なんで曇らせ要素つきなんだろうね。
その日は、つかの間の休日だった。
先の事件により、三○部隊の出動が早まったのだ。
身内がわに敵がいた。
言葉としては短いが、何よりも衝撃的だった。
私、ミソラ=ファーレストは、訓練場の浄化作業によって暇になってしまった一人である。
何をするでもなし、なにかできるでもない私は完全に 休暇迷子になっていた。
他の人達は戦術の確認や反省会をしておりますが、私は追い出されました。
嘘です。
ついていけなくて、居眠りしていたら外に放り投げられました。
マグリアさんに、首根っこを捕まれてポイッと。
そして今現在に至ります。
「何をしたらいいんでしょうか?」
今まで暇さえあれば剣を振ってきた人生で休暇の過ごし方なんて考えたこともなく。
このまま日が暮れるまで、空でも眺めていようかと考えていたが、どうやらそうも言えなくなった。
遥か向こうから、ソリに乗ったアリスちゃんが
モコフワミニスカスパッツサンタコスを着て
死んだ魚の目で
時速約40キロメートル位で迫ってきているのだから。
「主人公暇だな‼」
暇ですと答えたのだが――
*******
なんでこんことになってしまったのか。
「やっぱり可愛いわ」
聖さんに、写真を足られてる。
私の目もアリスちゃんも同じだろう。
今コスプレショーをしているハメになっているんだろうか?
「私に写真を撮らせて」
不明瞭領域の一件で私たちは実働部隊の到着を待たずに行動し、私はけがをしたし。
アリスちゃんも感電してた。
聖さんが治療したときの支払いにこういうことを要求されました。
とりあえず何着かって、話だったはずなのに。
気が付くと二桁超えてました。
そして最後に渡されたのは
ミニスカへそだしサンタコスでした。
これを着なければいけないのですか?
という疑問に、
「それでラストよ」
ラストならと了承したのは間違いだっただろうか。
こんな格好で外にでなけれはならないとは、夢にも思っておりませんでした。
「嫌だ~、こんな格好で戻りたくない‼」
「諦めろ、主人公。さっさと物持って行くぞ」
引きずられながら、駄々をこねる私はまるで子供のようだったという。
*******
side????
祈る、折れないように。
祈る、幸福を願って。
祈る、自らを呪わないように。
「ここにいたか」
ここは大聖堂、祈りの間。
私の姉がやって来た。
姉自身そう思っていなくとも役割は監視。
金属の擦れる音が、見ているぞと言外に伝えてくる。
私はきっと知らなくていいことを知ってしまったのだ。
だから私は、捧げられる。
私達が神と呼ぶものに。
知らなければ幸せだった。
知ってしまったら最後だ。
あんなおぞましいものを、神と崇めていたのだ。
彼らは、私達は。
知っていたのだろうか。
知っていなければおかしい。
この聖教はなにかおかしい。
しかし、私は神に捧げられるのを待つただの生贄。
なにもできないのなら、ただ祈ろう。
「また、祈っているのだな」
「私にはもうこれしかありません」
「まだ3ヶ月もある、好きなことをしていいんだぞ」
この町の何もかもが、あのおぞましものによって支えられているのなら、私はもうなにもしたくないのだ。
「見届け人は?」
「私にしてもらった」
「お姉ちゃん、どうして?」
見てほしくないのに。
私だって、見たくなかった。
あんなあんなあんな、
私の知っている何か。
私の知らないナニカ。
私が見たことないナニカ。
私が見たものはなんだろうか?
「行きましょうここは冷えます」
差し出された手を知っているはずの手を。
おぞましいものと感じてしますのは、なぜだろう。
「聖女様」
差し伸べられた手の先の暗闇は、私の未来かそれとも―――
次回設定を挟んで第一章
『祈りの先が見えぬ少女』
が始まります。