ユイとストレアが意識を無くしてしまい
どうしようかと思っているとサーシャさんの
ご厚意で2人を一度教会で
休ませてもらえる事になり教会へとお邪魔し
休ませ、次の日になると目を覚まし
何事もなかったかのようにしていた
「これは……すごいな……」
「そうね………」
俺たち4人は前で起きている子供たちの朝食風景を
呆然と眺める……戦場かな、これ?
「毎日こうなんですよ………ユイちゃんと
ストレアちゃんの具合大丈夫ですか?」
「昨晩ゆっくりと休ませてもらったおかげで
この通りなんですが………」
「今までにもこんなことが?」
サーシャさんの問いにアスナが
首を左右に振りながら答える
「わからないんです……この子、
22層の森の中で迷子になっていて
記憶を……無くしてるみたいで」
「こっちもそんな感じね……違うのは
私たちを見つけて着いてきたって事かな
……迷子なのは一緒だけど」
「それで、はじまりの街にこの子たちの事を
知ってる人たちがいるんじゃないかと思って」
アスナ、ミトの説明の後にここに来た理由を告げる
「何か心当たりはありませんか?」
「残念ですけど、はじまりの街で
暮らしてた子では無いと思います
ゲーム開始時に子供達のほとんどが
心に傷を負いました……私、そんな子たちを
放っておけなくて、この教会で
暮らし始めたんです……毎日、困ってる子が
いないか街の中を見て回っていますが
2人みたいな子は見た事がありません……」
「……そうですか……」
アスナがそこまで言ったところでドアを
ノックする音が聞こえる
「……誰だ?こんな朝早くに?」
入り口に向かいドアを開けると
長身の女性プレイヤーがいた
銀色の長い髪をポニーテールに束ね
空色の瞳をしている
服装を見ると濃緑色の服に金属鎧を
装備している……間違い無く軍所属の
人だなこの人
「初めてまして、ユリエールです」
「軍……の方ですよね?昨日の件で
抗議に来たって事ですか?」
「いやいや、とんでもない、その逆です
良くやってくれた時お礼を言いたいぐらい」
ユリエールさんの言葉に俺たちは顔を見合わせ
何故?と思っていると再びユリエールさん話始める
「今日は皆さんにお願いがあって来たのです」
「お願い……?」
とりあえずしっかりと話す為に教会の一室に入り
ユリエールさんが仕切り直して話始める
「元々私たちは……いえ、ギルドの管理者シンカーは
決して今のような独善的な組織を作ろうとしてた
訳じゃ無いんです。ただ情報や食料を
なるべく多くのプレイヤーへ均等に
分かち合おうとしただけで……」
「なるほど………だけど軍は
デカくなり過ぎた訳ね…………」
「はい……内部分裂が続く中、対等して来たのが
キバオウという男です……キバオウ一派は
権力を強め、効率の良い狩場の独占をしたり
調子にのって徴税と称した恐喝まがいの行為すら
始めたのです」
そこまで聞き俺とミトは顔を見合わせる
狩場の独占はやりそうではあるけど
根は単純で公平にって感じの考えの奴
だったはずだ………流石に恐喝まがいの
事はしないと思うけどなぁ……
「後もう少しで彼らをギルドから追放出来る
ところまで行ったのですが……追い詰められた
キバオウはシンカーを罠にかけるという
強行策に出ました………シンカーを
ダンジョン奥深くに置き去りにしたんです」
「っ!?転移結晶は?」
キリトの驚いた言葉にユリエールさんは
首を左右にふる
「まさか、手ぶらで!?」
「彼は良い人過ぎたんです……キバオウの丸腰で
話し合おうというメッセージを信じて
……3日前の事です」
「3日も前に?それでシンカーさんは?」
「かなりハイレベルのダンジョンの奥なので
身動きが取れないようで……全ては副官である
私の責任です……ですがとても私のレベルでは
