黒の剣士と白い悪魔 リメイク   作:雪染遊真

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火炎熊とゴンドラ造り

 

 これは手間がかかるクエストだろうなぁ、なんて

 考えていたけど手間がかかるどころか

 ものすごいめんどくさいクエストだ、俺たち4人が

 第4層で最初に受けたクエスト……<昔日の船匠>は

 

「なぁ……どうせ他の層には持ち出せないんだろうし

 ちょっとくらい妥協しても良いんじゃないか?」

 

 というキリトの言葉にアスナは取り付く島もない声

 で答えた

 

「いや、せっかく造ってもらうんだから

 最高の一隻にしたいの」

 

「へいへい……ちなみに、一隻二隻ってのは大型の

 船に使う単位で、ヨットとかゴンドラは一艘二艘

 だってなんかで読んだなあ」

 

「じゃあ、最高の一艘!」

 

 前の2人がそんな会話をしているのを眺める

 

「……基本的には俺もアスナと同じ意見だなぁ」

 

「へぇ……意外ね、ユーマなら合理的に

 考えると思ってたわ」

 

 俺がそう呟くと言葉の通り意外といった

 表情でミトが横から俺の顔を覗き込んでくる

 

「んー……無いとは思うけど適当に作って

 壊れたらやだし?まぁ……あとは勘かな」

 

「勘?何の勘よ?」

 

 俺の言葉にミトがこちらを見ながら首を傾げる

 

「あのお爺さん口ぶりは不承不承って感じだったけど

 本心はもう一度最高の船が造りたいみたいだし

 作ってあげればなんか良い事あるかな〜……って」

 

「あるかな〜って………」

 

 俺の言葉に苦笑いをしながら呟くミト

 そんな感じの会話を交わしながら、俺たちは

 森を歩き続けている

 

 今は老人がご所望の熊の脂を

 手に入れるために熊を探している所だが先程の

 老人がヌシの熊から最高の脂が取れると

 言っていたから普通の熊ではなく

 ヌシ熊を探しているところである

 

 歩いているとキリトが何やら見つけたようで

 こちらにお呼びがかかる

 

「おーい、あったぞー」

 

「えっ、ほんと!?」

 

 キリトの言葉にキリトの方を見るとアスナが

 キリトに駆け寄っていたので俺たちも駆け寄る

 

「ほんとだな、ならこの木の付近にいれば

 そのうち出て………くる」

 

「どうしたのよいきなり?」

 

「なぁミト、キリトあの爪痕俺の予想より

 随分高い位置にあるんだけどこれ」

 

「へ?爪痕?」

 

 俺の言葉にキリトたち3人は顔を見上げ

 熊がつけたであろう爪痕を見上げる

 

「…………あの高さを引っ掻く熊って

 どんな熊なの?」

 

「それはもちろん……立ち上がると、8メートル

 くらいある熊……かな……」

 

「それもう熊じゃないじゃな……」

 

 ミトがそこまで言ったところで俺たちの

 後ろからすずーんと重い地響きが響く

 後ろを恐る恐る振り向くと、デカい角が

 生えた熊がたたずんでいた

 

「………ふむ、熊じゃ無いなこれ、ツノ生えてるし」

 

 俺が呟くと同時に熊っぽい何か……

 <Magnatherium>……マグナテリウムかな?

 が体を起こす

 

「とりあえず、さっき戦った黒熊と同じ感じの

 対応で良いか?」

 

「ええ、常に木を間に挟めば突進して来ない

 はずだから大丈夫よ」

 

 ミトがそう言いきったタイミングでマグナテリウム

 が低く唸り、口を大きく開く俺たちはそれぞれ近く

 にあった木の後ろに隠れながら様子を伺うと、

 タゲはキリト達の方に向いたようで横から

 攻撃しようと準備していると、動きが突進の

 モーションでは無いのに気付く良く見ると

 マグナテリウムの喉の奥がちらちらと

 赤い光が瞬いていた

 

「っ!……火炎ブレスだ!」

 

