原作とは構成を変えたりしていたら時間がかかってしまいました
第1層ボス、イルファング・ザ・コボルドロードとの戦いが終わり、俺とミトが拳を突き合わせていると、騒ぎの中、床から立ち上がってゆっくり近づいてくる人影があった、両手斧使いのエギルとヴァインだ
「見事な指揮だった。コングラッチュレーション!この勝利はあんたのものだ」
「凄い動きだったな、あれはどうやったんだ?」
エギルの後ろにいたヴァインは俺の動きが気になったようで聞いてくる
「別に大した事はして無いよ、ただタイミングを合わせて飛んだだけだよ、仮想世界だし誰でも出来るでしょ?」
「いや、仮想世界でもあれをやるのは難しいと思うけど」
ミトは俺の言葉に呆れた表情でそう答え、俺がそれに対して返答をしようとしたその時だった。
「なんでだよ!!」
突然、そんな叫び声が俺達の後ろから聞こえた。ほとんど怒声のようなその響きに、広場の歓声が一瞬で静まりかえる。
「なんでディアベルさんを危険な目に遭わせたんだよ!!」
後ろを振り返りながら声の主を見ると、確かディアベルがいたC隊にいたシミター使いだ
「……危険な目、って何がだ?」
一度シミター使いを見て、キリトはそう呟いた。
「そうだろ!!だってお前らのパーティは、ボスの使う技を知ってたじゃないか!!お前らが最初からあの情報を伝えていれば、ディアベルさんが危険な目に遭う事も、いやディアベルさんがLAを取れてたはずだ!」
「リンド、いや、俺は………」
途中のディアベルの呟くような言葉は届かず、シミター使い……リンドの叫び声に残りのレイドメンバー達がざわめく。「そういや、そうだな……」「なんで……?攻略本にも書いて無かったのに……」というような声が生まれ、徐々に広がっていく。その沈黙を破ったのは、キバオウ……では無かった
「そうか!!そいつらは元βテスターだ!!だから、ボスの攻撃パターンがわかったんだ!!あのアルゴっていう攻略本を書いた奴もグルでウソついてたんだ、あいつも、元βテスターなんだから、タダで本当の事なんか教えるわけなかったんだ、どうせ旨いクエとか狩場とか、全部知ってて隠してるんだ!!他にもいるんだろ、出てこいよ!!」
確かこいつはキバオウのパーティにいた奴だ、何故、今そんな事を言う必要が、そんな事をしたら他のβテスター達が…………もしかして、こいつは…………そんな事を考えているとキリトが何か覚悟を決めた表情をしている、あいつ、もしかして
「……おい」
俺がキリトに声をかける前にカゲ先輩がキリトに声をかける
「……何ですか?」
「どうせこの状況を終息させんのにあん時のハチみたいな事をするつもりだろ、お前」
「!……それは」
キリトは少し俯き迷うような表情を見せる
「だけど、あん時と違ってわかってる人間がいる、お前だけには背負わせねぇ、俺達も乗ってやるからやるならやれ」
カゲ先輩のその言葉にキリトの目が見開くその言葉に乗じて俺も声をかける
「ですね、俺も乗るからやれよ、カゲさんも俺も人の悪意に晒されるのは慣れてるよ」三3三
「カゲ先輩………ユーマ…………わかった」
そういうと俺達は覚悟を決め、前に出た
元βテスター……その言葉が私の胸に突き刺さる、このままだとニュービーのプレイヤーと元βテスター達の間に埋まらない溝が出来てしまう、でも今声を上げたら私が祭り上げられる………そう思い鎌を掴み少し震えていると、前にいたキリト達が前にでて喋り始めた
「……元、βテスターだって?……俺らを、あんな素人連中と一緒にしないでもらいたいな」
「それに、うちのパーティの女子は俺らの指示を聞いていた何も知らないニュービーと元テスターだよ」
「な………なんだと………?」
キリトとユーマの言葉を聞いた1人のプレイヤーがそう呟くと、カゲが続ける
「いいか、良く思いだせよ、SAOのβテストに当選した1000人のうち、本物のMMOゲーマーが何人いたと思う?、ほとんどはレベル上げのやり方も知らねえ初心者だったよ、今のお前らの方がマシなレベルだな」
カゲがわざわざ周りの人間を煽るように言う……カゲはβテスターじゃないはず、それに何であんな煽るの?そんな事しても良い事なんて………そんな事を考えているとキリトが続ける
「…でも俺達はあんな奴らとは違う」
キリトが意図的のような冷笑を浮かべて、その先を口にする
「俺達はβテスト中に、他の誰も到達出来なかった層まで登った。ボスのカタナスキルを知ってたのは、ずっと上の層でカタナを使うMobと散々戦ったからだ。他にも色々知ってるぜ、アルゴ達情報屋なんか問題にならないくらいな」
………やっぱりキリト達はワザとあんな事を……そう考えていると後ろにいたフィリアが小声で私とアスナに話しかけて来た
「……2人はどれだけキリト達を信じられる?」
フィリアが真剣な顔で私たちに話しかけて来る、私はユーマ達を信じるけどアスナはどうなんだろう……
「私は、私とアスナを助けてくれたユーマとキリトを信じるよ……アスナはどう?」
そう私が言うとアスナも真剣な顔で口を開く
「……多分これは私達に非難の目を向けられ無いようにやってるんですよね……」
「そうだね、私達は関係ないニュービーだ、っていうふうにしてキリト達だけが悪いようにしてるんだよ」
そうフィリアが言うとアスナは少し間を置いてから話す
「……私はキリト君達を信じるよ、だってあの時助けてくれたキリト君はこんな事する人じゃないから」
「アスナ………」
アスナの言葉を聞いたフィリアが安心したような声をだす
「……信じるのは良いとしてこの後はどうするの?
