ガールズバンドに振り回される日常   作:レイハントン

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こんばんは。

定期更新の日です。

今回はいろいろとバンドリのキャラが登場します。割と多いです。沢山のキャラと接点を持っている主人公ならではですね。

それではどうぞ。


第4話 日常

第4話 日常

 

 ある日の放課後。スマホに珍しい人からメッセージが来ていた。相手はあのGlitter'Greenのボーカル。牛込(うしごめ)ゆり先輩だ。SPACEでバイトをし始めてから仲良くなった人で、いつもライブあるたびにチケット取っておいてくれるのはありがたい。バイトを辞めてからもこうして接してくれるし。いい先輩だ。

 

 ただグリグリのメンバーに若干苦手な先輩が居るんだ。それはもうぐいぐいくる先輩がな。いつも困ってる。

 

 ってことでなんやかんやでいつもグリグリのライブに行ってるわけだ。場所がSPACEなのがちょっとだけ、気まずかったりする。働いていた場所に行くってなんだか…な。でも、そこのオーナーにはすごくお世話になったから挨拶はしないと。

 

「あれ? 夕君今日バイトだっけ?」

 

 だらだらと帰り支度をしていると涼子が声をかけてきた。バイトがない日はいつも早く帰るからな。まぁ羽沢珈琲店に直行なんだが。

 

「いや、今日はない」

「そうだよね。珍しい、いつもすぐ帰るのに」

「ちょっと考え事をな」

 

 ただだらだら帰り支度してただけだが。あとゆり先輩に返事返してたのもあるか。

 

「そういえば、今度グリグリのライブあるけどまたお呼ばれしてるの?」

「まぁな。涼子も来るか?」

「行きたいけど、ちょうどバイトなんだよね〜その日」

 

 俺が入ってないからその代わりか? でも萩野とか海藤さんとかも居るしな。なんにせよ今回も1人か。

 

「じゃあ私、バイトあるから行くね」

「おう。また明日な」

「うん。また明日」

 

 涼子を見送り、ちょうど帰り支度を済ませた俺は教室を後にした。さてさて、今日はどこを寄り道して帰るか。………久しぶりにポテトでも食べるか。たまにあるよな。ポテト食べたくなる時。

 

 日菜が居そうな気もするがその時はその時か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 花高を出て商店街の方へと向かう。夕方だからか高校生がやたらと多い。俺も含めてなんだがな。花高、花女、羽丘は割と部活やってる人が多いイメージなんだけど、意外とそうでもないか。

 

「部活どうするか決めた?」

「まだ〜。どの部活もいいよね」

「わたしはもう決めたよ!」

「えー?! どの部活?!」

 

 なるのほどな。体験入部の時期だから帰る人が多いのか。今はまだ体験入部の期間だった気もするが、すでに決めているのか今日は体験しなかったのか。どちらにせよ人が多いなんとなくの理由はわかった。

 

 そう言えば紗夜は弓道部だったな。部活、委員会、生徒会。責任感が強い紗夜だからこそ出来ることだな。俺には絶対無理だ。バイトだけで手一杯。

 

 しばらく歩くとお目当てのファストーフード店が見えた。ここの店には確か丸山(まるやま)がバイトしてたはず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 お店に入るとそこそこ人が居るようだ。席はほとんど埋まっている。仕方ないから今日は持ち帰りにするか。

 

 

 列に並び、順番が来るまでスマホをいじる。特にメッセージはない。ホームに映る予定がスカスカのカレンダーにはライブの日の記載しかないという。それ以外は特に書くこともないしな。

 

 ……そういえば。近いうちに新人の面接があるとかないとか。たぶん新人の教育係は俺と涼子だろうな。SPACEでバイトをしていたからか、特に仕事を教わるというのはなかった。萩野(はぎの)が残念がってたのは記憶に新しい。バイトの知識とか経験がここまで役に立つとは思わなかった。ライブハウスは場所によって変わってくることもあるからな。

 

「次のお客様どうぞ」

 

 もう俺の順番か。そしてこの声。今日はあたりのようだ。別の意味で。

 

「旭日君?! 珍しいね」

「そうか? 今日もとちってないか?」

「そ、そんなことないよ〜!」

 

 この前ポテトLサイズ2個頼んだのにMサイズ2個来たんだが?

