黒の剣士と白い悪魔 リメイク   作:雪染遊真

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後半はオリジナル展開になります
本編より少し早い登場のキャラが出てきます
オリジナル展開が嫌な人もいると思いますが
それでも良ければ読んでください
それではどうぞ!



デュエルと邪魔者

 

 

「す……すみません!すみません!手数料は全額お返ししますので……本当にすみません……!」

 

何度も頭を下げる鍛冶師、しかしアスナはわずかに目を見開いたままで固まっている、アスナの代わりにキリトとミトが受け答えをする

 

「いや、その……待ってくれ、手数料どうこうの前にまず説明して欲しい。SAOの強化失敗に……<武器消滅>は無かったはずじゃないのか?」

 

すると鍛冶師は下げていた頭を上げた。顔は申し訳なさからか、激しく歪ませている。居たたまれなくなって来る

 

「……私βテスト出身なんだけれど、当時の公式サイトにあったプレイマニュアルには、強化失敗ペナルティは<素材ロスト> <プロパティチェンジ> <プロパティ減少>の3つしか書いて無かったわ。コレは確実よ」

 

ミトがβ出身という事を明かしてまで確認をとる、確かに今は保身の事など考えていられない、ミトが渡した親友のメインアームだいてもたってもいられなかったのだろう、ミトがそう確認すると鍛冶師は下を向きながらか細い声で言った

 

「あの……、正式サービスで、4つ目のペナルティが追加された……のかもしれません。ウチも、前に一度だけ……同じことがあったんです。だから、確率は、すごい低いんでしょうけど……」

 

「………」

 

………何で回数を誤魔化したんだ、この鍛冶屋。俺がそう思い目を細め疑心に満ちた目で見ていると

 

「…………そう………」

 

とミトが力なく呟く、すると鍛冶師は視線をあげ小声で再び謝罪する。

 

「あの……本当に、何とお詫びしていいのか……。同じ武器をお返ししますって言いたいところなんですが、<ウインドフルーレ>は在庫が無くて……せめてランクは下がっちゃうんですけど<アイアンレイピア>をお持ちになりますか………?」

 

この申し出には、キリトやミトが答えるわけにはいかない、キリトがアスナの方を見るとアスナは頭をかすかに左右に動かした。キリトは鍛冶師に向き直ると言った

 

「いや……、いいよ。こっちで何とか出来ると思う」

 

「あの……それでは、せめて手数料の返金を……」

 

と手を動かそうとするので、それをキリトが押しとどめる。

 

「大丈夫、あんたは一生懸命ハンマーを振ってくれたんだから、その必要は無いよ。プレイヤー鍛冶屋の中には、回数叩けば同じだろって、適当にカンカンやる奴もいるからさ……」

 

キリトがそう言うと体をビクッとさせいっそう首を縮めた。絞り出すように言う

 

「………すいません………!!」

 

悲痛な謝罪をしている鍛冶屋、何故回数を誤魔化したのかは謎だが、その謎は後回しにし、とりあえずアスナにキリトが付き添い場所を変えるために歩き始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

午後8時の鐘の音が鳴ってからしばらく経った。あの後アスナをミトに任せ、俺は疑問に思った事を調べようとアルゴにメッセージを送った所だった、最初はあの鍛冶師を尾行し情報を探ろうかと思ったが<隠蔽スキル>を持っているキリトがそれをやると言ったのでそちらを任せた………俺は先程の疑問の事を考えるためウルバスの入り口にあるベンチに座り顎に左手を当てていると………後ろに気配を感じ振り向こうとすると背中に短剣のようなものが当てられる

 

「………ここ圏内だけどお前、何やってるんだ?」

 

プレッシャーを少し与えるためにいつもより少し低めの声をだしそう問う

 

「いやぁ少し貴方に用がありましてね、逃げられ無いようにするためにしてるだけですよぉー………ユーマさん?」

 

甘い響きのある声は小音量でも良く通り、聞こえる……何故、俺の名前を知っているか、という疑問が浮かび何故か嫌な感じが背筋にはしる

 

「へぇ……俺に用がある、ねぇ?」

 

「はい、ここだと騒がしいですしあちらに行きませんか?」

 

謎の人物の指が入り口の向こうの森に向く、がミト達には迷惑をかけれ無いし嫌な予感がするので圏外に行くのをやんわり断る

 

「……悪いけど俺、今日はもう圏外に出る気無いから酒場とかで良いでしょ」

 

