ガールズバンドに振り回される日常 作:レイハントン
以前も小説を書いていたのですが、いろいろあって投稿出来ない状態でした。投稿出来ていないだけでこの作品自体はずっと考えてたのでこうして投稿出来るようになりました!
かなり書き溜めていたので、今のところ週一で投稿出来そうな感じです。このお話を読んで気に入ってくれた方はぜひこの先も読んでもらえると嬉しいです。
基本的には日常とバンド、イベントストーリー(Roselia中心)を中心に書いていきます。シリアスもギャグもありますのでぜひ。
11話からRoseliaのバンドストーリーが始まるので、おすすめです。
それではどうぞ。
いつしか彼は言った。
『終わりなんて意外とすぐかもしれない。だから今この瞬間を精一杯生きるんだ』
平日の昼間だというのに制服を着た少女は赤いヘッドホンをして、ぼーっと川沿いの道を歩いていた。背中まで届くターコイズ色の長い綺麗な髪が時折風で揺れる。
ふと日に照らされてキラキラ輝く川に視線を向ける。普段の自分ならこんな時間帯にこの道に来ることはなかっただろう。
そんな時、右肩にかけるカバンから通知音が鳴った。しかしヘッドホンをしているからか少女には通知音が聞こえていないようだ。
「──」
ふと口からこぼれた彼の名前は空に消えていった。
──────☆
いつか別れる時は来てしまうものだ。どれだけ一緒に居たいと……願っても。それが周りの目を気にしてのものなのか、お互いの夢の邪魔をしたくないということなのかは……わからない。
夢っていうのは時に力をくれる。叶えるために一生懸命努力して。どれだけ辛いことがあっても、弱音を吐かずにただ突き進む。それが叶った時はもちろん嬉しいものだ。他人の夢が叶った時でさえ、そういう気持ちになるのだから。……自分の夢が叶った時はどうなんだろう。
でも、その自分の願いが叶うということは。大切な人の夢を奪うということになる。そんな残酷なこと……出来るはずもない。今までどれだけの苦労をしてきたと思う? すぐ側で見てきた自分でさえわからない。
俺なんかの本当の夢は叶わなくていいんだ。そうすることで大切な人の夢が……叶って。その先の将来が明るければ。俺の一個人の夢なんてどうでもいい。
大切な人の夢が叶うこと……それが俺の自分でも気づかない偽りの夢なんだ。
それでも俺は……自分の信念を貫くと。決めたんだ。
朝。夜型人間、朝が弱い人には辛い時間だろう。朝だというのにベッドに寝転がり、ぼーっとしているのだから。どうして朝は来るんだ? と何回思ったことか。しかし、起きるのが苦手と言っても学校は許してはくれない。
だから仕事で居ないことが多い父親にではなく、朝起こしてくれとプライドを捨てて隣の家に住む幼なじみに頼んだんだ。だがな……。
「なぜこうなった……」
完全に目が覚めた俺は上半身を起こして、隣で眠る幼なじみの
ターコイズ色のショートボブ。一部をいつも三つ編みにしている。誰が見ても可愛いと思う顔。こんなのが隣で寝てたら、な? 今日は休みかと思ってしまう。いや……休みなのに制服なのはおかしいか。
朝起こしてもらうどころか人の布団。しかも隣、気持ちよさそうに寝てやがる。いったいどういうこだ? 今すぐにでも叩き起こしたいが、その怒りさえもコイツの寝顔を見ていると薄れてくる。
「日菜。起きろ」
優しくゆすって起こすが特に起きる様子はない。
「おい。学校遅刻するぞ」
今度は頬を突っつく。
「ん~…もう……ゆーくんってば~」
「寝ぼけてる場合か。起こしに来た奴が寝ててどうするよ……」
いつまでもこうしているわけにはいかない。少し強めにゆすると、ゆっくりまぶたを持ち上げ2、3回目をしばたたかせた。完全に目が覚めたのかいきなり上半身を起こしてきた。そんなことをされてみろ。顔が近い。
「ゆーくんおはよー! 早くしないと遅刻しちゃうよ!」
「誰のせいだと思ってる。起こしに来た奴が寝てどうする」
「いや~ゆーくんが気持ちよさそうに寝てるからつい~」
「お前な……」
