ボス戦後の微妙になった空気を消すように
俺が理由を説明をして何とか元に戻し
後はキリトとアスナに任せ俺たちは6層の
入り口付近でミトと一緒に2人を待っていた
「本当に大丈夫かしら?」
「何が?」
「何って……キリトよ、あそこまでメンタル的に
ダメージを受けるような事を言われてるのに
さらにあれ以上の事を言われたら流石に……」
ミトにしては珍しくキリトを
心配するような事を言う
「……大丈夫だよ」
「何で言い切れるのよ?」
「俺と同じであいつにも心の支えが出来るからだよ」
「……もしかして、そういうこと?」
ミトの驚いたといった表情を横目に見ながら
入り口の扉を見据える
「そろそろALSが来る頃か……みんなと一緒に6層に
行かなくて良かったのか?」
「別に急ぐ訳でも無いし、私も付き合うよ」
「え、あ、ありがとう……」
キリト君が俺1人でも大丈夫だよ、といった言葉に
私は最後まで付き合うよと笑いかけると
キリト君は少し歯切り悪く感謝の言葉を
呟いたところで前方から足音が聞こえて来て
私とキリト君は息を飲む目の前で停止し
キバオウさんが集団の1歩前に出る
「フン………ほーう、何はともあれボス倒したんは
確かなんやからな、お疲れさんと言うとくわ」
「ブラッキー、ボスのドロップアイテムはどうした」
「そうだ、ギルドフラッグがドロップしたはずだ」
キバオウさんが労いの言葉を吐いた直後
被せるようにALSのメンバーがキリト君に
責めるように質問する
「ああ……ドロップしたよ」
キリト君はそう言うとギルドフラッグを
実体化させる
「これがそのフラッグだ、名前は
<フラッグ・オブ・ヴァラー>効果は
多分あんたらも知っての通り」
「ちっ!流石は天下のビーター様
しっかりゲットしたって訳か、で?
そのギルドフラッグをお前たちのギルドで
使うつもりか?」
「いや………だけどこれをあんた達に委ねるつもりは
無い……訳じゃ無い、ただし条件が2つある」
「条件だと?」
「なんや?言うてみ?」
剣を構えたメンバーをキバオウさんが腕で
後ろへ下がらせ、さらに一歩前に出る
「ふたつと言っても、片方がクリアされれば
それで良い。まずは今後、同じアイテムが
もう一つドロップした場合、一つをALS
一つをDKBの所有とし、その時持っていない側の
ギルドにこれを無償譲渡する」
「もう一つは?」
「ALSとDKBが合併し、新ギルドが発足した場合だ
その時は即座に渡す」
キリト君の言葉にALSメンバーがざわざわし始める
「で、出来る訳ねぇだろそんなこと!!」
「あんなエリート面した奴らと
合併なんか冗談じゃねぇよ!!」
「あいつらにも聞いてみろよ!頭おかしいん
じゃねぇかって言われるからよ」
「だいたいフラッグがまたドロップなんて
そんなのいつになるんだよ!」
「キリト君………」
色々な罵声が飛び交うのを眺め、私は不安から
キリト君に声をかけるとキリト君はフラッグを
ストレージにしまう
「くっ……悪いが、俺はこの条件を
変えるつもりは無い」
キリト君の言葉にさらにイラついたように
ぶつぶつと文句を言い始めるALSメンバーの中から
レザーマスクをつけた人が出てきた
「オレ………オレ知ってる!!そいつら
はなっからフラッグを渡すつもりなんて
ねーんだ!!無理難題ふっかけて
フラッグそのままパクって、自分たちのギルドで
使うつもりなんだ!!」
「違う!!」
「私たちは……!!」
キリト君と私の言葉に耳を貸さずに
苛立ちの声が増えていく
「こんな奴らの戯言聞く必要ねぇっすよ
キバさん!!こいつら、2人しかいねーんだ!
フラッグ取り返す方法
なんかいくらでもありますよ!!」
「そらぁ力ずくいう意味か、ジョー」
「そうっすよ!!こっちは大勢いるんだ
たった2人ぽっちどうとでも……」
ジョーという人がそこまで言ったところで
キバオウさんが胸くらを掴み上げ、頭に頭突きを
するような勢いで怒鳴る
「こんドアホウ!!なんぼ重要なアイテム言うても
それ手に入れる為に同じプレイヤーに剣向けんなら
ワシらはただの犯罪者集団や!なんのためにALSが
存在するんか、もっぺんよう考えてみぃ!!」
キバオウさんはジョーさんを突き放し
こちらに背を向ける
「しょーもない話聞かせてすまんかったなぁ
さっきの条件やけど……そいつはDKBに対しても
同じやゆうふうに考えてもええんか?」
「あ、ああ……勿論そうだ」
「ほんなら、ひとまずフラッグはあんたに預けとくわ
合併はまぁ、正直望み薄やけどなぁ
……ほな帰るわ」
そのまま帰ろうとするキバオウさんにキリト君は
慌ててキバオウさんに声をかける
「ああ、6層主街区の転位門、もう
アクティベートされてるはずだから
カルルインに戻るならそっちの方が早いぞ」
「ほうか」
キバオウさんはそういうとキリト君の右側を
差し掛かるタイミングで「おおきにな、キリト」
と言い、通り過ぎていき、それに続いて他の
ALSメンバーも私たちの横を通り過ぎて行く
「なんだよ、結局ブラッキーの毎度の
ながらの良いとこ取りかよ」
「自分はギルドで好き勝手やって
レアアイテムかっさらってずるくね?」
「俺たちだって頑張ってるっての」
「やってらんねぇよ」
「そんなに自分ばっか可愛きゃ
1人で攻略やれよな」
「つかれたぁ、ダル」
それぞれ勝手にストレス発散のように暴言を
キリト君に吐き捨てながら通り過ぎて
階段を上がっていく…………………
私は……………
