ロクでなし魔術講師と糸使いの少年   作:ネコ耳パーカー

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いつもここ書く事が無さすぎて、毎回悩みます。
本当に…どうしよう?
それではよろしくお願いします。


裏学院編第3話

それからの俺は、ある程度は訓練に参加してから、グレン先生の補佐をする事になった。

と言っても俺に出来るのは、生徒の弱点を洗い出して、メニューを考えるグレン先生の紙を整理したり、資料を取りやすくしたり、俺なりの意見を言うくらいだ。

そんな事を夜遅くまでしていると、イヴ先生がやってきた。

()()()()()()()()()()()()()()()

ローブは肩に羽織ってるだけ。

はだけたうなじが、胸元が、太ももが、ルミアやテレサには無い、大人の色気が醸し出してる。

ハッキリ言って…かなりエロい。

 

「ッ!?///」

 

思わず体ごと顔を背ける。

その事を不審に思ったグレン先生が、イヴ先生の姿を確認して、ため息をつく。

 

「イヴ…お前なんて格好してんだよ…?思春期男子がいる事を忘れんなよ…?」

 

「はぁ?…あぁ、ごめんなさいね。坊やには、刺激的すぎたかしら?」

 

イヴ先生は、わざとらしく艶かしいポーズを取る。

 

「ちょっ!?///」

 

「おいイヴ!いい加減にしろ!」

 

先生が、呆れながら止めてくれる。

 

「ハイハイ、少しやりすぎたかしら。それにしても…もう少し、慣れてもらわないと困るわ。()()()()()()()()()

 

「…おい、ちょっと待て。…今、なんて言った?」

 

「はぁ?だから一緒に…あ」

 

「…バカ」

 

何言っちゃてんのさ、この人は。

グレン先生が、凄い怖い顔で、こっちを見る。

 

「…おい、アルタイル。説明しろ」

 

逃げれませんよね、分かります。

 

「…はぁ。実は…イヴ先生の経緯を聞いた爺さんが、家に住むようにって…。俺も居候だし、爺さんと婆さんが許可しちゃったら、反論出来ないし」

 

俺の言い草が悪かったか、イヴ先生が、怒ったように言う。

 

「な、何よ!?いない方がいいって言うの!?」

 

「そうじゃなくてですね…。普通に教師と生徒が一つ屋根の下ってのは、世間体がねって話です」

 

俺達の話を聞いて、グレン先生もある程度の理解はしたのか、特に深くは聞かずにいてくれた。

 

「その事、学院長には…言ってないよな」

 

「俺は話してません。イヴ先生は?」

 

「…前学院長には、話したわ」

 

リック学院長なら問題ないか。

それでも、黙ってるのが賢明だろうな。

そろそろ話を変えたくて、強引に話題を変える。

 

「それはそうと、イヴ先生はどうしたんですか?」

 

そう聞くと、机の端を指さす。

よく見ると、ティーカップと、ポット…そして、マグカップが置いてあった。

 

「…紅茶?」

 

「それと、貴方用のコーヒーよ。苦手でしょ?紅茶。…命令よ。2人共一息入れなさい」

 

「…ありがとう…」

 

「今のお前の軍階、俺より下だろうが…」

 

そう言いながら、受け取る俺達。

うん、インスタントか…これなら安心した。

何故なら…

 

「…どうなのよ。感想くらい言いなさいよ」

 

「クッソマズイ。渋いし苦いし酷い味だ。紅茶に恨みでもあるのか?」

 

「う、うるさいわね…」

 

そう、この人()()()()()()()()()()()()()()()()()()()なのだ。

 

「ったく、少しはセラを見習えよ。アイツは…」

 

そこまで言って口を閉じるも、手遅れ。

明らかに地雷を踏んでしまい、2人揃って黙りこむ。

俺は何も言わずに、ただ2人がポツポツと話すのを聞いてるだけだ。

ただ…この人が悪ぶってるのを聞くと、落ち着かない。

だってこの人は…進んでベガの世話をしてくれた。

面倒くさがって当たり前なのに、何も言わずに慣れないながらも、一生懸命に世話をしてくれた。

だから、きっとこの人の根っこは…。

それでも関与できない。

だって、俺は部外者だから。

それが…妙に歯痒かった。

 

「キャ!?」

 

その時、部屋を出ようとしたイヴ先生が、床に積んであった本に躓く。

 

「イヴ先生!?ッうお!?」

 