「いやぁそれじゃあだめなんですよぉ………貴方のパーティメンバーに邪魔されたく無いので」

 

「……それを俺が聞かなきゃいけない理由は無いよな……俺はもう宿に戻るつもりだよ?疲れてるし。お前と話してる時間が勿体無い」

 

そう言い俺は立ち上がり宿に向かって歩き出そうとすると謎の人物は一言だけボソッと呟く

 

「いいんですかぁ?……パーティメンバーに何かあるかもしれませんよぉ?」

 

その言葉に俺は足を止める、何故かはわからないがこちらの不安を煽るような発言をしている、というかなんでパーティメンバーがいる事も知っている?………若干の不安を押し殺し俺は謎の人物の言う通りにする

 

「…………わかった、あの森で良いのか?」

 

「ええ」

 

謎の人物が頷き先に歩き始める、ミト達にバレないように素早く済ませないとな………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……?……あれってユーマよね?」

 

それをミトが見ていると知らずに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、何のよう?お前、わざわざ俺をこんな圏外にまで連れ出してさ」

 

「いやぁ、あの1層のボス戦でレイドリーダーを庇って助けた白髪のちびっ子がいると聞きましてねぇ、どんなプレイヤーか気になっていたんですよぉ」

 

謎の人物はそう言う…………わかりやすいつまんない嘘だ、じゃなきゃこんな所まで連れて来る必要はない

 

「……御託は良いよ、早く本題に入れよ」

 

「……へぇ、流石にわかりますかぁ……」

 

謎の人物はそう言い、少し考えると喋り始める

 

「単刀直入に言うと、僕達の計画に気付きそうな貴方が邪魔なんですよぉ」

 

「で?計画の邪魔っても俺はお前達の計画とやらを知らないし、まだ気づいても無い、どうしようもないんだけど?」

 

俺がそう言うとフード?を被った人物は口元を歪めて笑い、先程と同じ甘く響く声で呟く

 

「簡単ですよぉ、今からデュエルの<半撃決着モード>をして負けたらこちらの言う事を一つ聞いてもらいます、そちらが勝ったらいつも通りに変わらずに過ごしてもらって大丈夫ですよぉ」

 

「………なるほどわかりやすいな……でもそっちの言う事って言うのが気になるし、それに……お前が約束を守るとは思わないけど?」

 

「そこはそちらに信じてもらうしか無いですねぇ、こちらは本当にそれだけなので」

 

……とりあえずこいつは嘘をついてはいない、本当に約束を守るようだ……まぁSAO内では初めての対人戦だが、ミト達に色々な事を教えてもらった、負けるつもりは無い

 

「……ま、別に良いよ」

 

「おや?話が早いですねぇ…………それでは、早速お願いします」

 

そう言い謎のフードを被った人物はメニューウィンドウを操作するとこちらの目の前にデュエル申請の画面が開く、名前はモルテというらしい俺が武器を装備し、承諾ボタンをタップすると中間地点にデュエル開始までのカウントが始まる、謎のフード……改めモルテのメインアームは俺と同じアニールブレードらしい、俺も武器を抜き右手に<アニールブレード>左手に<プラチナエッジ>を逆手に持ち、構える、モルテが少し固まる……どうやら俺の武器構成までは知らなかったらしい

 

「へぇ、前のボス戦の時とは違うんですねぇ」

 

「……逆にボス戦の時にいた奴らの中にお前らの仲間がいるって事をバラしてるけど良いの?」

 

「別に構いませんよぉ」

 

何か引っ掛かるが……まぁとりあえず最初は<ソニックリーブ>を発動させようと考えながら剣を構えようとするとモルテはもうすでにソードスキルのモーションを発動させている、カウントはまだ終わって無いし、確かカウント前に攻撃するとカラーカーソルがオレンジに……そこまで考えてから気づく、カウントが0になった瞬間にこちらに攻撃を当てるつもりだろう、もうこちらは後手に回ってしまったので対策を残りの数秒で考える

 

「流石ですねぇ……気づきましたかぁ……でも……もう遅いんですよぉ!」

 

モルテがそう言うと同時に俺とモルテの中間地点に[DUEL!!]と文字が紫に輝いた。

 

「くっ………!」

 

左横から来る斬撃を左手のプラチナエッジで軌道を無理やり上に逸らしながら下を潜り抜け、左側に転がりながら右手のアニールブレードで横なぎに振りモルテの足に少しかする、少し驚いたような声が少し聞こえ続けて喋る

