うたの☆超者さまっ♪   作:BREAKERZ

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今回の話で、他作品キャラがカップリングします。


胸に溢れる想い! ライディーンホーク!

セシリア・オルコットは、苦難の人生を歩んできた。イギリスの名門の令嬢として生まれ、数年前、両親を列車事故で亡くしてから、男尊女卑の時代から会社の経営者として実家発展に尽力してきた母が築いていてきた資産や財産などを狙う、『金の亡者共』から両親の遺産を守る為に努力をしてきた。

ISも、その手札の1つとして受けてみれば、適正が高く、イギリスの代表候補生となり、『亡者共』を追い払えていた。

母の事は尊敬していたが、婿養子という立場の弱さから立場が弱く、卑屈になる父に対しては強い憤りを覚えていた。それ故、『情けない男とは絶対に結婚しない』という考えを持った。

聖川真斗に出会ったのは、社交界のパーティーだった。日本の事はあまり良く分からないが、社交場で舐められないように高圧的に振る舞っている時に、同い年で財閥の子息である事から、聖川真斗の他にもう一人の男性を紹介された。

最初はもう一人の軟派そうな性格に嫌悪感を抱き、真斗の方は、亡くなった父のように感じ、嫌悪感を抱きそうになったが、余興として真斗が演奏するピアノを聴いた時ーーーーセシリアは静かに涙を流した。

美しく優しく、だが何処か哀しさと切なさがある旋律。

それから、セシリアは聖川真斗の事が気になるようになったのだ。ちなみにそのパーティーには、ある魔導師達の友人二人もいたのだが、セシリアは知らなかった。

そして現在、その聖川真斗が自分を庇って、警官から拳銃を奪って発砲した女性の凶弾に撃たれた。

 

「ひ、聖川・・・・さん」

 

「だ、大丈夫ですか? オルコットさん・・・・?」

 

「な、何で、わたくしを・・・・? それに、怪我を・・・・」

 

左肩から少し血を流す真斗を、セシリアは悲痛な顔で見るが、真斗は笑みを浮かべる。

 

「女性に危機が迫っているのに、黙って見てる訳には、いきませんから・・・・」

 

「~~~~~~!!/////」

 

その優しい笑顔を見て、セシリアは真斗を『理想の男性』として見たのか、顔を赤くした。

しかし、そんな甘酸っぱい雰囲気を台無しにするヒステリックな叫び声が響いた。

 

「アッハハハハハハハ!! バァ~カ! なぁにが女性に危機が、だ! お前ら男はなぁ! 私達女に膝まずいていれば良いんだよぉ!!」

 

「もうやめろ!!」

 

「うるせぇええええええ!!!」

 

今度は音也が止めようと向かうが、女性は音也に向かって銃口を向け、パンっ! と引き金を引き、凶弾を放つが。

 

「うわっ!」

 

音也は弾丸を回避した。回避された弾丸は音也の後ろの建物の壁にめり込んだ。

 

「はぁ?」

 

女性は首を傾げながら3発目、4発目、5発目、6発目と弾丸を放つが、音也は難なくそれらを余裕で回避すると、拳銃は弾切れとなってしまった。

 

「な、なんなのアン「ゴンッ!」ぶぼぁっ!!?」

 

混乱しそうになった女性の脳天に、後ろに回り込んだヤミが、手をハンマーに変えて殴ると、女性はあまり品性の良いとは言えない悲鳴をあげると気を失った。

 

「児童暴行。公務執行妨害。銃刀法違反。傷害罪。器物破損にその他諸々。これだけあれば如何に女尊男卑のISシティでも、有罪は確定ですよ」

 

「私の嫁を傷つけおって・・・・!」

 

既にヤミの武器やラウラが当て身を使って、他の暴れていた女性達を大人しくさせた。箒と鈴、シャルロットが二人に駆け寄る。

 

「大丈夫、真斗! セシリア!?」

 

「ああ。少しかすっただけだ。しかし、一十木は凄いな。拳銃の弾丸をかわすだなんて・・・・」

 

「あ、いやまぁ・・・・銃口とか見てれば何とか避けられる物だよ。あ、ははははは・・・・」

 

「(ド素人の使う拳銃ごときで仕止められる相手ならば、とっくに私が始末しています)」

 

まさかすぐ近くにいるヤミに、中学時代に命を狙われていた経験のせいか、音也は回避能力が常人離れしているとは言えず、苦笑いを浮かべるしかなかった。

 

