ソードアート・オンライン〜Irregular player〜   作:mikuroさん

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第2話「裏切りの恐怖」

翌朝、俺は宿屋のベッドで目を覚ました。

思いのほかぐっすり寝れたようで目覚めは完璧だ。

とりあえずミウが俺の部屋まで迎えに来る事になっている。

 

「なんか、女性に迎えに来てもらうっておかしいよなぁ・・・」

 

来る時間まで今日の事を確認する。まず、今日は新しい武器を新調するため、ここ《ホルンカの村》にあるクエストを受け、片手剣の武器を手に入れる。それが今日の予定だ。しかし・・・

 

「遅くないか?」

 

迎えに来る時間から15分オーバーしている。

一応、ミウとはフレンド登録をしているので生存確認はできるが・・・

 

「でも、あんな人が寝坊などするか?うーん・・・よしっ!」

 

こうして俺はミウを迎えに行くことにした。で、今俺はミウの部屋の前にいる。

 

コンコン

 

「おーい、ミウー・・・ダメだ反応がない。」

 

そういえば、フレンド・パーティー・ギルドメンバーは宿屋のドアがロックされていても自由に出入りできるんだっけ・・・

 

(ミウ悪く思うな・・・最終手段なんだ・・・)

 

そしてドアノブに手をかける。思えばその時にちゃんと考えるべきだった。

人は色んな格好で寝るだろう。俺は武装を解いて寝るのだが、世の中色んな寝方をするわけで、パンツ一丁で寝る人もいれば、もしかしたら武装して寝る人もいるかも知れない。しかし、ミウはどちらでもなかった。例えるなら生まれたままの姿。

つまり、裸だ。

 

「のわァァァァァアアアアアアア!?」

 

今俺の顔は煙が出そうなくらい真っ赤な顔をしていることだろう。

そして、俺はミスを犯してしまった。生まれたばかりの姿を見てしまったら黙って部屋から出れば良かったのだ。絶叫なんてしなければ起きやしなかったのに・・・

 

「ん・・・うーん・・・」

 

「や、やあ。お、おはようミウ・・・」

 

「んん・・・おはようユイル君・・・あ、アレ?なん・・・」

 

「イヤアー!!キョウモイイテンキダナー!ジャ、ジャア、オレソトデマッテルカラー!」

 

そして、ミウはここで完全に覚醒したらしく

1恥ずかしくて顔が真っ赤に

     +

2怒りで顔が真っ赤に

     ↓

即座に俺に拳が飛んできた。その先は記憶がない。

 

 

まずミウさんに朝ごはんを奢らせていただき、アイテムも全て俺が店に行き購入しに行き、朝から疲労が溜まった。

 

「はぁ・・・」

 

しかし、見てはいけないものを見てしまったなぁと思いながらもミウのはだk・・・

 

「ユイル君?何か思い出しちゃいけないものを思い出したのかなぁ?そうなると次は屠る事になっちゃうんだけどー・・・いい?」

 

全力で首を横に振り否定する。女性という生物は恐ろしい。

 

なんだかんだで目的地、リトルネペントがホップするエリアに到着した。

 

「いい?ちゃんと説明した点を気を付けて狩るよ。もし緊急事態が起きたらフォローし、一時撤退し体制を立て直すOK?」

 

「オーケー…死ぬなよ。」

 

「そっちこそ。」

 

そして約5m離れたところにリトルネペントがホップした。

しかし、ハズレ。

 

今回の目的はリトルネペントであり、普通のリトルネペントでは無い。花付きのリトルネペントだ。

残念ながら先程ホップしたのは普通のリトルネペント。

花付きでは無い。なのでアイツはスルー…したいところなのだが…レベル上げのためにもここは倒しておきたい。

最後にあることをきちんと確認し、安全と判断し背中の剣を抜く。

リトルネペントはソードスキルが使えない。その代わりツタを使い多彩な攻撃をしてくるがそこまで脅威では無い。

防御力も低いそうだ。

バックアタックは余り上手くいかないらしいので、不意打ちはしない様にして、足元にある手頃な小石を拾い上げ、リトルネペントに投げつける。

小石は綺麗なラインを描きリトルネペントの捕食器の口の少し上に直撃した。

 

