茜「なんやなんや、兄さんもこの部活入ってたやんけ~!♪」
「ヒトチガイデス」
茜「あっ、もしかして…恋愛研究部に入ってるって言うのが恥ずかったんか!?可愛いとこあるやんか~♪」
そう言って肩に手を回す松原。
…密着してる面が少ないと言うと怒られそうなのでやめておこう…。
悠子「あら、もう元気っ子まで手の内に収めたのかしら?」
「語弊を生む言い方は勘弁してくれ…」
茜「元気っ子ちゃうって!茜って名前言うとるやんけ~!」
悠子「今日も元気ね~」
茜「…あかん、この会長はん話聞いとらんわ」
秋乃「げ、元気なのはいい事だよ~っ」
瀬良「…さて、全員揃ったし…どうする?」
悠子「決まってるわ!!!青春するわよ!!」
「…嫌な予感しかしない…」
悠子「はい、部長これ引いて!」
「…いや、だから、俺は部長になったつもりは……って、何これ?」
箱に入ってるのは、三本の棒…え、くじ引き?
悠子「はい、行っちゃって、行っちゃって!♪」
「ノリが宴会なんだよ…こうか?」
そこには【カラオケ】と書かれていた。
悠子「はい、決まり!瀬良!」
瀬良「はいはい、予約ね」
琴美「…………」
悠子「逃がすかぁ!」
琴美「お断りよ!なんで私まで行かなくちゃいけないの!」
おお、多分マジの怒り顔だ。
「流石に急すぎないすか?」
悠子「わかったよぉ…じゃあ明日ね!」
めげないな、この人も。
琴美「………………」
悠子「お願い!一生のお願いだから!」
瀬良「そんな事に一生のお願いを使うなんて…」
悠子「ほら、部長からも一言言いなさいよ!」
「横暴だ…えっと、朝霧…これも付き合いってことで…
今回切りでいいから、さ…ね?」
琴美「…………」
あ、ダメみたいな顔して────────。
琴美「今回きりよ」
「………………え?」
悠子「浩二、でかしたぁ!」
「えぇ…」
秋乃「えぇ~…」
瀬良「素直じゃないなぁ~」
琴美「……………」
一言、今回きりと言って朝霧はそっぽを向いてしまった。
…でも、なんでOKしてくれたんだろう…。
────────────────────────
【次の日……】
悠子「あっははは~!部長、飲み物持ってこーい!♪」
上機嫌で端末をいじる悠子先輩。
…で、部長兼パシリって事ね…とほほ。
秋乃「こーくん、私も行こっか?」
「大丈夫大丈夫、男の務めってやつだしな……それよりも…」
悠子先輩の足組み…うぅ、目のやり場に困る…。
副会長さんもタイツで足組みとか…。
「…と、取りに行ってくる!」
茜「…?…なんや、兄さん…あんなに慌てて」
秋乃「露骨に分かりやすい反応するんだから…」
悠子「さて、最初は誰から歌うのかしら!?」
瀬良「命ちゃんは…ありゃ、既にタンバリン持ってるし」
悠子「盛り上げ役は任したわ!」
瀬良「…そういえば、琴美さんの歌声って綺麗って聞いたんだけど…」
琴美「人並みです、特段上手いわけでもありません」
悠子「そう言うならトップバッターやりなさーい!