「・・・・でも、さ。この女の人や他の女の人達も、何でいきなりこんな事をしたのかしら?」

 

鈴は警察に連れていかれていく女性達を見てそう呟いた。

全員が訝しそうに首を傾げそうになったその時ーーーー。

 

「「っっ!!?」」

 

突然、音也と真斗の左手が疼いたように感じた。

 

「(これってを・・・・?)」

 

「っ、上だ!」

 

真斗がそう言って、近くの五階建てのビルの屋上を睨み、音也達がその視線を追うと、何も無かった空間に、下半身が蛇となった女性が姿を現した。

 

『アッハハハハハハ!!! 本っ当に馬鹿よねぇ人間ってさぁ! アハハハ、ア~ッハハハハハハハ!!』

 

「やっぱり、『超魔』!」

 

「音也! 手を!」

 

「っ!」

 

ヤミの声に音也は中腰になり、手のひら合わせると、ヤミがその手のひらに足を乗せ、

 

「そぉれっ!!」

 

音也が思いっきりあげると、ヤミは大ジャンプをして、『超魔 エキドナ』の眼前に跳んだ。

 

『ハハハハ!! えっ?』

 

「ーーーーフッ!」

 

エキドナも、突然眼前に現れたヤミに意表を突かれ、唖然と声を発すると、ヤミは腕を刃に変えて切りかかる。

 

『あらヤァダ!』

 

エキドナは寸前で回避し音也達のいる方に着地し、ヤミは屋上の方に足を乗せて着地した。

 

「ちっ、以外に素早い・・・・!」

 

『あらお嬢ちゃん。あなた普通の人間、と言うより、地球人じゃないわね? 何処の星から来たの?』

 

「・・・・・・・・」

 

ヤミはエキドナの問いに応えず、冷徹に武器を手の刃から、髪の毛の刃に変えようとする。

 

「な、ななな、何よコイツっ!?」

 

「着ぐるみ、じゃなさそうだね」

 

「人間、ではないのか?」

 

「何者だ貴様」

 

「・・・・・・・・」

 

箒達は警戒し、周囲では、突然現れた異形に混乱する一般人と、それを抑える警官が応援を要請していた。

そんなに時、音也が前に出ようとした際、美柑が音也の手を掴んで止めた。

 

「お、お兄ちゃん・・・・!」

 

先日、兄やヤミにモモから話を聞いた。実際に兄が変身した姿も見せてもらった。

だが、美柑はそれでも、大切な兄があんな異形の怪物と戦う事が不安なのだ。

音也は妹のそんな不安感を理解したのか、いつものように、まるで太陽のような明るく晴れやかな笑顔を浮かべる。

 

「大丈夫だよ美柑。俺、ちゃんと帰ってくるから。俺の帰る家に。家族がいる家に、ね」

 

「・・・・うん」

 

美柑が手を離すと、ララ達と着地したヤミに、美柑を頼むと言わんばかりに視線を送ると、ララ達は頷き、音也はエキドナへ向かった。

 

『あら、可愛いボウヤ!』

 

エキドナが投げキッスをするが、音也は跳んで回避し、

 

「超者・降臨っ!!」

 

音也がそう叫ぶと、左手の甲に〈ゴッドフェザー〉の瞳が開き、光が放たれた。〈ゴッドフェザー〉から血管のような管が音也の腕から全身に伸び、衣服が破れ、その身体が鋼に覆われた。

 

「うおおああああああっ!!!」

 

凄まじい力が流れ込んでくる感覚に、音也は叫びをあげ、鋼が全て弾け飛ぶと、音也の姿は赤い鳥のような人間へと変わっていた。

これが〈超者 ライディーンイーグル〉である。

 

『なっ、ななっ!?』

 

「一十木、やはりお前は・・・・!」

 

箒達が音也の変身に驚き、真斗も視線を向けた。幸いか、逃げている人達には気づかれていなかったようだ。

 

『あらやだライディーンだわ! でも一匹だねだから戦っちゃおうかなっと!』

 

そう言うと、エキドナの身体が漆黒に染まり、その体躯が巨大になり、その染まった黒が剥がれ、翼は大きく、目は四つになり、頭の上には怪人の頭と胴体ような部分を付けた巨大なコブラの怪物となった。

 

『ええぇっ!!?』

 

