うたの☆超者さまっ♪   作:BREAKERZ

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オリジナルライディーンが登場します。


幸せを守る為に! ライディーンシーガル!

ー翔チームsideー

 

クリスとの会話を楽しんだ翔は、ララ達やバルクホルンに芳佳にリーネと共に病院を後にした。

 

「今日はありがとう来栖。クリスも喜んでくれた」

 

「気にすんなよ。俺もクリスに会えて良かったしな!」

 

ニカッと笑みを浮かべる翔に、リーネは意を決して声をかけた。

 

「あの! 来栖くん!」

 

「ん? 何だ?」

 

「その、来栖くんは、恐くないの? 〈超魔〉って怪物と戦う事に・・・・」

 

「私も気になってた。ライディーンに選ばれたからって、来栖くん達が戦う事ないよ!」

 

リーネだけでなく、芳佳もそう言い出した。口には出さないがバルクホルンも、一般人である翔達が戦う事に難色を示している。

翔はリーネに向かって口を開く。

 

「恐くねぇ訳ねぇだろう?」

 

『えっ?』

 

翔の言葉に、芳佳達だけでなくララとモモまで意外そうに目をパチクリさせた。

 

「そりゃあさ。子供の頃にこんな羽を貰って、〈超魔〉なんて化け物と戦えなんて言われて、はい分かりました、なんて言えねぇよ。・・・・でもさ。俺も子供の頃はクリスと同じように入院生活していてさ。クリスが火事に巻き込まれて苦しんでる姿が、その頃に俺に似ててな。だから、俺が守るんだ! 俺が助けるんだ! って思ったら、不思議に恐くなくなったんだ。俺達が得たこのライディーンの力で、俺が誰かを助ける存在になれるなら、俺はこの力を振るうって決めたんだ」

 

「・・・・翔くん」

 

「強いんだね、来栖くんって」

 

芳佳とリーネがそう言うが、翔は笑みを浮かべで返す。

 

「俺から言わせりゃ、お前らウィッチーズの方が勇敢だと思うぜ」

 

「「「えっ?」」」

 

「だってそうだろう? 俺らとほとんど歳変わらないって言うのに、世界の平和を守る為に、世界最強のISや次元世界の秩序を守る管理局の魔法でも敵わない〈ネウロイ〉と戦ってんだぜ。お前らだって十分勇気があるぜ」

 

「わ、私、家族を守りたいから・・・・」

 

「私も、お父さんを探したいから・・・・」

 

「それで十分だと思うぜ」

 

「「えっ?」」

 

「それで十分なんだよ。家族の為だ。お父さんを探したいからだって、それだけで十分何だと思うぜ。戦う理由なんてさ。音也も真斗もそう言うだろうぜ」

 

「翔くん・・・・」

 

「偉そうな事言っちまったな。そんじゃ音也達と合流して・・・・っっ!」

 

言葉の途中で翔が自分の左手首を押さえた。

 

「来栖くん?」

 

「どうしたの?」

 

「この感覚・・・・〈超魔〉が来ているっ!?」

 

『えっ!?』

 

ーーーーピリリリリリリ。

 

と、ララや芳佳達が驚くと同時に、モモから着信音が流れ、モモがスマホを取り出して電話に出る。

 

「はい・・・・唯さん? えぇ、分かりました。ストライクシティ中央に新しく造られた遊園地ですね」

 

「モモ。唯はなんだって?」

 

「音也さんと一緒にいたそうですが、音也さんが〈超魔〉らしい物影を見つけたから追跡してたら、遊園地のイベント会場についたようなんです」

「遊園地・・・・。真斗達は?」

 

「真斗さんと春菜さんもその現場に向かっています。私達も急ぎましょう」

 

「おう! バルクホルンさん達は基地に戻ってくれ!」

 

「あ、あぁ・・・・!」

 

翔達はそう言うと、地図アプリでテーマパークがある場所に向かった。

 

 

 

 

 

ー芳佳sideー

 

「行っちゃったね・・・・」

 

「うん・・・・」

 

「・・・・こちらバルクホルン。ミーナ、来栖達は遊園地へと向かった」

 

「バルクホルンさん?」

 

バルクホルンがスマホを取り出すと、ミーナへと連絡した。

 

《分かったわ。こちらも皆を連れて向かうわ。三人のストライカーユニットも持って行くから、先に行っていて》

 