慌てて支えたまではいいが、俺も本に躓いてしまい、後ろ向きに倒れてしまう。

 

「痛たた…あ。わ、悪かったわね…アルタイル」

 

「…あ、うぅ…///」

 

「アルタイル?…どうしたのよ?熱でもあるの?」

 

「…おいイヴ。何でもいいから早くどいてやれ」

 

「…え?」

 

グレン先生に指摘され、やっとイヴ先生も自分の体勢がヤバい事を理解する。

肩に羽織っていたローブはずり落ち、シャツの胸部は大きく開き、裾も捲り上がり、中の黒い下着が見えてる。

どう見ても…()()()()()()()()()()()()()()()

俺は余りにも情報過多過ぎて、処理しきれずに固まってしまう。

しかも運が悪い事に

 

「先生ー!アイルー!お夜食作ってきた…わよ?」

 

「3人で作ってきたんで…すよ?」

 

「ん。食べて…?」

 

いつもの3人娘が唐突に入室してきたのだ。

 

「イヴとアイル…何してるの?組手の練習?」

 

この一言を皮切りに

 

「い、イヴ先生ーーー!!!な、何をして…!?」

 

「うわぁ…そんな風に押し倒すんだ…!うわぁ…」

 

顔を真っ赤にして叫ぶルミアと、顔を隠しつつ、指の隙間からしっかりガン見するシスティーナ。

 

「こ、これが…大人の女性の…攻め方…!」

 

「うわぁ…大胆…!」

 

「…もう。どうしてこうなるのよ…」

 

それは俺のセリフだよ、全く。

その後グレン先生による弁明が行われた結果、無事に誤解は解けたが…

 

「何なのよこのポジション…」

 

「いや〜…特に深い意味は…」

 

「ムムム…」

 

皆で夜食を食べようとなったはいいが、俺とグレン先生が隣同士、それを挟むようにルミアとシスティーナが座り、斜向かいにイヴ先生、その隣にリィエルが座っている。

それにしても…

 

「パンに苺タルトって…随分と斬新な…」

 

「新食感だな…」

 

俺とグレン先生は、妙な息苦しさを感じながら、摘んでいた。

腹は減っていたので有難いが、変な緊張感のせいか、味がしない。

 

「ん?何だこれ?」

 

「どうしました?」

 

グレン先生が、何かのメモ書きを見てる。

そこには…

 

『裏学院は罠。■■■だ。足を踏み入れ■■■。火を使うな。■されて、■■される。絶対に使うな。アリシア3世に気をつけろ。彼女の正体は■■■。』

 

「…何だよ…それ…?」

 

余りの気味の悪さに、思わず声が震える。

グレン先生もそうなのか、顔色がさっきとは違う意味で悪い。

それを見て、グレン先生がイヴ先生と、相談を始める。

…一体何があるのか…?

漠然とした、気味の悪い不安が、俺の胸の中に、ずっと残っていた。

 

 

遂に、決闘当日がやってくる。

今回の内容は【生存戦】。

生存戦とは、広大なフィールドにバラバラの場所に配置され、そこからスタート。

魔術戦をしかけ勝ち残るもあり、隠れてやり過ごすもあり、要は生き残ればいいのだ。

最後の一人に残れば勝ち、若しくは複数でた場合は撃破数の多い者が勝ち。

今回は団体戦故に、生き残った数が多い方が勝ち。

魔導兵団戦と違うのは、全体を俯瞰する指揮官がいない事。

つまり各々自分の判断で、戦わなくてはならない。

ルールの確認をしていると、マキシムがイヴ先生をナンパしてる。

このところよく会うな〜、ナンパ野郎。

 

「…女口説く前に、毛根口説いてこいよ…」

 

思わず呟くと、思ったより声がデカかったか、皆吹き出していた。

マキシムは顔を真っ赤にして怒っていたが。

 

「貴様…口には気をつけたまえよ…!」

 

俺はそれを無視して、そっぽ向く。

 

「グググ…。まあいい、それでだが、サブストルールなぞ温いと思わんかね?どうかな、今回の致死判定は…気絶という事にするのは。なに、学生用呪文しか使えないのだ。死ぬ事はない」

 

嬲る気満々のルールの追加に、グレン先生も炎熱系魔術の禁止を要請する。

 

「炎熱系魔術の禁止?…なるほど、そういう事か…?あの下らんメモ書きは、貴様の仕業か。グレン=レーダス」

 

(アイツの方にも行っていたのか?て事は…もしかして、マジでヤバい?)

