ガールズバンドに振り回される日常   作:レイハントン

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こんばんは。レイハントンです。

さてギスドリ2話目はAfterglowとハロー、ハッピーワールド!のお話です。前回は紗夜さん怒の回でしたねー。

今回はギスギスってことはあまりないかと……。

それではどうぞ。


第25話 暗雲

第25話 暗雲

 

 CiRCLE ロビー

 

「旭日先輩、お疲れ様ですっ!」

 

 お客さんの居ないロビーで1人ぼーっと外を眺めていると、うちの常連客が訪れた。

 

「上原か。今日はミスらなかったか?」

「あ、当たり前じゃないですか〜」

 

 開口1番そんな冗談を言ってみると、どうやら冗談じゃないらしい。

 

 なんか様子がおかしいな。それで隠せていると思っているのだろう。

 

「そうかそうか。さすが上原だな。今度練習覗きに行くとしよう」

「も〜旭日先輩意地悪しないでくださいよー……」

「悪かったよ」

 

 毎度のことながらこのいじってくださいって雰囲気はなんなんだろうか。それと同時に人柄の良さも伝わってくるが。

 

「支払いと次の予約したいです」

「料金はいつもと同じな。予約は……いつがいい? 明日の17時とか空いてるが」

「じゃあそれでお願いします!」

 

 ぴったりの料金を受け取り、レシートを上原に渡した。ちなみに支払いにくるのはだいたい上原だ。そしてお他の客さんが居ないと少しだべって帰る。

 

「旭日先輩、ライブイベントとかないんですか?」

「そうだな……そんな話がオーナーからあったような…なかったような。それにしても急だな」

「さっきライブしたいなーってみんなで話してたんですよ!」

 

 この場合は他のバンドメンバー。つまり幼なじみと話していたんだろう。

 

 確かにここ最近Afterglowのライブを見ていない気もする。毎回お客さん来てくれるから、ありがたいんだよな。お互いWIN-WINな関係だ。

 

「イベント関してはオーナーかまりなさんに聞いておく」

「よろしくお願いします」

 

 上原を見送り、姿が見えなくなってから再びぼーっと外を眺め始めた。

 

「そう言えば……」

 

 早乙女と市野木さんどこ行ったんだろう。

 

 見つけ次第市野木さんはしばいて、早乙女はなんだ。……ちゃんと仕事しようなって教えるとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 次の日の放課後。

 

 今日も今日とてバイト。

 

 最近運動不足気味だと紗夜からお叱りを受けてしまった。まぁ言われるのは当然か。学校行くときはだいたい自転車、休日バイト先に行くときはバイク。休みの日は家から出ない。言われて当然か。

 

 たまには歩くのもいいかと思って、今日は自転車ではなく徒歩で通学した。普段はバイトある日は自転車だ。

 

 歩きだと帰りが少しばかり遅くなるが、と言ってもそんなに遠いところでもない。

 

 しばらく歩き、ようやく駅前に着いた……。人。人。人。さすが駅前。たくさん溢れかえってる。まぁ駅前なんてこんな……もんではないか。

 

 なぜかアカペラで歌う弦巻こころの姿が目に入った。

 

「うーーん? まだ楽しくないわ。なにが足りないのかしら? このままじゃ世界を笑顔に出来ないわ」

「こころはなにをしてるんだ?」

「あら。夕じゃない!」

「今度は路上ミュージシャンでも始めた──」

 

 直後。誰かが俺にぶつかってきた。決してぶつかりに来ているとは思ってない。だが少々痛かった。

 

 視線を向けるとそこには。

 

「ご、ごめんなさい……っ。私っ、道に迷って……。こ、この近くに楽器屋さんがあるって聞いて……」

 

 なにやら重そうな荷物を持ってぶつかってしまったのは、羽沢珈琲店でたまに見かける水色のサイドテールの花女の生徒だった。

 

「楽器屋さん? それなら」

「ふっふっふ……いいもの、みーつけた!!」

 

