side班長1
私は、平凡なんだと思う。
この輝かしい三○において、足手纏いになってやしないかといつでも心の中で考えてしまう。
今回だって前衛ではなく後衛を選んでしまう。
自分が情けない、そう蔑んでいた。
ボタボタと流れ出る血を見るまでは。
「な、何が」
「大丈夫、ちょっと増血しすぎて、血圧下げようとしてるだけだから」
「本体の負担を分身に肩代わりさせてるだけ、問題なし」
何が問題なしなのかさっぱりわからない。
わからないけど俯いている暇はない、
「私は、何を」
「準備を」
「突撃ですか?」
勝ち目はもうないならば、
「いいえ、領域が発生します」
領域、私達が行くべき場所。
しかし、それはここではない。
私の頭ではその言葉の意味は理解出来なかった。
753:去らば相棒
人数を増やしたり、能力を使いすぎるとなくしてないのに適応が血を増やそうとする
多分、増やしたり能力を使うと貧血のような代償があるんだと思う、適応のお陰で感じてないけど
その影響で、血圧が100位あがる
それを下げるために毛細血管が外部に露出して出血する
この負担は分身に肩代わりしてもらえるから、ある程度は誤魔化せる
754:名無しの異世界人
いやいや、そんなさらっという代償じゃないでしょ
755:名無しの異世界人
外部に露出ってそんなことできんの?
756:去らば相棒
私だけの機能っぽい
お嬢「ちょっと、なんでこんなに激しく撃ち込みされてるんですか?」
お姉ちゃん「すごいわ、もう少しギア上げちゃおうかしら」
お嬢「ちょっ、まだ、早く!」
援護要らんかな?
お嬢「援護は要りますわ、要りますから、早く!」
757:名無しの異世界人
やっぱ、お嬢様なんとか対応してるけど辛そうだな
758:名無しの異世界人
苦しくなったら、救援が来て
息を整える時間が用意されているのと
目がいいんだな
本人の動き始めを読んで最短の動きで最大の防御を行ってる、フェイントも読んでいるから
動きに無駄かない
さっきは、見えなかったから当たりまくってたようだ
759:名無しの異世界人
そういえばイッチの三点バーストも弾いてたしな
引き金さえ見てれば回避可能なのか
760:名無しの異世界人
対処可能と判断できたからの芸当だろうな
761:去らば相棒
イッチ「がんばれー」
お嬢「少しは手伝いなさい!」
イッチ「その乱打に潜り込める程の技量ないから無理」
お嬢「あの銃は?!」
イッチ「弾き返されてもいい?」
お嬢「応援だけしてくださいませ」
イッチ「了解。がんばれーお姉ちゃん」
お嬢「私を!!私を応援してくださいませ!!!」
お姉ちゃん「うん、頑張るよアリスちゃん」
お嬢「ミギャー‼」
762:名無しの異世界人
勢いましとる
ひでぇなイッチ
763:名無しの異世界人
でも対応できてる
なんでだ?
764:名無しの異世界人
光による幻影か?
それすらも見切ったのかよ
すげぇな
765:去らば相棒
さて時間稼ぎもけっこうできた
そろそろなんかアクションない?
ないか
イッチ「仕方ない」
見張りの数増やすか
766:名無しの異世界人
うお、視点が増えた
なんか見つけてほしいのか?
