ガールズバンドに振り回される日常 作:レイハントン
ここ最近お腹の調子悪くてですね……。毎日腹痛に悩まされています。
みなさんもお気をつけてください。
さて今回は第8話。アニメ1期の1話の最後の話ですね。
実はアニメ1期の話も部分部分やっているので、時間あったらアニメ1期見るのをおすすめします。
それではどうぞ。
第8話 Glitter*Green
放課後。突然だが今日はグリグリのライブ当日。ライブが始まるのはもう少し後の時間だ。かと言って学校で時間を潰すのもなんかな。
教室には俺を含めて残っている生徒はあまり多くはない。
「あれー? 夕君じゃん」
「ん? なんだ、
今声をかけてきたのは
ちなみに昨日会った青葉モカとごっちゃになるからどちらも名前呼びしてる。
「部活はどうした?」
「サボりー。毎日毎日めんどいもん」
お前なと言いたい所だが、その考えにはちょっと同感。というより本人は道場継ぐ気はないらしいからやらないとのこと。本当にコイツは自由だ。俺以上に。
「道場にも行かないのか?」
「今日は花女に出張中。ボクはそのうち帰るよ」
「そりゃあ家だからな」
葵刃のお母さん。つまり月島道場でいろいろ教えている人はたまに花女の剣道部やら弓道部やらに教えに行ってるみたいだ。花女のOBみたいだからな。ちなみに俺の母親も花女のOBだ。
「ん? ……あちゃー」
「どうした?」
「ちょっと面倒なことになりそうだからボクは帰るね」
「急だな。気をつけて帰れよ」
俺がそう言うと葵刃はわかってるよとだけ言い残して、ベランダの方へと走っていく。窓を飛び越えてそのまま下へと飛び降りてしまう。
さっき言った気をつけてって言葉返せ。毎度のことながら世の中には恐ろしい身体能力を持ったやつが居るもんだ。そしてバカと天才は紙一重。
残ってる人達も驚いてベランダの下を覗きに行ってしまった。
「帰るか」
リュックを背負って教室を出ると右側から鬼の形相で誰かさんを探し回ってる剣道部が走ってきた。まぁ普通全国レベルの奴が居たらああなるわな。
月島葵刃。本当に風みたいな奴だ。
高校を後にした俺は着替える為に一旦家に帰ることにした。
帰り道を1人で歩く中、花女に差し掛かった。なんだかんだ知り合いが多い高校だ。確か女優? が通っているらしい。詳しい話はよくわからないが。芸能人が通うとなるといろいろ大変だろうな。
女優ではないんだけど羽丘の演劇部には女子から人気の生徒が居る。演劇部には何度か用事があって、その時話たがよくわからない人だった。なんか儚いって言ってたな。
今思えばいろいろ巻き込まれすていないか?
「はぁー……」
思わずため息が出てしまった。そんな俺のことを呼ぶ声が聞こえてきたような気がした。
「ゆーくーん!」
その呼び方をするのは1人しかいないんだ。そして人が居るからそんな大声で遠くから呼ぶのは控えてほしい。何度も言ってるんだけどな。
「大声で呼ぶなって何度も言ってるだろ?」
「はーい。ごめんなさい」
わかればよろしいと言いたいが次もやるだろう。でも毎回少しずつよくなってはきてるんだ。もっと前は大声で何回も呼ばれたからな。
「ゆーくんこの後暇?」
「いや、用事がある」
「そっか〜。ライブ一緒に行きたかったんだけどな〜」
ライブ? 日菜にしては珍しいな。今までライブの誘いはなかったぞ。……ライブか。
「ちなみになんのライブだ?」
「えっとね、Glitter*Grrenってバンドのライブ!」
世の中こんな偶然もあるもんだな。今から同じバンドのライブに行こうとしてるんだからな。まぁちょうどいい。たまにはこういう日もあって。
「奇遇だな。俺もグリグリのライブに行くんだ」
「ホント?!じゃあ一緒に行こうよー! ゆーくん!」
「わかったわかった」
ぐいぐい近寄ってくる日菜を引き離して答える。今日はいつも以上に来るな。俺とライブ行けるのがそんなに嬉しいのか? たまに喜ぶ基準がわからない時がある。
「ライブにはよく行くの?」
「知り合いのバンドが出る時はな。それに今日行くところ元バイト先だから挨拶しないと」
「そっかー。ゆーくん、ライブハウスでバイトしてたもんね。今もだけど」
音楽関係のことを学べるのはライブハウスだからな。SPACEではオーナーにきっちり働かされたよ。それに母さんと知り合いらしくてたまに昔のことを聞いていたし。めちゃくちゃ厳しい母さんだったけど、昔はかなりやんちゃしてたらしい。
「日菜はどうなんだ?」
「あたしは初めて行くよ。最近流行ってるって聞いたから行ってみたいな〜って思って」
「なるほどな。ガールズバンド時代かも」