今度は異形が怪物になり、遠くで見ていた一般人達がパニックになり、箒達も目を見開いた。

 

『くたばりなさぁいっ!!』

 

「ふっ!」

 

巨大エキドナの尻尾を振り下ろすが、イーグルは飛翔し回避した。

と、その時ーーーー。

 

「そこの者! 動くなっ!!」

 

警官が連絡したのか、ISシティの防衛をしている量産型ISの『打鉄』と『ラファール・リヴァイヴ』を装着した五人のIS操縦者達が、武器を突きつけてイーグルとエキドナに警告した。

 

「っ!」

 

『あぁら、良いタイミング!』

 

「「「「「っっ!?」」」」」

 

エキドナがハートマークの光線をIS操縦者達に浴びせると、IS操縦者達は一瞬ダランと身体から力が抜け、顔をあげるとーーーー。

 

「「「「「うあぁあああああああああっ!!!」」」」」

 

「なっ!」

 

操縦者達は錯乱かのしたように叫ぶと、武器を辺り構わず乱射しだした。

 

「やめろっ!」

 

イーグルが止めようとするが、IS操縦者達は、ブレードやザブマシンガンでイーグルを攻撃する。

 

「くっ!」

 

イーグルは弾丸を回避し、ブレードを回避し、反撃で蹴りを当てようとする。

IS操縦者達はシールドバリアーで防御できると思い、構えようとせずにいた。

 

バキッ!

 

「なっ?!」

 

が、シールドバリアーをイーグルは簡単に破壊し、IS操縦者の身体に蹴りが入った。

 

「うわぁっ!」

 

「っ、ISのシールドを破ったのか?」

 

『針ネズミにおなり!』

 

驚くイーグルに、エキドナは尻尾の先端から針を無数に放ち、それと同時に、他のIS操縦者達もザブマシンガンを放つ。

 

「ふっ! はっ! くっ!」

 

が、イーグルは全ての攻撃を回避した。

 

『一匹で私を倒せると思ったのっ!?』

 

「はっ!」

 

いつの間にか後ろに回り込んでいたエキドナが、尻尾をイーグルに叩きつけた。

 

「うわぁああっ!」

 

イーグルは近くのビルの窓を破り、オフィスに転がり込むように倒れる。

 

「うぅっ・・・・あっ」

 

起き上がったイーグルの目の前に、窓からエキドナと操られたIS操縦者達が、針と弾丸を放つ。

 

「うあああああっ!!」

 

イーグルは攻撃を受けて、悲鳴をあげる。

 

 

 

 

ー真斗sideー

 

「っ、一十木!!」

 

真斗達とララ達は、イーグルの声が聞こえた。

 

「・・・・・・・・」

 

真斗は自分の左手を見て、どうすればと悩んだ。

と、その時ーーーー。

 

「真斗!!」

 

「っ、箒?」

 

箒は真斗の手を取って、声を発する。

 

「男ならば、やってみせろっ!」

 

「!」

 

それは不器用で、口下手で、堅物で、人付き合いも得意じゃない箒の、精一杯の応援だった。

真斗はその言葉の裏に隠された箒の想いを理解すると、鈴やシャルロット、ラウラも、箒の取った手に自分の手を乗せて真斗を見つめる。セシリアはどうしようと迷っていたが、鈴が手を引いて同じように手を乗せた。

 

「真斗!」

 

「真斗!」

 

「真斗!」

 

「・・・・ひ、聖川さん」

 

「・・・・・・・・皆、ありがとう」

 

真斗は五人に笑みを浮かべると、改めてイーグルの方に視線を送る。

 

「(今まで逃げていた。この力から、ライディーンから・・・・だが、初めてこの力を使った時、俺はただ、爺やを守りたかっただけだ。今度こそ、守ってみせる! 皆を! 友を!)」

 

真斗は決意を込めて左手の〈ゴッドフェザー〉に力を込める。

 

「この溢れる想いを胸に! 超者・降臨!!」

 

そう叫んだ瞬間、真斗の身体は鋼鉄に包まれた。

 

「うああああああああっ!!!」

 

身体を鋼鉄に包まれそれが砕けると、雷を迸らせ、青いの鋼の鎧を纏い、背中に青い鋼の翼を持った、顔にはバイザーを付けた、イーグルと同じライディーン戦士、〈ライディーンホーク〉へとなった。

 

「ええっ?! 真斗がっ!?」

 

