ー???sideー
土星に現れた異形の存在は、東都にある日本で1番高い塔の上に降り立った。
その近くに、新たに、頭に翼を生やした金の蛇の冠を被った女性の上半身をし、下半身は蛇のように長く、背中には蝙蝠の羽が生えた異形の存在が現れ、空中で頭を垂れた。
『〈エキドナ〉か』
『はぁい! お久しぶりです〈ルーシュ・デ・モン〉様! 相変わらず良い男! この世界に私達〈超魔〉が甦って早数年、待ちに待っていたんですよぉ!』
『それで・・・・。この世界の人間共が持つ力はどうだ?』
『うんん、冷たい! そこがまた良いんだけど・・・・科学力の結晶『IS』。〈時空管理局〉が使う魔力と科学の融合とも言える魔法。どれもこれも、取るに足らないーーーー『玩具』に過ぎませんよぉ。まぁ、〈ウィッチ〉達が使う純粋な魔力の魔法力。あれは少し面倒ですけど、脅威とは言えません。あんな『玩具』を使えるからと言って、自分達は優れた存在と自負するなど、人間達は太古からまるで成長していないようですねぇ』
その言葉と顔から、人間に対する侮蔑と嘲りが込められていた。
『いや、人間達は成長しているぞ』
『それは・・・・』
ルーシュ・デ・モンの言葉に、エキドナは首を傾げた。
『『愚かさ』、『浅ましさ』、『醜さ』、『欲深さ』、『傲慢さ』、そして『思い上がり』、がな』
『・・・・・・・・プッ、ふふふふふ、アッハハハハハハハ!! 成る程確かに! 人間共もソコだけは間違いなく成長しております! 流石はルーシュ様ッ!』
『くだらん話は良い。我らが求める〈ゾディアックオーブ〉の回収に行け!』
『はぁい。それじゃ、目星を付けた場所に行ってきまぁす』
エキドナはルーシュに投げキッスをすると、光に包まれ、消えていった。
『さて、私も動くか・・・・』
ルーシュは天高く飛び、自分の拠点となる場所へと向かった。
ー真斗sideー
「あっ! 見て見て箒! このお洋服、箒に似合うよ!」
「そ、そうか? しかし、少しそのーーーー派手ではないか、ララ?」
「ほらナナ。もう少し大人っぽい服を着なさいよ。胸が乏しい分お洒落で補ったら?」
「うるせー! うぅ、双子なのに、どうしてモモだけそんなに実ってるんだよ・・・・!」
「泣くんじゃないわよナナ! 胸の大きさだけが女の子の魅力じゃないわよ!」
「シャルロットさん! このお洋服、ラウラさんに似合うと思いますよ!」
「あっ、それ良いね美柑ちゃん! じゃヤミちゃんにはーーーーこっちのお洋服が似合うかも!」
「・・・・ラウラ・ボーデヴィッヒ。ここは撤退をした方が良いと判断しますが」
「奇遇だなヤミとやら、私もそう思う・・・・!」
逃げようとするラウラとヤミだが、シャルロットと美柑に捕まり、試着室に連行されていった。
姦しくショッピングを楽しむ女性陣から少し離れた位置で、先程新しい服を買って紙袋を持った音也と真斗は、苦笑いしながら眺めていた。
「皆、今日初めて会ったのに、もうあんなに仲良くなってるね・・・・」
「女子のコミュニケーション能力は凄まじいな・・・・」
駅で会ってお互いに自己紹介を終えると、コミュ力の塊とも言えるララが一緒に買い物をしようと言い、同じくコミュ力の塊である美柑とモモとシャルロットもそれに同調して、一緒に買い物をするようになった。
下着売り場(男子二人は離れた)で箒の豊満な胸元やララやシャルロットの大きな胸元、そしてモモの不釣り合いに実った大きな胸元を見て、鈴が凄まじく悔しがり、同じ気持ちのナナとヤミと同調した。
そして、いつの間にか仲良く買い物をするように至ったのだ。
「それにしても、真斗が〈ISシティ〉に来ているなんて驚いたよ」
「・・・・この街で、姉上が仕事をしていてな。丁度IS学園にいる箒達に会うついでに、会っておきたいと思ってな・・・・」
「へぇ~! お姉さんが! どんなお姉さんなの!?」
