ソードアート・オンライン〜Irregular player〜   作:mikuroさん

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第4話「過去」

今日も素晴らしいお散歩日和の朝だ。

こんな朝にはバターを塗ったトースト、香ばしい匂いを漂わすベーコンと卵がくっついている目玉焼き、脳を動かすための燃料と言っても過言では無いコーヒーがあれば素晴らしい一日のスタートを切れるだろうが、

ここは自分の家でもなく、ましてや現実世界でもない。

ソードアートオンライン仮装空間のVRMMOの世界。

第一層トールバーナの街の宿屋だ。

 

現実の朝食はこの黒パン1つだけ。

現実とは非情なものだ。

せめて、ベーコンを食べれれば…いや、この際スクランブルエッグでも素晴らしいご馳走になるだろうに…

そんな事を思いながら、黒パンにかぶりつく。

絶対上の層に行って美味しいものを食べてやると、

俺は心に誓ったのであった。

 

しかしこの大きさで1コルの超激安なのだから憎めない所がある…そうだ。チーズを乗せて食べれればこれまた絶品だろう。

 

再度かぶりつく が自分の手元にパンが残って無い事に気付きため息を吐いた。

 

ひとまず今日はとても大事な用事があるので、さっさと準備を済ます。とは言っても、現実とは違いステータス画面を出し装備を装着するだけで準備は完了してしまうのだが…

 

背中に相棒の剣、アニールブレード。紺色のレザージャケット、黒色のボトムス、ブーツを履き、宿屋を出た。

 

さて、大事な用事とは今日は第一層の攻略会議があると聴いたので、参加するためだ。が、会議までは時間がある。

そこまでの時間潰しの予定は既に埋められてしまっているのだが…

 

「おはよう、ユイル君」

 

俺の予定を強制的に埋めた超本人が現れた。

何故だ、ミウが言ってた待ち合わせ時間より1時間早く宿を出て逃走を図っていたはずなのだが。

 

「お、おはよう…ミウ」

 

「ユイル君、今日は早起きなんだねー、いつもは私より遅れてくる筈なのにね?」

 

ああ…俺の心が汗かきまくってる。

 

「い、いやー、こんないい天気には散歩しないと、も、勿体無いじゃないか!あ、アハハ…」

 

1ヶ月前までなら実際、俺の方が早起きだった。

ミウは寝坊体質だったが、どうやら俺がミウの寝ている姿、衝撃の現場を見てしまった日から全力で癖を治したらしい…

 

「何か変な事を思い出して無いかな?」

 

「イエイエイエイエ!滅相もない!」

 

「そう。ならイイわ。思い出したら首を跳ね飛ばすから覚悟しておいてね。」

 

なんて恐ろしい事を言うんだ。この女は…

 

「しかし、何で俺が1時間早く出る事が分かったんだよ?」

もしやエスパーという期待と恐怖を抱えながら聞いてみた。

 

「だって昨日、料理スキルの練習に会議まで付き合ってって言ったら、目を逸らしたからね。これは…と思って来てみたのよ。」

 

(怖えええぇぇぇ…)

心理戦などミウに挑んだ場合簡単に負けてしまいそうな気がする。

 

「へ、へぇ。そうだったのか。まあ、料理スキル頑張れよ。俺は応援してるから。じゃ、俺はこれで…ぐぅえ⁉︎」

逃走を図った俺の服の首根っこを引っ張ったため、進もうとした方向とは反対の方向に2歩戻ってしまった。

 

「何を逃げようとしてるのかしら?あなたにも手伝ってもらうと昨日言ったんだけど?」

 

「いやいやいや!料理スキルは1人でも上げれるだろ⁉︎

だから俺は必要無いって!」

 

女の子の手料理が仮想世界といえど、食べれるなんて人生に数少ないありがたい経験の筈なのだが、このSAOでは話が別だ。

料理スキルが低い、または取得していない状態の場合、料理をした場合、とんでもない物が出来上がるのだ。

 

以前、ミウが料理スキルを取得したばかりの時、料理を振舞って貰ったが…俺はアレを食べ物として認めるべきでは無いとおもっている。

 