767:去らば相棒
そう、なにか見つけたら教えて
768:名無しの異世界人
了解
769:名無しの異世界人
わかった
770:名無しの異世界人
有益な情報だしたら
なにかプレゼントを下さい
771:去らば相棒
考えておく
無理のないものだぞ
772:名無しの異世界人
言質とったぞ
side十夜月聖
弟は、すくすく育った。
かわいらしいその姿に、家族だけではなくご近所さんもやられていた。
家族ぐるみで、あの子にエーテル機器を触らせないように、徹底させた。
ライターすら、彼にとって過敏に反応するほどに高い。
子供というのは、禁止されればされるほど破りたくなる。
しかし、弟は父の後退する前髪を見たのか、驚く程素直に私達の禁止事項を受け入れた。
私達は、弟の成長を見守ってきた。
身長、筋肉が女の子に見えるほどになく。
髪の毛も男子にしては伸びすぎだ。
空気中に漂う微量のエーテルにすら反応しているのだと伺えた。
こんな精神的監禁のような生活を12年続けた。
やがて来た運命の日。
私達は、弟に真実を伝えた。
罵られることも拒絶されることも覚悟の上だった。
なのに、
「ありがとうございます」
感謝の言葉だった。
ただ感謝された。
どんな言葉よりも心にくる。
ああ、それでも私達は彼の家族になれたんだと。
なっていたんだと実感させられた。
この先にについても話し合いがおこなわれた。
選択肢を示す意味で私達家族だけではなく、親戚も招いて、親族会議となった。
私達だけ、では2択しかあげられなかったからだ。
だが、ある男が開口一番、
「だからよ、種馬か母体でいいんじゃね」
阿呆の言葉に誰もが凍りついた。
両親は、その阿呆を殺さんばかりの顔で睨んでるし、それ以外の面々も何を言ってるんだこの男は、という顔だ。
私達姉妹は、この阿呆をどうやって弟の視界から消すかアイコンタクトでその方法を考えていた。
だが弟は、
「はじめまして、本日は私のためにご足労いただきありがとうございます」
阿呆を無視して、来賓の案内を始めたのだ。
アイコンタクトの内容は、録画撮影したか?に変わった。無情なことになにも残っていなかった。
残されたのは阿呆一人。
先行して歩く弟を睨み付け、
「おい!まだ俺が残ってるだろうが!」
いったい何を言ってるのだろうか。
弟は、お前を無いものとして扱ったのだ。
案内するはずないだろうが。
わめき散らす阿呆を無視して、来客を迎え案内していく弟。
最終的に玄関に残された阿呆は迎えが来て連れていかれた。
「私の身内が申し訳ない」
「何のことでしょう、私はなにも聞かされておりません」
そうきっぱりと告げたでもと続けて弟は伝えた、
「あの人は、一杯泣かせてそうですね」
多分本人的には、チャラい雰囲気の男性ですね程度の扱いだったのだが、
「そう、調べるべきね」
こうして、あの阿呆の運命は決まった。
そして、示されたのは三択、
しかしどれであっても、
「男でいることはできないか」
それは諦めにもにた声だった。
しかし、ひとつ頷くと、
「うん、これから男をやめます」
「女として生きていきます」
手にしているのはただの懐中電灯、だけどこれは弟にとって重要なこと。
エーテルが流れる。
とたんに変化がおこる。
元々、肩くらいまで伸びていた髪の毛は、一気に腰の辺りまで伸び、元々女性らしかった体つきが更に女の子らしくなっていく。
瞳を開いた特、黒ではなく金色に変わった。
髪の色も開いた瞬間にオパールのようななんとも言えない色合いに変わった。
何もかもが変わった弟――いや、妹がしたのは、
「お父さん、お母さん、お姉ちゃん達並びに親族一同皆々様。これからもよろしくお願いします」
きれいな土下座だった。
かくごを決めたかのようにきれいな。
もうちょっと、お姉ちゃんを頑張ろうかな。
でもひとつだけ気になったことがあった。
「なんで髪の色と瞳の色、変えちゃったの?」
夜、半ば限界だった妹とお風呂に入りながら聞いた。
それまでは絶対に答えなかったが、不思議と今なら答えてくれる、そんな勘が働いた。
予想は的中した。
「夢の中で、忘れないでって言われた」
「誰に?」
「お姉ちゃんに幸せになってって言った」
――その子にあげるって言われた――
誰だろうか、あの地獄の中にそんな子がいたのだろうか。
今でも、夢にみないといったら嘘になる。
私の心は聞いたことはないがもしかしたら妹達もあの暗い牢獄の中にいるのだろうか。
そう思いながらうつらうつらしている、妹の顔をじっくり見つめたとき。
ただ一つ、思い出した。
それは、その髪と瞳をした少女だ。
彼女は計算ができた。
1を聞いて1を知る私と同じ平凡な子だ。
ただ、あの子は私達が何のために集められたのか気づいた。
気づいて、しまったのだ。
私達が最後に告げられるまで気づけなかったことに。
故に、彼女が最初の資金調達兼デモンストレーション用の素材にされたのだ。
あの施設から出荷される前日彼女はやって来た。
「今日から数えて、約千日後あなた達六人は救われるわ」
「は?」
「分からなくていいの、でも思い出してね」
「貴女には、未来があるの」
「幸せになる――ね、だからこんなところに縛られないで」
――幸せになってね――
ツゥーと涙が零れてきた。
すでに過ぎ去った、消せない過去。
そこでいっぱいいっぱいだった私を励ましてくれた子を忘れていたのだ。
いや、そんな軽いことではない。
彼女には、未来が見えていたのだ。
自身の気づきを皮切りに計画が進み始める事を。
そして救いが自らには届かないことも。
惜しいとは、思わなかった。
悔しいとも、違うと思った。
ただ、事実だけが何も感情持たずに去来する。
思い出した、たったそれだけでとたんにもっと頑張ろうと思えてくるのだ。
結果、妹はあんな風になってはしまったが、可愛いことにかわりはない。
これまでもこれからも私は1000人のお姉ちゃんだ。
823:名無しの異世界人
見えた!!八番カメラ!!