 

その事実に背中に冷たい汗が流れる。

当然良しとはしなかったが、

 

「もし条件を飲んでくれるなら、貴方が勝った暁には、私が景品になってあげる。秘書でも愛人でも何でもいいわよ?」

 

イヴ先生がとんでもない事を言い出した。

それは、ダメだろ。

グレン先生も止めるが、何かヒソヒソと話している。

恐らく、あのメモの危険性が跳ね上がった事についてだろう。

そうして、条件が承認され、遂に裏学院が解放された。

その異様に、呼び出したマキシム自身すらも呑まれている。

 

「…」

 

そんな中、メイベルとか言う奴だけは、冷静だった。

まあ、全体を俯瞰できてる俺もなんだろうが。

 

「この門を潜ると、各自ランダムにワープされる。全員のワープが確認できた時点で、開始の合図を流す。これでどうかな?」

 

「アンタが不正しない根拠は?」

 

「私が魔術で確認するわ。それ以前に仕掛けた生徒は強制失格。これでどう?」

 

諸々の細かい内容を確認して、各自用意をする。

俺も門を潜ると、気付いたら廊下の真ん中に立っていた。

 

「…これは?」

 

壁になにか貼ってある。

 

『校舎内の火遊び厳禁。これを犯した者は【裁断の刑】に処す。…アリシア3世』

 

「【裁断の刑】ね…。随分と穏やかじゃないな…ん?」

 

何やら気配を感じ振り返ると、すぐ後ろに、模範クラスの生徒が、ワープされてきた。

 

「ッ!?…へ、いきなり獲物見っけ!」

 

そう言ってすぐ身構えるソイツを、俺は淡々と見ていた。

…隙だらけな奴。

 

『…何やら()()()()()()()()()()()けど。それが生存戦って事よ。という訳で各自配置に着いた事を確認。マキシム学院長による宣言後、試合開始よ』

 

イヴ先生の魔術による、アナウンスが聞こえる。

 

『それではこれより生存戦を開始する。始め!』

 

「行くぜ!『雷」

 

「『遅い』」

 

改変した【ショック・ボルト】を1発。

それだけで、ノックダウンさせる。

 

「…まず1人。次」

 

あっさりと1人仕留めた俺は、そのままフラフラと散歩を始めた。

 

 

 

「…早速1人、模範クラスが落ちたわよ。偶然にも、アルタイルと同じ場所に飛んだらしいわ。…哀れね」

 

「…なんて不幸な奴」

 

思わずグレンが顔を覆い、同情する。

イヴすら同情してしまった。

よりもよってアルタイルと被るとか、不幸以外の何物でもない。

 

「な、何故そんな事が!?」

 

「だから言ったじゃない。()()()()()()()()()()()って。…そんな事より盤面が動き出したわよ。…あ、アルタイルの被害者2人目よ。しかも…ルミアに粉かけてるわ」

 

「…ソイツ殺されねぇよな?大丈夫だよな?」

 

3人の目に映っていたのは、2組生が、模範クラスの生徒を圧倒している光景だった。

 

 

 

「俺が強くてかっこいいところ、今から見せてあげるからさ!」

 

ん、声が聞こえたな…こっちか。

そこにはルミアと、確か…ディーン?とかいう奴がいた。

 

「えーと…お付き合いはお断りしますね?」

 

「いいからいいから。女は黙って強い奴に従ってればいいんだって。という訳で…」

 

「『雷精よ』」

 

「ッ!?」

 

お、今の躱したか。

やるなぁ〜。

 

「アイル君!?」

 

「おっすルミア。無事?」

 

俺は一切気にも止めずに、ルミアに話しかける。

 

「おいテメェ!雑魚が邪魔してんじゃねぇよ!」

 

はぁ…うるさいな。

 

「…アイル君、見てて。私が戦うから」

 

そう言ってルミアが、1歩前に出る。

いつも穏やかなその顔は、凛と引き締められていた。

 

「私もちゃんと戦えるんだよ!」

 

「…じゃあ、任せた」

 

そう言って俺は壁にもたれて、成り行きを見守る事にした。

 

「ハッ!何だよ!女に守られてダサくねぇのか!?」

 

「…残念だけど、私が守ったのは貴方だよ?だって…アイル君が相手しちゃったら、ただの弱い者イジメだよ?」

 

ルミア…それってわざと?

