黒の剣士と白い悪魔 リメイク   作:雪染遊真

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ボス戦とフラッグ

 

 

 しばらくアイテム整理をしながら待っていると

 アラタがビクッとなる

 

「どうした?」

 

「……アルゴのHPが減った」

 

「行った方が良さそうじゃ無いか?」

 

 アラタの声にシヴァタが少し焦ったように

 答え他のメンバーも同じような反応をする

 

「………行くか」

 

「そうね、何かあってからじゃ遅いからね」

 

 俺の声にミトも反応し周りも賛成だったので

 キリトとアルゴが上がった階段を登り始める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのまま階段を登りきり、全員階段から出て

 キリトとアルゴの安否を確認する

 

「おい、大丈夫か?」

 

「っ!?」

 

 シヴァタの声にキリトとアルゴが

 驚いたような声をあげる

 

「なんだ、ボスはまだ出て無いのか……」

 

「回避!回避ー!!」

 

 キリトの焦ったような声にレイドメンバーが

 全員が反応し狭い範囲をバラバラに回避した結果

 シヴァタとローバッカ、俺とレイディが交錯し

 バランスを崩してその場に倒れたと同時に下から

 何かが出てきて、持ち上げられる。

 よく見ると手のひらのような形で握り込むような

 動きを見せたので反射的に剣でそれを止める

 

「アスナ!ミト!」

 

 下でキリトの叫び声が聞こえた後、少し衝撃が

 あってから拳がいきなり開き、空中に

 放り出され落下する。俺は軽装だったので

 そのまま空中で体制を整え、構えていた

 カゲ先輩に受け止めてもらいながら着地する

 横を見るとレイディはフィリアが受け止め

 何とか事なきを得ていた

 

「………ぶね……ありがとう、カゲ先輩」三3三

 

「ふざけてる場合じゃ無さそうだぞ」

 

 カゲ先輩が上を見上げているので俺も上を

 見上げると、ごん、ごごん!と音を立てながら

 天井が形を変え始め、顔の形に変わり

 巨大な顔の横に、6段のHPバーが表示され

 最後に「Fuscus the Vacant Colossus」と

 表示された……

 フスクス・ザ・ヴェイカントコロッサス

 

「βと………名前も全然違う……」

 

 キリトが声なき声を上げると

 コロッサスは重低音の雄叫びを上げ

 俺たちレイドメンバー全員に

 防御力低下のデバフアイコンが点灯した

 

「さっきの腕と足がボスの攻撃手段みたいだ!

 床の青いラインを踏むと

 ターゲットサークルが出る!俺はわざとラインを

 踏むから、ソードスキルで攻撃の準備を!」

 

「おいさ!」

 

「わかった!」

 

「了解!」

 

 俺たちの返事の後、キリトが息を飲み

 一息置いてから合図を出す

 

「行くぞ!」

 

 キリトがその声と共に青いラインを踏むと

 足下にターゲットサークルが出現し

 すぐに飛び退くと、すぐさま足下から

 腕が飛び出し、そこに向けてアスナが

 <パラレル・スティング>を発動させる

 

 アルゴはたしか<トレス・スティング>

 だったかな?を使いキリトは

 <バーチカル・アーク>を放ちダメージを

 与えるとキリトは剣をゴーレムの

 眉間あたりを指す

 

「あの紋章が奴の弱点だ、チャンスが

 あったら狙ってくれ!」

 

「おう!」

 

「今のキリトたちみたいなパターンが良さそうだから

 3人1組か2人1組に固まって行動しましょ!」

 

 キリトの言葉に補足するようにミトが大声で伝える

 

「OK、レイディ、とりあえず俺らで組もう」

 

「了解よ」

 

 ミトの言葉に反応してそれぞれグループを作り

 攻撃準備を整える

 

 全員で何度かの攻防を繰り返しHPゲージを

 3本削った所でエギルが周りを見渡し、何かに

 気づいたように叫んだ

 

「みんな!壁を見てくれ!」

 

 エギルの声に周りを見渡すと壁が稼働し、生物の

 ように動き出す

 

「おい、これまでに無いパターンだゾ?