「シュウウウウ!」

 

そしてツルを伸ばし威嚇をしてくるがその間に次の行動に移る準備をする。この距離があればツタは届かないので、このまま突進してくるはずだ。なので突進してきたら後ろに回り込む様に回避をする。

そして情報通りリトルネペントが威嚇しながら突進してきた。そしてタイミングを見計らい後ろに回り込む様に回避する。そしてリトルネペントの弱点である。茎の接合部に攻撃をする。偶然クリティカルが発生し、ネペントのHPバーが4割ほど減る。

攻撃されたのでネペントがこちらを振り向く。

この後は腐蝕液を発射するモーションに入るが、腐蝕液が発射されることは無い。何故なら、ネペントは俺には正面になったが俺のパーティーメンバー、つまりミウに背中を向けている訳だ。

ミウはネペントが背中を見せる前に走りだしていたらしく、ネペントが腐蝕液のモーションに入ると同時にミウはソードスキル、単発水平斬撃技《ホリゾンタル》を発動させ再度ネペントの弱点にヒットし、ネペントのHPを全て削り切る。そしてネペントの体は青くなり、爆散した。

 

「ふぅ…コレならいけるかな?」

 

「でも、目的は花付きだから道のりはまだまだよ。花付きの出現率上昇のために沢山倒さないと。」

 

「わかってるよ。」

 

とりあえずこのままいけばかなりの高効率でネペントを狩れるだろう。

そして、2人は更なる獲物を見つけるべく森の奥へ進む。

 

その後、約10分ほどで14匹を討伐することに成功した。

花付きは未だ出現していない。俺かミウのリアルラック値が低いのだろうか…そんな事を頭の片隅で考えながら次の獲物を探す。そこで思わず声が出てしまった。茂みの奥にネペントがいる。ただし今まで狩ったネペントでは無い。

《花付き》だ。

 

「ミウ。」

 

「わかってる。倒し方は今までと同じ慎重に倒す。」

 

「了解」

 

そして2人は花付きに攻撃を開始した。

 

花付きの討伐には少し時間がかかってしまった。理由としては少し緊張してしまったからだ。だが、無事《リトルネペントの胚珠》を1つ手に入れる事に成功した。とりあえずこれはドロップした方が先に所持、という事を先に決めているので俺が所持する。どうせ、2人分を取るので余り順番は関係ない。

 

「さて後1つか」

 

「そうだね。此処からが大変なんだけどね…」

 

いつの間にか辺りは暗くなっている。

 

「さて次の獲物は…あ、居た。んー…ハズレかな」

 

普通のネペントだ。

 

「じゃあ、あのネペントを狩りましょうか。」

 

「そうだな。」

 

そう会話し、ネペントに近づきネペントがこちらに気づく。近づくこちらに威嚇をし始めるネペント。しかし、おかしな行動を始めた。ネペントが攻撃体制に入ったにも関わらず、後ろを振り向き移動を開始しだしたのである。

 

「ありゃ?威嚇してきたのに逃げるのかよっ⁉︎」

 

「…」

 

「なぁ、あんな事ってあるもんなの?」

 

「…恐らくだけど、誰かが《最悪なハズレ》を引いたかもしれないわ。」

 

最悪なハズレそれは普通のネペントではなく…

 

「それって…《実付き》…?」

 

思わず絶句してしまった。

 

 

ネペントには3種類いる。

1つはハズレのネペント…ノーマルのネペントだ。

次はアタリのネペント…花付きのネペント。

最後は…最悪なハズレ…実付きのネペントだ。

 

実付きのネペントはそのままの意味、花の代わりに実が付いている。

実付きのネペントの実を破壊してしまうと、巨大な音で破裂し、嫌な匂いのする煙を撒き散らし広範囲からネペントを呼び寄せる。これが非常に厄介である。

 