笑顔を浮かべてぽりぽりと後頭部をかく日菜。どうもこの笑顔を見ると調子が狂う。なんか全てがばかばかしく……。待てよなんか忘れてるような。
ふと時間をスマホで確認する。それから5秒停止。
「あれー。このままじゃ遅刻だねー」
「誰のせいだと思ってる」
拳を硬く握りしめるが一旦落ち着こう。
前言撤回。コイツの笑顔を見ても調子狂わないことがわかった。それと同時に慌ただしく動き出す。
「日菜、すぐ行くから外で待ってろ」
「はーい」
日菜を先に下で待たせることで準備してすぐに出発することが出来る。まぁ普通に起きていればこんなことにはならないんだけどな。いつまで経っても朝が弱いのは相変わらずだ。
ハンガーにかかっていた制服に着替える。第一ボタンどころか第二ボタンまで開け、ネクタイを緩く絞めて完全に制服を着崩している状態だ。そこにヘッドホンを首にかければ完成。
こんな着崩した着方をすればもう1人の幼なじみ。日菜の双子の姉、
ほぼいつも通りな朝の支度を終え、あまり物が入っていないリュックとスマホを持って家を後にした。もちろん鍵をかけて。駐輪場に置いてあるマウンテンバイクを引っ張り出して敷地の外に出ると、日菜は壁に寄りかかって空を見上げていた。
「行くぞ、日菜」
「うん。今日はいい天気だね~」
「そうだな。能天気なやつも居るくらいだ」
「それってどういう意味ー?」
「さぁな」と言って荷台を付けたマウンテンバイクにまたがると文句を言いつつ後ろに乗る日菜。腰に手を回したのを確認し、全速力でこぎ始める。ちなみに言っておくが、家から日菜の通う
「今日少し早くなーい?」
「見事に寝坊したからな。飛ばさないと俺が遅刻する」
「そっかー!」
いやいや。起こす係のお前が寝てたんだよ日菜。毎度毎度この調子じゃないがたまにこういうことになる。どこか抜けてるのかマイペースというか……。なんにしてもいつも起こしに来るのは日菜じゃなく、紗夜のほうだ。だが今日はなぜか日菜に任せた。……なにか悪いことでもしたか? 身に覚えは一切ないのだがな。
そこそこの速度で二人乗りという絶対に良い子は真似をしてはいけない方法である程度の場所まで走ってきたようだ。ちらほら羽丘の制服を着た生徒が見える。余談だが羽丘、紗夜の通う
「さすがゆーくん~。あっという間だね!」
「今日は飛ばしたからな。あまり褒められたスピードじゃない」
アイツに見つかったらただじゃ済まないだろうな。
「おねーちゃんが知ったら怒られるね~」
「デジャブになるようなことを言うな」
そういう冗談は現実になりかねないからやめてほしい。紗夜にバレると長い長いお説教タイムが始まる。軽く30分は小言言われるからたまったもんじゃない。その時は日菜も巻き込んでやるか。もとはと言えば起こしに来たアイツが寝てたのが発端だし。
とりあえず時間には間に合いそうだ。最悪遅刻は俺だけで済むようにはしてやるか。花高は羽丘よりも奥にあるから必然的に遅刻ってなったら、するのは俺だけなんだが。まぁそれもいつものことに近いから問題ない。
羽丘付近までくると流石に生徒の目が気になるな。すると友達を見つけたのか日菜が挨拶をする。
「あ! リサちーだ! おはよー!」
「余計目立つからやめろ」
ただでさえ男女で居るんだからな。挨拶なんてしたらさらに目立つだろ。主に俺が。
「相変わらずだねー。二人とも」
通り過ぎる間際に聞こえてきた
「あれで料理とか上手いから驚きだよね〜」
「人は見かけによらないってことだ」
「でも、見た目通りの人も居るよ?」
「おい。誰のこと見ながら言ってる?」
後ろで笑ってごまかしてるが、誤魔化せてない。明らかに俺のこと言ってるだろコイツ。確かに見た目通りの奴だって言われることは多いがな。
羽丘の校門に少し離れたところで一旦止まる。そしてふと妙な寒気に襲われた。紗夜にバレたか?
「ゆーくん、どうしたの?」
「いや……なんでもない。頑張ってこいよ」
「ゆーくんもね!」
ぶんぶん手を降ってくる日菜に軽く手を振り返してから俺は少し急ぎめで学校へと走った。遅刻はしないで済みそうなのはいいが、さっきの寒気はなんだ?