「了解」

 

「バルクホルンさん、これって・・・・」

 

リーネが聞くと、バルクホルンは口を開く。

 

「彼らの話が本当なのか、ミーナは半信半疑でな。超魔と言う存在が現れたら連絡するように指示を受けていたのだ。行くぞ、彼らが戦う〈超魔族〉と呼ばれる存在が何なのか確かめる為にな」

 

「「は、はい!」」

 

バルクホルンの後を芳佳とリーネが追いかけた。

 

 

 

 

 

ーシーサーペントsideー

 

『シャシャシャ! 見つけた!〈ゾディアック・オーブ〉だっ!』

 

シーサーペントはストライクシティに新しく建設された遊園地に着くと、その中央広場でイベントが行われていた。そして、その遊園地のシンボルと言える時計塔の時計の中心に、光る球体を見つけた。

 

『シャシャシャ! 折角だ! 人間達をビビらせてやるかっ!』

 

シーサーペントは口を大きく膨らませると、液体をメリーゴーランドやらの施設に吐き出した。そして、液体が付着した部分が腐れ爛れ、溶けていった。

最初はザワザワと騒ぎ出す人々だったが。

 

『お次はーーーーこれだっ!』

 

シーサーペントが身体を黒く染めると、とてつもなく巨大なウワバミへとその姿を変え、中央ステージ近くに現れた。

 

『わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』

 

『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!』

 

突然現れた異形のウワバミが遊園地を破壊するのを見て、人々はこれが遊園地の出し物じゃないと理解すると、泡くって逃げ出した。

そんな中、ステージ中央に立つ『国民的超人気アイドル HAYATO』が、シーサーペントを見上げていた。

 

「あれは・・・・!」

 

ーーーーうぁぁぁん・・・・。

 

「っ!」

 

普段の明るい雰囲気が消え去り、緊迫して面持ちでシーサーペントを凝視していた『HAYATO』だが、突然逃げ惑う観客達の群れの中から、女の子の泣いている声が聞こえ客席に目を向けると、

 

「パパ~! ママ~!」

 

おそらく両親とはぐれてしまったであろう少女が泣いていたのだ。

と、その時、シーサーペントが破壊した時計塔の一部の破片、目測だが、直径八メートルであろう大きな瓦礫が、その女の子に向かって落下していく。

 

「危ない!!」

 

『HAYATO』は脇目をふらずにその女の子の元へ向かうと、その女の子を庇うように抱き締めた。

 

「超者・降臨!」

 

と、落ちてくる瓦礫を空中で受け止めた赤い鳥人間が現れた。

 

「なっ!」

 

『HAYATO』はその姿を見て、驚愕した。ソコにいたのはーーーーライディーンイーグルだったのだ。

 

 

 

 

ー音也sideー

 

超魔・シーサーペントを追ってきた音也達は遊園地に到着すると、巨大なウワバミとなって暴れるシーサーペントを見た。時計塔を破壊し、ソコから出た瓦礫がまだ人がいるステージに落下していくのを見て、音也はイーグルへとなり、瓦礫を受け止めた。

 

「くぅっ・・・・!」

 

『シャシャシャ! ライディーン! 邪魔をしに来たのかっ!?』

 

「超魔! やはりこの街に来たのか! お前の目的は何だっ!?」

 

イーグルがそう言うと、シーサーペントは時計塔の中央にある宝石を口から伸ばした二枚舌で絡め取った。

 

『シャシャシャ! 遂に見つけたぜ! これぞ正に『牡牛座のゾディアックオーブ』!』

 

「『ゾディアックオーブ』?」

 

『そう! これこそ我ら超魔か求めていた物! 『ゾディアックオーブ』だぁ!』

 

シーサーペントは宝石を掲げて叫ぶと、ギョロッ!と、イーグルの足元にいる『HAYATO』と少女、そして逃げ惑う観客達に目を向けた。

 

「っ! まさか、やめろ!」

 

『死ねよっ!!』

 

シーサーペントは溶解液を観客達に向けて吐き出した。

がしかし、

 

「おっとぉ!」

 

「はぁっ!」

 

『っ! ぎゃぁぁぁっ!!』

 

突如、風が溶解液の前で渦を巻き、逆にシーサーペントに跳ね返すと、稲妻がシーサーペントの身体に当たった。

 

