どれくらい?
邪神直視しても問題ないレベル。
それと戦闘描写はまだ模索中です。
拙いのはご了承ください。
それではよろしくお願いします。
「…ここは?」
「アイル君!?」
「!?…ルミアか」
俺達は同じ場所に出てきたらしい。
煌めく星々の夜空…いや違う。
「あれは…人の心?」
ルミアも気づいたらしい。
つまりここは…
「八次元…【意識の海】。集合的無意識の、第八世界」
これが…【
ここには、全てがある。
全ての智がここには敷き詰まっている。
だけど、俺には…
「ねぇルミア。これいる?」
全く興味がそそられなかった。
端から全知全能なんて、全くの興味が無い。
だってそんなの…つまらないじゃん。
知らないからこそ、学ぶんだ。
届かないからこそ、挑むんだ。
「…アイル君は?」
「いらない」
「じゃあ、私も!さあ、帰ろう?」
…へぇ、面白い奴らだな…イヒヒ!
「「ッ!?」」
慌てて俺達が振り返ると、まるで闇が形になったみたいや奴がいた。
本能で理解する、コイツは…邪神だ。
「…アイル君」
「ああ…他にもいるな」
そう自覚した途端、色んな邪神が目に映る。
【炎王クトガ】、【金色の雷獣】、【風神イターカ】等。
そして目の前にいるのは
「【無垢なる闇】か」
イヒヒ…!姿を見ても尚、理性があるんだ…!
「うるせぇ、お前に用はねぇ。すっこんでろ」
そう言って俺達は背を向けて、走り出す。
全てを置き去って、やがて…
「っは!?」
「ここは…!?」
「おや?もう戻ってきたのかい?」
【タウムの天文神殿】だ。
そうだ、俺達はフェロードの力で…!
「それでは君達に聞くよ?僕と来る気は無いかい?」
そんなの答えは1つだ。
「「断る(わります)」」
「…即答かい?」
当たり前だ。
だって俺達は…魔術師だ。
「お前の目的と正当性は分かった。それでも関係ねぇ。ここでお前を倒す」
「私達の世界は、私達自身の手で守る!貴方の力なんて借りません!」
自分の望みは、自分の力で掴み取る。
「…最近勧誘に失敗してばかりだ。仕方ない。君達には…ここで消えてもらおう」
そう呟いた途端、あらゆるものが遠ざかる。
少し前までなら、何が起こったか分からなかっただろうが、今は直ぐに理解出来た。
「これは…!?距離を無限に伸ばされた!?」
「その通りだよ。これが君達が行き着いた神秘とは、真逆の到達点だよ」
真逆の到達点…つまり、これなら!
「フッ!」
俺が糸を放つと、フェロードは横に飛んで躱す。
「…よく気づいたね。そう、その糸でなら僕を攻撃出来る。その糸は今、あらゆる距離を消し飛ばしているからね」
ッ!?なんだ…!?
急に、体が動かない…!
「アイル君!」
何かが砕ける音と共に、体の自由を取り戻す。
「助かった…!」
そのまま俺は一気に肉薄して、糸を放つ。
それは躱されたので、次の糸を放つと、いつの間にか手にしていた杖で防がれる。
「接近戦は不利だね!」
「逃がすか!」
俺達の得物に、それぞれ銀の光が灯る。
「フッ!」
「ハァァ!」
お互いに放つ一撃は、空間断裂。
その力はお互いにぶつかり合い、対消滅した。
俺は逃げようとするフェロードに追いすがる。
フェロードは、追いかける俺に数々の魔術を放ってくる。
空間が俺を推し潰そうとするが、それはルミアが守ってくれる。
俺が空間を消し飛ばして踏み込めば、いつの間にか遠ざけられている。
そんなギリギリの均衡を保っていたその時
〖カッ!〗
突然、真っ白な少女が乱入して、フェロードが放った魔術を破壊した。
「お前は…スノリアの!?」
その正体は、スノリアでアルフォネア教授が保護した、女の子だった。
〖ルミア!合わせなさい!〗
振り返ると、ナムルスがルミアと合わせて何かしている。
よく見ると、いつの間にかグレン先生とシスティも起き上がっており、結界の力を弱めていた。
〖ここは私達で抑えるわ!〗
「先生達は先に行ってください!」
なるほど…そういう事なら…!
