ホロライブラバーズ トロフィー『数多の業を振るう者』獲得実況プレイ 作:疾走
途中から迷走してたんで温かい心で理解してください。次の投稿も遅れると思います
「──巫山戯るな。そんな事、認められるか!!」
その
違う、そんな訳が無い。
過去に意味など無い。意味があっていい筈がない。
あの過去を、
それ故、その身から溢れ出る残炎すらも奏人の言葉を否定しようとした。
「敗北を、挫折を、そんなものに縋って何になる!! 意味など無いだろう!!」
「縋ってなんかねぇよ!! 抱えて、背負って進む、そう決めたんだ!!」
全身が熱に震える。
息として吐き出したくないその
その熱が、嘗て修めた術理の錆を落とし、現へと再臨させる。
「ああそうか。今、ようやく分かった。俺は、アンタが苦手だ……!」
敵だから、とかとは関係なく。
彼の叫びが、その奥の感情が、どこまでも自分と同じだったから。その慟哭が、痛いほどに理解できるから
故にそれは、歪みに歪んだ同族嫌悪。
「話してて分かる。
錆下桜士郎は、あり得た可能性の星川奏人だった。
過去を破却した星川奏人、或いは
だからこそ、その言葉は決定的だった。
業火は荒れ狂い、視線に殺意が装填される。その視線は物理的な鋭さすら帯びていた。
「貴様が、貴様がそれを言うか……!」
「ああ、言うさ!! そうやって現実から目を逸らしてるのを見ると、イライラするんだよ……!」
過去も知らない。軌跡も知らない。そこにあった想いも知らない。
それでもそこにある感情が、感覚が、リンクした。
(こいつには、絶対に負けられない……!)
(この男を完全否定しなければならない……!)
桜士郎の纏う業火が猛り狂った。
落ちた筈の出力が再上昇、赫灼の焔に再度至る。
思考すら染め上げる激情に呼応して焔は全てを燃やし尽くさんと雄叫びを上げた。
(──思い出せ、あいつの全攻撃を。パターンを、癖を見つけ出せ)
身体に力は漲る、されど思考はどこまでも冷静に。
心はマグマのように滾るもその目は深海のように冷たく澄んでいた。
今までの戦闘から得た情報を
今一度斎場全域を対象として演算を開始する。
ミオとフブキの位置──このまま戦闘を行っても被害はでない。
自身の装備と体調──魔力体力共にある程度の余力はある。武器も、これ以上ない程に頼りになるのがある。
敵の位置と立ち回り──桜士郎と視線がぶつかる。
今までに無い速度で戦闘用思考回路がパターンを弾き出していく。
これまでの戦闘経験から勝利──
確実に攻撃を当て相手を撃滅する──それを目的とした正気では築けないような、そんな戦闘理論を、精神の新生と共に作り上げる。
足りない理論を、技巧で補填して、
構築、完了。
僅かな時で築き至った理論を身体に染み込ませるように、その理論を、『
「
敗北から飛躍するための起爆剤、それが爆発する。
(身体強化は、使わない。今はこの身体能力を完璧に制御することに注力する)
リソース管理を変更。
相手の出力は低下しているとはいえ依然、その馬力差は健在。
なら出力勝負には持ち込まない。その能力差を技術で、理論で埋める。
魔力の流れ、反射、筋肉の動き、血液の循環すらも観測し、理解し、その全てを掌握する。
視線が切り結び、ほぼ同時に両者は踏み込んだ。
業火が炸裂、赫焉の残炎が紅い軌跡を残す。
人間の反応速度を超過した速度。
その一撃に対応する為に要求されるのは、先読みによる軌道予測。
「──フッ……!」
これまでの剣戟からパターンを引き出し、軌跡をイメージする。
そのイメージに合わせて腕を振るった。
向かってくる炎刃に刀を合致させ、絡ませる。
そこから力を清流と仮定、その流れに僅かな別の指向性を持たせて切り払う。
「チッ!! 小癪なァ!!」
奏人は即座に刀を引き戻し加速した斬撃を放つ。
その斬撃を受け止めた赫尾は、直後に多方向からカウンターとして胴体に襲いかかった。
だか、それすらも織り込み済み。
回避せずに、体を仰け反る。仰け反った背中の皮膚一枚に攻撃を掠らせその勢いを上乗せして撚るように回転、回転斬りに派生させる。
余りにも攻撃的。
余りにも精密。
余りにも、先程と異なる。
始めて、奏人の攻撃が桜士郎を切り裂いた。
空間を舞う鮮血を尻目に空中で体制を制御、そのまま蹴りを叩き込む。
纏う業火に脚を僅かに焼かれるが無視して撃ち抜く。
軽く吹き飛ばし、着地の時間を稼ぐ。
「フゥゥ……」
着地後すぐに刀を構え感覚を過敏に尖らせる。
彼我の距離10数メートルを射出された炎球は瞬く間に喰らい尽くした。
体を傾け急加速。鋭角な動作でステップを繰り返し炎球を潜り抜けていく。
加速を維持、能力差で近接戦闘は死のスレスレに触れている。それでも、勝つためには近接に持ち込まなければ光は導き出せなかった。
「──シッ!」
(回避、無理……!)