 ボス戦を続けて大丈夫カ?」

 

「確かにこれは嫌な予感がするな……全員

 階段から下に退避!」

 

「了解!みんな!こっちよ!」

 

 アスナが先導し階段へと向かう退避を始めると

 後ろでアルゴが叫んだ

 

「キー坊!」

 

 振り返るとアルゴがクローで天井を指しており

 天井を見るとボスの顔が無くなっていた

 

「顔が………消えた……?」

 

「シバ!」

 

「レイディ!」

 

 前の方でリーテンとミトの叫ぶ声が聞こえ

 振り向くと地面が生物のように動き出した

 嫌な予感がした俺は、ほぼ反射で走り寄り

 レイディを突き飛ばすと下から消えていたはずの

 顔が下からせりだし噛みつかれるような格好になり

 俺は何とか歯の間にアニールタガーを突き立てる

 

 横を見るとどうやら似たような感じでアスナも

 シヴァタを突き飛ばしたようでアスナは

 ブレストプレートで引っ掛かっていた

 

「階段が……口になりやがった!!」

 

「………っ!」

 

 脱出を試みるがどうやらブレストプレートにも

 引っ掛かっているらしく抜け出せない

 ………くそ………

 

「エギル!額の紋章を攻撃してくれ!」

 

「ダメだ……こいつは紋章がねぇ!!」

 

「ユーマ!!」

 

 キリトとエギルの切羽詰まった声にミトが

 恐怖したように俺の横に登って来て何とか

 口をこじ開けようとしている

 

「……多分、紋章が部屋の何処かに

 移動してるはずだから、それを攻撃してくれ……」

 

「分かった!すぐに助けるわ!少し待ってて!」

 

 レイディがそう答え、周りにいた

 アラタやカゲ先輩たちもすぐさま部屋に散らばる

 何とか手で隙間を作ろうとするがびくともしない

 俺が焦り始めた段階で俺のアニールタガーの

 耐久値が限界を迎えポリゴンに変わり

 

 今度はブレストプレートに食い込むのとほぼ同時に

 俺の少し離れた左側にいたアスナの

 ブレストプレートも限界を迎えて壊れ、消滅し

 アスナのHPが減り始める

 

「嫌!嫌!私はもうあんな思いしたく無いの!!

 大切な人を2人も失いたく無い!!!

 何で!!何でよ!!」

 

 そばにいたミトが錯乱し泣きながら叫び

 口を何とかしてこじ開けようとするがびくともしない

 ……あの時……姉ちゃんもこんな……

 気持ちだったのかな………

 

「アスナーー!!」

 

 遠くでキリトがそう叫んだ声が聞こえた

 タイミングで俺の左の足元に誰かの気配を感じて

 すぐに口の間から手が出現し、そのすぐ後に

 片手槍が出て来て口の間に無理矢理入れた

 

 口の噛み切る動きを無理矢理止め

 俺のブレストプレートの耐久値と

 アスナのHPゲージの減少が止まった

 ……この片手槍は………

 

「あれは……!」

 

「他に誰かいたか!?」

 

「……クレハ……?……」

 

 すぐに身体を出し、周りを見渡す

 

「早く!今のうちにやりなさい!!」

 

 クレハの言葉にミトは涙を拭い、クレハが

 作った隙間にヴァリアブル・シックルを入れ

 隙間を補強する

 

「みんな!ラインを踏んで、腕と脚を出してくれ!

 そのどこかに弱点の紋章があるはずだ!!」

 

「了解!」

 

「やってみます!」

 

「わかった!」

 

 その間にキリトは気が着いた事を周りに共有し

 皆が答える……俺はもう一度クレハに視線を戻す

 

「……クレハ……………何で…………」

 

「あの時……あなたの事が怖かったのは本当………

 でも後悔したのも本当……自分を許せなかった

 本当はあなたに会う権利なんてもう、私には

 無いのかもしれない…………それでもまた

 もう一度会って、しっかり謝りたかった

 …………もう一度あの時の関係に戻りたかった

 ………だから!あなたを………

 遊真を失いたくないの!!」

 

「…………っ………」

 

 クレハの本心の言葉を受け止め、言葉が

 出ず、今はクレハを見るしか出来なかった

 

「ダメだ!見つからねぇ!!」

 

「もう一度だ!!」

 

 向こうではクレハが伸ばしてくれた制限時間

 を使い紋章を探し、何度もラインを踏み

 腕と脚を出していた、すると紋章を見つけたようで

 リーテンが叫んだ

 

「ありましたー!!!」

 

「逃すか!!……くそ!届け!!」

 