そして先程、俺たち2人をターゲティングしていたにも関わらず背中を見せ俺たちの逆方向に移動したのだ。つまり《実付き》が破壊された可能性が非常に高い。

そして俺たちはその背中を見せたネペントをある程度の距離を空けストーカー…じゃない、追跡している。

しかし、先程説明した通り《実付き》が破壊されると広範囲からネペントを呼び寄せる、ということは危険なのだが、破壊されたということはプレイヤーが破壊してしまった=ピンチ=命の危険 だ。なので救出するべく、ネペントを追跡している。

そして、1人のプレイヤーがこちらに走ってくる。

 

「こっちに隠れましょう」

 

「了解…」

 

俺たち2人は少し大きめな岩の後ろに身を隠す。

そして覗き込む。少し先の茂みで隠れている男のプレイヤーがいる。

 

(そこまで歳は離れてないか…)

 

視線を移し替えると、開けた場所で先程の男性プレイヤーが隠れている茂みを悲しげな視線で見ている。

 

「無理ね。」

 

「何が?」

 

「茂みに隠れてる彼は今、隠蔽のスキルを発動してる。通常のモンスターならアレで逃れる可能性はあるの。でも中には隠蔽が効かないモンスターが居て、その一体が…リトルネペント。ネペントには隠蔽の効果が無いわ。」

 

そうミウが説明すると数体のネペントが茂みに隠れているプレイヤーに近づき一斉攻撃をしかける。

 

「あ…あの人が…」

 

ここで俺は助けなきゃの一言が脳内に浮かび、背中の剣を抜こうとした時、ミウに止められる。

 

「ミウ!助けないとあの人が死ぬぞ⁉︎」

 

「あの数は無理よ。確実に返り討ちにあって死ぬ可能性の方が高いわ…彼は残念だけれど…」

 

「だけど!」

 

そこで攻撃を受けていた男性プレイヤーの体が青く凍りつき、爆散した。

 

「あ…」

 

「……」

 

自分が無力だと痛感した。目の前のプレイヤーを助けられなかったのだから…

 

「くっ…ならもう1人のプレイヤーだけでも…あ…」

 

そう、先程の男性プレイヤーを攻撃したネペントは12体、開けた場所に居る黒髪のプレイヤーの周りに居るネペントの数は…

 

「…7体以上」

 

無理だ…こちらも数が多すぎる…

どうする…どうするべきだ…

先程の男性プレイヤーが5体倒したらしく、こちら側のネペントは7体。

あちらも7体……何か、何かないか…方法は…

俺のレベルは4…しかし、あの数は捌ききれない。

そういえば俺は最初、このSAOに来た時あいつが最初のモンスターだった。その時は確か、逃げたんだっけ…案外追いつかれずに逃げたはずだ。逃げるのだったら死なない…

ということは…

 

「ミウ…凄い危ない事をしていいか?」

 

「突っ込むのは駄目よ。あの数は捌ききれないわ。」

 

「大丈夫、ミウは主に敏捷にステータス振ってるよな?」

「え、ええ、そうだけど。何をするつもりなの…?」

 

「こうするの…さっ!」

 

そして下にあった石ころ計8つを上空に放り投げる。

 

「はあ⁉︎」

 

「さあ、鬼ごっこを始めよう」

 

そして、見事上空に放り投げた石ころは手前の7体のネペント、奥のネペントの脳天に直撃し、ターゲティングがこちらに向く、そしてネペントが怒ったらしくこちらへ突進を開始して来た。こうして総勢8体のネペントが突進してくると予想外の恐怖と迫力を2人を襲った。

 

「「うわぁぁぁぁぁぁぁあ‼︎‼︎」」

 

そこからは全力疾走で逃げた。

逃げている最中の記憶は殆ど覚えていない。




イヤァ、最近少しずつ夏が近づいてきていますね。そんな事でそら缶でございます。今回はいかがだったでしょうか?お楽しみ頂けたのなら幸いです。こう、小説をいざ書こうと思うと次々とアイデアが出てきます。これがいつまで続くか心配でありますが…(笑)では、次回もお楽しみに!end
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