朝霧さんたち   作:A×K

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青髪×クール×ニーソックス=破壊力……ッッ!!


第3話

「……で」

秋乃「ん〜〜?」

「なんで昼を一緒に食べてるの!?」

 

秋乃「私が誘ったから〜〜♪」

朝霧「…………」

 

何も言わずにモグモグ食べる朝霧さん。

……周りの目が痛いなぁ……サウザントサクリファイスってこんな気分なのかな……うん、ちょっと何言ってんだろ、俺。

 

「……秋乃は毎回行動力がおかしいんよ…」

秋乃「ほえ、そうかな???」

 

小学校・中学校と【友達100人作る!】って言ったらホントに1週間で作った時は軽く引いた。

秋乃「学生生活、楽しんだもん勝ちだよ~♪」

少しアホっぽい顔で頬張る秋乃。

その姿を見ていた朝霧さんが少し口を開いた。

 

朝霧「……2人は……幼馴染、なのかしら…?」

「あ、そんな声なんだ」

 

朝霧「…………………………」

「……すいません……」

よくよく思えば、自己紹介の時に声聞いたやないか、今の発言はマイナスだぞ、あかびゃ。

 

秋乃「そうだよ〜〜♪

もう、10年くらいの付き合いになるかな?」

朝霧「……あぁ、通りで……」

 

……あの、ジト目でこちらを見られても萎縮するだけなのですが…。

 

 

 

────────────────────────

 

【朝霧 視点】

 

…………ど、どうしよう……完全に冷たい子だと思われたよね……?

 

……うぅ…昨日の夜に練習するんじゃなかった…。

 

 

 

 

“”遡ること入学式前日“”

 

「……表情の練習……しておこうかしら?

……こうかしら?……いえ、もっと……こう……あ、あれ……?」

 

 

 

……まさか練習のし過ぎで表情筋が固まって眉間にシワが寄るなんて……。

怒ってるように見えるわよね……いっその事、このまま押し通すのが賢明かしら……?

 

 

(……いえ、でもそれじゃあ……今までと変わらない……)

 

 

中学校時代までは……私は注目の的だった。

あまり目立たなかったのにも関わらず、異性からの視線やラブレター……そんなものばっかり見てきた。

 

 

(……誰も彼も、見かけだけで判断してる……本当は人に話しかけるのも苦手な引っ込み思案なだけなのに……)

私は、深くため息をついた。

 

 

────────────────────────

 

 

「……えと、大丈夫?」

ため息を漏らした朝霧さんを心配したが……そっぽを向かれてしまった。

 

「……うぅ……ダメージがでかい……」

秋乃「だらしないなぁ……それでも…」

 

 

???「……もしもーし、今ええか?」

「……あ、はい……どちらさん?」

???「あ、メシ食うてる途中やったか?堪忍堪忍!

ちーっと、知ってる顔が見えたもんやから声かけさせてもらったわ!」

(関西弁だ……それも、こってこての……)

 

???「ウチの名前は松原 茜!1年A組やから隣のクラスに居るんやけど……アンタ、もしかして……赤鬼ちゃうか!?」

「……はぁ……その名前は辞めてくれ」

 

茜「ん、あんまり言いたくない事やったか?

それならすまんかった、堪忍してくれ、な?」

謝りながら、松原さんは飴を差し出してきた。

……これも大阪流ってところか?

 

朝霧「……赤鬼?」

秋乃「あっ、そ、それはね……」

 

「秋乃、いいよ……まぁ、過ぎたことだし……喋っても」

茜「そんじゃ、隣失礼するで~♪」

そう言うと松原さんは肩を密着させた。

 

「!!?!?!?!?」

茜「……?……あっ、兄さんこういうの耐性ないタイプなん?♪」

「……い、いいから!」

 

大阪のノリに合わせてると話が脱線しそうだから俺は昔話を始めることにした。

 

 

「……確かに、俺は中学校時代に赤鬼って呼ばれてたよ

でも、別に喧嘩が好きだったとか、そんなんじゃない」

秋乃「……じゃあ、どうして?」

 

