黒の剣士と白い悪魔 リメイク   作:雪染遊真

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秘密と作戦会議

 

 

 2022年12月30日、土曜日、午前11時

 アインクラッド第5層北部の小村<シヤーヤ>

 近くの草原に俺とキリトはいた

 

「なぁ……キリト」

 

「ん?何だよ?」

 

「いつアスナに気持ち伝えるんだ?」

 

 俺の言葉にキリト吹き出し、体を跳ね上げ

 こちらに顔を向ける

 

「は!?……いやそういう訳じゃ……」

 

「どれだけ付き合い長いと思ってんだよ……

 それぐらいわかるよ」三3三

 

「バレてるんだな……」

 

 キリトが顔に手を当てガックリと肩を落とす

 

「普通に見てればわかるよ……カケ先輩とフィリア

 あとアラタとアルゴは

 気づいてるぞ……ハチもかな?」

 

「……………まじで?」

 

「まじで」三3三

 

 俺の言葉にキリトは頭を抱え

「マジかよ……そんなに……?」

 と呟き、さらに沈み込む

 

「ま、だから早くくっついて欲しい訳よ

 まじで焦ったいんだよ」三3三

 

「んなこと言ったってさ……」

 

 キリトがそう呟いたタイミングで

 向こうからミトとアスナが歩いて来るのが見えた

 

「………ま、フィリアとカゲ先輩もずっと

 そうだったし気長に待つよ……やっほー

 お風呂は堪能できたか?」

 

「そうね……堪能は出来たわ」

 

「ん?」

 

 ミトの言葉にアスナが少し気まずそうに目を

 そらしたので俺は首を傾げる……ま、良いか

 ……?

 

「あれ?アルゴは?」

 

「一旦戻るって……キー坊とユー坊によろしくナ

 って言ってたよ」

 

「ずいぶん長風呂だったけど

 どんな話をしてたんだ?」

 

 アスナの言葉で再起動したキリトが顔をあげて

 何気なくそう訊ねるとアスナは頬を赤らめ

 キリトから目線をそらす………へぇ、さては

 ミトとアルゴにキリトについて根掘り葉掘り

 聞かれたな、これは

 

「お、女の子同士の会話を

 知りたがるものじゃ無いよ」

 

「へ?……あのアルゴとこのアスナが

 いわゆるガールズトーク的な事を……」

 

「だから詮索するなって言ってるでしょ

 だいたいこのアスナってどういう意味?」

 

「わ、悪い悪い、でもなんか意外で……」

 

「言っておくけどいわゆる

 ガールズトークなんかしてないからね

 ………何、ユーマ君?」

 

「別に……何も無いよ」三3三

 

 俺のリアクションにミトがやれやれといった

 表情になり少し笑う……少し無言が続き、景色を

 眺めているとポツリとアスナが呟く

 

「……どうして?」

 

「ん?」

 

「みんなで一生懸命頑張って、こんなに華麗な風景が

 見られるところまで来たのに……あの2人組は

 2大ギルドをいがみ合わせること……だって

 そんなのSAOの攻略を妨害しているのと同じだよ?

 

 しかもモルテって人たち、キバオウさん達と

 リンドさん達に殺し合いをさせたいって

 ……そんな事して何になるっていうの……」

 

「…………アイツらは、PK集団は

 そういう連中なんだ」

 

「PK……?」

 

「……プレイヤーキラー、つまり、この世界に

 おける殺人者」

 

 キリトの言葉に息を飲むアスナ

 

「アスナ、覚えておいてくれ、この

 浮遊城アインクラッドにはゲーム攻略そっちのけで

 PKにのめり込んでいる集団がいる」

 

「……そんな……どうしてそんな事を、この世界で

 プレイヤーを殺せば、現実世界で

 本当に死んでしまうのに!」

 

 アスナの驚いた反応にキリトはそのまま続ける

 

「ああ、だからこそ奴らは、ここでPKをしたい

 ……いや、人を殺したいと考えてるのかも

 今度またきちんと話すよ、今はキバオウたちの

 抜け駆けを止めるのが先だ……アスナ、ミト

 頼んでおいた件だけど行けそうか?」

 

 キリトがアスナとミトの顔色をうかがうと

 アスナは少し困惑したように頷く

 

「うん……多分……でもどうして両ギルドの

 カウントダウンイベント責任者も呼び出すの?」 

 

「ALSのメンバーだけに話を聞いても惚けられる

 かもしれないからな」

 

「でもイベント責任者は抜け駆けの事

 知らないかもしれないわよ」

 

 ミトの言葉にキリトは頷きながら横に

 置いていた愛剣を拾い背中に背負う

 

「確かに……だからユーマに頼んで

 アイツも呼んだよ」

 

「みんなが楽しみにしてるパーティなんだから

 あんまり無茶なことしないでね」

 

「……パーティーか……」

 

 俺の呟きに3人がこちらを向く、キリトが

 ふっ、と笑い口を開く

 

