凍心少年のヒーローアカデミア   作:霰雹

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友達にヒロアカ布教成功しました


留守番インターン(後編)

通形side

自分の部屋に着いて、ドアを擦り抜ける。

環をドアの音で驚かせたくないからね。

もちろん部屋に入った後はすぐに部屋着を着る。

いつもの場所である部屋の隅には居なかった。

一瞬焦ったけど、布団の中に人が入っているのを確認出来たので安心した。

でも、環が自分から布団に入るなんて珍しいな。

寝るときは布団に入るように言ってあったから、寝ようとしているのかな?

羽毛布団を頭から被っているし、寝ているのなら顔は出してあげないとな。

そう考えながら布団を捲ると、環と目が合った。

寝ようとしてるとかそういった目ではない。

明らかに起きている。

なんなら目を見開いている。無表情で。

深夜に見たら一人で歩けなくなるやつだ。

「環」

読んでみても、目を逸らすだけで反応はしてくれない。

…嫌われた?

思い当たる節はいくつか…いや、いくつもある。

逆らえないことを知った上で嫌かどうか確認もせず指示をしていたし、睡眠薬の件もある。

さすがに申し訳ない。

謝ろうと思ったら、環が布団から出てきた。

目の下には濃い隈があり、眠れていない事が分かる。

一応長袖ではあるが、薄手の生地で寒そうなパジャマを着ていた。

服は自分で選ぶように言ったのがいけなかっただろうか。

波動さんにお世話は頼んでおいたけれど…

まぁ栄養不足にはなっていないようだし、彼女なりに頑張ってくれたんだろう。

「環、ごめんね。色々と…」

謝ってはみるが、環は少し首を傾げるだけで何を考えているのかはよく分からない。

とりあえず環が冷えてしまうと困るので、ベッドから毛布を取って掛ける。

すると環は一人分程度のスペースを作り、毛布に入れるようにした。

…入れって事かな?

嫌われてる訳ではなさそう?

混乱しながら環の隣に行くと、一緒に毛布で包まれる。

体温が伝わってきて暖かいが、俺は外に居たから冷たい。

これで環が寒かったら毛布を掛けた意味が無いんだけどな…

そう思って抜け出そうとするが、抑えられていて抜け出せない。

力はそれ程強くないが、的確に抑えられていて、関節を動かす事すら出来ない。

個性を使えば逃げる事は出来るが、根本的な解決にはならない。

この状況だと、俺は殴られても文句は言えないし…

そう思って覚悟を決める。

 

 

環は抱きついてきた。

もう一度言おう。

環は抱きついてきた。

何の脈絡もなく唐突にだ。

 

慌てて顔を覗き込むと、環は涙目で泣くのを堪えていた。

「どうしたんだい環!?」

「ミリオ…」

名前を呼んでくれた。

というか、喋ってくれた。

環が泣きそうだということと喋ってくれた喜びで、どう対応すれば良いのか迷っていたが、俺が話す前に環から話しかけてくれた。

「ミリオ、どうして帰って来てくれたんだ?」

「え?」

「俺、みんなの役に立てなくて…掃除もしてみたけど、上手く出来なくて、波動さんの友達を怒らせちゃって、それで…」

環は泣きながら話してくれた。

俺が何も言わずに居なくなったから、捨てられたと思ったらしい。

「大丈夫!インターンに行ってただけなんだよね!」

そう言っても環は不安そうな顔をしている。

いつもは無口…いや、無言で無表情なのにどうしたんだろうか。

聞いてみても、「よく分からない」としか言わない。

今まで誰にも甘えられなかった分、俺に甘えてくれているのだろうか。

しばらく話を聞いていたら疲れたようで、眠ってしまった。

環は弱ってしまったようだが、回復はしてきているのかな?

そろそろ環の進路の事とかも考えないとな。

 




現在十二月後半。
番外編的なの別シリーズで書きたい。
はじめてのおつかいとか。
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