「ライディーン戦士?!」

 

「まあ!」

 

「ヤ、ヤミさん・・・・!」

 

「早乙女学園長<妖怪>が言っていたのは、この事だったのですね」

 

ララ達が驚くが、ホークは翼を広げて、エキドナの拳を叩き込み、エキドナは倒れた。

 

『ぐわはぁっ!』

 

「(俺の意識は、ある!)・・・・これ以上の、非道は許さん!」

 

そしてホークは、いや、真斗は自分の意識を失っていなかった。IS操縦者達が銃口をホークに向けるが、それよりも早く、ホークは操縦者達に手のひらを向けて、

 

「はぁ!!」

 

「「「「「きゃぁああああああっ!!」」」」」

 

電撃を放つと、ISのシールドエネルギーが一瞬でゼロになり、地面に落下した。

 

「っ」

 

ホークは飛翔すると、三人程の操縦者達を抱えて、残り二人は、ビルから飛び出したイーグルが抱えて、地面にやさしく横たわらせた。

 

「・・・・真斗ーーーーいや、ホーク、何だね?」

 

「ああそうだ一十木。いや、イーグル」

 

お互いに頷くと、起き上がったエキドナが雄叫びをあげる。

 

『この、ライディーンめぇええええええ!!!』

 

「っホーク!」

 

「ああ!」

 

イーグルとホークが飛び立ち、イーグルは手のひらから炎を、ホークは雷を出し、

 

「『イーグルソード』!」

 

「『ホークフレイル』!」

 

イーグルは専用剣『イーグルソード』を、ホークは専用武器の棍『ホークフレイル』が出現した。

 

『くらえっ!!』

 

「はぁあああああああっ!!!」

 

エキドナはコブラの口からエネルギー弾を放つが、ホークはフレイルを回転させ、エネルギーを防ぎ、霧散させた。

 

『何っ!?』

 

「たぁっ!!」

 

ホークはフレイルをエキドナに向けて投げると、フレイルは二つに分割し、その間を糸が繋がっていた。

分割されたフレイルは糸をエキドナの身体を縛り上げる。

 

『し、しまった!』

 

「イーグル!」

 

「ああ!」

 

イーグルはソードに炎を纏わせると、エキドナに向けて振り下ろす。

 

「イーグルソード! 『烈火斬』!!」

 

ーーーーザシュゥウウウウウウウウンン!!

 

『うぅああああああああああああああっっ!!!』

 

エキドナは光を放ちながら消滅した。

 

「やった!」

 

「よしっ!」

 

「二人とも! 早くここから離れてください!!」

 

「「(コクン!)」」

 

モモの言葉でこの場を離れたイーグルとホーク。モモ達と箒達(セシリアも含む)も、この場をコッソリと離れた。

 

 

 

ーエキドナsideー

 

破壊されたエキドナの小さな破片の一つが蠢くと、その破片が小さなエキドナへと変貌した。

 

『覚えてらっしゃいライディーン! イーーっだ! フギャ!!?』

 

と、小さなエキドナが通ってきたパトカーのタイヤに踏み潰され、紙のようにヒラヒラとなって、風に飛ばされていった・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

ー真斗sideー

 

そして、戦闘があった方では、パトカーやIS操縦者達が集まっており、そこら数百メートル離れた路地裏に到着した一同は、物陰に隠れている音也と真斗を見つけた。

 

「音也さん。真斗さん」

 

「あっ! モモ! 服はッ!?」

 

「こちらに」

 

モモが差し出した大きめの紙袋を物陰から伸ばした手で掴むと、音也はすぐに手を引っ込め、真斗と一緒にゴソゴソと動いていた。

 

「あの物陰の向こうでは・・・・」

 

「真斗が・・・・」

 

「は、は、は、はだ・・・・!」

 

「裸になっているのか」

 

「ボ、ボーデヴィッヒさん! そんなアッサリ云うものではありませんわ!」

 

ここに来るまでに、モモやヤミから〈ライディーン戦士〉の事をあらかた聞いた箒達は、裸体を晒している真斗に、若干顔を赤くしていた。

そして漸く衣服を着た二人が出てくる。

 

「ありがとう真斗。助かったよ」

 

「・・・・いや、一十木のお陰で、俺も覚悟ができた。俺も、ライディーン戦士として共に超魔達と戦おう。それが俺の運命であるならば」

 

「ありがとう!」

 