「キリト!!こっちにまかせろ!!アルゴ!!」

 

 アラタがキリトがソニックリーブで無理矢理

 攻撃しようとしたのを止めさせ、アラタが体の前で

 手を組みアルゴを呼び、アルゴがアラタの手を

 踏み台にして協力ジャンプをして高く舞い上がる

 

「いっっっけぇぇぇーーーー!!!!」

 

「当たれーー!!!」

 

 アラタとアルゴの気合いの乗った叫び声に

 呼応したのか動き回っていた紋章に

 クローのソードスキルが当たり、顔が下に沈み

 俺とアスナが解放される

 

「ユーマ!!」

 

「アスナ!!」

 

 クレハが俺をミトがアスナを受け止める

 

「………まだ動けるでしょ?早いとこ片付けるわよ」

 

 クレハが俺を起こしてくれながら

 昔の時のようにニヤリと笑う

 それに俺も同じように笑いかける

 

「勿論、早く終わらせてしっかり話そうぜ?」三3三

 

「………そうね………で、あれね……」

 

 ニコリと笑いかけてくれながらそう答えてくれた

 後、上を見て呟く

 

「βとの違いは?」

 

「βは弱点が額で固定だったけど、今はパターンが

 変わって身体のあちこちを動き回ってるみたいだ」

 

 キリトの返答にニヤリとしながら俺とミトを見る

 

「って事は貴方の武器が使えるわね……あと貴女も」

 

「ま、そうだね」

 

「良く見てたわね」

 

「どういうこと?………っていうかこの人……」

 

 俺たちのやりとりにアスナだけついて行けず

 視線を俺たち3人の間で右往左往させている

 ちょうどナイジャンが出してくれた足に

 紋章を見つける

 

「あれだ!!」

 

「了解よ!」

 

 俺は武器を変更中だったのでミトに行ってもらう

 

「ダメだ!遠過ぎる!!」

 

「っ!……はぁぁあ!」

 

 エギルの焦ったような声にミトは鎌を変形させ

 鎖鎌に変え、上に引っ込もうとしている足で

 動き回っている紋章に追尾攻撃を

 放ち弱点にヒットする

 

「おお、追尾攻撃か」

 

「行けるかも……」

 

 シヴァタとリーテンがミトの攻撃を見て

 そんな声をこぼす

 

「みんな、合図に合わせてラインを踏んで

 紋章は見つけ次第私とユーマで叩くわ!!」

 

「おう!」

 

「任せたぜ!」

 

 全員でラインを踏み、出した腕と足の中から

 アスナが紋章を見つける

 

「こっち!お願い!」

 

「っ!!」

 

 アスナの言葉に紋章を目視してすぐに

 チャクラムとクローが合体したような武器

 を投合すると綺麗にカーブを描きながら弱点に

 直撃しHPが目に見えて減る

 

「ユーマ投剣うっま!」

 

「まじかアイツ!やべぇな!」

 

 俺の投合にフィリアが驚きカゲ先輩がニヤリと笑う

 

「俺とミトの近い方で反応するから

 ライン踏むのは任せる!」

 

「了解!」

 

 それから何度も腕や足を出し何度も弱点に

 当て、レイドメンバーも腕や足に攻撃を

 当てているとついにHPがラスト1本になる

 すると足下のラインが完全に消え、天井に集まり

 青色に光っていたフロアが紫に光り天井から

 ボスの顔が出てくる

 

「な、何だあれ!?」

 

 珍しいハチの驚きの声を出すと天井からボスが

 身体を人間体の形になり降りてくる

 

「こ、後退!!」

 

 キリトの声に全員後退し、体制を整える

 

「デケェ……!」

 

「ああ…‥でもこれで最初の作戦通り戦える

 ラスト1本!全力で削るぞ!」

 

「「「「おう!!」」」」

 

 キリト、アスナが先陣を切り突撃していくと

 ボスはモーションがデカいパンチの構えで

 殴りかかってくるキリトとアスナは左右に別れて

 避け、後方で構えていた、シヴァタ、リーテンで

 ブロックし上にずらす

 

「今だ!突っ込め!!」

 

 硬直したボスに向けて全員が思い思いの

 ソードスキルを当てHPで削っていく

 その隙を突き壁に出来た段差を使いアルゴが

 ボスの額の弱点を狙うとボスが

 アルゴに顔を向け目が光る

 