 俺が咄嗟に大声でキリト達にそう言うとキリトは

 アスナを抱えて後方にあった湧き水の泉に飛び込む

 それを横目に見ながら俺は地面を蹴り

 マグナテリウムへと距離を詰める。

 

 スピードを落とさないようにするため左側にあった

 木を蹴り右前方にある木に飛び移り間髪入れず木を

 踏み台にして空中へと飛び奴のうなじあたりを

 切りつける。

 

 ブレス中は無防備だったためすんなり

 ダメージが入り、ブレスが中断されたタイミングで

 ミトが入れ替わるようにデカ熊の左足首あたりを

 ソードスキルの <フェラー>で切り裂き俺の近く

 に着地する

 

「無茶するわね!リアルでアクロバットでも

 やってたの?」

 

「一応やったことはあるよ、まぁ話は後にしようぜ

 こっちにタゲ向いたみたいだし」

 

 俺の言葉にミトは顔をマグナテリウムに戻して

 武器を構え直したタイミングで湧き水の泉から

 出ていたキリトがこちらに聞こえるボリュームで

 喋る

 

「なるべくデータ収集して一旦仕切り直そう!」 

 

「了解!……ほーら……こっち来ーい……って!」

 

 言葉と共に落ちていた石を投げマグナテリウムに

 当て、こちらへと誘導する大木にぶつかれば

 流石に動きが止まると思っていたのだが……

 

「嘘でしょ!?」

 

 目の前の光景にそんな声を上げるミト……そりゃ

 そうか頭突きで大木を折ったんだからな

 

「当たった瞬間終わりじゃない!」

 

「それは確かにな………ん?」

 

 ミトの言葉に頷いき隠れ、様子を見ようと顔を

 出し確認しているとマグナテリウムが

 へし折った大木が消えずに転がったまま

 転がっていた

 

「ミト、この木ってストレージに

 入れれるんじゃない?」

 

「へ?………確かに消えて無いし………

 回収出来たわね<銘木の心材>だって」

 

 ミトに聞いた言葉をマグナテリウム

 に対峙していたキリトへと伝える

 

「キリト!この木回収できたぞ!」

 

「そうなのか!?……アスナ!ちょっと

 任せて良いか?」

 

「少しだけなら!」

 

 マグナテリウムをアスナに任せ俺の言葉に

 少し考えてからキリトがこちらへと言葉を返す

 

「おそらくだけどこのクエストは

 <同じところに何度も行かされる系>

 だと思うから、その材木以外もいる素材が

 あると思う!」

 

「なるほど……なら脂もこの熊の脂の方が

 良いだろうな」

 

「倒す前に何本か大木をへし折ってもらわないと

 木材を集めないと」

 

「あ、そっか」

 

 ミトの言葉に手をポンと叩く

 

「んじゃ、集めるか!」

 

「そうね!キリトもそれで良い?」

 

「ああ、よし、やるぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後心材を10本ほど集めてからマグナテリウムを

 倒し、街へと戻り船大工の老人の家へと向かった

 老人の家に到着した頃には午後11時50分に

 なっていた。ノックをして家に入り老人の前に

 4人で並び立つ

 

「熊の脂、取って来ましたよ」

 

 アスナがそう言いながら、脂が入った小さな壺を

 オブジェクト化して差し出すと

 老人が眉をぴくりと動かした

 

「この匂い……ヌシの脂を取ってきよったか

 ……フン、じゃが、これでは足りんな」

 

 老人は脂の壺を傍らのテーブルに置く。俺たちは

 顔を見合わせてから壺を出していく、幸い4つ目で

 条件を達成したらしく効果音が鳴る

 

「フン、よかろう。どうやら、本気でこの老いぼれに

 船を造らせたいようじゃな」

 

「もちろんです!お願いします、お爺さん!」

 

 アスナがそう言うと老人は左手に持っていた

 パイプをテーブルに置き口を開く

 

「……言ったじゃろう、水運ギルドの連中に、全ての

 材料を取り上げられてしまったと。船を造るには

 大量の木材が必要なんじゃ。しかも、南東の森

 だけに育つ、バーチやオークのような

 丈夫な材がな」

 

 そこで間を空けてからもったいぶった調子で続ける

 