「ファルコン! ホーク!」

 

駆けつけたホークとファルコンが、イーグルを守った。

 

「イーグル、無事かっ!?」

 

「ああ!」

 

「おらよっと!」

 

ファルコンがファルコンアローで瓦礫を細かく粉砕すると、漸く解放されたイーグルがシーサーペントを睨む。

 

「二人とも! 超魔の目的はあの宝石、『ゾディアックオーブ』だ!」

 

「それが目的だったのか!?」

 

「んじゃそのオーブを俺が取っちまおうぜ!」

 

『そうは行くか! ぐぐ・・・・ゲハッ!! 行け! スケルトン兵!』

 

シーサーペントが口から吐き出したのは、異形の骨をした怪物『スケルトン兵』だった。

スケルトン兵は逃げ惑う人々に襲いかかる。

 

「っ! させるかっ!」

 

イーグルが急行して、イーグルソードで切り捨てていく。

 

「「イーグル!」」

 

「コイツらは任せろ! ファルコン! ソイツは頼んだ! ホーク! 二人を安全な場所に!」

 

「任せろ!」

 

「分かった!」

 

『シャシャシャ!(ババババババババババ!!)あぁ?』

 

大声で笑うシーサーペントに、銃弾が放たれる。目を向けるとソコには、ストライクウィッチーズが駆けつけた。

 

「あなた達!」

 

「無事か!?」

 

「ウィッチーズ!」

 

「っ!」

 

「芳佳ちゃん!!」

 

ミーナと美緒が声を出すと同時に、芳佳は顔を驚愕に染め、シーサーペントの眼前にまで飛んで行った。

この遊園地は、〈ネウロイ〉の進行の最前線とも言える〈南都〉のストライクシティーで生活する人々が、少しでも楽しい時間を過ごせるようにと作られた場所だった。それが無残に破壊され、人々が恐怖と混乱に満ちた戦場とされたのだ。

 

「・・・・何で・・・・」

 

『あ?』

 

「何でこんな事をするのっ!? ここの人達があなたに何かをしたのっ!? どうしてこんの酷い事ができるのっ!?」

 

芳佳が声を張り上げて叫んだ。が、シーサーペントは鼻で笑うように声を発した。

 

『はっ! くだらん』

 

「えっ?」

 

『貴様ら人間とて、目の前を羽虫が屯っていれば鬱陶しいと思うだろう? 我ら〈超魔〉にとって貴様ら人間は羽虫なのだ。弱く、脆く、その癖欲深く、身の程を弁えない思い上がりの強い醜い生き物がな!』

 

「っ!」

 

芳佳の目の前で溶解液を吐き出すシーサーペント。

 

「宮藤さん!」

 

「ミーナ隊長!」

 

しかし、ミーナが寸前で芳佳を庇いながら障壁を張り防ぐが、次に尻尾で魔法陣を叩きつけられ、芳佳と一緒に地面に落下した。

 

「「きゃぁぁぁぁぁっ!!」」

 

「芳佳ちゃん!」

 

「ミーナ! おのれぇ!」

 

リーネが二人の元へ、坂本がシーサーペントに斬りかかろうとした瞬間ーーーー。

 

『キシャァァァ!!』

 

骨で出来た怪物〈スケルトン兵〉が、虫のような翅を広げてリーネと坂本を遮り、他のウィッチーズも応戦する。

 

「くっ!」

 

「あっ・・・・!」

 

「少佐!」

 

「リーネ!」

 

他の皆がフォローに入る中、落下したリーネと芳佳は。

 

「リーネ隊長!」

 

「うぅ・・・・」

 

芳佳を庇いリーネは負傷し、芳佳は急いで治癒をかける。

と、ソコでスケルトン兵が、芳佳達に迫りくる。

 

『キシャァァァ!!』

 

「あっ!」

 

「はっ!」

 

目を閉じそうになった芳佳だが、寸ででファルコンがファルコンアローでスケルトン兵を凪ぎ払う。

 

「っ! 翔くん!」

 

「芳佳。お前はミーナさんを!」

 

「うん!」

 

「ファルコンちゃーん!」

 

と、ソコで漸く来たヤミと美柑が避難誘導をしている中、トランクケースを持った那月がファルコンとミーナ達に近づいた。

 

「那月!? 何でここに!?」

 