突破出来ませんし、キバオウが睨みを効かせる中
軍の助力を当てに出来ません」
キバオウがね……やっぱりなんか引っかかるな……
そんなことするような奴じゃ無いし………
俺が考え込んでいるとユリエールさんが話を続ける
「そんなところに恐ろしく強いプレイヤーが
現れたという話を聞きつけ
こうしてお願いに来た次第です……」
そこで切ると席から立ち上がり
こちらに深々と頭を下げ、言った
「お会いしたばかりで厚顔きわまるかと
お思いでしょうが、どうか、私と一緒に
シンカーを救出に行って下さいませんか」
長い話を終えて口を閉じたユリエールさんを
しばらく見つめてから俺は口を開いた
「わかりました、話を聞く限り切迫した状況
みたいですし、準備ができたら
すぐに行きましょう」
俺の言葉にユリエールさんは
驚いたように目を瞬かせる
「あ、ありがとうございます………了承して
いただいたのはありがたいのですが
何故、初対面の私の話を信じていただけた
のでしょうか………?」
当然の疑問だなと思い、口を開こうとすると
お茶を飲んでいたストレアが先に口を開いた
「このひとはうそついてないからでしょ?」
ストレアはニパーと笑いながら
こちらに視線を向ける……驚いたが
とりあえず頷いて答える
「そうだね……」
ストレアに笑いかけると、今まで事態の成り行きを
見守ってたサーシャさんが両手を打ち合わせる
「そういう事なら、しっかり食べていってくださいね!
まだまだありますから、ユリエールさんもどうぞ」
「まさかはじまりの街の地下に
こんなダンジョンがあるなんて……」
「βテストの時にはこんなの無かったぞ、不覚だ……」
「私も知らなかったわ……」
βテスター組のキリトとミトがうめくように言った
「上層攻略の進み具合によって、解放される
タイプなんでしょうね。キバオウ派はこのダンジョンを
独占しようと計画していました」
「確かに専用の狩場があれば儲かるからね」三3三
俺の言葉ひユリエールさんは首を左右にふる
「それが、60層クラスの協力なモンスターが出るので
ほとんど狩りは出来なかったようです」
これから行くダンジョンの説明を受けながら
黒鉄宮を歩いていくと地下に続く階段がある
場所へと着いた
「ここが入り口です」
階段の先を覗き込んでいるとユリエールさんが
気がかりそうな視線をストレアとユイに向ける
すると2人は安心させるように
「ユイ、こわくないよ、ね、ストレア?」
「うん!」
そういえばユリエールには
この2人を「一緒に暮らしてる」としか
説明していない………そりゃ流石に
ダンジョンに潜るのは不安だよなぁ……
「大丈夫です、この子たち、見た目より
ずっとしっかりしてますから」
「うむ、きっと将来はいい剣士になる」
キリトの親バカ発言を聞き、俺とミトは
苦笑いを浮かべる………まぁ人の事は言えないけど
「では行きましょう!」
「ぬおおおおお」
「せやぁぁぁ!!」
キリトが剣でカエル型モンスター
<ジャイアント・トード>を切り飛ばし
その近くでミトが鎌を振りキリトとは逆方向に
カエルを切り飛ばす
「パパーがんばれー」
「マミィもまけるなー」
ユイとストレアの応援が聞こえたのか
キリトとミトのモンスターを狩る速度が上がる
「……なんだかすみません、任せっぱなしで」
「いえ、あれはもう病気ですから
やらせときゃ良いんですよ」
ユリエールさんとアスナの会話を横目に
キリトとミトが先行してすごい勢いでカエルを
倒していく………すごい勢いだな
「シンカーは数日間動いていません
多分、安全エリアにいるんだと思います
そこまで行ければ後は転移結晶で
離脱できますから……すみません
もう少しだけお願いします」
ユリエールさんに頭を下げられて
慌てたようにキリトが手を振った