 これが……鋼太さんの言っていた、何か良いものを見つけた時のこころの笑顔。とても楽しそうだな。

 

「えっ、えっ!? あっ、制服……花咲川の……?」

「そうよ! あたしは花咲川女子学園高等部1年、弦巻こころ、あなたの名前は? その荷物って楽器でしょ? 今、楽器店について聞いていたわよね?」

 

 こころの質問による質問。こういうおどおどしたタイプの子はこんな波状攻撃みたいな質問されたらテンパって。

 

「1年生……あ……っ。ま、松原花音と、いいます。たっ、たしかに楽器……ですが」

「やっぱり! 花音ね! ありがとう! あたし、今歌ってるの。だから一緒に演奏してくれるっ?」

 

 相手が先輩だろうと関係なく名前の呼び捨てをする。それが弦巻こころという人間。

 

 そして松原さんの持っている荷物に手をかける。

 

「へ……? あっ、待って、離して、ください……っ。」

 

 すると松原さんの視線が俺の方へと向いた。悪いが、助けを求めないでくれ……一度言って聞くやつでもないんだ。兄妹揃って聞く耳をもたないんだよ。

 

「私、このスネアドラムはもう、売るつもりで……」

「売っちゃうの? なんで? あたしと一緒に演奏するんだから、売るのなんてやめましょうよ!」

「そ、そんな……めちゃくちゃな……っ。わ、私、もう行くから……」

 

 まぁ普通の人間ならそうなるだろうな。確かにめちゃくちゃだと思う。だけどな。

 

「めちゃくちゃじゃないわ! だってあなたも、世界を笑顔にしたいでしょ?」

 

『俺は自分の発明で世界中の人を笑顔にしたいんだ。……って言ってもこころの受け売りなんだけどな』

 

 いつだって本気なんだよな。この2人は。

 

「い、意味がわかりません……っ!」

 

 ふと腕時計で時間を確認すると、そろそろまずい時間になっていた。

 

「部外者が口を出すのもあれですけど、騙されたと思ってついて行くのもありですよ。途中後悔しますけど、その先は絶対後悔なんてないので。俺はバイトがあるので、失礼します」

 

 それだけ言い残してその場を離れる。

 

「夕ー! 今度あたしの歌、聞いてもらうわよ!」

「楽しみにしてるよ」

 

 振り返らずに答える。

 

 別に松原さんを見捨てたわけじゃない。バイトに遅れそう……なのは少しあるが、さっき言った言葉は嘘でもなんでもない。俺がそうだったからな。

 

 そそくさとその場を離れてCiRCLEの方へと歩いて行く。途中黒髪の花女の生徒がバイトがどうとか聞こえてきたが、怪しいバイトには引っかからないでほしいものだ。

 

 そして今度こそあの人だかりはなんだ? すごい女子が集まってるし……ほとんど羽丘と花女の生徒だ。……ん? 誰か倒れたぞ。大丈夫か?

 

 人だかりを気にしていると、今度はさっき居た方からはドラムの音が聴こえてくる。結局その場で演奏しているんだろう。

 

 なんだか今日の駅前はおかしなことばかり起きているようだ。今度松原さんに羽沢珈琲店で会ったら何か奢ってあげよう……。

 

 松原……松原……道に迷った。なんか聞いたことがあるような…ないような。

 

 

 

 

 

 

 

 CiRCLE 通路

 

 なんとかバイトの時間に間に合った俺はロビーに使う途中、まりなさんに出会った。なにやら数枚チラシを持っているようだ。

 

「お疲れ様です、まりなさん」

「お疲れ様。少し頼みたいことがあるんだけどいいかな?」

「構いませんよ。なんでしょうか?」

 

 そう言うと何枚か持っているチラシの中から1枚。俺に渡してきた。

 

 チラシに目を通すと、どうやらガールズバンド界隈ではメジャーなイベントのやつらしい。その名も。

 