「ミーナ隊長さんに! 渡したいモノがあるんです!」

 

「え・・・・?」

 

那月は、持っていたトランクケースをミーナに突きだした。そのトランクケースに、名前が付いていた。

ーーーー『クルト・フラッハフェルト』と。

 

『シャシャシャ!(バチィッ!!)ぎゃぁっ!』

 

「俺が相手だっ!」

 

シーサーペントの相手を、『HAYATO』と女の子を避難し終えたホークがした。

 

「こ、これは・・・・クルトの・・・・!?」

 

「はい・・・・僕達、クルトさんが亡くなった基地に行ってみたんです。そしたら、クルトさんの車が奇跡的に無事で、このトランクを見つけたんです。失礼ですけど、中身も見ました」

 

そう言って、那月がトランクを開けると、中からビニールに包まれた赤いドレスが入っていた。

 

「っ! それって・・・・!」

 

驚くミーナに、那月はさらに楽譜を差し出した。そしてその楽譜にはドイツ語でメッセージが書かれていた。

 

ーーーー『愛するミーナに捧げる』、と。

 

「クル、ト・・・・!」

 

「クルトさんは、ずっと貴女に、この曲をプレゼントしたかったんです。ミーナさん。大切な人を失うのは、とても辛いと思います。でも、クルトさんの事を、忘れないであげてください。貴女が覚えている限り、クルトさんは貴女の中で生き続けているんです。貴女が笑顔で、幸せになってくれないと、クルトさんも安心して天国にいけないと思いますから・・・・」

 

「クルト・・・・クルトォ・・・・!!」

 

漸く起き上がったミーナは、ドレスと楽譜を抱き締めて、亡き恋人への想いに涙を流した。

 

『グルァァァァッ!!』

 

「っ! しまった!」

 

「あっ!」

 

「くっ! えぇい!」

 

『グルァッ!?』

 

と、ソコでファルコンから逃れたスケルトン兵の一体が、ミーナにその腕を振り下ろそうとした。

咄嗟の事で芳佳の防御魔法も間に合わない。が、那月がミーナを庇い、スケルトン兵にタックルを繰り出し、その拍子にーーーー眼鏡が外れた。

 

「っ、四ノ宮くん!」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「不味い! 芳佳! ミーナ! 逃げろ!!」

 

「「え?」」

 

「ソイツは那月じゃない! 眼鏡が外れると出てくる那月のもう一つの人格ーーーー砂月だ!!」

 

「っっ!!」

 

ーーーーバキッ!!

 

『グガァァァァァッ!!』

 

スケルトン兵を拳一発で殴り飛ばすと、スケルトン兵はシーサーペントの顔面に当たった。

 

『っ! 何・・・・?』

 

「・・・・那月を怒らせたのは、お前かクソ蛇・・・・!」

 

顔を上げるその顔には、今までの穏やかさが全く無くなり、鋭い視線で睨んだ。

 

「テメェに聞かせてやるよ・・・・俺の歌をな!!」

 

那月、いや、砂月は駆け出し、ステージの上に立つと、その場で歌い始めた。

 

「ザラついたShadow minds 狂いそうなほど♪ Who am I? 導いて 闇の月よ♪」

 

スケルトン兵が迫るが、イーグルが砂月を守る。

それ歌は力強く。

 

「影と光 俺とお前 近づいてく♪ RealとFaithが問われてる♪ Black? White? 何故か? 何故か? 心が「らしくいろと」とシャウトして 唄うよ♪」

 

表と裏、那月と砂月、二つの心の間で惑いながら。

 

「ハートの炎の赴くまま 生きれば良い♪ 善悪と御託ならべ 悩み尽くせばいいさ Gemini syndrome♪」

 

その歌に、戦闘中である筈なのに、ウィッチーズは思わず圧巻された。

 

「す、凄い・・・・!」

 

「・・・・・・・・那月を怒らせたお前を、俺は緩さない!!」

 

砂月は左手の『ゴッドフェザー』を発動させる。

 

「超者・降臨!!」

 

そう叫んだ瞬間、砂月の身体は鋼鉄に包まれた。

 

「はああああああああああああっ!!!」

 

身体を鋼鉄に包まれ、それが砕けると、水がたゆたい弾け飛び、黄色の鋼の鎧を纏い、背中に黄色の鋼の翼を羽ばたかせ、顔にはバイザーを付けた鳥の戦士へと変貌した。

 