「ただ単に、弱い人や間違ったことに対して力で守りたいと思って強くなっただけだ

……実際、秋乃だって色んな奴に絡まれたりしただろ?……俺はそんな場面が見過ごせなかった、それだけだ」

茜「……ふーん……なるほどな、でもなんで赤鬼って言われるようになったん?」

 

「勝手に不良共がそう呼んでただけだ……まぁ、実際その名前が広まって喧嘩売ったりする事が無くなったから良いんだけどさ……」

秋乃「じゃあ、よく呼び出されてたのは…」

「勝負しろって……断ったら俺に知ってる人にも危害が加わるかもしれないって思ったら引くに引けなくてな……でも、勝負は1回きり、2度はしないって条件付きで、な」

 

 

朝霧「………………………………」

「あぁ、ごめんね……朝霧さん……野蛮な話だったよな」

 

朝霧「その考えは……」

「え?」

 

朝霧「その考えは、今も変わってないのかしら?」

「……もう不良……ってか、なんで俺まで不良って呼ばれてたのか謎だけど……俺は強くなった力は正しい物に使いたい……って答えじゃ変かな?」

朝霧「……そう」

 

茜「気に入った!兄さんの心意気にウチも胸打たれたわ!」

「……打たれるほどの胸は無さそうだけど…」

 

ぺしーーーーん!

茜「な・ん・や・て〜〜?」

「……すいません、失言でした……」

 

秋乃「……あはは……」

朝霧「一言余計なのは残念な要素ね……」

 

茜「せや!連絡先交換しとこか!何かあったら呼び出させてもらうわ!♪」

「俺は便利屋じゃないんだが……」

茜「細かいことはええから!な?♪」

「……お、おう……」

 

秋乃「こーくんって流されやすいよね〜〜」

朝霧「……そんな風に呼んでるの?」

秋乃「うんっ、この呼び方が落ち着くんだ〜♪」

朝霧「……貴方もなかなか不思議な人ね……篠原さん」

秋乃「もー、秋乃でいいよ?」

朝霧「……あ、秋乃……さん……」

秋乃「はーい、よく出来ました~♪」

朝霧(…………こ、これが普通の対応なのかしら……?)

 

 

 

────────────────────────

 

 

長かった一日が終わりを迎えようとしていた。

あの後、特に変化はなく……高校生活初日は終わりを迎えた。

 

そして家に帰ってきて……風呂に上がるとベランダには先客がいた。

 

秋乃「やっほー♪」

「早いな、今日は」

 

秋乃「何だか風が気持ちよくてね~♪」

「風邪ひくなよ」

 

こうして俺と秋乃はベランダに集まっては取り留めのない会話をする。

それが俺たちの日常となっていった。

 

秋乃「それでそれで?初めて女の子から連絡先を貰った感想は?♪」

「茶化すなよ、それに俺から貰った訳じゃないし」

秋乃「あっはは、だって中学校の時は一匹狼って感じだったこーくんが女の子連絡先交換してるって思うとおかしくって♪」

「……否定できない自分が居る……」

 

秋乃「それよりさ?」

「それよりってお前なぁ……」

秋乃「部活とか、決めた?」

「……あー、部活かぁ…」

これと言った部活は思い浮かばないなぁ……。

中学時代も帰宅部だったし。

 

 

秋乃「部活入って~……そのまま彼女も作ったりして♪」

「気が早すぎるし、俺はそういったものは……」

秋乃「ゼロじゃない、でしょ?♪」

「……も、黙秘で……」

 

秋乃「あははっ、貰い手がいなかったら私が貰ってあげよ〜♪」

「なっ、お前────────」

秋乃「じゃね~♪」

 

からかうように笑いながら秋乃は部屋に入ってたった。

「……くっそ~…秋乃のやつ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋乃「……私個人としては……彼女作らないでくれた方がいいんだけどな~……なんて…///」

1人ぬいぐるみを抱えながら、ポツリと呟く秋乃だった。




次回:生徒会長からのお誘い


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