横を通り過ぎた炎球が爆破、余波の衝撃で動きが鈍る。
その僅かな間隙を縫って刺突が空気を穿った。
左に半歩のみ、体を逸らす。刺突が急所を穿つのを回避、肩を微かに斬られるの程度の最小限の損傷に抑える。
半身から戻す時に捻りから力を爆発的に上昇させ伝導。フェイントを絡め、刺突を返す。
しなる赫尾に逸らされるも刺突から斬撃に無駄なく移行し赫尾を切り払う。刀を振るいながら地面を弾くことで後退し、演算に集中する。
払われた火の粉が空を無為に煌めく。その様は、この剣戟を応援するようで、その輝きは闘争を彩っていた。
その予測も、その行動も、その何もかもが変貌していた。
まるで、相手の行動の全てを把握しているような、そんな動き。
その動きこそが、奏人に築いた『剣理』。
現在までの戦闘経験値から莫大な数のIFを弾き出しそこからパターンを算出。そのパターンにリアルタイムで相手の行動を落とし込む事で予測は擬似的な予知のレベルまで跳ね上がっていた。
だが『剣理』の本質はそこにあらず。その理論の深奥はパターンを戦闘領域全域を対象として演算、そこから弾き出される相手の行動に対して必ず当たる攻撃を作り出すこと。
業火の炸裂による超加速斬撃も、赫尾の多様性も、焔の操作性も、全てが予測済み。
故に避けられる。故に当たる。
「おい、どうしたよ……俺の
「──殺す……! 貴様にだけは、負けることはできない……!」
眼から気炎が溢れ出る。戦意は戦闘を通じてより一層膨れ上がった。その熱が、どこまでも体を動かす。握りしめた紅の刀は呼応するように煌めきその鋭さを示していた。過去の自分が、今の自分を助けてくれる、この理論はそれを如実に示していた。
「あんたには認めてもらうぞ、過去を否定することの無意味さを!!」
「黙れェ!!」
赫尾が膨れ上がり、爆発的に加速した。
加速に使用した赫尾は霧散するも次の瞬間には補填、再形成されている。
6つの赫尾と炎刃が故意的な時間差で隙間なく放たれる。
(予測じゃ回避しきれねぇ、必要なのはもっと本能的な、反射────使うか)
瞬間的にこのままだと回避不可能ということを理解する。だから、技の使用にリソースを移行した。
まず、瞳を閉じた。視覚情報は不要、あれば却って邪魔になる。
腰を落として多角運動に備える。
構えて、そうすれば無意識に風に乗せるように、その名を舌で転がした。
「
名を呟けば意識せずとも染み付いた動作で周囲に魔導回路を展開する。
その魔導回路は知覚の網。その範囲内に入ったものを感知する絶覚の技。
その感知に従って猛攻の嵐を捌き切る。僅かな身体捌きで攻撃の線を潜り抜けステップで位置を修正する。
そこから、嵐を抜けて、抜刀に最良の位置へと踏み込んで、鞘から刃を疾走らせる。
紅刃は一寸の狂いなしに桜士郎の胴を切り裂いた。鮮血が僅かに舞い散るが、その量は直撃したことを踏まえると余りにも少ない。
(あの炎……威力を殺してるのか)
纏う業火は防御性能にも長けている。損傷から見るに一発一発の威力はかなり殺されている。
だが、関係ない。そんなもの、既に想定している。
この瞬間にも戦闘をフィードバックに演算の修正を行っている。
糸のようにか細い勝利を、模索する。
その事実を弾き出して尚、奏人に焦燥は無かった。
熱が、勝てと吠える。意志が、守ると吠える。心が、勝利を確信している。
「本当はあんたも分かってんだろ! 過去の否定、その果てには今の自分も否定することになる!