「〈ライディーンシーガル〉!!」

 

水を操るカモメのライディーン戦士ーーーー〈ライディーンシーガル〉に変身した。

 

 

 

ーイーグルsideー

 

「シーガル!」

 

「し、四ノ宮くんが・・・・!」

 

「彼も、ライディーンだったの!?」

 

「はぁっ!」

 

「えぇい!」

 

避難誘導を終え、手をハンマーは変えたヤミが、芳佳とミーナに近づくスケルトン兵を、ララと一緒に撃退する。

 

「ヤミ! ララ!」

 

「イーグル! ここは私達が!」

 

「分かった!」

 

イーグルが飛翔すると、スケルトン兵をイーグルソードで切り捨てていく。

 

 

 

ーシーガルsideー

 

『シャァ・・・・! まさか新たなライディーンが現れるとは、グバァッ!!』

 

シーサーペントは溶解液をシーガルに向けて吐き出すが、シーガルは腕を出して水を溢れ出させる。

 

「『シーガルガード』!!」

 

水が弾け飛ぶと、丸型の盾、シーガル専用武器『シーガルガード』を召喚し、溶解液を防いだ。盾にはかけらも溶けていなかった。

 

『な、何!?「オラァッ!」(ドゥっ!!) グゲバァッ!!』

 

驚愕するシーサーペントの横面にシーガルの拳が叩き込まれた。

 

「オラッ! オラッ! オラッ! オラッ! オラッ! おぅりゃぁっ!」

 

『グガァァァァァッ!!』

 

シーガルは次々と拳を叩き込むと、次にシーサーペントの尻尾を掴んで持ち上げて飛ぶと、空中でジャイアントスイングをする。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!」

 

『シャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッ!!』

 

「な、なんて馬鹿力だよっ!?」

 

「バルクホルンみたい!」

 

「カモメじゃなくてゴリラって事だねぇ!」

 

「貴様ら! それはどういう意味だッ!!」

 

シャーリー、ルッキーニ、エーリカの言葉に、頭と拳に血管を浮かべたバルクホルンが怒鳴る。

 

「そおらぁっ!」

 

『ヌォォォォォォォォォッ!?』

 

さらに上空に投げ飛ばしたシーサーペントに向けて、シーガルは丸型の盾の側面に水の刃を生み出し、シーサーペントに向けて投擲した。

 

「失せろ! 『シーガルスライザー』!!」

 

回転する盾がシーサーペントの身体を裂いていく。

 

『こ、ここまでか! しかし! 『ゾディアックオーブ』だけは、『ルーシュ様』の元へ!!』

 

シーサーペントは最後の力を振り絞って、『ゾディアックオーブ』を光に包むと、『ゾディアックオーブ』は空の彼方に飛んでいった。

 

「『ルーシュ様』??」

 

イーグルが首を傾げると、シーサーペントの身体は粒子状となって消滅した。

 

「や、やったぁ!」

 

芳佳が勝利を喜ぶと、ウィッチーズも笑みを浮かべ、ミーナも、優しい笑みを浮かべていた。

 

ーーーーザワザワ・・・・。

 

と、ソコで遠くから、人々の声や他のウィッチーズの増援が集まってきた。

 

「っ! 不味いわね。ライディーンの皆! 私達の基地に行ってて! ここは私達が何とかするから!」

 

「っ(コクン)皆、退くぞ!」

 

イーグルの言葉に、ホークとファルコンが頷く。

が・・・・。

 

「は? ふざけるな。俺に命令してんじゃーーーー」

 

「イーグル! ホーク! コイツを押さえて行くぞ!」

 

「ああ!」

 

暴れそうになるシーガルを正面からイーグルが、両側からホークとファルコンが抑え、そのままストライクベースへと向かった。

 

「お前達もだ」

 

「「(コクン)」」

 

美緒に言われ、ララとヤミも頷き、避難誘導している春菜達に連絡をいれて、ルナティーク号で離脱した。

 

 

 

 

 

 

ールーシュsideー

 

〈SKネットワーク〉の会長室にいたルーシュ・デ・モンの元に、『牡牛座のゾディアックオーブ』が現れた。

 