「い、いや好きでやってるんだし
アイテムも出るし……」
「へぇ、何かいいもの出てるの?」
アスナが思わず聞き返すと
キリトが手早くウィンドウを操作すると
グロテスクな肉塊が出現しアスナが
顔を引き攣らせる
「ひっ!………な……ナニソレ?」
「スカベンジトードの肉」
キリトが当たり前のようにアイテム名を読み上げ
俺たちの方へと寄せる
「って、さっきのカエル!?」
「ゲテモノほど美味いって言うからな
後で料理してくれよ」
「絶対嫌!!」
アスナが叫んでカエルの足を掴むと
後方へぶん投げる
………おー、めちゃくちゃ飛んだなぁと
額に手を当てて遠くを眺めていると
前のキリトとアスナのやり取りを横目に
ミトがこちらに寄って囁いてきた
「ユーマはこういうの大丈夫……?」
「ん、大丈夫だよ……というか味気になるの?」
「………ええ、勿論私が調理するわ」
そんなやり取りをしていると
前方の方でのやり取りを見ていた
ユリエールさんが我慢出来ないといった
感じで笑うと
「笑った!お姉ちゃん、初めて笑った!」
ユイが嬉しそうにそう叫んだ
言われてみれば確かに張り詰めていたのか
ずっと笑顔を見せていなかった
表情の変化に気づいたのか?それとも………
俺がそんなことを考えているとアスナが
ユイをぎゅっと抱きしめてから手を繋いだ
「さぁ、行きましょ?」
何度かあったモンスターの襲撃は
キリト、ミトペアと俺、アスナペアで
難なく倒しどんどん階段を降りて行き
通路を進んでいると通路の先に光が見えた
「あ、安全エリアよ!」
「奥にプレイヤーが1人いる」
「シンカー!」
我慢できないといった感じで叫び
走り始めた……見る感じ相当シンカーの事を
心配してた………というか好きなのかな?
道の先の部屋の入り口らしき所に1人の
男が立っていてこちらに向けて
大きく腕を振っている
「ユリエール!!」
シンカーさんと思わしき人がユリエールさんの
名前を呼んだ。ユリエールさんもそれを聞き
走る速度を速める
「シンカー!!」
ユリエールさんの涙まじりの声に絶叫が被る
「来ちゃだめだ!その通路は………っ!!」
その声に前方の十字通路右横の死角部分に
気配を感じ目を凝らすと赤いカーソルが見えた
「だめーっ!!ユリエールさん、戻って!!」
アスナの絶叫が聞こえていないのか
ユリエールさんは手を振りながら
シンカーさんがいる部屋の入り口へと走っていく
「くっ!!」
それを見たキリトが物凄い速度でダッシュし
瞬間移動にも等しい勢いで走り
背後からユリエールさんの体を抱き抱え
左手の剣を地面に突き立ててブレーキをかける
停止したギリギリに鎌が地面に突き刺さる
呆然としているユリエールさんを置いて
キリトがボスに飛び込んで行く
「ユリエールさん、この子と一緒に
安全エリアに退避してください!」
「は、はい!」
アスナの言葉に再起動したのか
返事をしてすぐに立ち上がる
「私とユーマもストレアを送り届けたら
私達もすぐそっちに行くわ」
「わかった……2人ともユイちゃんをお願いね」
「OK」
俺がストレアを抱っこして安全エリアまで向かい
中にストレアを下ろす
「後はお願いします」
「わかりました……気をつけてください」
シンカーさんとユリエールさんに2人を任せ
キリト達の所へ向かおうとするとストレアが
俺の手を掴む
「パピィ達言っちゃうの……?」
「……大丈夫、すぐ戻るから」
ストレアに目線を合わせて頭を撫でてから
立ち上がり、キリト達の元へと向かう
To be continued……
あけましておめでとうございます(大遅刻)
久しぶりです雪染遊真です
執筆をノロノロと続けて
いましたがここまで投稿が遅くなるとは
思いませんでした
次は一月いないに投稿出来るよう頑張ります