クロストリガー   作:スカーレット・ウィング

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気づいたら6月月1投稿になってるって嘘だろ


30話

 

 

目にもとまらぬ斬撃が巨兵に無数の傷をつくっていく。それは巨兵の再生よりも早く、傷をなぞるもの新しくできるものとできる。

だが、巨兵はものともせず基地へ向けて歩みを続ける。

 

 

(これだけでかいとこれだけ斬ってもたいしたダメージにはならないか、もっと深くいかないといけないな。問題は間に合うかどうか、基地から砲撃はしているが効果はほぼない。迷う時間はない、さっさとしないと終わる。基地が落ちて戦える奴は何人いるかわからない。攻撃を受ける場面は見せらない。)

 

 

(現状、敵が基地を狙っているため市外へ避難が順調に行えているが敵が市外へ向かった場合住民の避難誘導を行っているC級は逃げ出す者も多く出るだろう。

A級や一部の者であれば戦闘を続行できるがそれでも半数に満たない。特にそうなればC級が行っていることを残りの者でやるしかなく、残った者の多くは戦闘経験が豊富で戦闘力が高い。どの部隊も余裕はないため見捨てなければならない場所が出てくる。

そうなればたとえ勝利しても批判は免れない。下手をすれば解体、もしくは他の組織の傘下、出資の停止となればボーダーとしてはやっていけないだろう。)

 

 

 

ボーダー作戦室

 

「巨兵の状況はどうなっている?」

「砲撃、九斬と思われる者の攻撃が命中していますが効果は薄く進撃は止まりません。」

「巨兵の攻撃で基地はどうなる?」

「一撃で破壊されることは低いが何度も殴られれば壊れる。何回まで耐えられるかは補償できん。」

「職員に避難命令を!」

 

「いや、外にでれば巨兵に踏みつぶされるし何やら外を歩き回っている不審なトリオン兵がいる話もある。下手に動けばやられる可能性が高い。基地内の避難所の方が良い。」

「そえでは避難所に誘導しておきます。」

 

 

トリオン兵と戦闘を行っている戦線は5を超える。戦闘に参加していない者は昨日の戦いで大きく損耗しているため戦闘に参加できない。人型が出現している中、各地で激戦を繰り広げられている。追加の兵力を送るどころか戦線の後退や放棄をしている。屋上からの援護も巨兵の接近によって行えなくなり、孤立しつつある。そうなれば敵が市外へ向かう可能性が高くなり、市民に多大な被害がでる。

 

 

「報告です!加古隊が緋ノ宮隊の奮闘により敵を押し返しました!」

「本当か!何人かを他にまわせるか?」

「はい、消耗は軽微で加古隊と緋ノ宮隊が現地に残り警戒を行うため移動できませんが他の部隊ならできるとのことです。」

「ならば、その者たちを他の戦線に回し打開する。私も出る。」

「しかし、九斬さんからは出るなと言われているのに大丈夫でしょうか?」

「だが、ここで動かなければ市民に被害がでる。九斬君も理解している。後の指揮はお任せします。」

 

そういって忍田は部屋をあとにした。

 

 

 

 

攻撃のペースは変わらず巨兵を斬り続けている。しかしダメージになるような大きなものはない。その間にも巨兵は歩みを進め基地に近づいてゆく。

 

(これだけやっても効果はなし、となればでかい一発が必要だな。さてどこを斬るか…迷う時間はほぼないがあいつがまだでてきていない以上全力ではやれない、さっさと出てきてくれりゃあ楽だがあいつはそれを理解している。だから俺を誘っている。中か外か。いや、あいつならあそこだろうが。)

 

 

「そしてどこを斬るか。胸か腹かはたまた頭か。まぁどこでもいいか。」

 

決着のため力をため始める。

 

 

 

 

 

「女、五年前にここに来たことはあるか?」

 

地に伏す相手に尋問したのは三輪。姉を殺した犯人を捜すために人型に尋問を行っている。

 

「早く先生のところに行かないと。」

 

女は文字通り体を引きずりながら基地の方面へと移動する。

 

いつもなら鉛弾で押さえるところだが相手はすでにトリオン体は破壊されて生身である。ボーダーのトリガーは民間人にあたってもいいように生身にはダメージがない。純粋な力比べならば圧勝だが今は戦闘中だ。こいつをみているのは自分と狙撃手として見張らせている奈良坂の二人だけだ。他の者は別の場所へフォローに回っている。

個人的な目的である姉殺害の犯人を捜すために何度も聞いているが相手の反応は要領を得ず、ひたすら「先生のところへ。」と言い脚のない体を腕を使って懸命に移動している。

攻撃をしても死なないのあれば攻撃をして気絶させたいところだが勝負はついており今更とどめを刺す気にはなれないのである。見かねて奈良坂から自分がしようかと提案もあったが個人的へ行動をしているのもあり、断っている。

 

 

(こいつは敵だぞ、何を迷っているんだ。なんでなんだ。俺は、俺はこのためにボーダーに入ったんじゃないのか?)

 

這いずる敵を前にふと九斬の言葉を思い出した。

 

 

「復讐ってのは儀式だ。お前の場合なら姉の死を乗り越えるためのな。下手人殺して満足するなよ。そこが目的の限り復讐は死ななきゃ果たせねぇよ。復讐して死ぬ気ならともかく、生きる気があるならやめとけ。」

 

 

当時は大好きだった姉を悪く言われたような気がして意味がわからなかったがなんとなくわかったような気がした。

 

 

(復讐で喪失感を埋めていたのか…)

 

「ふっ。」

 

 

「奈良坂、移動するぞ。」

「いいのか?」

「ああ、この状況ならこいつに固執するよりは他の者を助けた方が良い。」

「わかった。なら移動しよう。」

 

 

復讐にとらわれた青年は大きな一歩を踏み出した。

話の結合(一話と二話をつなげて一話とする)

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