「ガールズバンドジャムvol.12。これにうちから1バンドだけ推薦しようと思うんだけど、夕君に当てがないかなって」

「ありますけど……俺の当てでいいんですか? 結構メジャーなイベントですよね?」

「私が推薦してもいいんだけど、ちょっとやること多くて……。代わりに推薦してほしいなって」

 

 事情はだいたいわかった。当ても割とあるし、問題ないだろう。まぁほとんどバンドの人たちが話かけてくるだけだから、当てと言っていいのかは謎だ……。

 

「ガルジャムの件はわかりました」

「うん。お願いね。わからないことは、私かオーナーか奈々ちゃんに聞いてくれる?」

 

 はいとだけ返事を返して、仕事へと戻っていくまりなさんを見送る。俺もロビーに向かう前にしておかなければいけない仕事を思い出し、処理へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 CiRCLE ロビー

 

 やることを済ませた俺はロビーへと訪れた。そこには珍しく早乙女が受付をしている姿があった。今日は雨ではなく雪か槍が降るのだろうか。

 

「お疲れ。珍しいな、早乙女が自らここに居るとは」

「わたくしだって真面目に仕事くらいします。それに……あの方には任せておけませんし」

 

 早乙女の視線の先を追うと、カウンターの内側。しかも端の方で体育座りでうずくまる真宗の姿が。どうやら戦力外通告を受けたらしい。恐らく、あなたは使い物にならないので仕方ないからわたくしがやりますとでも言われたのだろうな。

 

 女性恐怖症の真宗からすると、その言葉は特に刺さったであろう。と、言うより真宗でなくてもそんな言葉を浴びせられれば落ち込むか。

 

「女性恐怖症ということを踏まえても受付が下手すぎます。やる気はあるのですか? 時々しかやらないわたくしの方が出来て悔しくはないのですか?」

 

 あー見える見えるぞ、俺には。真宗の体にいくつも刺さる矢印を。正論。ド正論なんだが、本人が1番わかっていると思う。だがその前に。

 

「時々しかやらないというのはどうかと思うがな。真宗には真宗のペースってものがある。そこは自重してやってくれ」

「前々から思っていましたが、旭日さんはこの方に甘すぎます」

「別に甘いわけではない。早乙女と鈴音が仕事を覚えのが早すぎただけだ」

 

 普通入って数週間っていろいろ教えて行く過程のはず。それをものの見事に覚えて即戦力級なのがおかしいんだよな。

 

「とりあえず、ここは俺が見ておくから早乙女は他のところを頼む」

「わかりました」

 

 受付を離れていく早乙女を見送り、代わりにカウンターに入ると同時にスタジオの扉が開く音が聞こえてきた。

 

「旭日先輩、お疲れ様です」

「ちょうどいいところに」

 

 ちょうどいい所で上原に会えた。ガルジャムの件を話しておくとしよう。

 

「なにか用ですか?」

「そんなところだ。このイベントなんだが」

 

 さっきまりなさんから渡されたチラシをポケットから取り出して上原に見せる。

 

「ライブしたいって昨日言ってただろ? ガールズバンドジャム。うちからの推薦で出てみないか?」

「えーー?! 良いんですか?」

「ああ。最近頑張ってるみたいだしな」

「ありがとうございます!」

 

 チラシを渡すと興奮した様子でスタジオへと戻っていった。……いったい何をしにスタジオから出てきたんだろうか。

 

 

 

 

 

 CiRCLE ラウンジ

 

 上原がスタジオに戻って行ってから1時間くらい経った頃だろうか。

 

 あの後、落ち込んでいた真宗を励まし、今日の所は一旦受付意外の仕事を教えた。今はとりあえず真宗にトイレ掃除を頼んだ。

 

 少しカフェテリアに用事があったため、ついでに早乙女の様子を見てきた。今はその様子見の帰りなんだが……。なにやら心配そうな雰囲気の上原がラウンジに居た。

 

「どうかしたのか?」

「あ、旭日先輩……。蘭の様子が少しおかしくて……。何かあったのかなって」

 

 美竹の心配をしているんだな。さっきチラッと見たが、何か悩んでるって感じでもなかった気がする。パッと見だからなんとも言えないか。

 