「──ッ!?」
突拍子も無い発言ではなく、奏人自身の経験から基づくもの。その言葉が、その気迫が、桜士郎の胸の奥を容易く射抜き刹那のみ動きが止まった。
「そうやって、自分を捨てようとして! 強さだけを求めて!」
受けからのカウンターから一変、斬撃の嵐を形成する。猛攻の目的は赫尾を削り切ること。
切り結ぶ中で推測できたが赫尾は業火が収束し固定化したエネルギー体だ。
炸裂させれば莫大な推進力になり、攻防どちらにも使用できてその汎用性は高い。
だが、その行動にはエネルギーの消費が必要。ならば、削れ取れる。
「結果だけに執着して! 虚しさを無視して! それになんの意味があるんだよ!!」
「────」
赫尾で斬撃を受け止めながら桜士郎は口を開きかけ、何も言葉が出なかった。反論する余地が無かった。どんな否定を叫ぼうとしても、声へと昇華はされなかった。
それは、つまり、自身もまた、それを認めているということで──
「──ォォォ!!!」
顕現するは炎線領域。
焦燥のままに伏せていた手を切った。
紅刃を受け止めた赫尾が輝きながら形を変える。業火の炎線が周囲を貼り巡った。
行動を極端に制限し相手に不利を押し付ける
「しゃらくせぇ!! ──死垂桜!」
取るべき選択は瞬時にこの領域から抜け出すこと。
即座に百鬼流を使用する。周囲に魔導回路を展開、そこから魔力で形成された桜の花が舞広がった。炎線に触れた桜はその身を燃やしながらもそこに込められた魔力を吸収していく。
桜の花は触れた物から魔力と生命力を吸収する、炎線を消すまでには届かなかったがその勢いは格段に落ちている。
「
理論を修正、この瞬間のみ肉体を強化。自ら炎線へと飛び込む。
『紅牙征流』を巻き込むように振るいながら一部の炎線を削り取る。できた隙間に身を捻りながら滑り込ませる。空を舞っていた奏人は桜士郎の後ろに着地した。
「──な、ん」
必勝だった筈、だというのにその相手は視界から消えている。
振り向きざまに視認した奏人は深く腰を落とし、『紅牙征流』を身体の後ろに構えていた。その紅刃に展開された魔導回路から、蒼い魔力が迸っている。
「百鬼流──蒼天之栄光」
振られた軌道を拡大するように、蒼い斬撃が前方を薙ぎ払う。
刀身を魔力収束の芯にすることで威力、精度を高めた魔力斬撃。その一撃は、既に魔力を削られていた炎線を破壊した。
「逃さねぇ、絶対に逃させはしねぇ。現実逃避なんか、認めはしないぞ!」
「巫山戯るなァ!! 過去など要らない!! 否定したからこそ、今も俺が、この力がある! ならば、過去を認める意味などない!!」
「──あんたの!! あの炎線はどうなんだよ!?」
息が、止まった。
奏人の言葉は、核心をついていた。
「あの炎線も、領域も! 生半可な練度じゃ使えやしねぇだろうが!! あの技たちは、あんたの
その言葉は。
桜士郎の胸の奥の、最も柔らかい部分を、容易く抉った。
『わあ! 凄いね、それ! 炎でできたお花みたい──そうだ! 炎華なんてどうかな?』
想起した嘗ての記憶。
それは、
「オオオォォォ!!!!」
感情が、爆発する。激情に呼応して赫灼は最初の勢いを取り戻した。
激情に流されるがままに業火が炸裂、銃弾を軽く超える速度で奏人に接近した。
(耐えれて、2分。どうあがいてもそれより先まで耐えれる手が見えない。──これじゃ半ば賭けだな)
見えた
迫る刃を『心月』を用いて回避。桜士郎の出だしを潰すように『紅牙征流』を振るう。
真正面から避け続けるのでは無く斎場を縦横無尽に駆ける。予測と直感を使い分ける事で猛火の猛攻から逃れていく。
背後から迫る炎刃をサイドステップで避け勢いを回転へと変換。そのまま突きへと移行する。突き出した刃が赫尾に受け止められたのを確認した直後、バックステップで後退しながら『蒼天之栄光』を使用する。
前方に展開された炎の壁に接触した斬撃は触れた瞬間から燃え尽きていく。
炎壁は数秒で変形、火球へと変わり飛んでくる。直撃軌道を描いていた火球の殆どは斬り伏せるも間に合わなかった一個が腹をかすめる。
(クッソ、予測が間に合わなくなってきた!)