「じゃが、最高の船材はなんと言ってもチークじゃ

 年経たチークの大木から芯の良いところを

 切り出してくれば、頑丈な船を造れるじゃろうて

 もっとも、木こりをしたこともない素人にゃ

 とても歯がたたんわな……」

 

 そこでクエストログが進行して

 <昔日の船匠>パート2が始まる。俺たちはすかさず

 ストレージから<銘木の心材>をだすと

 老人が軽く目を剥いたように見えたのは

 多分気のせいだろう

 

 

 その後集めてきた素材で足りたようで南に

 あった部屋……大工道具の保管庫だったようで

 鋸や金鎚、ノミやカンナといった道具類が

 ある部屋を開けて道具を準備し始めると老人が

 

「では、造りたい船の仕様を決めてくれ

 

 と言いかなり大きいスクロールを広げた、

 ゴンドラの設計仕様書だったようで

 いちばん上の所有者欄には、俺たち4人の名前が

 記されていた、恐らく、一緒にクエストを進めて

 いるパーティの共有所有物扱いとなるらしい

 色合いはミトとアスナに任せて名前は

 <ティルネル号>になった、キズメルの妹の名前の

 船になった、最後にオプション装備もつけて決定

 ボタンを押すと老人……ロモロというらしい

 が「完成出来たら知らせてやる」と言い下の工房

 へと降りていった

 

「長い1日だったわね」

 

「船って、どれくらいで完成するのかしら」

 

 ミトが伸びをしながら呟くとアスナが楽しみを

 抑えているような表情になっていた

 

「現実なら何ヶ月とかかかりそうだけど、こっちなら

 3時間とか、5時間ぐらいじゃないかな……」

 

「んじゃあ、とりあえず宿屋に戻ろうぜ」

 

 俺がそう言い入口の方へ身体を向けるとキリトに

 肩を掴まれる

 

「ちょっと待った、多分だけどいったん家を出ると

 船の受け取りが新規クエスト扱いになるかも

 しれない」

 

「……ってことは完成の知らせが来てから

 駆けつけてもその時点で他のパーティがクエスト

 進めてたら、終わるまで家の前で待ってなきゃ

 いけないわけ?」

 

「その可能性が高いと思う。だって、もし船を

 受け取るまでドアがとじっぱなしだったと

 すると、誰かが受け取りに来なかったら、

 もう誰もクエストを開始出来ないことに

 なるしさ」

 

 キリトの言葉に無言になる俺たち

 

「………となると、完成まで、ここで待つ

 しかなさそうだね」

 

「だな……」

 

 部屋を見回すとさっきまで老人が座っていた

 揺り椅子があった

 

「俺はそのへんの床で寝るからアスナは揺り椅子を

 使えよ」

 

「……べ……いっ……で………で……」

 

「え?」

 

「別に一緒でも良いって言ったの!」//

 

 アスナが頬を赤らめながらキリトに怒鳴るように

 言う

 

「いや、でもユーマとミトが……って何してんだ」

 

「何って寝る準備だよ」三3三

 

 キリトとアスナが夫婦漫才をしている間に

 掛け布団と下に引くクッション的な物を

 出して寝る準備を完了させていた

 

「だからアスナたちは揺り椅子使いなさい……

 アスナ頑張りなさい」

 

 ミトの一言でアスナの顔がさらに赤くなる

 キリトとは距離があったのでキリトは

 聞こえなかったみたいだ……いやアスナと

 一緒に寝るから何か考え込んでる表情だな

 

「ほ、ほらキリト君行くよ!」

 

「お、おいアスナ」

 

 アスナがキリトの手を掴み揺り椅子へと

 歩いて行く

 

「じゃあ、私たちも寝ましょうか」

 

「そうだな……おやすみ」

 

「ええ、おやすみ」

 

 俺とミトは寄り添いながら寝転がる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To be continued……

 

 

 





 お久しぶりです
 相変わらず更新が遅い雪染遊真です
 こんな素人が書いてる小説でも
 読んでくれている人がいるので
 これからも頑張ります
 相変わらず亀更新ですが
 よろしくお願いします
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