「・・・・強く凛々しく、そして頭も良くて、自慢の姉上だ」
が、真斗の顔は沈んでおり、何やら訳があるのが分かった。
「・・・・あの、真斗ーーーー」
「ちょっとソコの貴方達」
「「???」」
と、ソコで近くで服を見ていた社会人くらいの女性に話しかけられ、そっちに視線を向けると、床に乱雑に商品の衣服が散らかされ、その女性がその服を指差していた。
「男のあなた達に言ってるのよ。そこの服、片付けておいて」
と、いきなり知らない女性からそう言われた。
ISが普及し、女性しかいない『ウィッチ』が活躍するようになった10年で、女尊男卑の風潮されるようになり、女性が優遇される〈ISシティ〉では、このように男が見ず知らずの女性から命令されることも少なくないとは聞いてはいたが。
「あの、えっと・・・・」
「その衣服はあなたが自分で出したものです。自分で片付けなければ、人としての品性が疑われる事になりますが?」
音也が困った顔をし、真斗がやんわりと断ろうとする。
がーーーー。
「ふうん、そういう事を言うの。あなた達、少し顔が良いからって、自分の立場が分かってないみたいね」
そう言って、その女性はいきなり警備員を呼ぼうとした。
女尊男卑が強い〈ISシティ〉では、例え出鱈目でも『いきなり暴力を振るわれた』、『痴漢を受けた』などと言われれば、問答無用で有罪になりかねないのだ。
と、その時、
「ちょっといいですか?」
「あ、モモ」
モモがこちらに近寄り、声をかけてきた。
「なによ?」
先程の女性は、鬱陶しそうにそちらを見るが、モモはにこやかな笑みを浮かべたままだった。
しかし、音也には分かる。モモが怒っている事に。
「その二人は、私達の連れなんです。悪いのですけど、他の方に頼むか、ご自分でお片付けをしてくれませんか?」
「あなたの男達なの? 躾ぐらいしっかりしなさいよね」
その女性は馬鹿にしたようにそう言うが、モモは涼しい顔で口を開いた
「見ず知らずの人に躾なんて言葉を使う前に、ご自分を躾けたらどうでしょうか? いくらご自分に恋人がいないからって、嫉妬は見苦しいですよ」
「なっ!?」
モモの物言いに図星だったのか、女性は顔を真っ赤にして怒りを露わにする。
「あら図星でしたか? まぁ当然かも知れませんね。ご自分で散らかしたものを片付けられない、そんな小学生の子供がご両親に叱られるような事を平然とする女性に言い寄る殿方なんて、余程のお人好しな方か、女性を見る目がない方か、心の広い殿方でなければまずいないですね。ついでにあなたの物言いも、女性としての品性が欠片も感じられませんし」
モモは可愛い笑顔を浮かべて毒を吐き続けた。
「こ、子供が調子に・・・・っ!」
相手の女性は何とか言い返そうとするが、ソコにララ達や箒達も近づき、半眼で女性を責めるような視線を向けられ、女性も押し黙る。
「子供、ですか。でも少なくとも、あなたよりは大人のつもりですよ。私達は自分で散らかした服ぐらい、自分で片付けますし。IS操縦者達が積み重ねてきた功績をさも自分達の功績のように扱う、そんな『虎の威を借る狐』みたいな、みっともない真似はしませんし」
モモの正論にさらに黙らされる女性。
「じゃあ音也さん、真斗さん。行きましょう」
モモは音也の手を、シャルロットが真斗の手を取ると、店の外に引っ張っていった。
「くっ・・・・くぅぅぅぅぅぅぅっ!!!」
その後ろ姿を、女性は恨みがましい視線で睨んでいた。
◇
店の外に出た一同。音也と真斗はホッとしたように息を吐いた。
「はぁ・・・・助かったよモモ」
「礼を言わせてくれモモちゃん」
二人がはそう礼を言うと、モモは笑みを浮かべる。
「いえいえ。しかし、〈ISシティ〉の女尊男卑は知っていましたが、あんな小学生のような事をするとは思いませんでしたね・・・・」