「よし!合わせろ!」
「そっちこそ!」
「「はァァァァァァァァァ!!!」」
俺と少女の2人がかりで、フェロードを足止めして、何とか先生達を天象装置まで連れていった。
俺は何となく先生達の方を振り返った。
ルミアも振り返っており
「「後は頼みます」」
俺達は、先生達を送り出した。
「ルミアァァァ!!アイルゥゥゥ!!」
「ちくしょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
先生達が無事に飛んだ事を確認して、フェロードに向き直る。
「さてと…4VS2だぜ?どうする?」
精一杯強がった。
俺達がまだ1番弱い。
まだ完全に制御出来てないこの力では、いいとこアイツらの半分程度の力しか出せない。
だから実質、ほぼ僅差だ。
「…まあ、こっちとしても【レ=ファリア】の魂を定着させないといけないから、ここは退こう。それでは、またすぐに会おう」
そう言って、一瞬でいなくなるフェロード。
確実にいない事を確認してから、大きく息を吐いた。
「はぁ…何とかなった…」
「アイル君!怪我は無い!?」
「おう、何とかな」
〖しかし…驚いたわ。まさかあの辛気臭いなエステレラ家が、こんな切り札持っていたなんて〗
ナムルスが俺達に話しかけてくる。
おい、辛気臭いとは失礼な。
田舎者なだけだろ。
〖それにその【アリアドネ】。これまでの間に、随分と改造を施されてきたのね。まさかあの領域にまで達するなんて…〗
何を言っているかは分からないが、これでやっと先に進める。
「よし!ルミア!先を急ごう!」
「うん!」
俺とルミアが天象装置に向かおうとすると
「ダメ」
俺の服の裾を、少女が思いっきり引っ張った。
「おわぁ!?」
つんのめった俺は、後ろにぶっ倒れる。
頭いってぇ…!
「あ、アイル君!?」
「おい…!何しやがる…!?」
「貴方達は行ってはダメ」
「はぁ!?どういう意味だよ!?」
イラッしながら聞き返すと、ナムルスが機械を叩きながら、説明してくれる。
〖このポンコツ、あと1回しか使えないのよ。そうなれば、グレン達が戻って来れなくなるわ。直そうにも、資材も時間も技術も無い〗
…む、それはマズイ。
帰って来れなくなるのは、さすがにダメだ。
〖今フィジテに戻れば、最終決戦には間に合うわよ。どうするの?〗
戻るか…待つか…か。
どうする…どっちの方がルミアが安全だ?
「戻ろう、アイル君」
ルミアが毅然と言い切った。
その目は、強い光が灯っていた。
「今の私達なら、何か力になれるはず。だから、先生達が戻る場所を、守りに行こう!」
…叶わねぇな、ルミアには。
こう言われては、引く訳には行かない。
「よし!戻るか!」
〖そう。なら早くしなさい。今の貴方は、空間操作に関しては、世界で2番目の実力者よ。フィジテとここを繋ぐなんて、造作も無いはずよ〗
「私達はここでグレン達を待つ。早く戻れ」
このガキ…!
とはいえ、相手は竜の化身と思しき奴。
ゆっくりと息を吐き、転移する準備をする。
〖ルミア〗
「ナムルスさん?」
2人の話し声が聞こえる。
〖貴女が抱いたその思い。決して無くしてはいけないわよ。大切にしなさい。
「…はい!」
「よし!準備出来たぞ!」
俺達は直ぐに方陣の上に立ち、魔力を流す。
「こっちは任せて」
〖だから、そっちは任せたわ〗
「「了解!」」
こうして俺達は、フィジテに凱旋した。
「…アリア」
(『復讐に駆られる気持ちは分からんでもない。ただ愚かだ』)
何とブーメランな事か。
俺自身もまた、その復讐に駆られた鬼であるくせに、他人の事を…ん?