「パーティーを楽しむのは良いと思う

 みんなそれだけ攻略に慣れてきた、余裕ができた

 ってことだからな……本当、1層にいた頃からは

 想像も出来ないよ……だけどそういう隙をPK集団

 ……いやこのゲームは突いてくる

 って気がしてならないんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「急に呼び出しちゃってごめんなさいね

 シヴァタさん」

 

「いや、それは構わないが……」

 

「それから、えっと……」

 

 アスナの言葉に今まで無言だったフルプレート女が

 バイザー着きのアーマーメットを

 装備解除して、顔を俺たちに晒す

 

「ALSのパーティー企画者でリーテンと言います」

 

「忙しいだろうに、来てくれてありがとな」三3三

 

 俺以外の3人が目をパチクリさせ困惑しているのを

 横目に俺が挨拶に答えると今度はリーテンが

 目をパチクリさせる

 

「驚かないんですね、その、女な事に……」

 

「あー……リアルの経験で体格とか歩き方とか

 仕草で結構わかるんだよ………なんかごめん

 びっくりした方が良かったか?」

 

「い、いえいえ……そこまでしなくても大丈夫です

 ……あの……それで………」

 

 リーテンが言葉を切り、左側に1人横に座って

 骨付きチキンを食べていたキバオウの方を向く

 

「どうしてリーダーがここに……?」

 

「そうだよ、何であんたが?」

 

「ワシの方が聞きたいわい、その白髪ボウズから

 呼ばれたんや」

 

 その言葉にシヴァタとリーテンが俺の方に首を

 向けたので俺も言葉を返す

 

「まぁ、来るとは思ってたけどね……」

 

「……せやから何の話や、ワシかて忙しいんや

 用があるならさっさと言うてくれ」

 

「そうだね……でも一応その前に……2人とも

 黒いポンチョの男って知らない?」

 

「黒いポンチョの男?………知らないな

 リッちゃんは?」

 

「私も知らないです

 ………いきなり何の質問ですか?」

 

 俺はそのまましばらく見つめ、2人がたじろいだ

 タイミングで俺はフッと笑う

 

「2人共、白か……悪いなちょっと問題があってね

 このことを知られたらやばい奴らがいるもんで

 ………単刀直入に言うよ、キバオウ達ALSは明日の

 カウントダウンパーティーをすっぽかして

 単独でフロアボスを

 攻略しようとしている……違う?」

 

「!?」

 

「なぁ!?何だって!?」

 

 俺の言葉に2人はかなり驚く

 

「なんや、そんなガセネタどっから……」

 

「キバオウ」

 

 俺の言葉にキバオウが訝しげにこちらを睨む

 

「……なんや?」

 

「この2人なら大丈夫だよ」

 

「……証拠は?」

 

「この2人は嘘ついて無いから」

 

 俺とキバオウのやり取りにシヴァタとリーテンが

 首を傾げる、少し間が空いてキバオウが息を吐く

 

「なら、問題無いな……うちのメンバーがどえらい

 情報を仕入れて来たんや」

 

「情報……?」

 

「5層のボスがゴッツイアイテムを

 ドロップするって話や……元βテスターの

 アンタらなら知っとるんやないか?」

 

「えっと……5層ボスだろ……」

 

「………?………!?」

 

 βテスターの2人が頭に手を当てて考えこんだ

 タイミングでミトがはっとした表情になる

 

「ああそうね、たしかにあれはやばいわね」

 

「どういう事だ?」

 

「ギルドフラッグよ」

 

「ああ!あれか!」

 

 ミトの言葉にキリトが思い出したように言うと

 シヴァタが要領を得ていない表情で呟く

 

「ギルドフラッグって旗か?

 そんなもんが何でやばいんだ?」

 

「武器としては単なる攻撃力最低のロングスピア

 なのよ……それをこうやって……」

 

 そこまで言うとミトは横に置いてあったスプーンを

 突き立てて説明を続ける

 

「装備プレイヤーが地面に突き立てると近くにいる

 ギルドメンバーに全ステータス上昇の

 バフがかかるわ」

 

「な……なんだと」

 

「その旗を持っているプレイヤーは

 移動出来るんですか?それとバフの効果時間は?

 人数の上限は?」

 

「発動中は移動出来ないけど旗を立ててる間は効果が

 続く、そしてギルドメンバーなら上限は無いわ」

 

 リーテンの質問に丁寧にミトが答えると

 シヴァタは絶句したように続ける

 

「まじかよ……だとしたらプレイヤーのメンタル面の

 影響がヤバいぞ、仮にALSがフラッグを

 手に入れたら、ALSメンバーは指揮が

 上がりまくって、DKBメンバーは下がりまくる」

 

「……そうなったらDKBは……」

 

「ギルメンの統率が取れなくなって崩壊やろうな」

 

 キバオウがそう呟くとシヴァタがキバオウを

 睨みつけ続ける

 

「何を抜け抜けと!だから抜け駆けでボスを

 倒してALSが確実に手に入れようって魂胆か!」

 

「シヴァタ」

 

「何で止める!!これからの攻略に支障が

 出るレベルの問題だぞ!?」

 

 興奮しているシヴァタをなだめようとしている

 リーテンをみながらキバオウに顔を向ける

 

「……後で判断どうするか話し合いしようと

 思ってたんだろ?キバオウ?」

 

「……そうやな、ワシだけじゃ判断出来へんからな」

 

「リーダー……?どういう事ですか……?」

 

 内容がわかって無いシヴァタとリーテンが頭に?