光が3つ!!
824:去らば相棒
色は⁉
825:名無しの異世界人
赤が3つ!
826:去らば相棒
クソッタレ!!
イッチ「お姉ちゃん!!起爆する!!逃げて!」
お嬢「起爆?!足元の?!まさか、そんな状況で戦っていらしたの?!」
お姉ちゃん「だってお姉ちゃんですから、妹達の頑張りにこたえないと」
イッチ「お姉ちゃん!!」
お嬢「足元の輝きはまだそれほどではありませんわ、急いで!!」
お姉ちゃん「まだ、大丈夫だから、ね」
827:名無しの異世界人
威力的には酷くないんじゃ
まあ、心情的にも起爆しそうな地雷の上から早く退いてといいたくなる
828:去らば相棒
イッチ「お嬢!!強制的に退かして!!」
お嬢「無茶を言ってくれますわ!!」
お姉ちゃん「まだ、大丈夫だから、ね」
お嬢「何をおっしゃっていらっしゃるの!」
イッチ「仕方ない」
イッチ「私から仕掛けるから……今!!」
829:名無しの異世界人
イッチの右手がお嬢の武器に変わって、とんだぁ‼
830:名無しの異世界人
いや、右手無くなってない?!
831:名無しの異世界人
マジだ、めちゃくちゃ痛そう
832:名無しの異世界人
すぐに治ったけど、顔が歪んでる
834:去らば相棒
お嬢「貴女なんて馬鹿げたことを」
イッチ「ここまでやらなきゃ意味がない、それより」
お嬢「ああもう、わかりました」
お姉ちゃん「アリスちゃん?!」
お嬢「そのアリスさんが待ってますわ!!」
835:名無しの異世界人
お嬢様がお姉ちゃんを引っ張ってぇ
836:名無しの異世界人
土塁の裏側に連れ込んだぁ!!
ってなんだ?
魔法陣が輝いて、歪んでゆく
837:名無しの異世界人
歪んでるって言うよりは溢れてる
838:去らば相棒
お嬢「情報爆弾、なんてものを!!」
イッチ「量が少し多い……来る」
主人公「何が、何が起きるんですか?!」
イッチ「不明瞭領域が展開している」
主人公「そんな、誰が?!」
イッチ「わからない、けど戦うしかない」
主人公「そんなに大きいんですか?」
イッチ「今回は量の問題」
イッチ「来るよ」
『情報量増大50……60……70……80……90……100越えました‼不明瞭領域急速展開中‼適性値の低い方は専用のシェルターへ、実働班は発生する浸食体への対応を!繰り返します……』
839:名無しの異世界人
うおっ、水が溢れてきた
と同時に、デカイ烏賊が現れた
840:名無しの異世界人
土塁で止まってるけどなかったらヤバイだろ
841:名無しの異世界人
あの水見てると頭おかしくなりそうになる
842:名無しの異世界人
情報の暴力か
side????
失敗した、聖女様がもっと粘ると思ったのに。
もっと、凝縮した世界が構築されるはずだったのに。
あれも求めたものではないということだ。
だが、私達の理想がもうすぐわかるのだ。
見つかるのだ。
我々が探し求めた『暁の福音』が、
聞いたのは、数ヶ月前、噂が流れてきた。
三○に宝が持ち込まれたと。
始めに聞いた時は、眉唾物だと思っていたが、あり得ないほどの大物が複数人三○入りをはたしていることで確信に変わった。
三○に入った誰かが、『暁の福音』だと。
しかし、三○の実働部隊を監視できる立場に潜入できたのは私だけだった。
他のもの達は過去に組織のリストに載ったメンバーだったのだ。
少なくとも半年前までは、持っているのだろう。
唯一3ヶ月前に入った私だけがチェックを免れたのだ。
私だけなら組織は実行する事を諦めたが残ったパトロンにより半ば強行される形で実行に移された 。
状況は不利だった。
罠にかけた聖女様の妹達に見つかり捕まりそうになったところで起爆。
爆発そのものを押さえ込む聖女様には悪いが我々にも時間がないのだ。
パトロンにも捜査の手が伸びてきたらしい。
チャンスはこの一回だけだ。
その結果、発生した不明瞭領域により観測しずらい中、私は希望を探した。
そして私は――
「み~つけた」
背後から聞こえた声は、今ここにいるはずのない声だった。
予定では前回でお姉ちゃん会は終わり実戦に至っていたはずなのですが、思った以上にお姉ちゃんが、弟君のために動いました。
次回実戦ですが、次回で終わるかはわかりません。
決着は思い描けているのですが。