「牡牛座のオーブか・・・・。残るオーブあと十一。全能の力、〈ゴッドライディーン〉が我ら超魔の物となれば、ライディーンが何匹現れようと、この世界の人間共がどんなくだらん力を手にしても、ものの数ではない。ふふふふふふふ・・・・」

 

『牡牛座のゾディアックオーブ』を手にして、ルーシュ・デ・モンは不気味に笑うのであった。

 

 

 

 

 

 

ー音也sideー

 

「ルッキーニ、くすぐったいよぉ」

 

「ち、ちょっとハルトマンさん! 何するんですかっ!?」

 

「うわぉ! ララはリーネくらい!」

 

「唯もリーネくらいあるよ!」

 

ストライクベースに戻ってきた芳佳達は、先に戻って服を着ていた音也達と合流した。因みに砂月の方はファルコンが拾っていた眼鏡を掛けて那月に戻っていた。

改めて交流しようとした矢先、ルッキーニとエーリカが、ララ達の胸を揉み出したのだ。

 

「うししし。ララと唯はリーネくらい! モモは坂本少佐くらい! 春菜はエイラくらい! ナナとヤミと美柑はサーニャくらい!」

 

「それどういう意味だコラァッ!!」

 

怒髪天を突くナナに追い回されるルッキーニ。

 

「皆さん、すっかり仲良しですねぇ。それにしても、僕はいつからライディーンになって戦っていたんでしょう?」

 

呑気に笑う那月。先ほどの暴れっぷりがうそのようだ。

 

「那月は昔何かあったらしくてな。眼鏡を外すと凶暴な砂月に変わって、その間の記憶はないんだよ」

 

「多重人格って事?」

 

「まぁな。だから、なるべく眼鏡を外させる事の無いようにしてくれよ」

 

「・・・・あの、一十木くん。聖川くん。来栖くん。四ノ宮くん」

 

「「「「ん?」」」」

 

と、ソコでミーナが声をかけてきた。

 

「その、先ほどの態度を謝罪させて、ごめんなさい」

 

「謝罪しなくて良いよ」

 

「隊長殿の気持ちは理解できますから」

 

「気にすんなって」

 

「はい。所でミーナさん。この楽譜、どうしますか?」

 

那月はクルトの形見とも言える楽譜を見て呟く。

 

「この曲は、まだ未完成ね。歌詞が書いていないもの」

 

ーーーーフフフフフのフ。フフフフフのフ。フフフフフのフ。フフフフフのフ・・・・。

 

『っ!?』

 

「この声は・・・・!」

 

『・・・・・・・・』

 

突然に響いてくる笑い声に、ウィッチーズは警戒するが、音也達は呆れ顔になっており、部屋の窓から予想通りの人物が飛び込んできた。

 

「ハロー! エブリワーーーーン!!」

 

『学園長!?』

 

『えっ!? シャイニング早乙女!?』

 

そう。音也達の通う早乙女学園の学園長、シャイニング早乙女だった。

 

「妖怪。相変わらず脈絡もなく登場しますね」

 

「学園長! どうやって〈南都〉に!?」

 

「フフフフフのフ。生徒達が活躍している場に駆けつけた次第。と言いたいですぅがぁ、もう一つ理由がありマンモス。ミス・ヴィルケ」

 

「ふぇっ!? わ、私ですかっ!?」

 

「(ヒソヒソ)ミーナ隊長、緊張してません?」

 

「(ヒソヒソ)魔法力があり軍に入る前は、ミーナはシャイニング早乙女に憧れて歌手を目指し早乙女学園に留学しようとしていたそうだからな」

 

憧れの歌手シャイニングに話しかけられ、ミーナはガチガチに緊張していた。

 

「ユーがミスター・一十木達と出会えたのは、ミーとしては行幸でっす!」

 

「えっ? 学園長ミーナさんの事知ってるの?」

 

「イエス! ミーは世界中から才能ある歌手や作曲者をスカウトしようとしており、ドイツでミス・ヴィルケそしてーーーーミスター・クルト・フラッハフェルトを見つけ、我が早乙女学園にスカウトしようとしました」

 

「え・・・・?」

 

その際、ミーナは顔をポカンとした。

 

「しかぁーし! 先に軍がミス・ヴィルケをウィッチにスカウトし、ミスター・フラッハフェルトもミス・ヴィルケを支えようと軍に志願しました。ミーはあれほどの才能のあるお二人が戦争に出される事に怒髪天突きそうになりました」