「ゴメンね。『IS』や『ストライカーユニット』が出てから、ああいう女性が多くなっているんだ」
「全く。モモの言うとおり『虎の威を借る狐』よ」
「ISに携わる者として、ああいう女達がいるのは、恥ずかしい限りだ」
「・・・・・・・・」
シャルロットと鈴とラウラは、先程の女性の態度がかなり不快だったのか愚痴るが、箒だけは、視線を少し逸らした。あんな女性を生み出す要因となった元凶<IS>を生み出した“人物の身内”だからだ。
「箒」
「真斗・・・・」
真斗が箒の肩に手を置くと、優しく微笑んでくれた。
それだけで、箒も少し気を落ち着かせた。
「一十木。1つ、聞きたい事が有るのだが・・・・」
「何?」
真斗は今日はじめて会った時から、音也に感じていた感覚について、遠回しに聞いてみた。
「お前はどうする? もしも、突然力を手に入れたら・・・・。それが、その力が、自分の大切な人達を傷つける物だとしたら・・・・」
「真斗・・・・」
「答えてくれ・・・・」
真斗の言葉に、そのただならぬ雰囲気に、ララ達も箒達も黙ってしまった。
そして音也は、少し思案するように黙ると、口を開いた。
「恐いと思う。手にした力が、大切な人達を傷つけてしまうとしたら、恐いって思うよ」
「・・・・・・・・」
音也は、その力が危険性を持った物だと言うことは感覚的に理解している。だが、それでもーーーー。
「でも、それでも、もしその力を使わないといけない時が来たらーーーー俺は使う。それでもし、その力で自分が暴走しそうになったら・・・・」
「その時は、私達が音也を止めるよ」
音也の言葉を続くように、ララが声を発する。
「音也がそれで、何かおかしくなっちゃったら・・・・私やヤミちゃんや皆で、音也を止めるから、だから音也は安心して力を使って」
「・・・・うん。ありがとうララ。真斗」
「・・・・」
「真斗が何に迷っているのか俺には分からないけどさ。もし真斗が暴走しそうになったら、俺が止めるから」
「一十木・・・・」
音也の言葉に、真斗は少し顔を俯かせ、少しして顔をあげると、笑みを浮かべた。
「ありがとう一十木。少し『答え』が見えた」
「そう」
『・・・・』
『???』
ララ達は笑みを浮かべ、箒達が今一良く分からず首を傾げた。鈴がどういう事なのかと聞こうとしたらーーーー。
「聖川真斗、さん・・・・?」
唐突に真斗の名前を呼ぶ声に一同が振り向くと、長い金髪碧眼の縦ロールに青いヘアバンドを着けた。見るからに育ちの良さそうなお嬢様風の少女だった。
「オルコットさん?」
『っ!?』
真斗の言葉に、箒達は肩をビクッと震わせた。
「真斗、知り合い?」
「ああ。彼女はセシリア・オルコット。イギリスの名家のご令嬢で、会社の社長も兼任しているんだ。確かISのイギリス代表候補生でしたね?」
「ええ。まあ、それで日本に留学しているのですわ・・・・」
「えぇっ!? そうなの?! 凄い!」
ララ達がセシリアに近づくと、セシリアは少したじろいだ。
「ねえねえセシリア! セシリアって真斗とどんな風にであったの?」
「えっ? それはですわね「「「「ガシッ」」」」・・・・えっ?」
突然両肩を捕まれたセシリアが振り向くと、目元に影が射した箒達が、鋭い目で自分を睨んでいた。
「セシリア・・・・」
「どういう事か・・・・」
「教えてくれるかな・・・・?」
「私の嫁といつ出会っていたのだ・・・・?」
「ひっ!!」
箒達の迫力に、セシリアは顔を青ざめた。
「そ、その・・・・聖川さんとは、以前パーティーで会いまして、その時少々お話をしただけですわ・・・・」
「そのわりには何かしおらしいわね? いつもは『わたくしは代表候補生で優れた人間なのですわぁ~!』って高圧的で高慢ちきな癖に」
「り、鈴さん!」
セシリアが鈴に顔を少し赤くして言うと、美柑がシャルロットに聞いた。
