クロストリガー   作:スカーレット・ウィング

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21話

 

 

「ふ~。危ない危ない。もう少しでやられるところだ。」

 

口では落ち着いているものの、状態は多くの裂傷を抱えている。相手はいくつか傷をつけた程度で趨勢は明らかだった。

一番見込める狙撃は敵の数が多く対処でいっぱいだ。援軍の要請こそしたもののいつまで持つかはわからない。

 

(装備の差がここまででかいとはなぁ。弧月が簡単に刃こぼれする。向こうも援軍を警戒して深く踏み込んでこない。今のうちになにか活路を見いだせないとな。)

 

「これだけの差があっても折れないのは良いね。私の配下になれよ。専用の装備も作らせてやる。」

「そこまで俺を買ってくれるのはうれしいけどこっちにも譲れないものがあるんでね。」

 

そこからの打ち合いはそう長いものではなかった。装備、練度で劣る太刀川に勝ち目は薄い。だが、少なくともここで押さえている間は他の者に手出しはできない。信じる仲間に頼る。自分の戦闘データ、稼いだ時間が意味があると信じで。

 

だが、現実は非情。いくら再構成が可能といってもノータイムで行えるわけではない。必ず再構築の隙が生まれる。その隙を埋めるために一本で戦うことを強いられた。本来は二刀流で押していくスタイル。まともに打ち合う前に勝敗を決することがおおくともボーダーには太刀川と同等の実力者が何人かいる。

 

おかげでここまで粘ることができている。しかし、武器を入れ替える瞬間は何物にも代えられない隙になっている。それは相手の攻撃が激しくなるにつれて増えていく。敗北の瞬間は確実に近づいている。

 

 

 

 

「見えてきたよ~。君たちの弱点()。」

 

空閑とヒュースの連携に穴はない。ヒュースの散弾で注意を分散させて空閑の鋭い一撃で敵を倒す。時折三雲が警戒の外から攻撃を打ち崩しにかかる。ランク戦で決まっていたはずの攻撃はさばかれている。

装備の差もあるが経験が大きいのだろう。相手は戦争国家。なんども戦争を仕掛けてきた。これまでにも連携で戦いを挑んできたものもいたのだろう。だが反撃が弱弱しい。近寄る空閑にしかできていない。このまま攻め続ければいずれ倒せるだろうと三雲は考えた。

 

(それは駄目だ。)

ヒュースから待ったがかかる。

 

(あいつの動きが妙だ。本来であれば装備の性能的に押してくるのは向こうのはずだ。それにあいつは相手に攻撃させて手札を使わせて来る。この状況はあいつの狙いだ。こちらが踏み込めばカウンターでやられる。スナイパーの援護か離脱覚悟で攻撃するやつが必要だ。おそらくだが狙いを定めている、もしくは定めたはずだ。油断したらやられるぞ。)

(でもこのままだと押し切られるんじゃないの?)

(それよりも攻勢にでて失敗する方が危険だ。だから癪だがやつを待つ。)

(九斬さんのこと?)

(そうだ。やつならあいつの守りを崩せる。ちょうどこっちにきているはずだ。)

 

「作戦会議は終わったのか?相変わらず自分勝手奴だからな。そんなのだから捨てられるんだよ。少しは協調したらどうだ?それともうちに来るか?それならいくらでも好き勝手できるぞ。実力さえあればな。チビもどうだ?あんな雑魚なんて捨てて来ないか?」

「あいにく隊長(リーダー)はもう決まっているから。」

「そうか。ヒュース、お前はどうだ?」

「俺も貴様の誘いには

「親を取り返せるとしてもか?」

「何?」

「アフトクラトルを落とすのは無理だが一人くらい攫ってくるくらいはできる。対立状態だ。対抗勢力の弱体化は願ってもみない機会だ。よほど仲がよくない限り救援なんてしないのはお前が一番よくわかっているだろ?」

 

悪魔の誘いだ。ヒュースのがボーダーにいるのは親を母トリガーの贄にさせないためにアフトクラトルへと帰ることだ。別にボーダーでなければいけないわけではない。極論アフトクラトルへと帰還できるならどの勢力でも構わないのだ。ボーダーにいては選抜試験も含めれば早くても半年はかかるだろう。だがここで裏切ればそれより早くいける可能性がある。しかし嘘の可能性もある。

ヒュースはチラリと空閑の方を見る。空閑には嘘を見抜くサイドエフェクトがある。何の反応もないことからバックはともかく本人にその気があることを示している。だからこそ悩んだ。嘘とはっきり断言できるなら判断は簡単だった。しかし玉駒を信用している。以前ならこの誘いには乗ってっていただろう。それほどまでに存在が大きくなっている。すぐに結論を出せない。ここまで優柔不断だったとはと思いながらもこれほどまでに信用したことはない。ハイレインに裏切られても自棄にならなかったのは玉駒のおかげでもある。自分の意思を尊重してくれている。それに

 

ヒュースが帰りたいなら悲しいけど帰らせてやりたい。

 

陽太郎(先輩)の言葉を思い出した。右も左もわからない自分に教えてくれた年下の先輩。

 

「悪いがその誘いは断らせてもらう。俺はボーダー(俺の部隊)で目的を果たす!」

「ここまで譲歩してやったってのに振ってくるは…ならここでその目的も潰してやるよぉ!」

 

攻勢にでようとしたとき

 

「てめぇが潰れろ。」

 

無数の弾丸が襲った。

 

「後進国の分際でやってくれる。お前は!」

「どーも。通りすがりのガンマンです。死んででください。」

 

避け場がないほどの弾幕が襲う。

 

(さすがにこいつが出てくると戦力が足りない。このままだとやられてしまう。癪だが退くしなないか。)

 

 

「逃したか。逃げ足の速い奴め。」

 

晴れた後には何もいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「なかなか粘ったようだがここで終わりだねぇ。」

 

相手には裂傷をいくつも与えたがどれもダメージにはなっていない。

それに対して片手を失い、足にも大きな傷を作っている。

 

「俺も楽しめた。あとは他の奴に任せて休むとするさ。」

「そうか。ではさらばだ。」

 

太刀川にとどめをさそうとする。

 

「「そうはさせない。」よ。」

 

「遅かったじゃないか。」

 

迅と薫だ。ボーダーでもトップクラスの攻撃手(アタッカー)のコンビが現れた。

 

 

(戦術(スタイル))は太刀川でいいかな?)

(そうだね。その方がおれとしてもやりやすい。)

 

二人は構えて戦闘が始まるかと思ったとき。

 

「カルラ、撤退よ。コード(クソガキ)が逃亡したわ。まぁ師匠(先生)が相手だから仕方ないど。」

「っち。ここから盛り上がってくるところだが撤退だ。だが、まだ終わりじゃねぇ。明日以降相手してやる。首を洗って準備をしておくんだな。」

 

 

ゲートを展開して消えていった。

ゲートが閉じると迅は息をついた。

 

「君なら相手が戦うかどうかわかっていたのはないのかい?」

「いやぁ、正直いって五分でさ、どう転ぶのかわからなかったんだ。ちょっと小手調べていどだったけど戦闘になったら大変だったし。」

「本部の話なら今日のところはひとまず大丈夫だ。敵は撤退をしているらしい。」

 

 

長い一日目が終了した。




三雲が空気じゃないかって?
二宮曰くかじっただけの雑魚なのでこんなもんやろ


心理戦って空閑の影響かないなぁって

話の結合(一話と二話をつなげて一話とする)

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