変身ヒロインは悪の組織に捕まりたい   作:牧村九天

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今回は自分の性癖全開です。


第2.5話 「望さんの秘密」

ここ最近はモーゲン帝国の動きがおとなしいらしく、望は暇を持て余していた。

 

昼食後、レンタルDVDショップに向かっていた望は巨大な蜘蛛の巣がビルとビルの間に作られているのを見つける。

 

こんな巨大な蜘蛛の巣はモーゲン帝国の仕業だろうと考えた望だが、巣の主は不在のようだ。

 

「さて、相手の出方を見るべきか、それともすぐに変身すべきか」と少し離れたビルの中庭に隠れて作戦を練っていた望だが、突然目の前に巨大な蜘蛛が現れその脚で抱きしめるように拘束され、地面の穴に引きずり込まれてしまった

 

 

「トタテグモか、しまった!」と叫んだ時には遅く、彼女は真っ暗な空間の中にいた。

 

「この感覚、どこかの次元世界に取り込まれたか」と呟きながら周囲を見渡すと、目の前の光景を見て唖然としてしまう。

 

そこは広々とした部屋で、壁は全て鏡張りであったからだ。部屋の中央には大きな機械が設置されており、それはどうやら人間を磔にするためのもののようだ。

 

「おお、磔台だ。いいなぁアタシもこんなのに磔にされて滅茶苦茶にして欲しい」

 

正義のヒロインにあるまじき、本人としては当然の淫らな発言をしていると、突然肩をたたかれ、振り返るとのイレーネがいた。

 

「お久しぶりですね。ラック・ラックさん。あなたの願いを叶えるために参りました。ここは私が作り出した異次元世界でございます」

 

「アタシが望むこと?」と首を傾げる。

 

「えぇそうです。例えばあそこにある大きな十字架とか」と言いつつ指を指す。

 

「ふむ。確かにあれならアタシを縛り付けてくれるだろう。是非試してみたいものだ」と言うと「だが一つ足りないものがあるぜ」と言って立ち上がり、「求めよ! 女神の加護を!」と叫んでラック・ラックに変身する。

 

「アタシは変身した後の姿で敵の嬲られたいんだ。人間のままじゃすぐにくたばっちまうだろ? 演出を勉強しな」と言うが早いがイレーネに向かって突撃していくラック・ラックだが、イレーネに背後を取られてしまう。

 

 

「無駄ですよ」と笑みを浮かべるイレーネによって両腕が後ろ手に縛られてしまった。

 

「ちょっ!? 何すんだ!!」と言いつつも力いっぱい振りほどこうとするがビクともしない。今度は両脚が縄のようなもので結ばれている。それもかなりの強度がありそうだ。更によく見ると椅子のような物が宙に浮かんでいるではないか。どう見ても普通のものではないことが一目瞭然である。おそらくこれに座れば手足の自由が完全に奪われるであろう。

 

 

「忘れちゃいけませんね。この世界のルールは私が全て決めているということを」と言った彼女は腕輪を操作する。すると天井付近から大量の鎖が降り注ぎ、全身に巻き付くように拘束してしまった。

 

「ぐあああっ!! まさかさっきのはこのための時間稼ぎだったのか」

 

「その通り。今の私は誰よりも強いのですから勝てると思った時点で負けなんですよラック・ラックさん。さぁ今から楽しみましょう」

 

ラック・ラックは何とか脱出しようとするが、もがけばもがく程締め付けられる。

 

「命乞いしたら許してくれる?」と思ってもいない提案をするラック・ラックであったが、それに対してイレーネは不敵に笑うだけであった。

 

「さあ、貴女の望みが叶いますよ。最初は磔ですか、拷問椅子ですか、それとも鞭ですか? 時間をかけて全部を体験させてあげます。それとも貴女を捕えたアラクネモーゲンのエナジードレインを喰らいますか?」

 

長年の望みが叶うものの、現実と妄想の違いに多少の恐怖を感じていた。

 

「殺さないって約束してくれる?」

 

「もちろんですよ」と言いながら彼女の手を取り、最初は拷問椅子に拘束する。その後、彼女を吊るしていたチェーンを外すとそのままゆっくりと拷問椅子に座らせると彼女は体を震わせていた。

 

拷問椅子から無数のケーブルが現れ、彼女の全身に繋がれる。さらに巨大なライトのような物体も彼女の頭上にはライトのような物体が現れる。それは自白装置の本命である精神操作光線の発射装置だ。

 

「お楽しみの始まりですよ」と装置を起動させる。5秒もしないうちにラック・ラックが悶え始める。息が荒くなり苦しそうな声をあげる。

 

「ねぇお願い……やめて……」と言いつつも喘ぎ続ける姿を見たイレーネは「あらぁまだ始めたばかりなのにもう降参かしら」と言いつつ先ほどより強く出力を上げる。

 

「頭が割れる! 頭が壊れる!」

ラック・ラックはあまりの出来事に気を失いかけるが、装置に装備された安全システムがそれを許さない。

 

「あなたはどこから来たの?」と最初の尋問を始めるイレーネ。

 

「自分の家から歩いてきたんですが」と答えると鞭が胸部に飛ぶ。

 

「ひぃ」

 

「ふざけてると許しませんよ。この場で処刑しても良いんですよ?」と言われて怯えてしまうラック・ラック。

 