「それが、貴方が必要なのよ。」

 

「なんでさ?」

 

「だって、料理を食べて完食すれば、スキル上昇にボーナスが付くらしいのよね。」

 

あ、アカン。料理に殺される。

 

「イヤイヤ‼︎俺を殺す気か⁉︎」

 

「安心しなさい。料理を食べてHPは減らないから。」

 

「HPじゃなくて、俺の精神にダメージがクリティカルで入るわ‼︎」

 

「失礼ね。じゃあ、こうしましょ。もし、料理スキル上げを手伝ってくれたら、上昇した暁には料理を振舞ってあげるわ。それでどう?」

 

「その上昇した料理を食える日が来ない気がするのは俺だけか。」

 

「あなたは疲れてるのよ。気のせいよ、気のせい。」

気のせいではない、現実となるだろう。

 

「と、とにかく!俺は嫌だからな!」

 

「……」

 

コレはどうしたものか突然黙り込んでしまった。

今の内に逃げるべきか。

というか、結構騒いでたので人が集まってしまっている。

 

あちらの女性などは「あらあら、彼女と喧嘩しら?」などと言っているし、そこの男性は俺を少し睨んでいる気がする…皆、違うぞ。こいつは俺の彼女とかじゃないからな。

 

「……グスッ」

 

「へ?」

 

周りのプレイヤーからブーイングや「うわー、女の子泣かすのはどうかと思うが…」「サイテー」など様々な言葉が飛び交ってくる。俺、何か悪い事をしましたでしょうか?

ついには「アーヤマレ、アーヤマレ」「土下座!土下座!」などと言われてきた。

 

「わ、悪かったって…た、確かに言い過ぎたな。うん。俺が悪かった。だから泣くなって…」

あぁ…小学生のトラウマが蘇ってきた…

 

「……ヒック…」

 

「ダーー‼︎分かった!分かったよ!料理スキル上げ手伝うからさ。な?」

 

「……本当?」

背に腹は変えられないとはこのことか…

 

「本当、本当。」

そして、俺は後に後悔するのであった…

 

とりあえず、仲直りしたと思い周りの野次馬は次々に去って行った。中には「女の子を泣かすもんじゃぁないぜ。」

なんて、セリフを言われたりもした。

 

「じゃあ、ミウ行くぞ…」

 

「ぷっ…」

 

「?」

 

「あははは!いやー、どうだった?私の演技。結構うまかったでしょ?ふふ…」

 

演技?何を言ってるんだ…ここで俺は気付いた。

ミウが泣いたのが演技、俺を料理スキル上げに手伝わす最終手段に出たことに気付かされた。

しかし、相手は冗談だったのかもしれないが、俺にとっては最悪の行動だった。

 

「…けんな」

 

「…え?」

 

「ふざけんなよ‼︎」

ミウのした行動は俺を激怒させられるには充分の威力がある物だったのだから。

 

「ちょ、ちょっと、冗談じゃない…そんなに怒らなくても…」

 

「黙れよ…なんで、なんで、もう一度繰り返すつもりなんだ⁉︎」

 

「え?もう…1度?」

どんどん体が血で沸騰し、熱くなるのを感じる。

ミウは全く関係の無い事なのに俺は感情を止められ無かった。

 

「…ッ もう、もういい!」

今はミウ…いや、誰とも合いたくない。

俺は当てもなく、ミウとは居る反対の方向へ全速力で走り出した。

 

ーーソードアートオンラインがサービスを開始してから1ヶ月経っても未だ第一層は突破されていない。

 




はい、そろそろ夏が終わりかけて来てますね…朝、秋が近付いて来てるなぁ、と思いながらiPhoneを触っている。俺です!前回に引き続き、戦闘が御座いません。戦闘の所って表現難しいんですよ…原作見ながら戦闘シーンをどうするか…悩んだ結果ほぼ原作と同じにしているのですが…w
さて、今回はユイルとミウが喧嘩をしてしまいました。
何やら、ユイルは過去に何かあった様です…
ま、この先は次回明らかになるかもしれませんし、しないかもしれませんw
気になる方は、次話も見てくだされば幸いです。
ではでは、また次回…end
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