これは先輩命令よーっ!♪」
琴美「…はぁ…」
【その頃】
「な、7人分のぉ…飲み物を持ってくとか…落とさないように…っ!」
カタカタとトレイを震わせながら部屋に向かう…。
「…ん、この声…朝霧さんか?」
ドア越しでも分かる…透き通った声…。
(みんなが胸打たれる気持ちが分かるような気もする…けど、本人は疎ましいとか思ってるんだろうなぁ…)
何とかかんとか、ドアを開ける…と、ちょうど歌い終わっていた。
悠子「ご苦労~!いやぁ、タイミング悪かったねぇ~!♪」
瀬良「あ、それが目的だったんだ」
悠子「さぁ~ねぇ~?」
「大丈夫ですよ、綺麗な歌声、聞こえてたんで
…ほら、歌い終わったなら喉潤わせておいたら?」
琴美「…何で何も言ってないのに飲み物が」
「いつも飲んでるだろ?それ」
琴美「……………………そ」
ツンケンとした反応で飲み物を飲む朝霧さん。
琴美「……けほっ…」
あ、むせた。
琴美「…じっと見ないでちょうだい」
「あ、あぁ、すいません…」
悠子「少年っっっっ、歌え!」
「だからノリが宴会なんですよ…」
秋乃「こーくんも、歌上手いからねぇ~♪」
瀬良「ハードル上げてるねぇ」
茜「おっしゃ、カメラ回したろ!」
「やーめーーーろやーーー」
と言いつつ、得意な歌を慣れた手つきで打ち込んでいく。
悠子「うわっ、女子ウケかよ!」
「もう1回聞いておきますけど、本当に生徒会長ですよね??」
悠子「まぁ、あの子の後だから普通の歌声に聞こえ─────」
瀬良「…いや、そうでもないみたいだよ」
茜「ほーん…」
命「……………(シャンシャン」
琴美「…」
秋乃「いやぁ、何度聴いてもこーくんの歌声はいいねぇ♪」
「…茶化すなよ、見られて緊張してるんだから」
悠子「………い、今から軽音楽部目指さない???」
瀬良「軽音楽部に怒られるよ?」
悠子「な、なによ、なによー!そんなに歌が上手いって聞いてないんだけどー!!」
「聞いてないって…今歌ったばかりだからな」
悠子「むむむ…生徒会長極秘調査が甘かったか…」
「聞き捨てならないワードが出た気がしたんだけど…」
悠子「そうだ!琴美ちゃんと浩二がデュエットしてみたらバズるんじゃないかしら!?」
「アップロードする気もないですし、彼女の意志を優先させてあげましょうよ」
悠子「けっ、色男が!」
「貶し方が中学生なんすよ」
琴美「いいわ、歌いましょ」
「えええ、ええ、え?朝霧さん?」
琴美「…?…何不思議がってるのよ、カラオケきたら歌うのは当然でしょ?」
「…あ、うう、うん???」
半ば流されるように…一緒に歌うこととなった。
途中目が合って…なんとも言えない気持ちになってしまった…。
────────────────────────
【その帰り道】
琴美「送ってくれなんて言ってないのだけれど」
「女の子1人で帰す訳にも行かないだろ?」
琴美「だからって、わざわざ家とは反対の方向なのにそこまでしなくても」
「勝手なお節介だ、気にするな」
琴美「…変なの」
「かもな」
???「あ、お姉ちゃんだー!♪」
琴美「…っ!」
「…お姉ちゃん?」
???「あれあれ…もしかして…この人が…」
琴美「………」
???「むぐーー!!!」
その刹那、朝霧さんが女の子の口を塞いだ。
琴美「お喋りが過ぎるわよ、聖美(まさみ)」
聖美「まだ何も言ってないのにー!」
琴美「貴方が口を開くと、ろくな事がないから」
「…えっと、お知り合い?」
聖美「あっ、はじめまして!♪朝霧 琴美の妹
朝霧 聖美、15歳 中学3年生でーすっ♪よろしくね、お兄ちゃん!」
琴美「…ちょっと」
聖美「わー!逃げろー!♪」
そう言うと、すぐ横の家に入っていった。
「…お、おぅ…」
琴美「言いそびれたわ、ここ、ウチだから」
「…そ、そっか…」
琴美「…その、あの子の事は気にしなくていいわ、いつもあんな調子だから」
「…姉妹似てないね…」
琴美「よく言われるわ」
「…じゃあ、俺はこれで」
琴美「…あの」
「ん?」
琴美「…その、また明日…」
「お……おうっ!また明日な」
────────────────────────
【琴美 部屋】
琴美「はぁあああああああああ…塩対応すぎるよ…」
聖美「またやってる」
琴美「あ、貴方ねぇ!」
聖美「せっかくパス出したのに~」
琴美「…う、うぅっ…」
聖美「ヘタレ~」
琴美「む、無茶よ!これでも頑張った方なのに!」
聖美「はぁーあ、お姉ちゃんがこんな調子ならアタシが奪っちゃおうかな~?」
琴美「…っ!?…べ、べべべべ、別にそんな気は無い…し…!」
聖美(この反応が面白くて可愛いから、いじりたくなっちゃうんだよなぁ…)
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