「それで、貴女は何者なの?」

 

「周治望です。女子高生です」と答えると鞭打ちが続く。

 

「もう一度聞きたいのだけれど貴女の所属はどこ? 家族構成と好きな男性の有無も教えて欲しいんだけど」

と立て続けに聞かれる。

 

「所属はしてないフリーランス。家族は父と母ですけど、同居はしてません。

 好きな男はいません。アタシはオムニセクシャルなので……」

 

と答えた途端、「そう、もっと色々聞かせてもらうわよ。」と言うと自白装置の出力を上げていくイレーネ。

 

ラック・ラックがまた暴れだすと鞭で打って落ち着かせる。

 

「少し落ち着けるようにお薬を打ってあげる」と言いながらラック・ラックの右腕に注射針付きのチューブをあてがう。

 

「や、やめ……」

 

「大丈夫よ、恐怖を忘れる快楽物質だから」

 

と言い終える前に針を突き刺し注入すると同時に再び出力を上げてラック・ラックを苦しめた後に尋問を開始するイレーネ。

 

「貴女はどこから来たの?」と最初の質問を繰り返す。

 

「自分の家から歩いて来ました」

と答えるラック・ラックだが、今度も乳房に鞭が当たる。

 

「言い方を変えるわ。貴女の家はどこ?」

 

「本宅は駅前のマンションですが、狒々山にある別宅で過ごしてます」

 

と答えるラック・ラックに対し、自白装置の出力を上げるイレーネ。

 

「それはどこにあるのかしら?」

 

「この町の外れにある山です。あの山は先祖代々の所有地で、今は父の所有です」

と言い終わるのを待って再び鞭を振るうイレーネ。

鞭による苦痛に耐えるラック・ラックにイレーネはさらに追い討ちをかける。

 

「では貴女のご先祖さまは誰?」と聞く。

 

「大昔、鬼が村を襲った時に山の神から授かった鎧で村を守ったとか伝えられてますね」

と返すと再び鞭が振り下ろされる。しかし鞭が止まらず、さらに激しく振るわれ、体を仰け反らせるラック・ラック。

 

「痛い……止めて下さい。言うことを聞いてるじゃないですか」

 

イレーネはそれを無視し続けながら更に出力を上げ続けた。

 

「次はいつ頃からあの山で暮らし始めたの?」

 

「変身できるようになってからですかね。

 昔から爺様に言われたんですよ。もしお前が鎧に選ばれたのならあの山で暮らせって」

 

(嘘ではないようだ)と思いつつも更に出力を上げた後で次の問いを始めるイレーネ。

 

「どうやって変身できるようなったの?」

 

「山の祠にあった石を拾ったら出来るようになったんです」と答えると鞭が振るわれる。

 

「真面目に答えなさい!」と鞭を振るい続けるイレーネ。

 

「嘘はついてないですよ。祠のご神体の石が落ちてたから戻そうと拾ったらいきなり光り出して変身ブレスに変わってたんです」と返す。

 

すると鞭を止めて「じゃああの石にどんな謂れがあるのか知っているかしら?」という質問をする。

 

「家の先祖が山の神から授かった鎧で鬼と戦ったって話はさっきしましたよね?」

 

「そうね」と鞭を弄りながら答えるイレーネ。

 

「鬼を倒した後、鎧は石に変わって、次に必要になる時まで眠りについたって言い伝えがあるんです。

 伝説が事実ならその鎧が今のアタシの力なんじゃないかと」

 

「面白い話だけど作り話では無いようね。他に知ってる事はある? 」

 

「もう何も知りません……少しでいいから休ませてください」

 

「良いわよ。お眠りなさい」とイレーネが再び出力を上げる。それに合わせてラック・ラックも叫びだす。それでも懸命に耐えていたが自白装置の出力が上がり続け、ついに絶叫し意識を失った所で拷問は終了した。

 

 

「何ですかこれは……」とイレーネが頭を抱えながら言う。

 

ラック・ラックの正体である少女の持ち物であるタブレットを拾ったイレーネが中身を解析している際に見つけた物、それはラック・ラックが書いた自身が敵に捕まって責め立てられる妄想小説。しかもイレーネ自身が登場し彼女を責め立てていた。

 

「まさかラック・ラックが破滅願望持ちのドMとは……ひょっとして地球人はみんなこんな性癖なんでしょうか? 嫌ですよそんな星を支配するのは……」と呟くイレーネだった。

 

ラック・ラックの小説の中ではイレーネに散々虐められて悦ぶ姿が書かれていた。

 

「私ってこんなに人を虐めることが好きな人に見えるんでしょうか?」

 

ラック・ラックが自分に対してこのような感情を抱いていることは意外だった。

 

「しかし、この小説の設定はどこまで本当なんでしょうかね?」

 

この小説はある程度事実に基づいて書かれていると推測できる。

彼女の拠点や鎧の力の話が本当なら今後の作戦の参考になるはず。

 

 

「あの娘は予想外の出来事に弱い感じがしますね……奇襲に特化した怪人を作るのが良いかもしれません」

 

まずイレーネは部下に命じて周治望という人物の所在を調べることにした。

 

「とりあえず、アラクネモーゲンは作っておきますか……」

 




本当はイレーネさんが「こんな変態惑星いらない」と地球から撤退してENDの予定だったんですが、あと少しだけ続くのです。
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