あと本の世界に入るイメージは、Fate/EXTLACCCのあの場面を想像してください。
それではよろしくお願いします。
準決勝を逆転勝利に終え、控え室に帰ってきた俺達を待っていたのは
「「「「「決勝進出おめでとう!!!」」」」」
観戦組からのお出迎えだった。
その中には、イヴ先生やリィエルやエルザ…ん?
リィエルにエルザ?
「あれ?リィエルとエルザ、いつの間に?ていうか、エルザお前!その服って!」
「女王陛下から俺達への護衛だ。それとエルザは、特務分室の執行官だ」
「改めて、執行官NO.10【運命の輪】エルザ=ヴィーリフです!よろしくね、アイル君!」
「お、おう…よろしく」
マジかよ…!?
諸事情で来れなかったとは聞いていたが、まさか特務分室に!?
いや、まあ…リィエルと同等の剣技だし納得だけど…。
「ちょっと!アルタイル君!」
「ん?何だよ?エレン」
振り返ると、エレンが怒ったように…というか怒ってるな、これ。
「何でシスティ殴ったのよ!この人でなし!!」
「いや、そっちがキツイのくれって」
「だからって殴る普通!?システィになんかあったら…マジでこう、だからね?」
チョキを閉じたり開いたりするその仕草に、股下がヒュってする。
「何をだよ!?何をどうする気だよそれ!?」
「…」
「笑ってねぇで答えろ!このガチレズ2号!」
「何ですってぇ!?」
俺とエレンがいがみ合っているとふと、よく見ると、サクヤと細目君がいた。
「お。サクヤに細目君じゃん?元気?」
俺はキャンキャン吠えるエレンを無視して、サクヤ達に歩み寄る。
「はい、普通にしてる分には、特には」
「細目君って…自分にはシグレって名前があるんやけど…?」
あ、シグレって言うんだ。
初めて知った。
「で?なんの用?【呪言】の件?」
「なっ!?なんでそれを!?」
「知ってたし、ていうか気付いてたし」
一応、陰陽術齧ってるし、それにベガに言霊を教えるのに、一通り勉強したからな。
「…ほんま、アンタらには敵いませんわ」
そんな話をしていると、システィとサクヤが何やら話している。
「…ふふ、頑張って下さいね、システィーナさん」
「ふぇ!?なんの事!?///」
おや?いつも間にか楽しげだな。
というか、システィよ。
いい加減自覚出来たろう?
「そうだ!皆さん!実はいい物があるんです!」
突然マリアが、手を叩いて取り出したのは、マイ写生機だ。
アイツ、何であんなデカいものを…?
「いやー、このミラノにある聖堂の御姿を、写真に収めようかと…」
「やっぱ観光目的じゃねぇか!一体何しに来たんだお前は!?」
あ、マリナがグレン先生にお仕置きされてる。
結局、そのまま勢いに乗せられた俺達とサクヤ達、更にはお祝いに来たサハラのアディル達をも巻き込んで、大撮影会が行われた。
まだ、一戦あるのだが、それはともかく。
その時撮られた写真は俺らにとって、かけがえのない、一生の宝物になった。
「いい湯だった…」
その日の夜、俺は温泉から出て、自室に戻って来たのだが、隣が騒がしい。
その部屋はグレン先生の部屋であり、覗いてみると、イヴ先生とフォーゼル先生が何かしていた。
その先には…眠っているグレン先生。
「グレン先生!?何があったの!?」
俺は慌てて部屋に入り、駆け寄る。
「アルタイル!いい所に!貴方は直ぐに、この方陣を組んで!私はあの子達呼んでくる!」
そう言ってメモを投げ渡してくる。
それをざっと流し見て、直ぐに作業を始める。
「待たせたわね、アルタイル!用意は!?」
「出来てる!何するの!?」
「貴方達には今からこの本、【アリシア三世の手記】の中に入っもらうわ。ここでグレンを助け出して来て。本当は私が行きたいけど…私達は、ここで貴方達をピックアップする作業をしなくちゃいけないから」
なるほど、確かにそんな複雑な術式、俺達には無理だな。
「OK。任せて」
「はい!任せてください!」
「先生は私達が絶対に!」
「ん、私はグレンの剣」
「…フッ。頼もしい限りね。さ、準備しなさい!」
俺達には力強い返事を聞いて、イヴ先生が笑ってから、直ぐに術式を展開する。
「さあ!行ってきなさい!」
そのまま光に包まれて、気付いたら周りは暗くなっていた。
「皆!いるか!?」
「アイル君!いるよ!」
「私もいるわ!」
「ん、無事」
よし、皆いるな。
それはともかく、先生は何処にいるんだ?