 

サングラス越しで分かりづらいが、その手はフルフルと震えており、どれ程悔しかったのかが伝わってきた。

 

「ですが、今日ここで再びユーに会えたのは、デスティニーを感じずにはいられませんせん! ミス・ヴィルケ」

 

「は、はい!」

 

「ユーは、まだ歌が好きですか?」

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「サーニャ?」

黙るミーナに、サーニャが基地に置かれているオルガンを奏でる。

 

「サーニャさん・・・・」

 

「歌って下さい。ミーナさん」

 

「俺達も聴いてみたいんです」

 

「学園長が認めた歌声を」

 

「ああ。聴かせてくれよ」

 

『ミーナ(隊長/さん)』

 

「・・・・・・・・♪~♪~♪~♪~♪~」

 

ミーナが歌い出すと、その場は美しい歌声に包まれた。聞き惚れる歌声に皆が黙って聞き入っていた。

そして歌い終わると。

 

「(パチパチパチパチパチパチパチパチ)ブラボー!!」

 

ーーーーパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!

 

シャイニングを筆頭に、全員が拍手し、ミーナは少し照れくさそうに頬を赤くした。

 

 

「あ、ありがとう/////」

 

「ミス・ヴィルケ!」

 

「は、はい」

 

シャイニングは懐から名刺と紹介状をミーナに差し出した。

 

「ユーはまだ歌手への夢を失っていないであれば、我がシャイニング事務所に所属して貰えないでしょうかんかんっ!?」

 

「え、ええええええぇっ!?」

 

「み、ミーナさんがっ!?」

 

「歌手!?」

 

全員が驚いたが、特に驚いたのはミーナ本人だ。

ミーナ自身、歌手になると言う夢を捨ててはいないし、憧れのシャイニング早乙女の事務所で歌手になれるのだ。最早気持ちは天処か、成層圏まで突き破りそうに高揚する。

 

「いや、そのあの、あわわわ・・・・!!」

 

喜びと戸惑いが複雑に混ざり合い、目がグルグルと回っている。

 

『こんなミーナ(隊長)初めて見た・・・・』

 

そんな隊長の姿に、芳佳達は目をパチクリさせる。ミーナはなんとか気持ちと、バクバクと鼓動する心臓を必死に抑えて、シャイニングに向かって声を発した。

 

「た、大変光栄な、話ですが・・・・! う、ウィッチとしての、責務を疎かにする訳には、いきません・・・・! で、ですが、よ、よろしければ、ま、待って、いただけないでしょうか?」

 

「Whats?」

 

「い、今言ったように、私はウィッチとしての責務を果たしていません。後二年ーーーー待っていただけないでしょうか?」

 

「二年?」

 

「ウィッチは二十歳を越えると、魔法力を失ってしまうのだ。ミーナはまだ十八歳だから、後二年経てば、退役する事ができるのだ」

 

那月に美緒がそう説明した。

 

「うむむぅ・・・・。そうですか。Got it! 確かに責務を果たすのは大切な事です! では、退役した時、いつでも我が事務所に来て下さいな!」

 

「はい! 勿論です!」

 

ミーナはシャイニングから名刺と紹介状を受け取った。

 

「ですが! ミーから少し宿題をユーに与えます!」

 

「え?」

 

「宿題?」

 

「学園長、それは?」

 

春菜と唯が首を傾げると、シャイニングはクルトの形見の楽譜を手に取ると、那月に手渡し、さらに何処からかヴィオラを取り出してそれも渡した。

 

「ミスター・四ノ宮。この曲を演奏してください」

 

「・・・・分かりました」

 

那月は楽譜を見ると、ヴィオラを演奏した。

 

ーーーー♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~・・・・。

 

美しくも何処か切ない、まるで恋を思わせる曲調であった。

 

「・・・・ふぅ」

 

『おぉ~!(パチパチパチパチパチパチパチパチ)』

 

演奏を終えると、全員が拍手した。そしてシャイニングは、楽譜をミーナに返す。

 

「ミス・ヴィルケ。この曲はまだ『不完全』デェス。この曲には、『名前』も『歌詞』もありません。これではまだ『不完全』デェス!」

 

確かにと、その場にいる全員が納得した。

 

