どうも雪染遊真です
この1週間の間にスケルツォを5回見てきました
ネタバレになるので感想は後書きに書きます
それではどうぞ!
「コングラチュレーション」
並んで着地して、そのまま座り込んでいたキリトとアスナにエギルが1層ボス戦でも聞いたネイティブな発音で祝福を投げかけられていた。
「終わったわね……」
「だな、結局LAキリトかアスナのどちらかに取られたな」
「多分あの時に話してたんでしょうね」
ミトとそう会話しているとヴァインが寄ってくる
「お疲れ」
「お疲れ」三3三
ヴァインとハイタッチをしていると近くに居たアラタも寄ってきてハイタッチしてくる
「お疲れ!いやー仕事した仕事した」
「いや、俺らは仕事してねぇから、結局人数制限の関係で行けなかったし」
「わざわざそれ言う必要あったかしら……」
ハチの言葉にミトは片手で頭を当てながら呆れるように言う
「いやいや、ハチ俺ら仕事したじゃねぇか……アルゴとネズハの護衛っていうさ」
「それはな……」
そうアラタとハチが戯れてるとヴァインが俺の肩を叩く
「悪い、この2人って………」
「ああ、赤髪の方がアラタでさっきネガティブな発言したのがハチ、俺らの仲間だ……確か1層の時に助けられたんじゃないか?」
俺がそう言うとヴァインは少し考えてからハッとした表情になる
「あの時のか!……あの時は助かった、ありがとう」
「ん?かまわないぜ、困った時はお互い様さ!」
そう言いアラタはいつものようにニヤっと笑い、またハチと会話を始める
「あいつ、いつもこんな感じなのか?」
「ああ、凄いだろ?」
なんて言う会話をしているとキリトとアスナと話していたネズハの所にレイド本隊から人が歩いて来た
「あんた……何日か前まで、ウルバスやタランで営業してた鍛冶屋だよな」
「……はい」
頷いたネズハに、更に問い質す。
「なんでいきなり戦闘職に転向したんだ?しかも、そんなレア武器まで手に入れて………それ、ドロップオンリーだろ?鍛冶屋でそんなに儲かったのか?」
まずいな、これ……多分言い方からして、あいつ……シヴァタはすでにネズハを疑っている、シヴァタの言葉に勝利に沸いていた他のレイドメンバーもリンドやキバオウ、そしてブレイブスの5人も沈黙し、事の成り行きを見守っている。ほとんどのプレイヤーは訝しそうなだけだが、オルランド達の顔が激しく強張っていることは、遠く離れた場所からでも解る。俺達全員が咄嗟にどうすべきなのか判断できず固まっているとネズハが先に動いた、ネズハは使っていたチャクラムをそっと床に置くと、その隣に両膝を突く、続けて手も床に押し当て、深く頭を下げる
「……僕が、シヴァタさんと、そちらのお2人の剣を、強化直前にエンド品にすり替えて騙し取りました」
ボス戦直前よりも張り詰めた、耳が痛くなるほどに重い静寂がコロシアムを満たした……そんなしんとした沈黙を破ったのは、シヴァタの嗄れた声だった
「騙し取った武器は、まだ持っているのか」
すると、床に手を突いたままのネズハは、頭を左右に振る
「いえ……もう、お金に替えてしまいました……」
か細い声が流れた途端、シヴァタは一瞬強く両眼をつぶったが、恐らくその答えを予期していたのだろう。短く「そうか」とだけ言い、少ししてから続ける
「なら、金での弁償なら出来るか?」
今度は、ネズハは直ぐに答えなかった、俺達は鋭く息を呑み、シヴァタのずっと後方、レイド本隊の左端に立つオルランドたちも目に見えて顔を強張らせる……ネズハはどうやってこの場を切り抜けるつもりだ……?