 を浮かべているので説明する

 

「2層ぐらいから攻略に支障出ないように裏で

 繋がっててバランス上手く取ってたんだよ

 勿論リンドとも繋がってる」

 

「な……繋がってるって……」

 

「1層のボス戦の時点で明らかにヘイトを

 誰かに向けて攻略に支障出そうとしてる

 馬鹿がいたからな……その支障が出ないように

 何とかしてたんだよ」

 

 2人が再度絶句しているのを見ているとキバオウが

 こちらを見やる

 

「良かったんか?この2人に言って?」

 

「良いよ、この2人はアイツらの工作員では無いよ

 それに……ちゃんとクリア目指してるし」

 

「そうか……」

 

 キバオウはそう呟くと、残っていた骨付きチキンに

 かじりつき食べ始めた

 

「いっそ、共同管理するって訳にはいかないの?

 抜け駆けしようとしてるのはDKBにギルドフラッグ

 を取られたく無いってメンバーがいるからでしょ?

 リンドさんにも相談して、公平に使えば……」

 

「そういう意見も出たんや、でもな……」

 

 そこで切りキバオウはキリトとミトを見やる

 

「共同使用は出来ないんだ、フラッグに登録出来る

 ギルド名は一つだけで、後からの変更は不可能

 ALSかDKBどちらかのものにするしか無い」

 

「そんな………」

 

「それで、どうするか、だな」

 

 俺の言葉にその場にいた全員が考え込む

 ……しばらく間が空き、キリトが決心したように

 口を開く

 

「俺たちだけでボスを倒そう」

 

「「「っ!?」」」

 

「俺たちがフラッグを手に入れてしまえば

 2大ギルドの対立は防げる」

 

「……うん、それしか無いよね」

 

「そうね、私たちにしかできないわね」

 

 MKP組は全員賛成だったが、リーテンと

 シヴァタが決めあぐねている様子だ

 そりゃ俺たちがミスしたらほぼ終わりだしな

 

「シバ………私……」

 

「わかってる、リッちゃん……俺も協力する」

 

「っ………私も、私もやります」

 

「いいのか?言ってから言うのも何だけど

 これから少人数でボス戦挑むのはかなり危険だぞ」

 

 俺の言葉にシヴァタは首を左右にふる

 

「このゲームをクリアするにはこれ以上協力関係を

 崩すわけにはいかない」

 

「それに下の層で解放されるのを待っている

 何千もの人たちを裏切る訳にはいきません」

 

 シヴァタに続いてリーテンも参加を表明する

 

「……ありがとう」

 

「……すまんがボス戦の方はそちらにまかせる

 ワシが行くわけにはいかんからな」

 

 キバオウが席を立ち、出口へと少し歩いていく

 

「明日の18時にボス攻略に出発するんや

 ホンマにすまんが頼むで……じゃあ、おおきにな」

 

「おう、了解じゃあな」三3三

 

 キバオウがでていった…………うん

 流れ的にしょうが無いのは分かるんだけど……

 

「……あいつご飯代払って無いわね」

 

「「「あっ!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キバオウさんたちが出発するのは明日の18時」

 

「急いで準備すれば先行できるな」

 

「でも、6人だけじゃ、流石にフロアボス戦は

 厳しいです、もっと仲間が必要では」

 

「事が事だけにうちのメンバーには

 声かけられないな……」

 

「わたしもです……」

 

 リーテンの言葉にシヴァタがDKBからは呼べないと

 言うとリーテンも無理だと言いその言葉にキリトは

 少し目線をあげどうしようといった表情になる

 

「仲間、かぁ………とりあえずうちのギルドは

 基本全員頼むとして………協力してくれそうなのが

 エギルのパーティ5人とアルゴ、レイディぐらいか」

 

「それでMKPと合わせるとどのぐらいだ?」

 

「18人だな……若干の前後はある可能性があるが……」

 

「3パーティか……」

 

「心許ないですが、やるしかありませんね」

 

 リーテンがそう言い準備に5人が歩き出した

 タイミングでアルゴからメールが届いた

 少しだけ待ってもらい

 メールを開いて内容を確認する………

 

「…………もう1人心あたりがあるんだけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  To be continued……

 

 

 

 

 

 





 これでようやく5層は半分
 もう少し時間かかりますね……
 次回が書きたかった所の一つです
 よろしければ気長にお待ちください
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