最高です!
次がもう楽しみで待ち遠しいです!
あのラストは衝撃だったなぁ…。
それではよろしくお願いします。
「これで…10人目!」
「グワァァァァァ!?」
アルタイルとルミアは、フィジテ中を駆け回り次々と外道魔術師達を撃破していく。
「アイル君!怪我は!?」
「大丈夫だ。それよりアイツ…フェロードの奴は、まだ仕掛け来ないのか…」
「みたいだね…来ないにこした事は無いけど…」
【
しかしそれでも戦争は止まらない。
外から押し寄せる、10万の死者の軍勢【
転移して街に侵入してきた、【天の知恵研究会】の外道魔術師達。
そしてそれを迎撃する、帝国軍と有志の学徒兵。
それらの戦いは全て、3つの要点で守られている。
リィエル=レイフォードVSエリエーテ=ヘイブン。
アルベルト=フレイザーVSパウエル=フューネ。
イヴ=ディストーレVSエレノア=シャーロット。
イヴの采配により、一方的な蹂躙から、ギリギリの均衡状態に持ち込むことには成功した。
しかし少しずつ、確実に、流れは傾き出していたのだった。
「な、なんで…急に…剣先の…わたしの光が…弱くなった…?」
「何をそんなに不思議がるんだい?言ったじゃないか。『要らない』って」
リィエルの頼みの綱だった剣戟の極地、【
(早く…早くエレノアを、斃さないといけないのに…!何か…何か突破口を…!?)
「ふふふ…流石、お強いですわイヴ様。ですが…その【第七園】は見るからに大魔術。後どれだけ持つのでしょうか?」
何時までも紐解けないエレノアの秘密に、イヴの心が絶望に染まりだし。
「ハァ…!ハァ…!なんだ…今のは…!?」
「おや?私を『覗いて』、まだ正気を保ちますか。そう、私は闇。千の貌を持ち、深淵の底に棲みつく者。その1つ。【無垢なる闇】…そのものなのですから」
アルベルトは己の切り札である、
アルタイル達の活躍も虚しく。
戦いの趨勢は、【天の知恵研究会】に傾き出していたのだった。
「『雷帝の閃槍よ·踊れ』!」
「【私の鍵】!堕ちて!」
俺の【ライトニング·ピアス】の
どれだけ戦ったのか、何人殺したのか、後どれだけ続くのか。
「「ハァ…ハァ…ハァ…」」
俺もルミアも精神的疲労と肉体的疲労が、積み重なっていく。
先が見えない防衛戦。
1番キツイのは、敵の強さより、自分自身の気持ちとの戦いだ。
「…アイル君…どうしよう?」
ルミアもキリがない戦いに、疲れが見えだしている。
俺は通信用のお守りを取り出す。
⦅イヴ先生。聞こえる?⦆
しかし返事はなく、ただ爆発音とイヴ先生の気迫に満ちた声が聞こえるだけだ。
イヴ先生は手が離せないか…。
だったら。
「俺達は少し休もう。その間に【マリオネット】を使って、情報収集だ。行け」
俺は複数の【マリオネット】を放ち、すぐにフィジテ中の監視をやらせる。
その間に休もうとしたのだが、すぐに一体から反応が来る。
「早いな…これは!?」
視覚を共有した俺が見たのは、血塗れになり倒れ伏すリィエルだった。
「…」
エリエーテは、血塗れになり倒れ伏すリィエルを、冷たい目で見下ろす。
「う…うぅ…あ、あぁ…」
初戦では、四肢を切り落とされ、肉だるまにされたリィエルだった。
それ故に、リィエルは無数のイメージトレーニングを行い、対エリエーテに特化した剣技を身につけて再戦に臨んだ。
しかしそれをもってしても、【
四肢を切り落とされる事はなくても、身体中を切り刻まれ、大量出血に喘いでいた。
「どうして…どうしてそんなに弱いんだ!リィエル!君は、【剣天】に至った剣士だ!本当の君はもっと強い!強くないといけないんだ!」
苛立ち任せに地団駄するエリエーテは、まさに怒り狂っていた。
天に咆哮する姿は、まさに怒りの慟哭だった。
「…君は本当に
そう言いながらエリエーテは、ある方向を向く。
「僕の剣戟が向こうに行った時、君は躍起になって叩き落としてたよね?…つまり、
ゾワリッ。
リィエルはほとんど見えていない目で、エリエーテの壊れた奈落のような笑みを感じる。
「君の弱さは、やはり【剣】として
「…ッ!」
そう言われたリィエルは、死に体になっている体を強引に動かして、エリエーテの足首を掴む。
「ゆる…さな…い。そ、それ…だけは…絶対…に…」
そんな様子を、変わらず壊れた笑みで見るエリエーテは、迷いなく蹴り飛ばす。
ガッ!
「かっは…!?」
「だからそれが
血反吐吐くリィエルを、エリエーテは襟首を掴み上げ、そのまま担ぎ上げる。
「う…くぅ…」
「手足は切らないであげるね。だってまだ戦いたいし。それじゃあ行こっか!完成した君がどうなるのか、今から楽しみだ!」
まるで、ピクニックにでも行くかのような軽やかさで、駆け出しそのまま跳躍する。
そして…
「よっと」
シュタッ!
