凍心少年のヒーローアカデミア   作:霰雹

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プロローグ

世界各地で超常が発見されるようになった現代。

世界総人口の8割が異能を持つこの世界において今や無くてはならない「ヒーロー」という存在は子供達の夢であると共に親にとっての憧れでもあった。

個性は突然変異などの例外を除いて親から子へと受け継がれる。

子供の個性がそのまま親の評価へと繋がる。

「あのトップヒーローを育てた親」

「あの強い個性の元となった親」

「あの強い個性の人と結婚できた人」

そんな、周囲からの評価が欲しい自分勝手な大人達のニーズに応えた組織があった。

親から金を貰い、子供を預かって望み通りに優秀な人材に育てる組織。

それはただのヴィラン団体、しかもオールマイトがデビューした直後のヴィランが一番不利な時期に発足した組織。でも、無力な子供達を「教育」するには十分だった。

 

個性を強くしてヒーローになって欲しければ延々と個性を使わせ続ける。

何か個性以外に特技が欲しければそれも習得させる。

お金は親から貰ったものがあったし、訓練場を作れる個性のヴィランも居たので、設備はかなり整っていた。

 

その組織の評判は裏社会の間で広く伝わっていて、

時にはヒーローが自分の隠し子を預ける程だった。

そして、偶然その噂を聞いた彼の親はこう言った。

「強く賢く、全てにおいて完璧で、親に従順なヒーローにしてくれ。

それが出来ないのなら<処分>してくれて構わない」

と。金は前払いだから、殺してもヴィランに損は無かった。けれど、直ぐに殺したら評判が悪くなる上、「こんな子を作れました」と言う功績も残せないという理由で見込み無しとされるまでは罰や訓練の手加減もする様にきちんと考えられてはいた。

それは、見込み無しとされたら直ぐに殺されるということを意味していた。

こうして彼は死の危険と隣り合わせで暮らすことになった。

反抗すれば殴られ、要求されたことが出来なければ蹴られる。

少しでも休もうとしたら、殺すぞと脅しをかけられる。

実際に殺されかけたこともあったし、隣で同じ年代の子供が冷たくなっていることもあった。

完璧に出来なければ価値がない、食事は最低限のサプリしか与えない。彼の場合は森や海の様な部屋での訓練で色々な食べられそうな物を食べたりもしていたが、それでも痩せ細ってしまう程の厳しい訓練。

幼い頃から逃げられないと言い聞かせることで逃げようとする心さえも削られてしまった。

物心ついた時から施設に閉じ込められていたから太陽の光すら見た事がない。

これはそんな日々の中でも生きてきた心優しい少年とそれを救えなかった幼馴染が最高のヒーローになるための物語だ。

 

 




ここまで読んで下さりありがとうございます。
初のネット投稿です。
ミリオが話してる設定にしようか迷いましたが
ミリオの口調が難しかったので辞めました。
誤字脱字、タグ付け等で何か問題がありましたらご連絡お願いします
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