 

「アハハ!言ってくれるね、可愛い子ちゃん!まあ、目の前でやるのも一興かな?じゃあ、早速…『雷精よ』!」

 

「『霧散せよ』!『雷精よ・紫電の衝撃以て・撃ち倒せ』!」

 

「遅いよ!『霧散…』」

 

あ、今のは【ショック・ボルト】じゃなくて、【スリープ・サウンド】か。

俺と一緒の事やってるじゃん。

 

「ごめんね。でも…私達も負けられないから」

 

「…お疲れさん、ルミア」

 

「ありがとう、アイル君。行こっか」

 

そうして、俺とルミアは行動を開始した。

 

 

「…無事ね。危うく殺人事件が、発生するところだったわ」

 

「本当に…寿命が縮むぞ…」

 

グレン達の心配をアルタイルは知らなかった。

その後も2組の快進撃が続く。

システィーナが、3対1なのに圧倒する。

ギイブルが、先日の借りを返している。

テレサとウィンディが、上手く罠に誘導している。

そんな2組が模範クラスを圧倒する光景を見てしまった、マキシムが叫ぶ。

 

「ど、どういう事なのだ!?これはー!?」

 

「あれま…これは想像以上に成長してるわ…コイツら…」

 

「イヴ君!君は一体、何をした!?」

 

「別に?変わった事はしてないわよ?貴方が普段やってる事を、高水準でやらせただけ」

 

イヴの淡々とした言葉に、愕然とするマキシム。

 

「バカな…!?それだけでこれほど…!?」

 

「元々それだけの実力があったって話よ。まだ上手く使いこなせてなかった…それだけ」

 

「嘘だ…!?こんな間違った方針の教育を受けてした者たちに…!?」

 

そんなマキシムにイヴが、冷たく言い放つ。

 

「簡単な話よ。土台作りを無駄と切り捨てた者。効率度外視で、土台作りを続けた者。最終的にどっちが上になるか?考えなくても分かるわ。…いい加減認めたら?自分の教育方針は間違ってたって」

 

そう言いながら、イヴは画面を見続ける。

 

「やっぱり1番強ぇのはアイツか…」

 

「ええ…アルタイル。撃破数もナンバーワンね」

 

趨勢は火を見るより明らかだった。

 

 

 

「…!いた!ルミア、こっちだ!」

 

俺達は索敵の反応があった方へ走った。

そこには、必死に恐怖を抑えながら、戦うリンの姿があった。

リンは守りは教わったが、攻撃は教わってない。

しかし、運が悪い事に噛んでしまい、次の防御が間に合わなかった。

しかし、その直前に…

 

「『光の障壁よ』!」

 

ルミアの【フォース・シールド】が、間に合った。

 

「あっぶね〜。よう、よく頑張ったなリン」

 

「リン、大丈夫!?私達に任せて!」

 

「アイル君…!ルミア…!」

 

俺達はリンの前に立ち、庇うように戦う。

 

「『虚空に叫べ…」

 

「やらせるかよ!『雷精の紫電よ』!」

 

「『白き冬の嵐よ』!」

 

模範クラスの奴らは、詠唱を始めたルミアを狙うも、その程度じゃ、一切動じない。

 

「アイツ…!?正気か!?」

 

「何で止めないの!?」

 

まさに当たる直前

 

「『光の壁よ』」

 

俺は【フォース・シールド】で守る。

 

「「な!?」」

 

「残響為すは・風霊の咆哮』!」

 

「「うわぁぁぁ!?」」

 

慌てて【スタン・ボール】を躱す、その無防備な姿を

 

「『雷精よ』『雷精よ(もう一回)』」

 

改変した【ショック・ボルト】で撃ち抜く。

そのまま気絶するのを確認して、俺達はリンに休みつつ隠れるように指示をし、次の戦場を急いだ。

 

 

 

「メイベルゥゥゥ!!どこに行ったぁぁぁ!?」

 

「メイベル…あの女子生徒か」

 

「ええ、彼女とやり合えるのは、アルタイルかシスティーナよ」

 

「ああ、だろうな…ん?何だ…あれは…!?」




ここの話を書いていて思ったこと。
…イヴ、エロ!!!です。
ええ、イヴさん、エロすぎますとも。
そりゃいくらアルタイルでも、照れますわ。
それでは失礼します。
ありがとうございました。
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