だってミリオと離れる環君とか想像できないんですもの。
あとちょっと内容変えました。
「もちろん、こちらの受け入れ体制が整ってからという事になるけれど、君さえ良ければうちの寮に来るといいさ!」
校長は色々と説明をしているけど、先に俺の心の受け入れ体制を整えさせて欲しい。
今日は衝撃的なことが多過ぎる。
環は何も考えていないのか、聞いている上で無視しているのか分からないけれどとにかく無表情だった。
「い、いやいや!そんないきなり…」
無理でしょう、と言おうとしたがそもそも自由な校風が売りの雄英、そして俺は体育祭で裸になった問題児。反論は出来ない。
…それに、環が雄英に来てくれるなら俺も嬉しい。
環を助けることは出来た。でも守ることは出来なかったから。
「…あの、校長。」
「ん?なんだい?」
「《特殊科》に連れてくる事って、出来ますかね?」
特殊科
雄英高校オリジナルのシステム
それぞれ別の科に所属している問題児の特技を伸ばし、課題を克服するための場所。
大抵の生徒は実力があるが十分に発揮できていない者。
通形、波動等が所属している。
「科」と付いているが一部授業が別になる程度で大した違いはない。
特殊科なら俺が守ることが出来るから。
「今度こそ、環を守りたいんです!」
「いいよ!」
「早っ!?」
即答すぎて驚いてしまった。
けれど、校長の個性を考えたら当たり前だ。
俺が思いつく事を校長が思い付かない訳がない。
俺の提案ももともと選択肢の一つだったんだろう。
まぁ、承諾して貰えたんだから結果オーライだ。
…あれ?
「環の部屋ってどうするんですか?」
監視下だから野放しには出来ないし、そもそも部屋が空いていない。
「もちろん、君の部屋さ!」
「守りたいんだろう?それが合理的だ。」
いやいやいや。
俺、高校生ですよ!?思春期ですよ!?
そんなラノベみたいな展開…まぁ相手が環だし、ラブコメ風にはならないと思うけど。
「ミリオ、ナイスユーモアだ。」
どうやらサーは困惑と喜びが混ざった俺の顔をユーモア判定したらしい。
でもそうじゃない。そうじゃないんです。
そういえば完全に環を置いていっていた。
反応が無いとはいえ、これでは駄目だろう…と思って見てみたら、
少しだけ、微笑んでいるように見えた。
注意しないと分からないレベルだし、こっちが微笑み返すとすぐに無表情に戻ってしまったけれど、嬉しくて抱きついてしまった。
後から思ったことだけど、実はサー達はこれを狙って俺をいじっていたのかもしれない。
数分後。
サーは帰り、イレイザー、校長は環の退院手続きの書類を貰いに行った。
病室には俺と環の二人だけ。
俺は環の手を取った。
骨折はしていないらしい…というか本人が意識的に避けていたんだろうけど。
それでも傷と包帯だらけの腕は環の苦労を表している。
「本当に…よく頑張ったよ。」
精神的に病んでしまっている環に言葉は届かないけど。
「これからは、俺が守るから」
昔と同じ、何の根拠もない言葉しか言えない俺。
それでも環は俺の手を振り払わないで居てくれた。