Sleeping Pills* の AU小説 作:Sleeping Pills*
彼は林檎に伸ばされていた手を下ろし、素早く僕の方へ振り返った。
僕に留められたその目からは、警戒心と、数滴分の恐怖が汲み取れて。
先程僕の身体から離れていった筈の身体全体への恐怖の拘束は、また元のように僕の身体に纏わりついた。
( あの人の機嫌を損ねないようにしないと! )
( ...けど、もし彼がまた林檎に触れようとしたら......!? )
そんな数々の言葉が僕の脳内で飛び交う中で、
現実の僕の口だけは淡々と、冷静に言葉を紡ぎ出していた。
「 ...貴方は、誰ですか? 」
「 此処に、何の用で来たんですか? 」
自分の心中を悟られないように、冷静を装って。
自分の思い通りに動こうとしない身体を奮い立たせ...いや、無理矢理動かしてその場から起き上がり、彼と面と向かい合った。
「 教えて下さい。」
そう、僕が言い切った刹那ーー
、一瞬。
「 え 。 」
まるで全てを見透かすかのような目で、彼が僕の事を見た気が、した。
恐怖、虚栄、見栄。
...其れ等全てが彼に図り取られた気さえして、
彼を恐れていた事を忘れて、思わず見入った直後。
...彼はまるで先程の目が嘘だったかのような、焦りと、多少の申し訳無さを含んだ笑みを浮かべながら、初めて、僕の前で口を開いた。
侵入者「 あー......えっと。」
何をまず先に言えば良いのか迷っている、といった風な様子でくせっ毛の生えた頭を軽く掻きながら、
侵入者「 驚かせたんだったら、悪かったな。」
と、少し間を開けて、僕に語りかけた。
「 い、良いから早く答えて下さい、貴方は誰ですか!! 」
この時の僕は相手の有り余る余裕と自分の中で溢れかえった恐怖で半分やけくそになって、彼の正体を知ることに妙に拘っていた
そんな僕の様子を見ても彼はにこやかに、
侵入者→Sans「 オイラは Sans 。...スケルトンさ。」と、答えた。
...『 Sans 』?
何処かで聞いたことがあるような......でも、一体何処で?
そう思いながらも、僕は言葉を続ける。
「 ...じゃあ、何の用でここに来たんですか? あの穴は一体...?」
すると、Sansさん と名乗った彼は困ったような表情を見せ、
「 あー......ちょっと、長くなるぜ? 」と言い、僕の方に視線を向けた。
そして僕がそれに答えるように軽く頷くと、彼は少し間を開けた後ゆっくりと、簡単に自身の話をしてくれた。
...まず彼が恐らくこの世界とは異なる世界から来たモンスターであり、その世界の王宮で研究員の1人として働いていた事。
彼らが研究の末に時空の大規模な歪みと、並行世界・代替宇宙、
通称【 Alternate Universe 】( 此処からは長いので、単略化して【 AU 】と呼ぶ。) の存在を観測した事。
彼はその結果に強い興味を抱き、王宮での仕事とは別で独自に研究を重ね、その結果彼の世界と、他のAUを結ぶ機械を開発した事。
Sans 「 ......で、オイラの世界と繋がった『 他のAU 』っていうのが此処だった、っていう訳だ。とどのつまり、偶然だな。 」
そう言葉を締め括り、彼は 伝わったか?と僕に問いかけてきた。
僕はその問いかけにまた軽く頷いて答え、その間にも徐々に自分の中で浮かび上がっていた数々の疑問が解けていくのを感じていた。
お母さんが僕らに話してくれた『 感情の樹 』から届けられる感情が行き着く先の、何千もの世界。
彼が言っている【 AU 】とは、きっとそれらの事だろう。
どこかで彼の名前を見たことがある気がしたのも当然。僕は彼の名前を何十回も本の中で見たことがある。
だって彼は、
僕と Dream の身体の オリジナルなんだから。
......いや、正確には彼の言っている【 AU 】の、別の『 Sans 』個体から取られたものなのだろう、
僕達は彼より一回り背が低いし。
けれどそれ以外の容姿は多少の差はあれど、殆ど同じ。
改めて自分の中で出来上がった結論になるほど、と納得する。
Sans 「 多分だが、この穴をまた潜れば元の場所に戻れるな、そろそろ帰るとするか......じゃあn」
「......あ、あの!」
空間に浮かぶ穴に片脚を入れ込み、今にも帰ろうとする彼に、思わず声をかけた。
「急に質問攻めして、すみませんでした......そ、その......」
Sans 「 ...?」
「...また、ここに来てくれますか?」
......偶然現れて少し話しただけの人にこんな事を聞くなんて、とも思ったけれど。
Dream 以外の誰とも話す事が無くなっていた僕の心は彼ともっと話したい、彼の事をもっと知りたい、という気持ちで満たされていた。
Sansは一瞬驚いた顔をして、
Sans 「 ...ああ。」
...それから、また僕に自己紹介をした時と同じ笑みを浮かべて。
Sans「 オイラはまだおまえの事、何も聞いてないからな。」
明日また来る、楽しみにしとけよ、
そう言って彼は手を振りながら、穴の中へ消えていった。
...それから、暫く後。
Dream 「 ふぅ、ただいま、mare!!......って、あれ、本読んでないの?珍しいね!」
背後から聞き慣れた声がして、振り返る。
「ふふ、ちょっと良いことがあってね。」
Dream 「えっ、なになに? 僕にも教えてよ!」
そう興味津々と言った様子で僕に問いかけるDream に、僕は笑顔で答える。
「 ないしょ!」
え〜!! と不満げに腕をばたつかせるDream を傍目に、あの樹の根元を見やる。
いつの間にか穴は消えていたけれど、まだ余韻で残る喜びと時間の経過があれが幻では無かったと教えてくれる。
Dream も知らない 僕だけの秘密。
こうして僕の世界に、小さな楽しみが1つ出来たんだ。
どうも、PCは治ってないけど復帰することを決意した、筆者です☆
...はい。正直まだ非常に文字を打ちづらい状況ではありますが、新しい端末を購入してもらえるor 治る見込みがほぼ無いも同然なので、
ゆっくり書いて、少しずつ今の状態に馴れていきたいと思ってます!(๑• ̀д•́ )✧+°
ただ、1つだけ問題が。
......自分が書いてた小説のあらすじって、
一体どんな感じだったかしら...(^^; ←おい。
by 復帰して直ぐの筆者
...あ、それとですね!書くのをサボっていた間に、なんと!UAが284まで増えていたんです!!
つい最近「200超えたぞぉぉ!!!!」...って、言ってた気がするのに!!
皆さん!!本当にありがとうございます!!!