「何かあれば相談してくるだろう?」

「そう……ですよね」

 

 そんな無責任な言葉ひとつで片付けて良いわけがない。だけど、美竹と上原たちの仲が険悪なイメージもなんとなくの距離感でもない気がする。

 

 それでも言ってこないのは……。

 

「美竹にも言いたくない事情とかあるとは思うけど、そこをどうかわして聞くのかも大切かもな」

 

 紗夜と同じように何か相談したくない事情があるのか。

 

「はい……」

 

 それ以上の言葉はかけなかった。少しだけ。ほんの少しだけ嫌な予感がする。その予感が……外れるといいな。

 

 

 

 

 

 

 商店街

 

 次の日の放課後。俺は寄り道することなく帰宅。と言いたい所だったが智紀に捕まってしまった。ラーメン食いに行こうぜってお前はどこの漫画キャラだ。お! とか言ってそうだな。ちなみに涼子も一緒だ。

 

「ゆうー。早くしろよー」

「急かさないの」

 

 とか言っている間に用事を済ませないとな。

 

 スマホで日菜にメッセージを飛ばした。もちろん要件はポスターについて。昨日聞いてもよかったんだけどな。そういう気分でもなかったし、本人もポスターが出ているなんて知らなかったようだ。日菜らしい……か?

 

 というよりもいつの間にアイドルの募集に応募していたのかということだ。全く気づかなかったんだが?

 

 するとメッセージの返事ではなく電話がかかってきた。

 

『ゆーくんポスター見てくれたの?!』

「見た見た。アイドルやるなんて聞いてない」

『えへへ〜。驚かせようと思って〜。ビックリした?!』

 

 ビックリだとも。いろんな驚きでこっちは若干まいってるくらいだ。特に知り合いが多いって点がな。あとは……まぁあれだ。

 

「なんでギターにしたんだ?」

『ん〜……おねーちゃんが弾いてるのを見て、アタシもやりたいって思ったからかな』

「そうか。日菜らしいな」

『うん! いつかおねーちゃんと一緒に弾きたい!』

 

 その純粋な願いが紗夜には大きな足枷になっていることを日菜は知らない。なぜこうもすれ違ってしまうのだろうか。日菜はただ紗夜と仲良くしたいだけなのに。

 

 感情というのは時に頼りになって。時に残酷だ。意思疎通が出来ないと、なおさらな。

 

『ゆーくん? 話聞いてる?』

「悪い……今度話、聞かせてくれ」

『うん! 絶対だよ! ライブにも来てね!』

「わかったよ。じゃあな」

 

 そう言って通話を切った。本人のやりたいことを辞めさせる権利は俺にはない。今出来ることは結局、どう足掻いても進んでしまう時間に少しばり影響を与えて未来を変えることくらいか。

 

 スマホをポケットにしまってから2人の元に行くと、智紀が「そんじゃ行くかー」と言って歩き始める。

 

「難しい顔してどした?」

「夕君ってたまに途方もないこと考えてるよね」

 

 途方もないこと……か。まぁそうなるよな。ここでグダグダ考えたってしょうがないことはわかっているつもりだ。それでも考えるのをやめるつもりはない。

 

 人は考えることが出来る生き物だからな。だからこそ過ちを正すことも出来る。

 

「そうか? 今日のラーメンなに食べるか考えてただけだ」

「嘘つけ! お前はラーメンソムリエか!」

「ちょっとなに言ってるかわからない」

「わかれよ!! てかわかってくれよ!」

 

 いつものしょうもないやりとりを見て笑う涼子に自分のツッコミで笑う智紀。この2人と居ると別の意味で何もかもどうでもよくなる。

 

「そうだ夕、日菜っちアイドル始めたんだって?」

「それ! 私も驚いた。そうなら言ってくれればいいのに」

「俺も今日知ったんだよ….….」

 

 隣で「マジでか!」と言って驚いてるけど割とマジなんだなこれが。あれだよ。女の子が好きなやつだよ。

 