 

「やっぱり……あの人の言う通りですねぇ、対人戦に慣れてる」

 

「……それがどうかしたのか?別に変じゃないだろ」

 

俺が冷静にそう冷たく返すと何が面白いのか笑いながらこちらに切り掛かってくる。俺は受け流しながら手数の多さを利用してモルテのHPを少しずつ削っていきHPが後もう少しで半分といった所でモルテは何故かバックステップを踏み後ろに下がった

 

「……おいおい…わざわざデュエルふっかけてきておいて怖気付いた訳じゃないよな……それに、このままだとお前負けるよ?俺の実力を見誤ったんじゃない?」

 

「まぁたしかに思ってたより強かったですが……予想の範囲内ですよぉ」

 

何か策があるのか口元を歪めてニヤりと笑う

 

「へぇ、じゃあ負けるのも予想の範囲内ってか?」

 

「いやぁそれはないですよぉ」

 

「いや、何でだ?」

 

「だって1対1とは一言も言ってませんよぉ」

 

そう言うとモルテの視線が俺の後ろを見る。一瞬悪寒が走り左側に転がるように動くと、今俺がいた位置に槍が振りきられていた槍を振ったプレイヤーは仮面をつけており顔は見えないがカーソルがオレンジのプレイヤーだった……体格的に女か?

 

「おいおい、マジか……2対1か、最初から俺を本気でやるつもりだったみたいだな」

 

「あれぇ、気付いてて受けたんですかぁ……まぁ流石に今のは避けるのはよんでましたよ、仮に僕が負けたとしても彼女がユーマさんをしっかり殺してくれますよ……まぁそれまで僕の相手をしてもらいますが」

 

「……うるさいわよ、モルテ、黙りなさい……」

 

「わお……怖い怖い、ちゃんと彼は貴方に上げますからそんなに怒らないでくださいよぉ」

 

最小限の大きさで発せられた声はやはり女性の声だった……しかしどこかで聞いた事がある気が……そう思い、一瞬仮面の女の方に目線を向けた瞬間にシュワッ!というかすかな音がモルテの方向から聞こえ、気づくとモルテは片手用斧とバックラーに持ち替え切り掛かってきていた

 

「シャオオッ!」

 

「っ!」

 

反応が遅れ、何とかアニールブレードでガードするがあまりの重さに俺は後方へ弾き飛ばされる

 

「さすがに注意がそれましたねぇ、でもこれでもまだ半分行かないんですかぁ……流石ですねぇ」

 

「重すぎだろ……その斧……」

 

「それはそうでしょう強化で重さ+4ですからねぇ、貴方の防御力だと簡単にHPを削りきれます……よ!」

 

モルテがそう言い切り掛かってくる、それを何とかバックステップで避け、逃げようとするが先程の女性が邪魔をして逃げれない………くそ、どうすれば……

 

「ほらほら!もう終わりですかぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「確かこのへんに歩いて行ったわよね……急がないと」

 

私はユーマが知らないプレイヤーと圏外に歩いていくのを目撃し、気になったの追跡スキルを発動させながらユーマを探しているとパーティのユーマのHPゲージが減り嫌な予感がしたのでユーマを見つけようとしていた、途中で見失ってしまったのでしらみつぶしに今は探してる所だ

 

「本当、どこに行ったのよ……」

 

私がそう呟くと奥側から声や金属音がかすかに聞こえる。私はそちらの方向にバレないようにゆっくり向かうと、ユーマと見知らぬプレイヤーが2人おり1人はオレンジプレイヤーだった

 

「!?………ユーマ!」

 

「ミト!?」

 

思いがけず走りながら声を出してしまう、するとユーマと対峙していたプレイヤーがニヤリと軽薄そうな笑みを浮かべこちら側にいたオレンジプレイヤーが弾かれたように動き私に切り掛かって来る。私は反応が遅れアニールサイスで何とか弾く、が相手は反動がさほどなかったのか、そのまま突きのモーションで切り掛かって来る

 

「っ!」

 

「ミト!」

 

するとユーマは左手に持っていた短剣を私と対峙してるオレンジプレイヤーに投げ、そのまま切り掛かる、私は反動で体制を崩し後ろに尻餅をついてしまう、オレンジプレイヤーは短剣を片手用槍で弾くとそのまま立てに振りユーマの横振りの攻撃を当て弾く……オレンジプレイヤーの方がSTR値が高いのかユーマはノックバックで後ろに下がってしまい、先程ユーマと対峙してたプレイヤーがユーマの後ろからきりかかり、オレンジプレイヤーもそのまま正面から切り掛かる……私のせいでユーマが!!