 

「持ち帰りでポテト"L"サイズ2個とスマイルください」

「Lだけ強調しなくても大丈夫だよ〜。それとさらっとスマイル頼んでるし………」

 

 いやな。アイドルの卵らしいから笑顔の練習も必要だろうと思ってだな。決して遊んでるわけじゃないんだ。遊んでるわけじゃ。

 

「以上でよろしいでしょうか?」

「はい。……引きつってるから30点だな」

「うぅ〜酷い〜」

 

 冗談だよとだけ言い残して列から離れた。今日の丸山も面白かったな。素があれなんだから尚更面白い。あの性格と言動は一部に人気出そうな気がするんだが。なかなか上手くいかないって嘆いてた。

 

 ポテトを受け取りファストーフード店を後にした。そういえばたまにカフェで見かける水色の髪の子は居なかったな。

 

 

 

 

 

 

 

 結局いつも通り商店街の方へと来てしまった。なんだかんだここに落ち着くんだよな。よく母さんも足を運んでたし、そのせいかもな。それに結構商店街の人から頼りにされてたし。

 

 足を進めてたどり着いたのは。いつも立ち寄っている羽沢珈琲店。コロッケが上手い北沢(きたざわ)精肉店。高校生に人気のやまぶきベーカリーの3店舗が並ぶ十字路。

 

 今日はどうするか……すでに揚げ物をつまみながら歩いてきてるわけだが。今日は揚げ物マシマシにするか。それに父さんがコロッケ食べたいって嘆いてたし、ついでに買っていこう。

 

 というわけで北沢精肉店に立ち寄る。

 

「旭日先輩、いらっしゃいませー!」

「北沢、今日も元気だな」

 

 このオレンジ色のショートカットの元気な子が北沢はぐみ。北沢精肉店の店長の娘さんで花女に通う高校1年生。ちなみにお兄さんも居るけど、あまり会ったことがない。

 

「コロッケ5つと鶏もも肉200グラム頼む」

「毎度ありー! 少々お待ちください」

 

 そう言うと頼んだ物を用意し始めた。鶏肉は俺の夕飯だ。肉は1番鳥が好きなんだよ。タンパク質もあっていいぞ。切ってレンチンするだけだしな。ここでも俺のぐーたらなところが出てしまう。

 

「部活はどうした?」

「今日は店番父ちゃんに頼まれてたから帰ってきたよ」

「なるほどな。ソフトボール部には新入生来たのか?」

「何人か来たけど、今日は体験入部ない日なんだ〜」

 

 なるほどな。だから花女の生徒がやたらと多かったのか。帰る生徒がほとんどだろうしな。

 

「お待たせしました」

 

 コロッケの入った紙袋と鶏肉の入った紙袋を受け取る前にお金をトレーの上に置いた。支払いが終わり、両方の紙袋をリュックへとしまう。

 

「店番頑張れよ」

「うん! 頑張るよ!」

 

 北沢精肉店を後にした俺はそのまま羽沢珈琲店へと入っていった。結局ここに来てしまうほどコーヒーが美味しんだよ。それにケーキもなかなか。

 

 ドアを開けて中に入ると、からんからんとベルが鳴った。

 

「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ」

 

 案内してくれたのは茶髪のショートカットの子。羽沢珈琲店の看板娘の羽沢つぐみ。

 

 彼女に案内され、席を見渡すと見知った顔が2人。1人は黒髪ショートに赤いメッシュが入ったクールな子、美竹蘭(みたけらん)。パッと見怖い感じだが、とてもいい子だ。……語彙力がないのか、いい子しか言ってないような気がする。

 

 羽沢と同じ羽丘に通う高校1年生。そしてもう1人は。

 

「お〜。ゆー先輩。よかったら隣どうぞ〜」

「そうか? 悪いな」

 

 このおっとりとした話し方。白髪のショートカットが特徴。そしてパンが大好き。名前は青葉(あおば)モカ。羽沢と同じ羽丘に通う高校1年生。もちろんいい子だ。

 

「旭日先輩、いつものでいいですか?」

「いつのもので」

 

 何回も通って、最初に同じ物を頼むうちいつもので伝わるようになった。すっかり常連ってやつだ。

 

 羽沢、モカ、蘭、あと2人居るんだがみんな幼なじみなんだと。基本5人で居るのをよく見かけるが、みんなそれぞれ個性があって面白い。

 

「上原と(ともえ)はどうした?」

「2人とも部活です」

「羽丘は体験入部あるんだな」

 