音也が真斗に抱きついた。

 

「なっ!」

 

「ちょっと音也!」

 

「真斗に抱きつかないで!」

 

「私の嫁に何をする!」

 

「ぁ・・・・」

 

セシリアも何か言いそうだったが、歯切れの悪い感じになっていた。

音也を箒達に引き剥がしてもらった真斗が、セシリアに声をかける。

 

「オルコットさん。怪我はありませんでしたか?」

 

「だ、大丈夫ですわ。あの、聖川さん・・・・」

 

「はい?」

 

「わ、わたくしも事も、セシリアとお呼びください。そ、それに敬語も良いですわ・・・・。その、一十木さんも、良いですわ」

 

「えっ? そう? ありがとうセシリア! 俺の事も音也でいいよ!」

 

「・・・・ああ。分かった。改めて、よろしくセシリア」

 

手を差し出した真斗に名前を呼ばれ、セシリアは、パァッ! と、笑みを浮かべると真斗の手を握った。

 

「は、はい! 真斗さん! 音也さん!」

 

その様子を音也達はにこやかに、あるいはニヤニヤと笑いながら眺め、箒達は新たなライバルの登場に、肩を落としたが、ならば自分達も名前で呼んで良いと言った。

 

「それでセシリア。買い物の途中だったのではないか?」

 

「は、はい。実はわたくしが持っているバイオリンの弦が切れてしまって、同じメーカーのがこの辺りの楽器店にあると調べたので来たのですわ」

 

「そうか。ならば俺も一緒に行こう。一十木。お前達はどうする?」

 

「俺達がこの街に来たのはライディーン戦士を探す為だったから、用事は済んだよ。セシリアともっと仲良くなりたいし、皆と一緒に行こう!」

 

という事で、全員は路地裏から出て少し歩くと、件の楽器店に到着した。

セシリアと一緒に弦を探す真斗とシャルロット。

マラカスで遊んでいるナナと鈴。

ギターを少し弾いてみる音也とララ。

ドラムを叩いてみるヤミと美柑。

他の楽器を興味深く見ている箒とラウラとモモ。

目当ての弦を見つけたセシリアがカウンターに向かうと、真斗はピアノが置かれているのを見つけ、椅子に座り、ピアノを弾いてみる。セシリアが真斗に近づくと、他の皆も集まる。

 

「真斗?」

 

「少し、弾いてみようと思う」

 

~♪~♪~♪~♪。

 

「この曲・・・・」

 

それは、セシリアが聞いた旋律。そしてそれに、真斗が歌をつける。

 

「高ぶる激情は熱くて 苦しめられる日々に耐える~♪♪」

 

自分の中の押さえている感情に苦しみ、

 

「Ahこんなに刹那い 気持ちなどお前は知らない~♪♪」

 

愛する人への切ない思いに苦しみ、

 

「だからお前だけの騎士<ナイト>でいたい tonight~♪♪」

 

それでも愛する人を守る気持ちを抱き、

 

「心のダムが塞き止めた 幾千のひたむきな 純白い思いがそう溢れて出してく・・・・どうしようもなく止められない~♪♪」

 

その純粋な思いを解き放ち、

 

「熱いこのハートの 旋律を刻みゆく ピアノが永遠を誓う~♪♪」

 

ピアノが奏でる旋律に、熱い想いが伝わる。

 

「あの日出逢えた奇跡 My Destiny・・・・」

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

いつの間にか、他の店員や客も、その旋律と歌を聞き入り、中には感動して涙を流していた。

 

「・・・・・・・・(ペコリ)」

 

ーーーーパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!

 

真斗が一礼すると、音也達や箒達、そして他の人達が、店の中に響くほどの喝采を上げたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

そして、東都に帰ろうとする真斗達を、箒達が見送った。

仲良くなった女子達がまた会おうと話していると、セシリアが真斗に話しかけた。

 

「あの、真斗さん。今度、クラス対抗戦があるんですの。専用機持ちのわたくしがクラスの代表として参加するのですわ」

 

専用機。それはエキドナと戦っていた時にいた操縦者達が使う量産型ではなく、オリジナルに設計されたISの事だ。

 

「そうか。やはり凄いなセシリアは」

 

「で、ですがわたくし、ちょっとその、今まで攻撃的な態度でクラスの皆さんに接して来ましたから、皆さんに嫌われているのではないかと思いまして・・・・」

 