「っと!!」

 

「ふっ!!」

 

 俺とミトが反射でチャクラムと鎖鎌を投げ

 頭に当て攻撃をずらさせると間一髪ビームを

 避けアルゴが空中から落下してくる

 

「キー坊!紋章は移動しないみたいだゾ!」

 

「わかった!!アスナ!」

 

「うん!」

 

 動き出したキリトとアスナを横目に着地したアルゴ

 に右フックのようなパンチを放つボスにアラタが

 アルゴを庇うように出て盾を構えるとエギルが

 ソードスキルで拳を横に弾く

 

「わりぃ!!エギルサンキュー!!」

 

 ズレて来た腕を良けアイコンタクトでキリトとアスナは

 二手に別れて壁に走ると先程ボスがアルゴに

 やったビーム攻撃を放ちシヴァタとリーテンが防ぐ

 

「額の紋章を!!」

 

「了解!!」

 

 俺とミトは腕を登り、頭目掛けて走ると、途中で

 手のひらで邪魔され俺たち2人が腕から落ちる

 

「ユーマ!!」

 

「ミト!!」

 

 俺は逆さになりながらそのままチャクラムを統合し

 ミトは空中で器用に体制を整えてボスの身体に

 鎌を引っ掛け鎖鎌を統合、2人同時の攻撃が

 額の紋章にヒットする

 

「アスナ!」

 

「キリト!」

 

「「最後は派手に決めて(決めろ)!!」」

 

「わかった!!遠慮なく貰っとくぜ!!」

 

 空中でミトに抱き止めて貰いながら叫ぶと

 左右からキリトとアスナが飛び掛かり

 ボスの額の紋章にソードスキルを当てる

 

「これで!!」

 

「「終わりだぁぁぁ!!」」

 

 2人のとどめの一撃が紋章に突き刺さり

 そのまま押し込む

 

「うわぁぁぁ!!」

 

「えあぁぁぁ!!」

 

 臨界点を越したのかヒビが入り虹色に光りながら

 ポリゴン片に変わりボス部屋が分解され、入り口の

 形に戻り、空中に<Congratulations!!>の文字が

 空中に表示される

 

「……やった」

 

「「「「やったぁぁぁ!!!」」」」

 

 全員が喜びあい、シヴァタはリーテンを持ち上げ

 フィリアはカゲ先輩の背中に飛び乗り、アラタは

 アルゴにニヤリと笑いかけアルゴも口元をゆるめ

 俺はミトに抱きつかれたのを受け止める

 

「良かった……生きててくれて、怖かった」

 

「ごめん……」

 

「良いの、何とも無いんだから」

 

 ミトはそう言うと身体を放しクレハの方を

 見たので俺もそちらを見るとクレハも口元を

 緩めてニコリとしている

 

「ギルドフラッグがドロップした奴は申し出てくれ」

 

 キリトの声に全員が顔を見合わせる

 

「おい……誰か……」

 

「キリト君………」

 

「オイラの所にもないゾ?」

 

「俺んとこにも無い」

 

 確認が終わったようでアルゴとアラタも

 そう声を上げ、こちらもミトが確認が終わったが

 無かったようで首を左右に振る

 

「……こっちも無いみたいだ……」

 

 俺の言葉にキリトとアスナはこちら側を

 見据えて手を繋ぎ誰かが言い出すのを無言で待つ

 

「……フラッグってこれのこと?」

 

 俺の後ろにいたクレハがフラッグを

 実体化させながら前に出て来た

 

「それだ!!」

 

 クレハの言葉にキリトが安心したように答えるが

 他の人の顔色が悪い………そうかクレハは

 オレンジだから………

 

「クレハは……」

 

「良いのよ、ユーマ……キリトだっけ?

 あとはよろしくね」

 

「あ、ああ……」

 

 クレハはフラッグをキリトに渡すと、少し歩き

 俺の横に来ると少し何か操作した後に

 俺とミトの横に来て、俺たちにしか

 聞こえない声で囁く

 

「また今度ね」

 

 フレンド申請を送ってくれ、そのまま先に

 行ってしまったが、また後で会えるんだ

 もう落ち込まなくても良いんだ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 お久しぶりです雪染遊真です
 今回は難産でしたが
 上手くまとめれたと思います
 次回もお楽しみにしていてください
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