ライブハウスでバイトしてるのもあるけど、本当にガールズバンドがここ近年増えている。そしてSPACEはガールズバンドの聖地と呼ばれていて、ライブのオーディションが厳しくて有名だ。
それに緊張するといつも通りのパフォーマンスをしにくい。オーナーの威圧感がそうさせるんだろう。あの人雰囲気怖いから。
「どんなライブになるのかな〜」
「グリグリのライブは毎回盛り上がるから、きっと楽しいと思う」
「うん! ゆーくんも一緒だし、るんってしそう!」
このたまに聞く"るん"ってのがいまいち俺にはわかっていない。楽しかったり、嬉しかったりするとよく言ってるイメージがあるんだけどな。
楽しそうに俺の少し前を歩く日菜。こうしてみると紗夜と正反対って感じだ。双子ってそんなもんなのか? この2人しから見たことないからわからんが。
「ゆーくん、家の前で待っててね?」
「ん? ああ、先に行ったりしないからゆっくりでいいぞ」
「はーい!」
気づけばもう家の前に着いていた。日菜とは会話が尽きないからか、帰り道があっという間に感じる。
元気に返事をすると家へと帰っていく。俺も着替えて準備をするために自宅へと帰っていった。
ライブハウスSPACE
着替えてSPACE来たのはいいものの。すでにライブハウスの前には行列が出来ていた。本当にすごいんだよここ。ほとんど女の人だけど。
日菜と一緒に行列の最後尾に並び、順番が来るまで待つ。今日出演の中に知らないバンドも多いが、オーナーが合格を出したバンドだ。いいライブをしてくれるだろう。
「日菜、中に入ったらちょっと挨拶してくるから先に行っててくれ」
「うん。わかった」
俺が辞めてから新しく入ったバイトは居るんだろうか。入ってもすぐ辞める人とか居たからな。ライブハウスのバイトは音楽が好きじゃないとなかなか辛いところもある。音楽が好きだから1年近くも続いた。
そんなSPACEにはかなりお世話になったけど、それでも俺はここのバイトを辞めた。理由はいろいろあるが、1番は1年学んだことをちゃんと活かせるか試したかったから。後はそうだな………。
行列がどんどん進んでいき、ライブハウスの中に入った。受付まで進むと、知り合いのスタッフが声をかけてきた。
「いらっしゃい、夕君」
「1ヶ月ぶりですね」
「そうね。元気そうでよかった。隣のは彼女?」
にやにやしながら聞いてくるけど違う。ちょっと嫌な予感するんだが。
「幼なじみですよ」
「ええ〜」
「ええ〜じゃない。話をややこしくするな。高校生1枚と取置きのお願いします」
「そっか〜。残念」
残念ってなんですかと言いつつ、ドリンクチケットが付いたチケットをお金を払って受け取った。
「オーナーは控室の方に居ると思うよ」
「ありがとうございます」
軽く会釈してから受付から離れる。
「日菜、飲み物はそこでもらえるからな。俺はちょっと行ってくる」
「はーい。先中に入ってるね」
「おう」
ドリンクカウンターには寄らずに俺は1人控室の方へと向かった。そういえばドリンクカウンターの所に居た子、見ない顔だったな。新しく雇ったバイトだろうか。
控室のドアを3回ノックすると、誰かが開けてくれた。
「おや。久しぶりだね、元気してたかい?」
ドアを開けてくれたのはオーナーだった。いつもの厳しい雰囲気とは違って、少し優しい感じ。なんか….…な。
「元気ですよ。オーナーもお元気そうで」
「年寄り扱いするんじゃないよ」
俺からしたら十分….…この先はやめておこう。命が危ないきがする。
楽屋の中に入ると、今日出演バンドの人やスタッフさんがライブの準備をしてがやがやしていた。この時間は忙しいんだよな。
「ゆりに誘われたのかい?」
「そうです。久しぶりに来ないかって」
「最近全然顔出さないからね」
12月に母さんが亡くなって、1ヶ月はバイト行かなかったからな。行かなかったと言うより、気持ちの整理が着いたら来なってオーナーに言われたんだ。結局いろいろあって2月いっぱいで辞めてしまった。
「先月からCiRCLEってライブハウスでバイトしていて。なかなか来られなくてすいません」
「いいんだよ。学んだこと活かせてるなら」
「それはもちろん。オーナーに仕込まれてますから」
ライブハウスのオーナーは厳しいけど知識や技術は本物だ。それにちゃんとした信念がある。オーディションでは毎回決まったことを聞く。
『やりきったかい?』
本人が本気で演奏していて、今が最高のパフォーマンスだと思えるなら即答出来る。仮に即答できなくても目や態度を見れば一目瞭然だ。
「そういえばオー………」
ふと寒気が。
「夕ちゃんだーー!!」
俺の言葉を言葉を遮りながらあの先輩が現れてしまった。
「げっ、ひなこ先輩……」
「元気してたかーい?!」