「シャルロットさん達もオルコットさんの知り合いなんですか?」
「うん。セシリアは僕と箒とラウラと同じクラスなんだ。鈴は隣のクラスだけど」
「1人だけ仲間外れみたいな言い方やめてくれるっ!?」
さっそくギャイギャイ騒ぎだす女性陣を尻目に、音也は真斗に話しかけた。
「真斗はあのセシリアって人の事知ってるの?」
「ああ。俺は彼女を尊敬しているんだ」
「尊敬?」
「彼女は幼い頃にご両親を列車事故で亡くしてから、家や母親が経営していた会社を引き継ぎ守っている。さらにISのイギリス代表候補生としても活動している。そこまでするには、並々ならぬ努力をしてきて、孤独な戦いをしてきた筈だ。少々攻撃的な所もあるが、それもそういった孤独な経験からくる物だと思う。それでも、ご両親の残した物を守っている。家の命令で能の道にいる俺と違って、尊敬できる人物だ」
そう言う真斗のセシリアを見る視線は、純粋にリスペクトしている目であり、音也もセシリアを尊敬するような視線を送っていた。
ーエキドナsideー
エキドナは姿を透明化して、ISシティを彷徨いていた。
『ん~? 何処に〈ソディアックオーブ〉があるのかしら?』
「ちょっとあなた! 私の靴を踏んだわよっ!!」
『はぁ?』
エキドナが近くに聞こえた耳障りな叫び声に視線を向けると、小学生くらいの男の子に怒鳴り散らしている女性がいた。ちなみにその女性は、先程モモに論破された女性だった。
「ご、ごめんなさい・・・・」
「ごめんなさいじゃないのよっ! この靴高かったのよっ! まったく! 子供とは言えやっぱり低能な男ねっ! 下品で乱暴で粗忽で低俗な存在だわっ!!」
「わ、わざとじゃない・・・・」
「言い訳するんじゃないわよ男の癖に! アンタの親を呼んできなさい! 弁償させてもらうわっ!!」
足元を見ると女性は、少し汚れた自分の靴を指差していた。ちょっと洗えば簡単に取れる程度の汚れで、自分の半分も生きていないような幼い子供に怒鳴り散らかす姿は、周りにいる男性だけでなく、女性からも険しい視線を向けられていた。
「うっ・・・・ひっぐ・・・・」
「何泣いてんのよっ! 泣けば許されると! 誰かが助けてくれると思ってんのっ!? むしろ泣きたいのはこっちなのよっ! アンタ達みたいな最低な奴らと同じ空気を吸わなくちゃいけないんだから!!」
それに構わず、いや、気づいていないのか、涙目になり嗚咽を漏らす小学生に、女性はさらにヒステリックに暴言を浴びせ続ける。
『うっわ~。人間って本当に馬鹿さ加減は成長してるわねぇ~。・・・・ちょっと、遊んじゃお♪』
少し退屈していたエキドナは、その女性に投げキッスをした。
「っっ!!!??」
それを受けた女性は、一瞬身体を止めた。
「あの、少し良いですか?」
と、そこで通行人達が呼んだのか、パトロール中だったのか、警察官(男性)が二人、女性に声をかけた。
その時、女性はバッと顔をあげ、子供を指差しながら警察官に乱暴に口を開く。
「警察の人っ!? だったらさっさとこのガキを逮捕して刑務所に放り込んでよっ! コイツは私の靴を汚した極悪人よっ!!」
「いや、子供を相手にソコまで「バキッ!」ぐぁっ!」
「なっ、お、おい!「ゴシャッ!」がぁっ!」
何とか穏便に終わらせようとした警官を、その女性はバックで殴った。
「口答えなんかしてんじゃないわよっ! アンタ達無能な男共は! 私達優れた女の命令に黙って従っていれば良いのよっ!!」
『キャハハハハハハ!! 本当に馬鹿よね人間って! さて、今度は他の女達にもやっちゃおう!』
するとエキドナは、周りの女達にも投げキッスを浴びせた。
ー音也sideー
「何だ一体?」
セシリアも一緒に買い物をしようとした一同の耳に、向こうから騒ぐ声が聞こえ、何事かと向かうとソコにはーーーー。
「この服と宝石、買ってよぉ!」