「何だ?」
ふと上から声がする。
ここは外だ。
つまり上には空しかなく、その空から声が…?
「あれは…」
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!?」」
落ちてしたのは、1組の男女。
「わ、『我が手に星の天秤を』ぉぉぉぉ!?」
あのパニック状態から、何とか魔術を唱えて、事なきを得たらしい。
「あ、アイル君!?なんで空なの!?学院内に飛んだんじゃ無かったの!?」
「俺もそのつもりだったよ!?でも思いっきり座標間違えたんだよ!初めでだし!糸を使った【次元跳躍】とは別モンなんだよ!」
そんな不思議なやり取りをしている2人は、顔見知りであり、元同僚の教え子だった。
「エステレラ、ルミア=ティンジェル。何をしている?」
「「アルベルトさん!」」
「え?アルベルトさんが何でここに?」
「それはこちらの台詞だが」
まあ、そうだろうな。
【タウムの天文神殿】にいるはずの2人が、いきなり空から落ちてきたのだから。
「…グレン 達はどうした?」
当然の事を聞かれ、俺達は顔を俯かせる。
「それが…別行動というか、助けに行きたくても行けないっていうか…」
「色々、イヴさんに報告しなくちゃいけない事が…」
「…なら先を急げ。表通りは使うな。一部地域の市民別への避難勧告が出されている。それ以外の地域の市民達が、暴動1歩手前の状態だ」
一部地域の市民への避難勧告?
なんでそんな半端な事を?
「分かりました。ありがとうございます。ルミア、行こう!」
「うん!」
そうして俺達は、学院を目指して裏路地を走り抜ける。
所々で覗き込むと、たしかに警邏隊と市民がピリピリと睨み合っており、俺達は何とか誰にも見つからずに、学院にたどり着いた。
「疲れた…」
「変な緊張感だったね…」
俺達はぐったりとしながら、真っ暗な廊下を歩き、大会議室にある帝国軍総司令部に向かう。
早足で向かい、ノックをする。
「どうぞ」
「「失礼します」」
「ッ!?貴方達!」
イヴ先生が俺達を見て、すごく驚く。
とりあえず言う言葉は
「…ただいま、姉さん」
「…おかえりなさい、アルタイル、ルミア」
イヴ先生が俺達をまとめて抱きしめる。
俺達もそれを受けいれ、抱きしめ返す。
「…グレン達は?」
「その事で報告があります。出来たら女王陛下…お母さんにも」
ルミアが覚悟を決めた目で、イヴ先生を見る。
「…まだ起きてると思うわ。少し待って」
イヴ先生が陛下に、直通の連絡を入れ、話を通す。
それなら数分後、陛下がやってくる。
「…!エルミアナ!」
「お母さん!」
2人が抱きしめ合うのを確認して、俺達は話を切り出した。
「イヴ先生、陛下。重要な話があります。ですが…陛下にとっては大変気分が悪い話になりますが、ご容赦下さい」
そう前置きして、俺は2人に説明する。
あまりにも冒涜的内容に、話している俺自身が気持ち悪くなるが、陛下に比べたらマシだろう。
「…これが全てです」
「…報告…ご苦労様です…」
陛下が、顔を真っ青にして呟く。
ルミアも2度目とはいえ、顔色が悪い。
「陛下…大丈夫ですか?」
「ええ…大丈夫ですよ?それよりも、次は私達の状況を報告を。イヴ」
「はっ。いい、2人共。よく聞いて」
そうして話された内容に、俺達は目を見開いた。
そして思ったのが…
「またなんとも大胆な…」
でも不思議と、成功する気しかしない。
色々と不確定要素が多い中、俺達も戦線に参加する事になった。
俺達の役目は、最前線での戦闘だ。
さあ、既に賽は投げられた。
後は、勝つだけだ。
という訳で、20巻後半のフィジテ最終防衛戦に参戦させます。
イヴのカッコいいところ、いっぱい見ます!
それでは失礼します。
ありがとうございました。