Sleeping Pills* の AU小説 作:Sleeping Pills*
《 数時間後… 》
…Dreamが誕生日パーティに向かってから、どれくらい経っただろう?
膝の上に載せていた本を閉じ、脇に避ける。
厚さが辞書並みにある古めかしい本、
読書は好きだけれどもこれを休み無しで1通り読むのは流石に目が疲れるな…、少し昼寝して休憩してから別の本を読もう、などと思いながら、先程までもたれ掛かって座っていた樹を仰ぎ見た。
片側には黄金の、もう片側には黒い林檎を実らせた『感情の樹』。
この世界やお母さん、僕やDreamが創られた、全ての発端となった樹。
そしてーー 今はお母さんの命綱になりながら、お母さんを命綱にして、やっと枯れずにいる樹。
Dreamと僕がお母さんの姿を見たのは、生まれて直ぐ、
まだこのスケルトンの体の器に馴染んですら居なかった頃の、一回きり。
所々傷ついていたけれども、緑色の髪と肌にピンク色のドレスを纏った、とても綺麗な人だったのを覚えている。
お母さんは生まれて直ぐの僕達を、静かに笑顔で抱きしめて、
そして、私はここに長くは居られないから、と幾つかの話をしてくれた。
まず、この世には、何千、何万もの世界が存在するということ。
その中でもこの世界の名前を、【Dreamtale】と呼ぶこと。
この世界の中心に生えている樹を『感情の樹』といって、全ての世界に感情を届ける役割を果たしていること。
そして、Dreamはポジティブな感情を司る、黄金の林檎の守護者、
僕はネガティブな感情を司る、黒い林檎の守護者だ、ということを。
話が始まって、数時間が経ったあたりだったと思う。
全ての話が終わった後に、僕達は約束を結ばされた。
“ 2人で協力して、感情の樹を悪い人々やモンスター達の手から護る ” こと、
“ みんなと喧嘩せずに、仲良く過ごすこと ”、
最後に、 “ お互いの守護する林檎以外には、絶対に触れないこと ”。
...その約束を結んだあとに、いつかきっと戻ってくるから、樹と一緒に2人のことを見守ってるからね、と言って、
お母さんは僕達の前から姿を消した。
その人が僕達のお母さんだったこと、お母さんが重傷を負っていたこと、そしてお母さんが樹と融合した事を知ったのは、それから暫く経った後のことだった。
* * * * * * * *
初めの頃、町の住民たちは、まだこの世界の事をあまりよく知らない僕達2人に色々と世話を焼いて食べ物や衣類を分けてくれていた。
あの頃の僕は、それが周囲から受け入れられているみたいに感じられてとても嬉しかったし、素直に感謝もしていたように思える。
けれども、そんな幸せな時間も長くは続かなかった。
町に住む皆が、段々と僕への態度を変え始めた。
話しかけようとすると逃げられる、皆の参加するイベントに自分だけ誘われない、とか。
初めの頃はその理由が分からなかったけれど、今はもう分かりきっている。
僕が、『不幸』の象徴なようなものだから。
僕が、『悪者』の側、『嫌われ者』の側に生まれてきたから。
神様が、そう決めたから、ってことを。
…でも、だから仕方ない事なんだ、と分かりきった筈の今でも。
お母さんとの約束の1つ:“ みんなと喧嘩せずに、仲良く過ごすこと ” を守れなかったことを思うと、胸の奥が何かに刺されるように痛くなる。
もしお母さんがこの樹から僕の事を見ているとして、
こんな僕を見て、どう思っているんだろう?
『 失望 』? 『 苛立ち 』? 『 不甲斐ない 』?
…それとも、「こっち側」に生まれてきてしまった僕への、『 哀れみ 』?
せめて正解が一番最後だと良いな、と思いながら、僕は目を瞑った。
僕の人生を、自分の希望の全てを、そのまま夢の世界に託すように。
『 いつか、みんなが僕のことを “友達” と呼んでくれる時が、来ますように。 』
前回のお話の続きとなります! 如何でしたでしょうか…?
次回の小説から、いじめっこ達(モブ)を出していく予定なのですが…
我ながら多少心が痛い&筆者のシンプルな語彙力不足により、次編投稿までには暫く時間が掛かりそうです (^^;
というかそもそもこの小説自体、見ている人が果たして居るのかどうか…
あ、若しくは突然の筆者の今後出す予定のCP&詳細設定、性癖(!?) 暴露会が入るかもしれないですw(需要皆無)
では、また次編をお楽しみに!