「なるほど。クラスの皆に謝罪したいのだな」

 

「はい・・・・」

 

「それならば、シャルロットに仲介役をして貰えば良い」

 

「ラウラさん」

 

二人の会話に、ラウラがシャルロットを連れて話しかけた。

 

「シャルロットならば対人関係も良好だからな。仲介して貰えば皆と和解できる」

 

「確かに。シャルは気遣いが上手いし、人付き合いも得意な上に、相手の感情の機敏にも敏感だ。それに空気を読むのも上手いから、仲介役として適しているな。シャル、頼めるか?」

 

「うん! 任せて!」

 

「しかし、シャルとラウラは出なかったのか、専用機持ちだろう」

 

「シャルロットはあまり目立ちたくないから辞退し、ラウラは本職の軍人なので不公平だから出場できなくてな。それでセシリアが出場するのだが、クラスの空気を良くするのは良いことだ」

 

「ま、セシリアの相手はアタシだから、セシリアが勝つのは難しいけどねぇ!」

 

「むっ! わたくしが勝ちますわ! そして勝利を真斗さんに誉めて貰います!」

 

「ぬぁにぃ~!」

 

セシリアと鈴が火花を散らしていた。

そんな中、箒が真斗に話しかける。

 

「真斗。お姉さん<織斑先生>に会わなくて良いのか?」

 

「・・・・今日は色々会ったからな。もう少し時間ができたら、会いに行く。絶対にな。だが、『言伝』を頼めるか」

 

そして真斗と音也達は新幹線に乗って、ISシティを後にした。

 

「それで真斗。俺達の他にライディーン戦士がいると思うけど、心当たり無いかな?」

 

「・・・・・・・・心当たりはある。“三人ほどな”」

 

「えっ?! 三人も!」

 

「ああ。しかも、俺達と同じ『早乙女学園』の生徒で、俺達と同級生だ。一十木。お前も知っている三人だ」

「え? 同じ学校で同級生って・・・・まさか・・・・!?」

 

「ああ。『神宮寺レン』。『来栖翔』。『四ノ宮那月』だ」

 

 

 

 

ー千冬sideー

 

「それで、お前達はあの街で起こった怪物を見たのか?」

 

「「「「「はい」」」」」

 

IS学園に戻った箒達は、職員室で真斗の姉である『織斑千冬』に、エキドナとの戦いを目撃した事を聞かれていた。千冬の隣には、先ほど帰って来た副担任の『山田真耶』もいた。

 

「・・・・今回の件は他言無用にしておけ。特に、怪物と戦った『鳥人間達』の事は、な」

 

鳥人間達、それがライディーン戦士、弟の真斗の事であると分かっている千冬は、そう言った。下手に知られれば、IS関連の人間達が弟に迫る危険性を考えたからだ。

箒達が頷くと、千冬は真耶に、五人を寮に連れて行って下さいと言うと、真耶は頷き、箒達を連れて行こうとすると、箒が千冬に向かって声を発する。

 

「あの、真斗から、言伝を預かっています」

 

「・・・・何だ?」

 

「【お身体に気をつけてください。いずれ必ず会いに来ます。姉上】」

 

「・・・・そうか」

 

千冬はそう返事をし、箒達は真耶に連れられ、職員室を出たいった。

 

ーーーーそう言えば山田先生。今日彼氏とデートだったんですよね?

 

ーーーーえっ!? 何故その事をっ!?

 

ーーーーどんな殿方なんですの?

 

ーーーー確か19歳の年下だって聞きましたよ?

 

ーーーーええっと、『ユーノ・スクライア』って、北都にある図書館の司書長をしているんですがーーーー。

 

なんて廊下で駄弁っている声が遠退くのを聞き、千冬は机の引き出しから、家族で撮った一枚の写真を取り出す。父親の顔は水性ペンで×と書いていたが。

 

「・・・・お前を見捨てて逃げた私を、今でも姉と思ってくれているのか・・・・真斗?」

 

その頬からは、一筋の涙が流れていた。

 

 

 

 

 

ー???sideー

 

「なっ!?」

 

ソコは『早乙女学園』の寮。一人の少年が、ある雑誌を見て驚愕した顔となる。

 

「・・・・くぅ、こ、こうなったらやってやる!」

 

決意を固めたように拳を握る少年。同室の少年が部屋に戻ると、その少年の様子に首を傾げた。

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