奏人の築いた鬼剣は、決して万能な技法ではない。相手との戦闘経験、技量、その場での心理、それら全てを読み解きパターンに落とし込むことで始めて、鬼剣は稼働する。
故に経験していないスペックへの反応は、現段階では弱い。ある程度は反映できているものの全てへの対応は不可能。
身体捌きで被弾場所を強引に変化、重要性の少ない部位への被弾への変えることで戦闘を継続させていく。
気が遠くなるほど繰り返された理論の修正。最初は近接戦闘への集中の為に使用を止めていた魔法を、理論に組み直した。
これまでよりも効果的に、効率的に魔法を運用していく。
「【グラキエース・ショット】、【グラキエース・シールド】」
射出された無数の炎球に対し奏人は氷壁と氷の散弾を構築。
氷弾で炎球の勢いを減衰させ、氷壁が耐えれる時間を伸ばす。氷壁が壊れるまでの時間で射線から逃れる。
逃げ回って時間を稼ぎながら最後の手の演算を並行して行う。勝利の為には桜士郎の意識を全て自分に向けさせなければならない。
(……なら、俺だけで勝つ意識で最大攻撃を放つしかない……!)
弾き出した結論から、そこに至るまでの手を逆算する。
今まで導き出したパターンを元に、手を作り出していく。
これまでの戦闘で磨き上がった戦闘用思考回路が弾き出す選択肢から最も成功確率の高い手を取捨選択する。
刹那で構築した戦術を身体に流し込み、溢れ出る気炎を思考から排熱する。思考を鉄のように冷たく、冷静に稼働させる。
横薙ぎに放たれた豪速の炎斬を屈んで避け、地面を蹴り砕きながら距離を取る。
着地直後、体勢を低くして突進態勢に入る。
「【ラウザルク】、【マナ・オーバー】、【
最大強化を解禁。
身体制御を今の強化された身体能力で完璧にこなす。今の己の限界を軽く超えた行為。
そんな限界など笑い飛ばせ、今この瞬間にそんなモノを超えられないなら意味がない、そんな意志を燃料に壁を乗り越える。
「──ォォ!!」
重心操作で踏み込み時に自重を加速に乗せる。視界の景色が光のように流れていく。
二度の踏み込みで剣域に桜士郎を捉える。
「【フルミニス・ペネトレイト】」
飛翔する雷閃が空を駆けた。業火に拮抗なく受け止められるも、生まれた一瞬の間隙を道しるべに勝利を切り拓く。
加速を最大に乗せた抜刀術。空気を切り裂きながら放たれた一閃は一切の歪みない軌道で桜士郎に迫る。
「そんなものっ!!」
斬撃は赫灼の薙刀に受け止められる。
それは、予測の範囲。狂い無く手を進める。
「
左斜めに氷壁を生成。それを足場に三角跳びを実行。
鋭角な機動で裏に回る。魔導回路の励起と同時に納刀。抜刀術の準備を行う。
「悪手だな、星川奏人!!」
桜士郎の裏、それはつまり赫尾の領域。
迫る赫尾を視認しながら奏人は魔導回路を展開した。
「【グラキエース・シールド】」
二度目の氷壁生成。先程と同様に鋭角な機動で裏の裏に回る。
「ウォォォ!!!」
全身全霊の、抜刀術。疾走った紅刃は寸分の狂いなく桜士郎の胸に迫り──集まった業火に止められた。
「ここで、倒れ伏せ。その弱さと共に、溺死しろ」
硬直する奏人に、無慈悲に炎刃が迫る。
その刃は容易く奏人の心臓を貫くだろう。
全力を振り絞って、それでも届かなくて。
今までの奏人であれば、ここで終わっていだろう。
だが、彼は知った。自分を動かす少女達の
つまり、手を取り合う強さを──!!