そう言いながらぐいぐい近寄ってくるのはグリグリのドラム担当、
「近い近い。先輩近いんですよいつも」
「そんなことないよ〜」
そんなことしかないんですよ。こうなると大抵止めてくれるのが。
「こらこら。離れなさい」
「ええー」
俺からひなこ先輩を引き離してくれたのは、同じくグリグリのメンバーでギター担当、
「ごめんなさいね。いつも」
「いえいえ。もう慣れました」
謝ってくれたのはグリグリのキーボード担当、
「元気そうでよかった。今日は来てくれてありがとう」
「いえいえ。ライブ楽しみにしてますよ、ゆり先輩」
「任せて。最高のライブにするから」
今日呼んでくれたのがこの人。グリグリのボーカル、ベース担当の
グリグリと出会ったのはバイトを始めてすぐの時。オーナーのオーディションに毎回通るし、演奏の実力もすごい。グリグリが目当てでくる人が大勢いるのがまたすごい所だ。
「旭日先輩、こんにちは」
「こんにちは。りみも元気そうだな」
今挨拶してくれたのがゆり先輩の妹、牛込りみ。花女の1年生。黒髪のショートボブの子で、パンが好き。俺と同じやまぶきベーカリーの常連客。よくチョココロネを買っているのを見る。大人しくていい子だ。
「そういえば高等部に上がったんだよな」
「はい。まだ慣れてはいないんですけど…」
確か花女も羽丘も外部生が入ってくるんだよな。羽丘は進学校だから外部から入るのは結構厳しいだろうな。まぁ花女も負けないくらい偏差値高いが。
「そのうち慣れるさ。……俺はそろそろ戻りますね。応援してますよ」
挨拶を済ませた俺は控室を後にした。
ライブ会場に行くと、すでにお客さんがたくさん入っていた。たぶん日菜は最前列に居るだろう。後から来たのに流石に前の方には行けないから、一応そのことだけをメッセージで日菜に伝えた。
ただ後ろすぎるのも見づらい。ちょうど右端が空いてるし、そこに行くか。
俺はまだ知らない。この日を境に別の運命の歯車が回りはじめたことを。
ライブが始まるとあっという間に時間が過ぎていく。Glitter*Grrenの出番は最初。その盛り上がりは後半まで続くのかと心配なくらいだ。もちろん他のバンドも引けを取らないほど盛り上がった。ライブは大盛況で終わったが、まだ熱が冷めないのかその場に残って話して居る人がほとんどだ。
「ゆーくん! ゆーくん! ライブ、すっごいるんっ♪ って来た!」
「そ、そうか。それならよかった」
日菜もたまーにぐいぐい近寄ってくることがある。本当に近いんだよなー。ライブで距離感バグったか?
「そろそろ帰るぞ。帰りながら話そう」
「うん!」
今日の日菜はいつも以上にテンションが高い。それもライブのせいだから仕方ないか。それだけあのライブは素晴らしかった。オーナーはライブはその場で楽しむものっていって映像には残さないけど、残しても俺は全然いいと思う。場合よっては販売すれば………。
「ゆーくん悪い顔してるよ?」
「してない。なんだ? 悪い顔って」
「バイト始めてからたまーに出る顔?」
「なんだそりゃ」
危ない危ない。儲けられるとか考えてたらそんな顔になっているのか。今度から気をつけないとな。
そういえばライブ会場でお客さんが赤いギターを持った不思議な子が居たって話をしてたのを聞いた。それにバンドがどうとかって。凛々子さんとオーナーもなんか話してたな。確か、ギター持ったあの子不思議な子でしたねって。まずギター持ったってどういうことだ? じかにもってライブ観にくる奴が居たんだろうか。正直どうでもいいんだけどな。なぜか引っかかる。
「今度はどうしたの? 難しい顔してるよ?」
「いや……なんでもない。たまにはSPACEに顔出さないとなって思っただけだ」
「そっかー。ゆーくん色んな人から話しかけられてたもんね」
「ありがたいことにな」
SPACEのみんなは辞めた俺にも普通に接してくれた。バイトしてた頃は気づかなかったこともたくさんある。今でもあそこでバイトしていたら俺は何か変われていただろうか。いや………変わらず学校とバイトの日々を送っていただろうな。
ということでGlitter*Grren回でした。
あとは序盤に新キャラ1人出ましたね。主人公の友人の1人ということで、たまに出てきます。
少しずつ物語が進んできました。
あと2話で日常回が終わりなので、そこからどんどん進んでいきます。
所々過去の話をして過去の主人公と今の主人公の比較なんかしたいなーとか思うところですね。
今週から水曜日と土曜日投稿にしていきます。
次の投稿は土曜日です。
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次回もお楽しみに。