「どうしてあの女を選ぶのよっ! どうして私の気持ちに気づいてくれないのっ!?」
「何で男なんかと結婚するのよっ! 女の子同士の方が気持ち良いのにっ!!」
「男! 男! 男! 男欲しいぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」
「私は女王様よっ! 男共は私に跪けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
何人もの女性達が、男性や女性に強引に迫っていたり、暴行をくわえている光景だった。
「な、何ですのこれは!?」
「女尊男卑を拗らせて暴走したのでしょうか?」
「で、でもヤミさん。流石におかしいよ・・・・」
セシリアが女性達の暴走に驚き、ヤミは怪訝そうに見つめ、美柑は少し恐そうに見ていた。
「やめてください!」
「落ち着いてください!」
「とにかく皆! 止めよう!」
音也と真斗が宝石や服が欲しいと騒ぐ女性を押さえ、ララも止めようと走り、ヤミや箒達も走りだして、暴れる女性達を押さえようと動いた。
「っ!」
「このクソガキッ!」
「あぁっ!!」
その時、真斗の視界に、先程の女性が小学生くらいの幼い子供を殴り倒し、さらに蹴ろうとする姿を見た。
「一十木! すまないがここを任せる!」
「あっ真斗!」
暴れる女性を音也に任せ、真斗は庇うようにその子供の身体を覆う。
「ぐあっ!」
『真斗(さん)!!』
「っ! 聖川、真斗・・・・?」
子供を庇った真斗は、女性に蹴られる。
「アンタはさっきの!!」
「や、やめてください・・・・、こんな子供を傷つけるなんて・・・・」
「うるさいっ!!!」
「ぐぅっ!!」
真斗に構わず、女性は爪先で蹴ったり、踵で踏みつけたりして真斗を攻撃するが、真斗はそれでも子供から離れず、庇っていた。
女性は真斗を攻撃しながら、大声で騒ぎだす。
「アンタ達男は! ISも使えない! 魔法も使えない! ストライカーユニットも使えないから〈ネウロイ〉とも戦えない役立たずなのよっ! 役立たずの男共は! 私達女の足元に跪いて! かしずいて! 頭を下げて! 媚びへつらえて! 犬ように靴を舐めながら! 命令に従っていれば良いのよっ! 私達女に逆らおうとするだなんて! 生意気なのよ! ゴミ共が女に楯突くんじゃないわよっ!!!」
「お止めなさいっ!」
「あぁっ!!?」
がなりたてる女性に、セシリアが凛とした声を発した。
「あなたのやっている事は! 女性とか男性とかの区別なく、人として恥ずべき行いですわ! 男性とは言え、幼い子供に乱暴をし! その子供を庇っている無抵抗の男性を一方的に攻撃する! 同じ女性として恥ずかしい限りですわ!」
「~~~~~~!! ガキが! ガキがガキがガキがガキがガキがガキがガキがガキがガキがぁっ!!!!」
先程のモモに言われた事を思いだし、女性が髪をかきながらセシリアを睨むと、暴れる女性を押さえている警官から、拳銃を奪い取り、セシリアに銃口を向け、撃鉄を起こした。
「ーーーーっ!!」
「セシリア!」
「何やってんのよ!」
「逃げてセシリア!」
「不味い!」
セシリアが息を呑み、女性達を押さえていた箒達が声をあげた。
「ガキが大人に! 説教たれてんじゃないわよぉおおおおおおおおおおおおっ!!!!」
ーーーーパンっ!!
そして、銃の引き金が引かれ、弾丸がセシリアの胸元に迫ったその瞬間ーーーー。
「うぅっ!!」
「聖川・・・・真斗・・・・?」
何と、子供を庇っていた真斗が起き上がり、今度はセシリアを押し倒すように庇うと、その凶弾が真斗に当たった。
『ま、真斗ーーーーーーーーーーーーっ!!!』
音也と箒に鈴、シャルロットとラウラの叫び声が、空に響いた。
何故チョロイン、いや、セシリアが真斗に攻撃的な態度を取らないのか、それは次回にて・・・・。