「とりあえず今は我慢して、じゃないとキリト達がしてる事が無駄になっちゃうから」
「……わかりました」
不満そうな顔をするアスナと一緒で私も納得は出来ないけど、とりあえずは今は我慢する事にする……そうしていると話しは進んでいた
「………なんだよ、それ……」
最初にキリト達を元テスターと指摘したE隊の男が、掠れ声で言った。
「なんだよそれ……そんなチートだ、チーターじゃないか!
「ベータのチーター、だからビーターだ」
「………<ビーター>、いい呼び方だなそれ」
キリトがニヤリと笑い、キリトは、その場の全員をぐるりと見回しながら、はっきりとした声で告げた
「そうだ、俺たちは<ビーター>だ。これからは、元テスター如きと一緒にしないでくれ」
これがキリトの狙いか……
「……ミト、どうしたの?何かわかったの?」
アスナが小声で聞いてくる
「……キリトは、今多分4〜500人ぐらいいる元βテスターを更に二つのカデコリーに分けたんだよ、大多数の<素人上がりの単なるテスター>と後残り少しの<情報を独占する汚いビーター>っていうふうにね」
「……そんな………」
アスナが絶句しているとユーマが足を止めて振り返り出て喋り始める
「そういや一つだけ気になったんだけど、最初に避難した銀髪のお前、何でわざわざあんな騒ぎを大きくなるような事言ったんだ?」
「……そんな事どうでもいいだろ、ただ単にお前らみたいな汚いテスターが隠れてるのを炙り出したかっただけだ!」
「………へぇ」
そう銀髪の人が言うとユーマは目を細めて見下すように銀髪の人をみる
「お前、つまんないウソつくね」
「な………」
「………?」
ユーマの言葉にリンドや、周りの人達の何人かは疑問に思ったような表情になる、ユーマはキリトにつづきを促すような視線を送りキリトがそれに応え先ほどのボスのLAであろう黒いコートを装備し、語り始める
「2層の転移門は、俺達がアクティベートしといてやる。この上の出口から主街区まで少しフィールドを歩くから、ついてくるなら初見のMobに殺される覚悟しとけよ」
歩き出そうとするキリト達に先ほど話しかけて来たエギルとヴァインが
じっと見つめていた、私達と同じように何もかも解っているという表情をしていた
長い螺旋階段をしばらく上がると、再び扉が出現した、そっと扉を開けるといきなり途轍もない絶景が俺達の眼に飛び込んだ。扉の出口は急角度の断崖の中腹に設けられていたのだ。狭いテラス状の下り階段が岩肌に沿って左に伸びている、俺達が2層の全景をぐるりと一望していると背後の螺旋階段を登ってくる、小さい足音が複数聞こえ、後ろに振り向くとミト達が上がった息を整えていた
「……来るな、って言ったのに」
キリトがそう呟くとアスナは不満そうな声で答えた。
「言ってないよ。死ぬ覚悟があるなら来い、って言ったんだよ」
「そうそう」
アスナの言葉に同調するようにフィリアが頷く
「………そうだっけ、ゴメン」
キリトがそう呟くとミトが眼下の絶景に視線をもどし、ため息混じりに「綺麗……」と言った。そのまま少し間をおき口を開いた
「エギルさん達から伝言よ」
「伝言?」
「ええ、エギルとヴァインは「2層のボス攻略も一緒にやろう」って。キバオウは……」
ミトは少し咳払いをして、真剣な顔で下手くそな関西弁の再現を試みた。
「……「今日は助けてもろたけど、ジブンの事は、やっぱり認められん。わいは、わいのやり方でクリアを目指す」だって」
ミトがそう言うとアスナが続ける
「リンドさんは「君達だけに背負わせてすまなかった、困った時は言ってくれ」って」
最後にフィリアが話す
「最後にディアベルは「助けてくれてありがとう、助けてもらったけど、俺は少し攻略組から離れる、最後に俺がLAを取りに行ってしまったからこうなってしまった、そんな人間が攻略組をまとめるレイドリーダーを勤めれない、だけど困った時はいつでも声をかけてくれ、いつでも力になる」だって」
「……そうか」
キリトがそう言うとアスナはキリトにフィリアはカゲ先輩の所へ、ミトが険しい表情をしながらこちらに来た
「何で自分から非難の的になるような事したの」
「……あの騒ぎを鎮静化させるにはあれが一番だったからだよ、最初キリトは1人でやろうとしてたけどカゲ先輩と俺で止めたんだ、流石に1人で被るには精神的にキツいからって」
「……でもそれじゃあ……」
ミトがこちらを心配するような表情で続ける
「わかってるよ、そんな事したらいつか潰れるって……だけどさ俺はミト達を信じてたからさ」
「信じてた?」
ミトが疑問の表情になる
「ああ、だってミトは前、俺の事信じてくれただろ?だったら俺も信じないとな」三3三
「ユーマ……」
ミトは少し顔を赤らめながら俺の名前を言う…………そんなやりとりをしているとキリト達は話しが終わったようで、こちらの話しを終わるのを待ってから喋り始める
「よし、行こうぜ、みんな」
「ああ」
俺達は2層の主街区<ウルバス>に向けて歩き始める
To be continued……
はい、ようやく映画の部分が終わりました
次から2層の幕間のお話になります
また不定期ですが見てくれれば嬉しいです