徐々に降下してる感じはするが…。
「暗すぎて何が何だか…」
「アイル君、【アリアドネ】で追えないの?」
ルミアの質問に俺は首を横に振る。
「無理だ。ここでのグレン先生は、精神体か霊体だ。実体無きものに物が持てるはずは無い」
「しばらくは成り行きに任せるしかないって事ね…」
俺達はそのまま自然落下に任せて降りてゆき、やがて一番下に辿り着く。
「…?ここで終わり?」
「行き止まりだよ?」
俺達はしばらく周辺を調査していると、不意にグレン先生の声が聞こえた。
「シッ!先生の声が聞こえた!」
「え!?何処!?」
「…下からだ!」
それは俺達の足元から聞こえてきていた。
「アイル!ここ壊すわよ!」
「だな!リィエル!一気にやるぞ!」
「ん、任せて」
「皆、私の力、受け取って!」
ルミアの力で、魔力を一気にはね上げた俺達は、それぞれ構えて、
「「いっせーのーで!」」
「『我が手に星の天秤を』!!」
「『我に従え・風の民よ・我は風統べる姫なり』!!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
俺達の全力の一撃が、床を叩き壊して、真下にいた、影みたいな怪物を押し潰した。
「先生ぇぇぇぇぇぇ!!!」
システィが真っ先に駆けつけ、先生の隣に立つ。
続いて俺がルミアを抱えて降り立つ。
ん?あの奥にいる奴…何者だ?
「へっ。そろそろ来ると思ったぜ!お前ら!」
まあ、正体は後で先生に聞けばいいか。
「信頼どうも。とりあえず、ぶっ飛ばすよ!」
先生が、詠唱してる間に俺達は、守るように、黒い怪物を蹴散らす。
「なるほど…【黄昏の剣士】に【イターカの神官】、【愛しの我が天使】に【継人】か。それに君は…。おめでとう、グレン=レーダス。君は新たな可能性を切り開く、正位置の愚者だったようだ。しかし…目覚めるのが、遅すぎた」
しかし、そんな訳分からない言葉を、先生は無視してついに、呪文を完成させる。
「吹き飛べぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
先生の放つ【イクスティンクション・レイ】の閃光が、全てを白く染めあげて…
「はっ!?」
気付いたら、元の部屋に戻っていた。
周りを見ると、皆同じタイミングで目を覚ましたらしく、それから少し遅れて、グレン先生も目を覚ます。
「良かった…」
「先生…」
「ヒヤヒヤしましたよ、全く…」
「ん」
俺達はそれぞれホッとしていると、後ろからフォーゼル先生が、グイッと近づいて
「それで!?一体何を見た!?何を知った!?さあ早く!」
「『ちょっとは・自重・しろ』!!」
あ、イヴ先生が、ブチ切れて燃やしてる。
まあ、いいか。
「で?何見たんですか?もちろん、俺達にも教えてくれるんでしょ?」
そう言って俺達は、じっと先生を見つめる。
そんな俺達を見て、微笑んだグレン先生は、首を鳴らしながら答えた。
「そうだな。この魔術祭典が終わったら、お前達には話すさ。そん時は、頼りにするぜ?」
そう言われた俺達は、ニッコリ笑うのだった。
翌日、ついに迎えた決勝戦。
相手はあのレザリアだ。
まあ、だからどうという訳では無い。
「ふん…来たな、異端者共」
会場に向かう廊下のT地路、そこで偶然にも、レザリアの連中と鉢合わせた。
「よく勝ち上がってきたね。褒めてあげるよ。そして、この巡り合わせを…そして主の思し召しを感謝しているよ。何せ…公衆の面前で堂々と、君達裏切り者に、聖伐出来るのだからね」
まーた訳分からんことを…ていうか、マジ興味ないし。
