ソードアート・オンライン〜Irregular player〜   作:mikuroさん

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第7話「Irregular player」

ふと思った。俺は何をしているんだ?と

確かフロアボスの討伐をしていて・・・そうだ、思いもよらないスキルをコボルト王が使用して・・・

 

「はっ!?」

 

 

俺は突然暗闇から解放され周りの景色が飛び込んでくる。

 

少し先にコボルト王が居る。手には刀を持っている。そしてその周りには・・・

 

 

「な、なんで・・・」

 

 

コボルト王の周りには他のプレイヤーが倒れている。

指揮を務めていた騎士のディアベル、厳つい髪型をしていたキバオウ、大柄な体をしたエギル、その他にも居る。キリトも、アスナも・・・皆、血を流して・・・

動揺しながら自分の体から血の気が引いていくのが解る。

 

 

そしてコボルト王の前に立つ女性。あれは、

 

 

「ミウッッッッ!!!!!!」

 

 

コボルト王が刀を振り上げ、そのまま下に振り落とす。

 

 

「よけっ・・・」

 

 

ドスッ

 

そんな鈍い音をたて目の前のプレイヤーも倒れる。

 

 

「う、うわぁァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

 

 

 

 

目の前に白い天井が先に目に飛び込んできた。

ピピピッピピピッと一定のリズムで俺にしか聞こえないアラームが鳴り続ける。

そのうるさいアラームを停止させ、一度深呼吸を行い、ベットから起き上がり

ベットに座る。

服が汗でビッショリになっていることに気づく。

しかしとんでもない夢を見てしまったようだ。

もし夢もこのSAOのシステム、カーディナルが管理していて、夢を見せているなどというものなら、腹が黒いシステムだろう。そうなれば、このゲームを作った茅場など極悪人になるだろうが・・・

 

 

現在74層が最前線になっている。

あの第一層の戦いは苦闘だった。

 

あのあとスキルがベータ時代から変更されていた。

しかし、ディアベルがLA(ラストアタックボーナス)を狙いに行くが、

コボルト王の刀スキルの連続攻撃を喰らい、HPが全損し消滅――死亡した。

 

その後はキリト、アスナが奮闘し、全員体制を立て直し、フルアタックを行い

最後はキリト&アスナが見事なコンビネーションを決めフロアボスを倒すことができた。

 

しかし、

 

 

「――なんで、ディアベルさんを見殺しにしたんや!!」

 

 

「見殺し・・・・・?」

 

突如そう叫んだのは、キバオウだ。

 

 

「そうやろ!!だって・・・・・だってオマエは、ボスの使う技を知ってたやないか!!オマエが最初からあの情報を伝えてれば、ディアベルはんは死なずに済んだんや!!」

 

確かに、キリトは刀の事を知っていた。が、それはベータ時にここから上の層で刀を使う敵が出てきたため、即座に後ろへ飛べという指示を叫んだのだろう。

そうなると、アルゴの攻略本が嘘になるが、アルゴが嘘をつくようには思えない。

理由として、まず利益もないし、攻略組が全滅し、第一層突破ができなくなって一生このデスゲームがクリアできなくなるからだ。

ということは、ベータ時とは違い、この製品版で変更があったということだ。

 

やけにヤバイ事になってきた。周りも次第に騒がしくなり怒りの言葉が飛んでくる。

このままでは・・・

 

「辞めようよ!!」

 

突如叫んだのはミウだ。

 

「こんな事で争ってどうするの!?ベータ時から変更があって・・・」

 

 

「うるさいわ!!黙っとけ!!」

 

 

そこでキバオウに言葉を遮られる。

 

 

「お前は関係ないやろうが!!まさか、おまえこいつを庇うっちゅう事はお前も元ベータテスターか!?」

 

 

「・・・」

 

 

「だまるっちゅうことはお前ベータテスターやな!?お前らのせいで・・・」

 

そこでキバオウの隊のメンバーの誰かが言った。

 

「オレ・・・オレ知ってる!!ベータテスターの中に例の10001人目のプレイヤーが居るんだ!!」

 

 

「な・・・」

 

そんな訳がない!!正真正銘俺が10001人目のプレイヤーなのだから。このままではマズイ。

ミウがこれから嫌われ者となり最悪は命を狙われてもおかしくはない・・・

ならば、どうするか。選択肢は1つだ。

 

 

「・・・・フッ。そいつが10001人目のプレイヤーだ?それは大間違いだな。なんたって10001人目のプレイヤーはこの俺なんだからな!」

 

 

やってしまった。この行動をすれば確かにミウは10001人目のプレイヤーの件に関しては、ほぼ無関係になるが、完璧に俺に様々なリスクが襲いかかる。

ま、全員の驚いた顔が拝めたので良しとしよう。

 

 

「・・・はっ!そんなのお前がそいつを庇ってるようにしか見えやんわ!!お前が10001人目のプレイヤーという証拠見せてくれへんかぁ!!」

 

 

周りのプレイヤーからも「そうだ!そうだ!」などの言葉が飛んでくる。しかし俺にはカードが残ってる。無論俺が茅場晶彦という証拠などを出したら殺されるのだが、残念ながら俺は茅場ではない。が・・・

 

 

「・・・あるさ。」

 

 

キバオウの眉が少し動く。証拠ならあるただ、俺もこればっかりは自分でも嘘か本当かは分からないが。そう考えながら俺はステータスウインドウを操作しスキル画面を可視化させキバオウの前に突きつける。

 

 

「この文字化けしたスキルが見えるな。」

 

 

「そ、それがどうしたんや・・・」

 

 

キバオウの同様が見て取れる。

 

 

「これはエクストラスキルだ。しかも超強力なスキルだ。お前たち全員が掛かってきても全員殺せる程のだ。」

 

 

自分でも恥ずかしい。こんな状況でもなければ俺の顔は真っ赤になっていることだろう。

 

 

「はは・・・そんな訳あるかい。そんなスキルあったらチートやないかい!!そんなん嘘っぱちや!!」

 

 

周りも騒ぎ出し「そうだ!そうだ!」「殺してやろうか?くそったれ!!」など言葉が飛んでくる。

恐らくこの時一番怖い顔と低い声で言えただろう。

 

「なら試すか?」

 

 

「ひっ・・・」

 

 

誰かが弱気な声を出した。

 

 

「さあ、俺はそろそろ行かないとな。お前らがノロノロしてる内に俺は上でクエストでもクリアするさ。ま、後はベータテスターの話でもしてるんだな。じゃあな。」

 

 

ベータテスターの話を掘り返したのは悪意があってやったわけではない。これからのためにもこの件についてはケリをつけなければいけない。どうやらキリトに考えがあるようなので全てまかす事にした。

 

 

「じゃあな。ミウ」

 

 

彼女にしか聞こえない声量で通り際に言った。

ミウが何か言いかけた気がするが、無視する。

最後はキリトだ。

 

 

「後は任せた。」

 

 

この言葉で理解はできるはずだ。キリトは去り際に「わかった。」とだけ言った。

俺は2層へ続く扉を開け階段を上がった。

 

 

そして今に至るわけだ。あの後はソロプレイヤーとしても動いたが後にパーティーでも動いたというのはまた別の話だ。

ただ一人無くしてしまった大切なプレイヤー以外は今も最前線で戦っている。

彼女を思い出しながら、今日も俺はアインクラッドで戦い続ける。

第一層の戦いの後からいつからか、俺は『Irregular player』と呼ばれるようになった。

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