軽やかにフィジテ城壁に着地する。
そこは学徒兵を中心とする区画であり、カッシュやウィンディ達など、2年時2組生が多く配属されている場所だった。
「…つ、【剣の姫】…エリエーテ…」
「り、リィエル…!?」
突如現れた、敵主力の1人とボロ雑巾に成り果てた友達。
それらを見て誰もが呆然とする中、1番に怒りに満ちた声を放ったのは、カッシュだった。
「テメェ…リィエルちゃんに…なにしやがったぁぁぁぁぁ!!!」
その声を皮切りに、全員の怒りもピークに達し、全員がエリエーテに対して詠唱を始めようとした。
しかし…
「あ、
たった一言。
そのたった一言が、空気の抜けていくボールの様に、彼らの怒りも萎んでしまう。
その圧倒的威圧感の前では、彼らなど塵芥も同然、文字通り十把一絡げなのだ。
「ああ、その反応で分かったよ。君達がリィエルの
「何を…言って…?」
辛うじて震える声を放ったカッシュの言葉は、ここにいる者達の、気持ちの代弁だった。
誰もがエリエーテの言葉の真意を、理解出来ないでいた。
「ああ、理解しなくていいよ。それと唐突で悪いんだけど…リィエルの為に、死んで?」
そう言って、エリエーテは鯉口を切る。
死。
そのたった一言が、全員の脳裏に強烈に刻まれる。
誰もが動けない中、放たれる【
彼女の剣戟と共に放たれる、黄金色の黄昏が全てを飲み込む。
…その直前、相対するように、白銀の月光がそれを阻む。
ギィィィィィン!
「…え?」
その有り得ざる光景に、1番に驚いたのは、エリエーテ本人だった。
「バカな…!?僕の【
そもそも【
無限にある人の可能性を、剣として斬る事に特化·昇華させたもの…それが【
可能性さえあれば、それを切り開く。
故に、斬れないものは無い。
そんなあらゆるものを切り裂く光が、対消滅した。
同等のもの以外に、対応する術はない。
エリエーテがその正体に行き着く前に。
コツン。
革靴が床を叩く音が響く。
エリエーテは、慌てて振り向くも。
カチャン。
それより早く、鍵を閉めるような音が響き、何かが消える。
…否、そこに転がっていた筈の、リィエルすら消えている。
「…ッ!?ハァァァァァ!」
振り返っていたエリエーテの背筋に走る、冷たい予感。
彼女は背後に、【
斬る為では無く、己を守る為に。
再び衝突し、対消滅する黄昏と月光。
その向こうにいたのは
「…ここまで良く頑張ったね、リィエル」
「後は、俺達に任せろ」
金髪を緑のリボンで結んだ少女と、黒髪に銀色の刺繍が施された、真紅の手袋をつけた少年。
「「「「「「「「「「「アイル!!!ルミア!!!」」」」」」」」」」」
アルタイル=エステレラと、ルミア=ティンジェルだった。
慌てて駆けつけた俺達が見たのは、砦の上でボロ雑巾と化していた、リィエルだった。
そしてそうした本人であるエリエーテが、皆に剣を抜こうとしていた。
「させるかよ…!」
俺は空間断裂でその一撃を相殺して、同時にリィエルを救出する。
「皆、ここを離れろ。ルミア、リィエルを頼む」
「…分かった。無理はしないでね」
「な!?ま、待てよ!俺達も…」
「足手まといだ引っ込んでろ。後…ここはもう持たない」
俺の言葉に答えるように。
「うわぁぁぁぁぁ!?突破されたぁぁぁ!!」
「し、死者達が雪崩込んで来るぞー!!」
ついに、防衛線が突破されてしまう。
それは1ヶ所だけでは無く、あっちこっちで、戦線が崩壊しだした。
「早く行け!食い殺されるか、切り殺されるかだぞ!」
「…全員撤退!急いでください!」
リゼ先輩の言葉で、やっと動き出す皆。
そんな皆を、エリエーテはぼんやりと見ながら
「逃がさないよ」
剣を振りかぶる。
俺はそれに合わせて
「やらせねぇよ」
糸を振るい、空間ごとエリエーテを切り裂こうとする。
しかしその糸は
「ッ!?ハァァ!」
エリエーテの一撃とぶつかり、相殺される。
何かは見えないが、何かが俺の光と衝突してるのは分かる。
「…そういう事か。流石の僕も納得いったよ」
エリエーテの冷たい視線が、俺を射抜く。
「僕の【
「…」
「僕の光が君の光を切り開こうとして、君の光が僕の光を切り裂こうとする。同じ性質を持つもの同士がぶつかった結果、お互いを切ろうとして、対消滅してしまった。…そんな所かな?」
「…ま、概ねな。思ったより賢いのな。バカそうなのに」
「ば、バカは余計だろ!?もう!」
お互い軽口を叩きながらも、その隙を見逃さないように、睨み合う。
「まあ、話し合いはもういいでしよ」
「そうだな。ここからは…」
「「殺し合おう」」
エリエーテの
お互い一撃必殺を持っているもの同士、勝負はより早く一撃与えた方が勝つ。
「アハハハハ!」
「オォォォォ!」
怪物同士の戦いは、始まった。
それと僕、やっと多機能フォームなるものを、使えるようになりました。
使い方が分からず困っていましたが、やっと分かりました。
それに伴い、投稿した分を一部編集しました。
それでは失礼します。
ありがとうございました。