「ん?キリトに告白するタイミング?」
「うん、シチュエーションとかなんかあれば
聞きたいなぁって……勿論向こうから
してもらえるならそれが1番いいんだけど」//
「んー………」
合間の時間にユーマ君に相談すると窓の外に
映る夜景を見て感傷深い表情になる
「……確かにシチュエーションもあるだろうけどさ
自分の気持ちが決まってるなら
この人を失いたくない、とか、これ以上
傷ついてる姿を見たく無い、って思ったら
手遅れになる前にその時に言っちゃっても
別に良いんじゃ無い?」
「どういう事?」
「前も言ったけど、向こうに居る時、大切な人失って
そのまま耐えきれなくて………って事あったから
思いを伝えられずに後悔して自暴自棄になるぐらい
なら……ってとこ、それにそうやって
思い悩むぐらいなら思い切って伝えた方が良いよ
俺から見てもキリトはアスナの事意識してるし
今でも結構確率高いと思うぞ?」三3三
最後の方は少しニヤニヤしながらそんな事を
ユーマ君が言う………傷ついてる所を
見たく無い……か……私が悩んでいると
ユーマ君は申し訳ないといった様子になる
「……あー……なんか悪いな……シチュエーションは
ミトとかに聞いてくれ
多分そっちはミトの方がわかる」三3三
「ううん、参考になったよ、ありがとうユーマ君」
「…………はぁ………お疲れアスナ、少し休んだら
俺たちも……………ア、アスナ……?」
キリト君が私を見て驚き動きが止まる
………それはそう、だって私は泣いてるんだから
「……なんで………なんで………なんでキリト君が
こんな目に合わなきゃいけないの?攻略集団の為に
この世界に閉じ込められたみんなの為に命を
投げ出して戦って、ギルドの崩壊を防いだのだって
キリト君なのに、あの人たちは仲間で固まって
好き勝手行動して、他人とも平気でいがみ合って
そんな人たちの為にキリト君がボロボロに
なるまで頑張って戦ったのに、悪いように
言われるだけなんて……こんなの間違ってる
……間違ってる………絶対に間違ってる」
私は天井を見上げて口を引き結ぶ
私がキリト君を認める……
ううん私がキリト君を……
私が気持ちを決めるとちょうどキリト君が
話し始める所だった
「………アスナ、それは俺が選んだ事なんだ
俺自身がこの立ち位置を決めたんだ……俺は
多くの人に認めて欲しいとか、賞賛して欲しいから
戦ってる訳じゃ無い、自分と自分の
近くにいる人達を守れるなら、他事なんて
どうだって良くて……すべて……自分が
この世界で生き残る為なんだ……だから、誰かに
認めてもらったり、褒めてもらったりする資格は
俺には無い、アスナが俺の為に無く必要なんか」
「誰の為に泣くかは私が決めるの!!
………なら私がキリト君を褒めてあげる
私が貴方にしてあげられる事、何でも言って」
「……そう言ってくれるだけで十分だよ
別に何かしてもらおうなんて……」
「じゃあそこに座って」
私の言葉にキリト君は腰を落として
床に片膝を突いた、それをみて私は
キリト君を胸に抱き寄せて髪を何度も撫でる
「………………ありがとう………」
キリト君のその言葉を聞いて私はまた口を開く
「ねぇ、キリト君………私、キリト君の事ね………」
「5!……4!……3!……2!……1!」
アインクラッド第5層主街区カルルインの広場に
千を超えるプレイヤーがおりコールが起きている
カウントが1まで行くと街の真ん中の
転移門広場から何発も花火が上がる、花火の
爆発音と共にプレイヤーの歓声が重なり
街のあちこちでお祝いの言葉が上がる
「新年明けましておめでとう、ミト
今年もよろしくな」
「明けましておめでとう、よろしくね
………それにしても
良かったわ、上手く行って」
「ん?ボス戦の事?」
「違うわよ、アスナたちの事」
「あーそれか」
俺とミトは取っていた広場を一望出来る宿
から広場を眺めながらそんな会話をする
あの後キリトとアスナが手を繋いで往還階段から
上って来たので俺は「おめでと」三3三
といいキリトの肩を叩き、ミトも微笑みながら
「おめでとう、アスナ」と言うと2人共が
りんごみたいに真っ赤になったので
俺とミトは顔を見合わせてニヤっとして
「カウントダウン・パーティーに
間に合うように来いよー」と言って行こうとすると
ミトがアスナに一言何か言って何かを渡すと
アスナはさらに真っ赤になりそれを横目に
俺の所に来て「それじゃ行きましょ?」と言い
6層主街区へ向けて俺とミトは歩いた
「結局あれ何渡したんだ?」
「んー……内緒」
「ふぅん………ま、いっか、乾杯」
「乾杯」
俺とミトはかちんと音を立ててグラスを合わせて
シャンパン……のような物を飲む
「………クリアまで後どれぐらいだろうな」
「そうね……まだ95層もあるけど
貴方と一緒ならどこまでも行ける気がするわ
ミトはそう言いながらグラスを置き
俺の肩に頭を乗せる
「そうだな……俺もそう思うよ」
俺もグラスを置いてミトの肩を抱き寄せる
まだまだ先は長いけどミトがいれば
いくらでも頑張れるな
そう思いながら目を閉じて花火の音を聞く
To be continued……
これでプログレッシブ編は一旦終わりで
原作に突入していきます……ここまで長かったなぁ
投稿頻度を上げて沢山投稿出来るように頑張ります
素人の書く小説ですがよろしければ
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