「そう、じゃあ、精々頑張ってよ。…出来るものなら」
「そうね、正直貴方がどう思っていようが、どうでもいいわ。私はただ、貴方の魔術がどういうものか、私がどう対応するか、それが凄く楽しみなだけ。そして私達は…貴方達に勝つ。ただそれだけ」
俺達は不敵に笑いながら、話かけてきた少年を流し見る。
しかし俺達の態度が、酷く気に入らなかったのだろう。
顔を真っ赤にして、怒り出す。
「どうでもいいだと…!君達は、僕達の信仰を無意味だと…無価値だと!そう言うのだな!!」
「そうじゃないわ。ただ魔術の腕を競う場に、思想や宗教は関係ないわ。それだけ」
「テメェが何をどう信仰するかは、知らねぇよ。勝手にやってろ。ただ、それだけ」
そう言って俺達はすれ違う。
その時、ふと気づいたので、それを指摘した。
「ところでお前…
ついに始まった決勝戦。
今回のステージは、変化なし。
ただの競技場だ。
ルールもシンプル、真正面からのガチンコバトル。
ノックアウトで戦闘不能。
そんな掛け値なしの、本気のバトルに、柄にも無く熱くなってきたまさにその時。
突然、レザリアの選手達が、軒並み苦しみ出して、血をまき散らし、死んだ。
そんな光景に、俺達も、観客も唖然としながら見ていた。
「今…のは…まさか…まさか!!!?」
「【
唯一、この光景に見覚えのあった俺とシスティだけが、ステージの上で、体を震わせながらも口を開けた。
「あ、アルタイル先輩…!?これ!?これって一体…!?」
俺にすがりつくマリアの背中をさすってやりながら、皆に怒鳴りつける。
「最大警戒!!!何か起こるぞ!!!ボサっとするな!!!」
その声で全員がハッとなり動き出した瞬間。
ヒラリと何かが舞った。
それは白い羽根…そして、見覚えのある羽だった。
「なんのつもりだ…ルナ!!チェイス!!」
そう、上からやってきたのはルナ=フレアーと、チェイス=フォスターだ。
コイツらは、あの時俺達に関わらないって…!
「チッ!!クソッタレが…!!」
俺は糸を展開して迎撃しようとした瞬間
「させないよ」
気づけばすぐ目の前に現れたチェイスに腕を捕まれ、そのまま膝を打ち込まれた。
「ゴフッ…!こんのぉぉぉ!!」
ふらつきながらも、カウンターにハイキックを叩き込む。
予想外のカウンターにふらつかせるくらいは、出来たらしい。
「…頑丈だね、君は。ああ、身体中にその糸を巻き付けてるのか。でも…」
「ッ!?」
俺は咄嗟に後ろに裏拳を叩き込むも、あっさりと防がれ、そして首を掴まれ、そのまま地面に叩きつけられる。
「ガハッ…!ルナ…!」
「あの金髪の子がいないと、強化されないんでしょ?だったら勝ち目は無いわ。全く…『大会が中止になれば、大会中に手を出した事にはならないだろ?』…アイツの理屈は全く分からないわ」
俺を押さえつけたまま、ルナはため息をつく。
その隙に、チェイスがマリアを捕まえてしまう。
「さてと…来てもらうよマリア=ルーテル。いや…【無垢なる闇の巫女】、
「…え?カー…ディス…?」
システィが一歩踏み込んで、マリアを助けようとするも、それはあっさりと躱される。
「ルナァァァァァァァァァァ!!!」
グレン先生達がこっちに走りよるが、それはあまりに遠く、
「や、やだぁ!!先生ぇ!!アルタイル先輩ぃ!!助けてください!!!」
「ま、マリア…!!!」
「マリアァァァァァァァァァァ!!!」
先生がその手を伸ばすも虚しく、マリアがルナとチェイスに攫われたしまったのだった。
マリア…!
まだ本編でも書かれてないので、分かりませんが無事でいて欲しいですね…。
それでは失礼します。
ありがとうございました。