俺達が固唾を呑んで見つめる先で、ネズハは、額を床のタイルに擦りつけるようにしながら答えた
「いえ……弁償も、もう出来ません。お金は全部、高級レストランの飲み食いとか、高級宿屋とかで残らず使ってしまいました」
…………ネズハは、切り抜ける気がない………詐欺の罪を全て1人で被り、攻略集団の怒りを自分だけに向けさせるつもりだ、自分を邪魔者扱いし、詐欺の実行犯となることを強いた仲間たちをかばって
「お前………お前、お前ェェ!!」
きつく握った拳を振りかざし、右足のブーツで何度も床を踏みつける
「お前、解ってるのか!!オレが……オレたちが、大事に育てた剣壊されて、どんだけ苦しい思いしたかぁ!!なのに……オレの剣売った金で、美味いもん食っただぁ!?高い部屋に寝泊まりしただぁ!?あげくに、残りの金でレア武器買って、ボス戦でヒーロー気取りかよ!!」
続けて、左側にいたキバオウ隊のメンバーも裏返った声で叫んだ
「自分が何したかわかってんのかよ!!?……やっちゃダメだけどよ……俺は今……あんたを叩っ斬りたくてしょうがねぇよ!!」
その言葉に間髪入れずにネズハが口を開く
「わかります……覚悟の上です……恨みもしません……どうがお気のすむようにしてください……」
ネズハがそう言い剣のグリップに手をかけた所で後方から手が伸びて掴み止める
「まず、名前を教えてくれるか」
そう言い止めたのはリンドだった
「…………ネズハ、です」
平伏したままか細い声で元鍛冶屋が名乗ると、リンドは2、3度頷いた
「そうか、ネズハ、お前のカーソルはグリーンのままだが……だからこそ、お前の罪は重い。システムに規定された犯罪でオレンジになったなら、カルマ回復クエストでグリーンに戻る事も出来るが、お前の罪はどんなクエストでも雪げない、その上、弁償ももう出来ないと言うなら……他の方法で、償ってもらうしかない」
そこで一旦切り息を吸い込んでから再度口を開く
「お前がシヴァタたちから奪ったのは、剣だけじゃない、彼らがその剣に注ぎ込んだ長い、長い時間もだ、だからお前は………」
リンドが続く言葉を口にするより早く、後方で甲高い声を上げた
「違う……そいつが奪ったのは時間だけじゃない!」
後ろから走り出たのは緑服のキバオウ隊のメンバー………第1層で俺達を糾弾した奴だ、痩せた体を左右に振り動かし、きんきん響く喚き声で騒ぎ立てる
「オレ……オレ知ってる!!そいつに武器を騙し取られたプレイヤーは、他にもたくさんいるんだ!そんで、その中の1人が店売りの安物で狩りに出て、今までは倒せてたMobにやられちまったんだ!!」
そう喋ってから数秒後、掠れ声でシヴァタの横にいた青メンバーだった
「……し……死人が出たんなら……こいつもう、詐欺師じゃねぇだろ……ピッ………ピ……」
彼が言えなかった言葉を、煽り立てるようにキバオウ隊のメンバーが右手に持っていた短剣を突き出しながら叫んだ
「そうだ!!こいつは、PKなんだ!!」
そう言い短剣をネズハに突き付けたまま更に叫んだ
「土下座くれーで、PKが許されるわけねぇぜ!どんだけ謝ったって、いくら金積んだって、死んだ奴はもう帰ってこねーんだ!どーすんだよ!お前、どーやって責任取るんだよ!言ってみろよぉ!!」
沈黙の後ネズハが口を開く
「……皆さんの、どんな裁きにも、従います」
少しの間の後レイド本隊から声が上がった
「なら、責任取れよ」
ごく短い、それ自体は大した意味もない一言だったが、それは限界まで膨らんだ怒りの風船に落ちたピンの役割を果たした……途端にうわっ、というような大音響がボス部屋全体に広がった「そうだ、責任取れ!」「死んだ奴に謝ってこいよ」「PKならPKらしく終われ!」などの罵詈雑言が飛び徐々にボルテージを上げていく………流石にまずいな、そう思いこの場をなんとかしようと動こうとするとミトに腕を掴まれる
「どうした?」
「……あれ」
ミトが指さした先でオルランド達が動き出した所だった、ゆっくり広場を横断し、うずくまるネズハに近づき、剣のグリップを握り一気に抜き放った
「……オルランド……」
近くに居たキリトがそう呟くとダッシュをするためか右足に体重を乗せた途端に隣に居たアスナも姿勢を変えようとしたのでキリトがアスナを止める
「アスナ、君は動くな」
すると、即座にきっぱりとしたひと言が返った
「嫌」
「解ってるのか、ここで割り込んだらもう攻略集団には居られなくなる……最悪、犯罪者として追われる事になる」
「それでも嫌、わたしは、わたしでいるために戦うって決めたの」
「アスナ………」
アスナがそう言うとキリトが諦めたように息を吐き苦笑してから頷く………?あれは……