「サプライズってやつか? 日菜っちってそういう素振り見せないからな」

「気づけないのも仕方ないね」

 

 そう言われるとそうだな。サプライズをこれからするってなると、わかりやすい奴はわかりやすいからな。例としては香澄とか丸山はわかりやすい部類だろう。山吹とか今井辺りは日菜と同じタイプか。

 

「観察が得意な夕でも気づかないとは」

「人を変態みたいに言うな。しばくぞ」

「数回動き見てオレからボール取れるのはお前くらいだよ」

 

 それに関しては何年も見てたらわかるだろ。小学の時は四六時中サッカーだのバスケだの連れ回してくれたんだからな。

 

 昔からよく観察眼がどうとかって言われる。だけど一瞬見ただけじゃわからない。つまりずっと見ているとその違いに気づく感じなんだ。だから対して人と変わらないと思っている。

 

「本当だよねー。シュートコースまで読んでくるのはちょっと辛い」

「そんな落ち込むことじゃないだろ。たまたまだ」

 

 サッカーとバスケに関しては連れ回されすぎてもはや素人の域ではない気がする。経験者って言うくらいがちょうどいいな。

 

 この2人とのいつも通りも。悪くない。

 

 

 

 

 

 

 

 だべりながら商店街へと移動してきた俺たち3人。と言っても時間も時間だからな。駅の近くにあるショッピングモールに寄り道してきた。行ったのはゲームセンターだ。そこでだいたい誰が1番メダル稼げるかが始まるんだよな。結果を言ってしまうと、運良く1発大きいのを当てた涼子の勝ち。あるだろ? スロットでたまたま当てるとかさ。

 

「いや〜涼子ちゃんの1人勝ちとは……」

「日頃の行いかな〜」

「その理屈だと俺に負けた智紀は災難だな」

「災難とか言うレベルじゃなくね?」

「授業中でも寝てたり、聞いていなかったりがほとんどなのにねー」

 

 聞いていないんじゃない。ただぼーっとしているだけだ。………それがいけないことは重々承知している。

 

「こんばんは。今帰り?」

 

 3人で歩いていると、商店街の顔見知りの人に出会った。前にバイトの件を頼んできたおばさんだ。

 

「こんばんは。たまには3人でご飯でもって」

「いいわね〜。そういえばねバイトの話なんだけども」

 

 意外にも応募者たくさんなのか? いいことではあるような。

 

「商店街のバイトってどんなのだ?」

「着ぐるみ着て風船配ったりだな」

「そうなのよ。受けてくれた人辞めちゃってね」

「やっぱりキツかったんですね」

「女子高校生だったからそうなのかも」

「どのくらい重いかにもよりますけど、着ぐるみ着て動くのは大変そうです」

 

 涼子の言う通りだ。俺は着たことがないからどの程度の重さかは知らんが、女子高生が着ぐるみ着て動くのはやっぱり無理があったらしい。まぁ見つかっただけでもすごいと思うしな。

 

「それに、黒いスーツ着た人たちが急に来て買い取っていったのよ」

「あのピンク色のクマを欲しがる人が居るんですね」

「私もびっくりしたわよ〜」

 

 そんな愉快なことをするのはいったい誰だろう。黒いスーツの人。それだけじゃ誰かまでの特定は出来ない。……買い取りするほど魅力的か? あの着ぐるみ。

 

「呼び止めてごめんなさいね」

「いえ。それじゃあ俺たちは行きます」

 

 商店街の人と別れた俺たちはラーメン屋のある方へと歩いていく。

 

「夕っていろんなことしてるのな」

「無理はしないでね?」

「わかってる。今回はそこまで首突っ込んでる話題じゃない」

「ならいいけど」

 

 バイトを疎かにするわけにもいかないからな。

 

 少し時間はかかってしまったが、ようやく向かうことが出来るな。

 

 




かのちゃん先輩には申し訳ない。だが、そうしなければハロー、ハッピーワールド!が生まれない!笑

そして着々と進んでいく……

それではまた次回
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