ドラゴンブラッド   作:カイン大佐

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此方では初の小説、基本的に読むの専門なのでおかしな所が有れば御指摘下さい。


プロローグ

其処は都内でも有数の高級ホテル、1泊でサラリーマンの平均月収が消える程のホテルは、現在ある人物によって貸し切り状態だった。

 

「ほう?この小瓶が例の…」

 

厳重にアタッシュケースに入れられた親指程の小瓶を眺めるのは、スキンヘッドに高級なスーツを身に付けた小太りな男。

彼は此処等一帯を仕切るマフィアのボス、名前を光堂と言う。

 

 

「はい、純度の高いドラゴンブラッドです。」

 

アタッシュケースを持つ部下の顔にも緊張感があった。

何せこの小瓶1つで億の金が動くのだから緊張もするだろう。

 

「これが1滴飲むだけで化け物みたいに強くなるっちゅうあれか。」

 

今日はこのドラゴンブラッドを仲介し協力組織に売り付ける為だけにこのホテルを貸し切りにしたのだが。

 

「にしても、相手側の連中遅いのう?」

 

そうなのだ、商談の時刻は既に過ぎているにも関わらず相手が現れ無いのである。

 

そして光堂がイライラしながら携帯を手にした瞬間、ホテルの照明が全て消えた。

 

 

 

ほぼ同時刻

 

ホテル入り口にも警備の為複数の部下が配置されていた。

その内の1人は何時までも現れ無い相手に困惑しながらタバコに火を着けようとした。

 

「チッ!」

 

しかしライターの油切れか火が着かない、するとそんな男の目の前にボッと誰かが火を灯した。

 

 

「ああ、すまない。」

 

タバコに火を着け、相手に礼を言った、それが男の最期の景色となった。

首に走る鋭い痛み、ずれる景色、男は自分が何をされたのかすら分からないまま息絶えた。

 

 

他の仲間達も男の異変に気付き即座に銃を抜いた。

 

 

其処には1人の男が立っていた。

 

 

レザージャケットにジーンズという出で立ちに短く切られた黒い髪、夜の帳の中爛々と光る紅い瞳だけが部下達の恐怖を最高潮に上げて行く。

 

しかもその瞬間に照明が全て消えた。

 

 

「う、うわぁぁぁ!」

 

部下達の内誰が撃ったのかは分からない、しかしその1発がトリガーとなり男達はパニックになりながら謎の男の方に発砲する。

 

「遅っせ。」

 

既に其処に男の姿は無いにも関わらず。

 

次第に発砲音は減って行った、僅か数秒、其処に生きているのはレザージャケットの男だけだった。

 

皆首を狩られ事切れていた。

 

 

「此方ニーズヘッグ、ロビーの片付けは終了、これからドラゴンブラッドの回収に向かう。」

 

 

インカムに向かって報告をするニーズヘッグと言う男にインカム越しに返答があった。

 

 

「此方ファブニール了解、予定ポイントで待機中、誘導してくれれば此方で片付けるよ?」

 

 

女の声だった、静かなその声で提案をして来る。

 

 

「了~解、俺はドラゴンブラッドの回収だけさせてもらうぜ?」

 

 

「うん。」

 

 

ニーズヘッグはインカムを切ると上に続く階段へと歩み寄る。

 

最上階まで優に15階は在りそうな長い階段、吹き抜けのその階段を見たニーズヘッグは事も無さげに言う。

 

 

「チョロいな。」

 

ドン!と言う爆発音に近い音の後、ニーズヘッグの姿は最上階の手摺の上に在った。

 

其処から一直線のVIPルームの前には暗闇を携帯のライトで照らすマフィアの部下の姿が。

 

ニーズヘッグは腰の後ろに着けた大型ナイフを抜くと、一直線に部下達に襲いかかる。

 

誰もが声を出す暇も無い程の速度で絶命した。

 

その勢いのまま大きな扉を蹴破れば、其処にはスキンヘッドの男がアタッシュケースを抱えて逃げ出す寸前だった。

 

 

「だ、誰だ貴様!」

 

暗闇の中の襲撃者に光堂の顔は恐怖に染まっていた。

 

 

「誰かと聞かれて答える馬鹿が居るかよ…強いて言えば、代行屋だよ。」

 

光堂の顔が青ざめる、この東京で真しやかに流れる噂、代行屋、金次第で様々な依頼を代行する連中、その中でもこれ程の腕前の人間を光堂は1組しか知らない。

 

 

「ま、まさか九頭龍の…双竜!」

 

「へぇ~良く知ってるな、おっさん。」

 

 

ニーズヘッグの口元が三日月に歪む、手にした大型ナイフが僅かな月明かりに鈍く光る。

 

恐怖に震える光堂は最終手段に出る。

 

手にしたアタッシュケースを思い切りニーズヘッグに投擲したのだ。

 

「うおっ!」

 

流石に予想外だったのかアタッシュケースを受け止めたニーズヘッグの動きが止まる。

 

その隙に光堂は見た目より遥かに俊敏な動きでニーズヘッグの横を抜け、蹴破られたドアから廊下に出た。

そして廊下の端にあるエレベーターに乗り、扉が閉まった瞬間、光堂は自分の生存を確信した。

 

このまま屋上の上がり待機させてあるヘリに乗り込めばいかにあの男と言えど追っては来れない。

 

 

「ファブニール、予定通り誘導したぜ?」

 

 

これも予定通りだとも知らずに。

 

エレベーターの扉が開き屋上に飛び出した光堂、自分の悪運にガッツポーズし、ヘリのハッチに手を掛けた瞬間、彼の意識は途絶えた。

 

ヘリのパイロットが見たのは首から上が弾けた光堂の姿だった。

 

「えっ?」

 

理解するより速くパイロットの意識も途切れた。

 

狙撃されたと気付いたのは死ぬ間際の刹那だった。

 

 

 

そんなホテルから1キロ以上離れた廃ビルの屋上で女が笑っていた。

 

 

「天国に行けると良いね?」

 

 

愛銃の特殊改造されたヘカートのスコープ覗き込みながら女、ファブニールは片付けに入る。

 

夕焼けの様なオレンジの長髪を夜風にさらしながら紅い瞳は彼方で仕事を終えた相棒の姿を捉えていた。

 

 

インカムから聞こえる相棒の仕事終了の声にヘカートを解体しながら答える。

 

 

「久々に実入りの良い仕事だったし、何か美味しい物、食べたいな~。」

 

 

「仕方ない、じゃあ焼き肉でも行くか?」

 

 

その言葉にファブニールの目が輝く。

 

 

「やった~!ならこのまま1度着替えて駅前で集合ね?」

 

 

ファブニールはそう言うと荷物を纏め、屋上から飛び降りた。

 

 

 




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