そんなことを考えながらふと空を見上げてケツポケットに手を置いた。
「やらかした。財布置いてきたな」
ため息を吐き出してから学校までの道のりを自転車で走る。
小さい頃からいつもいつも振り回されていたのは今ではいい思い出だな。特に元気過ぎる奴に連れ回された記憶ばかりだが。
いつからだろう。2人が一緒に居る時間が減ったのは。
なんとか遅刻せずに教室へとたどり着いた。すでに朝練を終えた生徒もいる。つまり本当にギリギリだったってことだ。まぁ遅刻じゃないしセーフだろ。
「おはよー
「おはよう。セーフだセーフ」
教室の1番左端の席に向かう途中、腐れ縁の1人。
「おーすっ夕。いつにも増して眠そうだな」
「目が空いてるだけマシだ」
「閉じてたら歩けないだろ」
今度はボケたがりのくせにいつの間にかツッコミに回っている腐れ縁の1人。
机の横にリュックを引っ掛けて席に着く。少し騒がしい教室ではなく、外を眺めながらぼーっとし始める。だいたい話しかけてくるのは2人だけ。別にクラスメイトと仲が悪いわけではない。挨拶をされれば返すし。目があったら挨拶をするし。まぁよく無愛想と言われるからそのせいだろう。
教室から見える中庭には満開の桜。季節は春。4月に入ってから割と経つのにまだ散りきっていない。
ふと中庭を歩く1年生が見えた。今年もそれなりに人が入ったらしい。花女と羽丘の板挟みなのにな……いや、板挟みだからこそ人が多いのか。
「絶対それはない」
「わかってないわねー。普段そういうことをしないからこそのギャップでしょ?」
前の席で話す2人の女子。いったいなんの会話なのだろう。なんか嫌な予感がする。
「こうなったら
「白黒はっきりつけないとね」
……いったい何を決めようとしてるんだ? ギャップがどうとか言ってたから人の話だろうか。
「旭日君!」
「な、なんだよ」
どちらもすごい形相だ。思わず圧倒されてしまう。
「罵られるなら美人系か可愛い系どっちがいい?!」
「もちろん美人系だよね?! ね!」
「いいえ、可愛い系一択でしょ?!」
なんだそれ……朝からどんな話題持ち出して話してるんだよ。しかもそれを俺に聞いたってことは、いじめられるのが好きと? 悪いが俺にそんな趣味はない。
「どちらも好きじゃない。というかなんの話だ?」
話の趣旨がわからん。わかったところでどちらも賛同出来んが。
「知らないの? 今年入った1年生にハーフのめっっちゃ可愛い子が居てさ」
「あれはどう考えても美人系だって。しかもズバズバものを言ってくるタイプでね」
「あれはどう見ても可愛い系よ。あの冷たい女王とまで言われた
会話の中で議論するな。話が入ってこないだろ。というよりも冬月先輩? 冷たい女王? どちらも知らないんだが? 俺がおかしいわけじゃないよな……。
「なにっ?! あの冬月先輩に物申した奴が居るのか?!」
だから誰だよ。途中から話に入ってきたのによくそんなこと言えたな、クラスメイトの男子。
「とんでもない子が入ってきたようね……」
また違うクラスメイト。今度は女子が話に割って入ってくる。
そんなにすごいのか? 冬月先輩。名前も顔も知らなかったが。1年居て認知出来ないって本当に実在するのかその人。それともあまりにも俺の興味がなさすぎるのか?
話が一区切り着いたところでホームルーム開始5分前の鐘が鳴った。話していたクラスメイトも自分の席へと戻っていく。
朝からわけのわからない会話に巻き込まれ、結局物申した人は誰だったのか。ハーフの可愛い系? 美人系? なら1人しか思いつかないんだが。
しばらくぼーっとしていると担任の先生(知り合い)が入ってきた。今年も去年と同じ担任の先生だ。
今日も1日頑張るとするか。まぁぼーっとして終わりだろうが。そしてそれがもう1人の幼なじみにバレた時はお小言をたくさんもらう。どれだけ言われても改善しないのは ……懲りないからだろうな。きっと。
いきなりメインヒロイン不在笑
次回から登場予定ですのでぜひ! ぜひ読んでください!
早く劇場版RoseliaのBlu-ray手に入れて設定見直したいです笑
氷川家、旭日家から羽丘までは電車っぽいです。花女は違いそう……自転車で行ける距離という設定で自転車で行ってます。
ちなみに花咲川高校の位置は花女、羽丘の間と考えています
予定としては10話程度日常編の話(その他キャラとの繋がり等の話)をしてからRoseliaのバンドストーリーに入っていきます。間にポピパとの絡みやその他バンドとの絡みも入れようと思います。
主人公の設定載せます。
高評価、お気に入り登録お待ちしております。
次回もお楽しみに。
2022/3/26(土)追記
オリキャラの投票をしています。読み進めて好きなキャラが居れば投票してくれると嬉しいです!