「……ちょっと待った」
「何だ?」
「いや、オルランドは多分お前らが思ってるような行動はしないと思うぞ」
「?」
オルランド達の方を見るように2人に促すとそちらを見る………オルランドは右手に持っていた剣を、足許のチャクラムの隣にそっと横たえた、数歩動き、ネズハの右隣に移動すると、体を同じ向きにして床に膝を突く、バシネットをはずし、それも床に置くと、両手も床に押し当てる、続いてブレイブスのメンバーも同じように武器と兜を置き同じように床に膝を突きレイド本隊に向かって深々と頭を下げる
「ネズオ……ネズハは、俺たちの仲間です、ネズハに強化詐欺をやらせていたのは、俺たちです」
「まぁ何はとも誰も祭り上げられ無くて良かった、良かった」三3三
「……軽すぎないか、いくらなんでも」
俺の言葉にハチがそう呟く、あの後はブレイブス全員の処遇をどうするかの話し合いが行われ、結果ブレイブス全員の装備を売ってお金にするor装備をお金で買うなどのオークションなどで弁償をすることとなった、弁償は出来たが問題は戦闘力が落ちて死んだというプレイヤーの件だ………がどうやらあのプレイヤーは「噂で聞いた話だから名前は知らない」と答えた……まぁ俺は嘘見抜けるからそんなしょうもない嘘ついても意味ないんだけどね、結果そのプレイヤー(ジョーと言うらしい)はキバオウにしばかれていたけど……結局アルゴがその件について調べて全て報告する事になった
「……ねぇ、ユーマ君」
「ん?どした?アスナ」
先ほどのやりとりを思い出しているとアスナが何かおかしいという風に喋り初めた
「……いつから知ってたの」
「あ、それ私も思った」
フィリアも疑問に思っていたようで2人で詰め寄って来る
「何のこと?」
「とぼけないで!あの修羅場がこんなに都合よく収まるなんてどう考えてもおかしいでしょう?」
「そうそう」
アスナの言葉に同調してうんうんと頷く
「あれ?ユーマ、あの事皆んなに知らせて無いの?」
「ん?知らせて無いよ?」
「…………だからか」
俺の言葉にミトは顔に手を当てながら溜め息を吐きがっくりと肩を落とす
「へ?………ってまさか!」
「政治の基本は根回しと演出だろ?あとはブレーンを押さえておけば完璧だね」三3三
「あははは………」
俺の言葉に全員ががっくりと肩を落とす
「なんで、俺らに黙ってたんだよ!?」
「だってカゲ先輩とかキリトって直ぐに顔に出るじゃん……その点キバオウやリンドも悪く無かっただろ?」
「いや、あの2人もかよ………お前こえーわ未来でも見えてんの?」
アラタが自分の体を抱きしめながらそう呟く……そんなやばい事したか?俺?
「……まぁそれはそうとして、ネズハとブレイブスはこれからどうするのかしらね、結局スカウトの話だけしたけど」
上り階段を上がりながらミトがそう呟く。
「ま、一応オルランドとはあの後フレンド登録したし、また連絡くるだろ………それよりボスのLA全部かっさらってった人がいたはずだけど」
俺の言葉にキリトが一瞬ビクッと肩を震わせてから早歩きで階段を上がろとするが、アスナとカゲ先輩に肩を掴まれた
「結局私には表示が出なかったから、そう言う事だよね?」
「へぇー………何が出たんだよ、キーリート?」
「え、あー、えっと…………あ、あれ出口じゃないか?」
「おい、何誤魔化してんだ、待てゴラ!」
「何がドロップしたか、教えなさいよ!」
「ちょっと2人共、待ってよ!」
「……俺も気になるから追いかけよ」
「あ、おい!ハチ、待てって」
そう言いキリトが階段を駆け上がっていきそれをカゲ先輩とアスナが追いかけ、それをフィリアとハチ、アラタが追う
「あはは……LAの事はまぁいっか、それより次の第3層からSAOの本番なんだから気をつけなさいよ?……まぁユーマなら大丈夫だとは思うけど」
「へーなんで?」
「えっと……それはね……」
俺が頭の後ろに手を組みながらそう聞くとミトが解説をしてくれながら、アインクラッド第2層最後の10メートルを、一歩一歩踏み締めるようにミトと一緒に登った
To be continued……
いやーやっと1巻が終わりましたようやく次から2巻の内容に移ります。それよりスケルツォ面白かったです。待ちに待った公開だったので最初のシーンからいきなりテンションが上がりまくってました笑
ちなみに前回のアリアと同じく最初の3人の食事のシーンと最後の辺りのシーンでゲームのキャラや原作で出たキャラが何人かでていたのでわからなかった人はまた見て探してみてください!まだ見てない人は絶対後悔しないので是非見てください!それではまた次の話で!