()()()()()()()()()()()

 

クラス中が沈黙する。

え?こんな簡単な質問に?

逆に俺はその事に驚いて黙ってしまった。

 

「そんな術式は発動しませんよ。何らかの形で失敗します」

 

我がクラスのブレーン、ギイブル=ウィズダンが答える。

いや、それは問題に対する答えにはなってねぇだろ。

 

「そんな事分かってんだよバーカ。俺はその失敗がどういう形で現れるかを聞いてるんだ」

 

「そんなのランダムに決まってますわ!」

 

今度はドジっ子姫、ウィンディ=ナーブレスが机を叩きながら答える。

だがら、それも問題の答えにはなってねぇって。

 

「ランダムwwお前究めたんじゃねーのかよwww」

 

あれは酷い。

腹立つぞあれは。

なんだ全滅かよ、しょうがないな。

 

「なんだ?全滅かよ。ならもういい、答えは…」

 

「「右に曲がる、だ」」

 

「…なんだ分かる奴いるじゃん。なあアルタイル」

 

そう今同時に答えたのは俺だ。

誰か答えると思い黙っていたが、全滅だったのでつい答えてしまった。

 

「じゃあ、アルタイル。実演してもらおうか」

 

マジかよ、面倒臭いな。

 

「俺かよ…『雷精よ・紫電の・衝撃以て・撃ち倒せ』」

 

その【ショック・ボルト】は数メートル先進んだ後、右に折れ曲がった。

 

「馬鹿な!?」

 

「有り得ませんわ!?」

 

そんな驚きの声を上げながら、俺を睨んでくるなウィズダン、ナーブレス。

むしろ、分かっとけこれくらい。

 

「アルタイル、ちなみに聞くぞ『雷・精よ・紫電の・衝撃以て・撃ち倒せ』こうして5節にすると?」

 

「射程が落ちる」

 

「次。『雷精よ・紫電の・以て・撃ち倒せ』一部を消すと?」

 

「大幅なパワーダウン」

 

「…ま、究めたっつーならこれくらいできないとな」

 

ドヤ顔で決めるグレン先生。

今ほどドヤ顔の似合う事はないだろう。

俺が針のむしろに晒されるはキツいが。

 

「いいか?魔術ってのは超高度な自己暗示だ。呪文を唱える時に使うルーン語ってのは、それを行う時に最も効率良く行える言語で、人の深層意識を変革させ、世界の法則に介入する。『魔術は世界の真理を追い求める物』なんてお前らは言うけどな、そいつは間違えだ。魔術はな、『人の心を突き詰めるもの』なんだよ」

 

人の心を突き詰める…。

あいつの、妹の力はまさにそこだ。

『汝望まば、他者の望みを炉にくべよ』っか…。

まさに魔術師の基本だな。

 

「たかが言葉如きにそんな力があるとは思えんとでも言いたげだな…。おい白猫」

 

突然フィーベルに話しかける先生。

白猫っていいセンスだな。

俺も使おう。

 

「し、白猫!?白猫って私の事!?私にはシスティーナって名前が」

 

「愛してる。実は一目見たとから、お前に惚れていた」

 

「ふにゃあ!?///」

 

わお、顔真っ赤。

白猫から赤猫か?

 

「はいちゅうもーく。白猫の顔が真っ赤になりましたね。見事、言葉如きがあいつの意識に影響を与えました〜。言葉1つで世界に影響を与える。これが魔術のきほ!?ちょバカ!?教科書投げんな!!」

 

いや、釘で黒板に打ち付けてた奴の台詞かそれ?

 

「バカはあんたよ!?バカバカバカー!!」

 

なんて夫婦漫才を繰り広げつつも、授業を進める先生。

 

「と、とにかくだ。魔術にも文法と公式があるんだよ。深層意識を自分の望む形に変革させる為のな。それが分かれば例えば…『まあ・とにかく・痺れろ』」

 

おお、【ショック・ボルト】があんな適当な呪文で発動するんか。

俺も出来るかな。

要するに連想ゲームだろ。だから…

 

「深層意識に覚え込ませた術式を有効にするキーワード、それが呪文だ。要は連想ゲームさ。例えば白猫の名前を聞いて、何を連想するか。ほれ、アルタイル。考えてねぇでやってみろ」

 

どうやらお見通しだったらしい。

言われたままに手を伸ばし

 

「『ビリビリ』」

 

お、出た。

我ながらかなりふざけたワードを考えたが、案外行けるもんだな。

…なんか正規より強くないか?これ。

 

「お前!?普通にやるより強くないか!?てか略式詠唱を更に切り詰めたか!?」

 

どうやら先生的にもそうだったらしい。

なら間違えないのだろう。

 

「いや、どうせやるならって…」

 

「はぁ…まあいい。呪文と術式も一緒だ。だが、その基本をすっ飛ばし、このクソ教科書でとにかく覚えろと言わんばかりに術式の書き取りだの、翻訳だの…それが今までお前らのやってたお勉強とわかりやすい授業ってやつだ。…はっアホかと」

 

あ、結局自分も投げてるじゃん教科書。

 

「今のお前らは単に魔術が使えるだけの魔術使いにすぎん。魔術師を名乗りたいのなら、自分に足りないものが何かよく考えとけ。今からそのド基礎を教えてやる。…興味無いやつは寝てな」

 

何を言うやら。

今この場において、俺を含め寝る奴なんているわけない。

こんな面白い授業、受けない奴なんているわけない。

 

ダメ講師グレン、覚醒。

そんなニュースが学院を駆け抜けること数日。

授業は今や大盛況で立ち見の生徒はおろか、若手の教師ですら聞きに来るほどの人気っぷりだ。

そんなこんなの忙しくも充実した数日だったが…

 

「やっべぇ…完全に遅刻だ…」

 

はい、俺は今裏路地を全力疾走中です。

俺達2組は担任不在の時期があり、+グレン先生のボイコットならぬサボりのせいで遅れていたりするのだ。

その影響で今日から数日土曜日にも講義があるのだ。

俺はその事をすっかり忘れており、妹に起こされるまで爆睡していたのだ。

 

「この道も久しぶりだな…」

 

この道は俺とアルフォネア教授しか知らない、秘密の抜け道だ。

学院の裏に出るこの道は結界の力こそ働いているものの、監視はない。

前にも1度遅刻しかけた時、この道を使ったらちょうどばったり出くわしてしまったのだ。

それ以降、ここはいざっという時の為に秘密にしておけと言われたのだ。

もちろん、遅刻なのでペナルティは受けた。

そんな思い出に浸りながら、学院に忍び込むと一瞬、結界が揺らいだ気がした。

 

「今のは…?ッ!?今度はなんだ!?」

 

空間の揺らぎに気を取られていると、轟音と共に細い光が外に飛び出してきた。

 

「あれは…【ライトニング・ピアス】!軍用魔術だと!?」

 

何で?この学院で中から軍用魔術がブッパなされるなんて有り得ない。

しかもあの辺は…

 

「教室辺りか…?」

 

俺はすぐにポッケから赤い手袋を取り出し

 

「『……』」

 

呪文を唱えてから全身に巻き付けた。

 

「…よし。行くぞ」

 

そう呟いて俺は校内に飛び込んだ。




解説…『』で括った言葉は何らかの呪文だったり、格言、名言的な?ものです。要は言葉ですね。
【】で括ったものは名称です。主に魔術名に使うつもりです。
ありがとうございました。
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