ロクでなし魔術講師と糸使いの少年   作:ネコ耳パーカー

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今回の小話も、エピローグ兼プロローグです。
連続投稿です。
それでは、よろしくお願いします。


小話6

「はぁ…はぁ…」

 

「…やったな…」

 

俺達はお互いに、背中を預けながら、座り込んでいた。

 

⦅アルタイル!聞こえるか!?アルタイル!!⦆

 

ちょうどその時、グレン先生から、通信が入る。

 

⦅聞こえてます。そっちは片付きました?⦆

 

⦅ああ!そっちは!?無事なんだろうな!?⦆

 

⦅どっちも無事。だけど…疲れた⦆

 

そう言って通信を切る。

 

「…ルミア、本当にごめん。結局俺がしたのは…ルミアを危険な目にあわせただけだった」

 

「…そんな事ないよ。アイル君は私と一緒にダンス踊って、どうだった?」

 

「…すげー楽しかった」

 

「私も。だから大丈夫。それに…私の夢、叶えてくれるんでしょ?」

 

「…!当然!さてと、早く皆と合流するか!」

 

「そうだね!アイル君の燕尾服、早く綺麗にしないと!」

 

そう言って俺達は立ち上がって、グレン先生達のいる方へ足を進めた。

その足取りは、さっきよりかなり軽やかなものになっていた。

 

 

合流地点に行くと、俺達が最後だったらしく、そこでは

 

「てっめぇふざけんなよ!?お前の狙撃が俺の頬を掠めただろうが!一歩間違えたら俺、死んでたじゃねぇか!?」

 

「死んだだろうな」

 

「はぁ!?なんじゃそりゃ!?てめぇ、何そうあっさり言ってんだよ!?」

 

「そもそも、不用意に射線に入ったお前が悪い」

 

「んだとぉ!?」

 

「第一、何故あんな場所におびき寄せた?あの山にはもっと適した場所が、無数にあったはずだ。狙撃する身にもなって欲しいのだが」

 

「かぁ〜!てめぇは昔っから…このド畜生め!やっぱお前は嫌いだ!」

 

「奇遇だな。俺もだ」

 

グレン先生とアルベルトさんが言い争っていた。

 

「何してんだよ…」

 

「アハハ…」

 

もう、2人揃って苦笑いしかない。

それはさておき、どうやら皆、俺達優勝カップルを待っているらしい。

どうやら、催眠が解除されても一種の酔った状態らしい。

有り体に言えば浮かれてるのだ。

そして、システィーナの判断のおかげで、無事だったリゼ先輩の計らいにより、再開の運びとなったのだ。

 

「どうなるかと思ったよな…」

 

俺はルミアと一緒に踊ながら、呟いた。

 

「ありがとう、アイル君。私の事…いつも守ってくれて。私なんかの為に…必死になってくれて…大切にしてくれて…」

 

「そりゃ、当然だろ?俺にとってルミアは、大切なやつだからな…」

 

俺達は囁くように話しながら、踊り続ける。

 

「そうだとしても…私の味方でいてくれる事…守ってくれる事に、変わりはないよ。だから…ありがとう、アイル君。色々あったけど、今夜の事は…一生の宝物だよ」

 

 

 

(やっぱり… 私は、ここにいるべきじゃないのかもしれない…)

 

今回はアイル君達の尽力があったから、どうにかなった。

でも次は?さらにその次は?

こんな結末、約束されてるの?

そんな訳ない、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

廃嫡された王女であり、忌むべき異能者。

そんな厄災の呼び水となる者。

アイル君は、そんな私をきっと守ってくれる。

それこそ身を挺して。

辞めてと言っても辞めないだろう。

 

(でも…私が好きになったのは、そういう人だから…)

 

それ故、もしアイル君が倒れたら?

先生が、システィが、リィエルが、皆が倒れたら?

もし、私のせいで…!

ふと、わたしのそっくりの誰かの声が聞こえる。

 

(〖 貴女さえいなければ…!〗)

 

(やっぱり…私は…ここにいてはいけない人間なんだね…)

 

でも。

それでも。

全てを失って、やっと手に入れた、自分の居場所を…本当に捨てられるだろうか…?

ああ…なんて嫌な子なんだろう…。

なんてワガママな子なのだろう…。

いずれ、自分が、皆に災いをもたらすと理解してても…!

 

(()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!()!())

 

 

 

「そりゃ、何よりだ…?ルミア?…泣いてるのか?」

 

気付くと、ルミアは泣いていた。

ルミアは、少し目尻に涙を浮かべ…それでも、精一杯の笑みを浮かべてこう返した。

 

「すごく…嬉しくて…幸せで…!」

 

そうして、フィニッシュまで踊りきった俺達。

拍手喝采の中、俺の腕にしがみつきながら、涙をを流すルミア。

この時俺は、ルミアの気持ちに、全く気付いてきなかった。

ルミアの抱える、迷いと葛藤に…。

こうして、大波乱の【社交舞踏会】は終了したのだった。

 

 

数日後、俺達は何時ものメンバーで登校していた。

とはいえ、朝からやる事があるらしいグレン先生はおらず、俺、ルミア、システィーナ、リィエルの4人だったが。

それはさておき、俺達の教室に行く途中に、校内掲示板がある。

そこには大抵、生徒会を始めとする各委員会からの案内や、学院からの報告だったりが貼ってある。

何時もなら、歩きながら流し読みするだけ。

今回もそうしていて、スルーしようとしたのだが

 

「…ん?」

 

…今、何かとんでもない事…書いてなかったか?

俺はバックして、掲示板まで戻る。

そして…固まった。

 

「アイル君?どうした…の…?」

 

ルミアも固まった。

 

「2人共、どうしたの?予鈴鳴っちゃう…わ…よ…?」

 

システィーナも固まった。

 

「?3人共?どうした…の?…私の名前?」

 

リィエルがその紙を見て、自分の名前だと、認識する。

ゆっくりと頬をつねるが…どうやら、夢ではないらしい。

 

「…システィーナ。大至急先生呼んできて。そのまま学院長室まで直行。ルミア、リィエル。先に学院長室行くよ」

 

「「…わかった!!」」

 

俺達は直ぐに行動を開始した。

優等生のシスティーナが、らしくなく廊下を走り抜ける。

俺はルミアとリィエルを抱えて、全力疾走する。

そのまま、ノックもなしに学院長室に入り込み、

 

「学院長!!()()()()()退()()ってどういう事ですか!?」

 

紙に書いてあった内容を問い詰める。

本当に…何時になったら、日常が戻ってくるのやら…?

本当に…トラブルしかないな〜おい!!!




さて、リィエルの退学って一体何が!?
という感じで終わらせます。
それではちょっと短いけど、失礼します。
ありがとうございました。
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