鬼剣とはパターンを戦闘領域全域を対象として演算することで必中の攻撃を構築でする技法。戦闘領域全域、つまり味方の行動すらパターンに組み込んだ戦闘理論!!
背後で、黒白の極光が迸った。
その極光は、奏人が賭けに勝った事を示していた。
「──奏人君!! 跳んで!!」
「──おう! 後は頼んだ、フブキ!!」
後ろに飛び退いた直後、赫灼の業火を押しのけて、極光が桜士郎を貫いた。
衝撃で辺りの床や柱が壊れていく。吹き上がった木煙が収まった時に、視界には白と黒の狐が立っていた。
「あー、ありがとう?」
「いやー遅れてすみません! 生きてますよね?」
「ああ、なんとかな──お帰り、フブキ」
「──はい! ただいま、奏人君!」
これにて、一つの演目が幕を閉じた。
白上フブキを中心とした演目は終わりを迎え、故に次に始まるのは只の蛇足であった。
ぴしりと、音が響いて。
隣にいる黒狐の少女について尋ねようとして、口を開いていた、その時。
ギシ、ビキ、バリ、
ぎしりと、何かが歪んだ。
上空から感じる異質な威圧に、上を仰いで。歪み、裂かれた空間から現れたワームホールを視認した。
「こんとん、へんよう、さんか、とうそう、かいじん、かいびゃく」
詩が響く。それを聞いた三人から苦悶の声が漏れる。
聞いただけで脳に負担を齎す異界の言葉。
「せかいのなげきをかんじた。ひとびとのきぼうをかんじた」
「わがみはむげんとへんようし、そのすべてはとうそうがために」
上位領域到達者同士の衝突、それによるワームホールの顕現。
それに加え■願保持者の再接続による、より深まった互いの繋がり。
条件は満たされ、灰泥が顕現する。
セカイの自浄作用により塞がれた筈のワームホールを強引に引き開け、混沌/異端が現へと姿を見せようとしている。
「ちつじょはなく、こうそうのはて、ぜつぼうすらかんじぬまま」
「──ガッ!? グッ──!?」
脳への凄絶な負担に奏人は膝をつく。
突然だった。なんの予兆も無く、詩から
まるで、自己の認識可能な階位が、引き上がったように。
或いは、
脳で獣が暴れ回っているような激痛を堪えながら詩の正体を視認しようとワームホールに目を凝らす。
「かいからはずれ、ちをこわし──
言葉が即座に切り替わった。
スイッチが変わったように、セカイに適応する。
其れはつまり、顕現が果たされた事の証明。
「んだよ、あれ……」
ワームホールから灰色の極光が迸った。
天から地まで一本の柱として輝くその光が、門であることに遅れて気づいた。
引き裂かれた空から混沌/異端の全貌が現れる。
表皮は灰色と鈍色の金属質な装甲のよう。各部にてその装甲は他者を傷つけるように鋭利に突起している。
優に3メートルを超える体躯に各部に走る蒼いライン。
フルフェイスヘルメットに似た顔は無機質で、意志を感じさせず、眼は無く代わりに紅い光が放たれている。
顕れたるはイレギュラー。
悪性機構でも善性機構でも無く、ただそこにある異端。
善悪が混ざりあった、原初にして最新の
愚者による涜神の果てでは黄昏を滅する事はできなかった。
勇者による未来の守護は灰泥を封印するには足らなかった。
その身に宿る闘争を知れ。
世界すら侵す灰泥を知れ。
「───Rematch」
黄昏の泥と、業人の演目が、幕を開けた。
気長に待ってて貰えると嬉しいです
ぶっちゃけ読者に厨ニな技名とか活動報告で求めたら書いてくれる
-
書く
-
書かない
-
恥ずかしい♡
-
おい、デュエルしろよ