 

「ユーマ!!」

 

「安心してください……貴方も後ですぐに送ってあげますよぉ!!」

 

「っ!」

 

そう言い口元を歪めながらユーマに攻撃を当てに行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミトが途中でこちらを見つけてしまい狙われ、反射的に短剣を投げミトを守ろうとして、モルテの事が抜け落ちオレンジプレイヤーに切り掛かってしまい、隙ができ次の瞬間、前後で挟まれてしまった、確かに後ろのモルテの方が若干早いので、モルテはオレンジにならず目の前にいる仮面の女に俺の残りのHPを削られてしまうだろう……少し焦る脳内でどうしようかを考えようとすると………

 

「安心してください……貴方も後ですぐに送ってあげますよぉ!!」

 

そのモルテの声が聞こえ、その瞬間頭の中が冷たくなり………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫………よ……遊真は……1人じゃ……ない……わ?………泣かない……で……?」

 

冷たくなって行く体で血まみれになりながら自分の腕の中でそう言う銀髪の女性の映像が頭の中で再生される

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭の中でスイッチが切り替わる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーマと対峙していたプレイヤーがそう叫ぶように言った瞬間ユーマの纏う空気が変わった。右手に持っていたアニールブレードを後ろ側に振り手を離し腕を上に回しアニールブレードを掴みそのまま前へ向けて剣を振る……結果後ろにいたプレイヤーが持っていた斧ごと腕を断ち切りそのまま前のオレンジプレイヤーに当てる

 

「……は?」

 

「っ!」

 

オレンジプレイヤーは何とか槍で受け止めたがユーマはそのまま左手で体術スキルの<閃打>を発動させオレンジプレイヤーを殴り飛ばす。

 

「………ユー……マ?」

 

「……こんな事で動揺して負けたら、あっちで親父に合わせる顔が無いな」

 

髪が影になってユーマの表情は読めないユーマはそう呟くと次の瞬間、弾かれたようにオレンジプレイヤーへと突っ込み武器を弾き飛ばすその直後ユーマは首を刎ねようとするように剣を振る……

 

「っ…………!」

 

「ユーマだめ!!」

 

「……………」

 

私がそう言うとユーマはギリギリの所で剣を止めた

 

「………はぁ、ミトがいて良かったなお前、俺の機嫌が悪くならないうちに早く尻尾巻いて逃げろよ」

 

「…………」

 

「……今日の所は引きますが、このままだと思わないでくださいね」

 

先程ユーマに腕を断ち切られたプレイヤーは左手で斧を拾いストレージにしまうと甘い響きがあった先程の声とは違う冷たい声でそう言い、オレンジプレイヤーと一緒に森の奥へ消えていった

 

「大丈夫かミト………」

 

ユーマがそう言いながらこちらを振り返り、私を立たせようと手を出した瞬間に私の目を見ると何故か言葉を途切らせそのまま少し下を向く

 

「……………ごめん………先に街に戻ってる………」

 

そう言い後ろを向き街向かって歩きだした

 

「待って!?ユーマ、どうしたの!?それに、さっきの……」

 

「…………」

 

私がそう言うと少し足をとめ数瞬間黙った後にユーマは口を開いた

 

「…………さっきの俺の躊躇しなかった理由を知りたかったら……フィリアに聞いて…………自分から話す勇気が持てないんだ………」

 

「………ユーマ?」

 

「その話を聞いて、一緒に居るのが嫌なら…………」

 

そこまで言うとユーマは目線を下に落とした

 

「…………」

 

「………ごめん………1人にさせて…………」

 

ユーマはそう言うとそのまま街へ先に帰ってしまった………ユーマ……何でそんな悲しそうな顔をするの…………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





後半はかなりシリアスに書いたつもりです
次もオリジナル展開を挟んでから武器強化詐欺の話に戻します
ちなみに前後で挟まれた時のユーマの動きはワールドトリガーシーズン3第5話「無双」にて村上が放った曲芸旋空を思い浮かべてくれれば
前書きにも書きましたがこの展開が嫌な人もいるとは思います
それでも良ければこれからも読んでください
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