「故に! ミス・ヴィルケには、この曲にふさわしい『名前』と『歌詞』を書いて頂きたい!」

 

「わ、私が、ですか・・・・!?」

 

「イエス! 我が早乙女学園では、歌手志望と作曲者志望がコンビを組んで、歌と曲を作る事にしておりまっすぅ!」

 

「そうだっけ?」

 

「そうだよ」

 

ララに音也が応える。

 

「既に曲は出来上がっております。後はユーが、この曲を作ってくれたミスター・フラッハフェルトとの日々、思い出を綴ってください」

 

「・・・・クルト」

 

ミーナは楽譜をそれはそれは愛おしそうに抱き締めると、うっすらと涙を浮かべて応える。

 

「はい・・・・! 必ず、必ず作って見せます! クルトと私の最後で最高の歌を!」

 

「イエス!・・・・さて、ミスター・一十木達。〈超魔〉について何か分かりましたか?」

 

と、ソコでシャイニングの雰囲気がガラッと変わり、音也達が息を呑むが、声を発する。

 

「奴等、『ゾディアックオーブ』って宝石を集めているってのが分かりました!」

 

「今回奪われたのは、『牡牛座のゾディアックオーブ』でした」

 

「Oh。一つ奪われてしまいましたか」

 

「学園長。貴方は〈超魔〉について、どこまで知っているのですか?」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

シャイニングは背を向け、窓の近くまで行くと、振り返り答える。

 

「その答えは、残り“二人”のライディーン戦士達が覚醒した時に、お話しましょう」

 

「“二人”・・・・えっ!? 二人!?」

 

「一人は知ってますけど、あともう一人ライディーン戦士がいるんですか!?」

 

「それでは、シーユーアゲイン!!」

 

と、それだけ言うと、シャイニングは窓から外に飛び出ると、背中をワイヤーで繋がりヘリコプターに吊るされながら飛び去っていった。

 

「いつからヘリコプターが・・・・?」

 

「どういう人何だよシャイニング早乙女って?」

 

「一言で言えば妖怪の類いだと思ってください」

 

ハチャメチャなシャイニングに、音也達も芳佳達ウィッチーズも、デカい汗を垂らすのであった。

 

 

 

 

ー『HAYATO』sideー

 

イベントが中止となり、『HAYATO』は事務所の社長が運転する車の後部座席に座りながら、左手首をさする。

 

「大変だったな『HAYATO』」

 

「いえ、ご心配をお掛けしました。もう大丈夫です」

 

「そうか。暫くは歌の仕事はないから、他の仕事を頑張ってくれ」

 

「はい。では、『HAYATO』の時間は終わり、ですね」

 

「うむ。お疲れだーーーー『トキヤ』」

 

『HAYATO』は、いや、『一ノ瀬トキヤ』は社長の言葉に小さく会釈すると、自分の左手の〈ゴッドフェザー〉を見据えた。

 

 

 

 

 

ーレンsideー

 

そしてここは、『東都』のお洒落なカフェテラス。ソコでコーヒーを飲んでいる神宮寺レンと、お付きのメイド美神アイリがいた。そしてアイリがスマホを取り出すと、少し話をしてからレンに話しかける。

 

「レン様。お兄様から、仕事の都合で行けなくなったから、今度『ホテル・アグスタ』で行われるオークションに、代理として参加して欲しいとの事です」

 

「ふん・・・・オークションにはそれなりの財政界や資産家も来るからね。神宮寺の売り込みをしてこいって事か」

 

「お断り致しますか?」

 

「いや、退屈しのぎにはなりそうだ。アイリも一緒なら行くと、伝えてくれるかい」

 

「承知いたしました」

 

もう一人のライディーン戦士、神宮寺レン。そして、美神アイリの運命が動き出す。




神宮寺レンのオリジナルライディーンが、そして専属メイド美神アイリにも何かが起こる。


〈ライディーンシーガル〉
四ノ宮那月・砂月が変身するライディーン戦士。変身時は那月の代わりに砂月が主人格となって戦う。水の力を操る。チームの中でもパワーに優れている。モチーフは鴎<カモメ>。
装備 シーガルガード(盾)、
技 シーガルウォーター(高圧放水)、ウォーターナックル(水を纏ったパンチ)、ウォーターキック(水を纏ったキック)、シーガルスライサー(盾に高圧の水の刃を生み出し投擲)。
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