 いつの間にかおいてあったお冷やを飲む。モカの前にはケーキが2つ。美竹の前には紅茶のみ。モカは本当によく食べるな。この前ケーキ3つくらい奢った気がするんだが。

 

「ゆー先輩の学校は体験入部ないんですか〜?」

「うちもあるな。サッカー部のやつが張り切ってた」

「花高って結構部活盛んですよね?」

「割とな。俺はバイト優先だからやらないが」

 

 クラスの半分以上は部活やってる気がする。よく確認してないならなんとも言えないが。全国とか結構行ったりしてるから強いんだな。特にサッカー部。1年の頃からレギュラーの智紀はやっぱりすごいんだろう。

 

 話していると羽沢がブレンドコーヒーを持ってきてくれた。

 

「お待たせしました。ブレンドコーヒーです」

「ありがとう」

 

 砂糖とミルクをいれずにまずはブラックを楽しむ。

 

「大人ですな〜」

「ブラックをまず楽しまないと」

 

 今度は砂糖とミルクを入れてかき混ぜてからひと口飲む。……美味い。

 

「あ、そうだ。先輩ちょっといいですか?」

「なんだ?」

「スタジオいつ空いてるかわかったりします?」

「ちょっと待っててくれ」

 

 美竹達は幼なじみ5人で結成したバンドでバンド名はAfterglow。ライブに出ると結構お客さんが来てくれるから、声をかけることがおおい。お得意様ってやつだな。スタジオでの練習もよく来てくれるし。

 

 そしてこんなこともあろうかと昨日の時点での予約一覧をメモってある。少しばかり変わってる部分があるから、アイツに連絡しておくか。

 

「どの日がいいんだ?」

「….…この日がいいんですけど、空いてないならこっちで」

 

 ノートを指差しした日とバイト先の後輩から送ってもらった予約リストの日を見ると最初に言った日が空いていることがわかった。

 

「最初の方で大丈夫だ。予約しておくよ」

「いつもありがとうございます」

「その代わり今度ライブあったら頼むぞ」

「任せてくださいよ〜」

 

 これで集客は約束されたようなものか。後は後輩に連絡しておけば……たぶん大丈夫なはず。入ったばっかりでいろいろ大変だし、仕方ないが心配ごとはそこじゃないんだ。

 

「ゆー先輩はバンドとかやらないんですかー?」

「バンドか……俺は聴かせる方よりも聴く方がいい。それに表舞台よりも裏方の方が自分っぽい気がするし」

「ライブの時の先輩、いい感じにピリピリしててなんか気合い入ります」

 

 そんなピリピリしてるか? ライブの時は普段よりもお客さんの入がすごいし、外のカフェも忙しくなるから必然的に動かないといけないからな。それにこっちの不手際でライブを遅らせたくないし。

 

 CiRCLEでのバイトを始めてまだ1ヶ月って言うのが信じられないくらいいろんな仕事をやらせてもらってる。ありがたいことだ。

 

 ちょっとは変わったのかな。俺は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 気づけば5時半をとっくに過ぎていた。2人と話していたらあっという間だ。そろそろ帰ってやることやるか。

 

「それじゃあ俺はそろそろ帰る」

「モカ、あたし達も帰ろ」

「はーい」

 

 伝票を持ってレジに行こうとするとなぜか美竹に止められた。

 

「それ、あたし達の分も入ってるんですけど」

「あー別に気にするな。大きいのしか持ってないんだ」

 

 別々の会計だとお店も面倒だろうしな。それにコーヒー、紅茶、ケーキくらいなんてこともない。

 

 会計を済ませたのに俺はその場から動かずレシートを凝視していた。なんか微妙に長いレシートなんだよ。そりゃあそうだ。ケーキが4つくらい並んでる。1つは美竹だとしてもモカの奴3つも食ってたのか。

 

「本当によく食べるな、モカは」

「えへへ〜」

 

 褒めてねぇよ。

 

 

 

 

 

 

 羽沢珈琲店を後にした俺は美竹達と別れて帰路に着いた。予想外の出費だがまぁそれはいい。

 

 冷えたポテトを食べながら歩く帰り道を見ているとなんでか昔のことを思い出す。ポテトのせいじゃない。この夕方から夜になっていく時間だろう。

 

 中学の時、たまたま帰り道で会ったんだよな。紗夜と日菜に。そんな2人が並んで歩く姿を後ろから眺めてた。昔ほどの会話はそこにはなかったが。

 

「食べながら歩くなんてあまりよくないわよ」

「いやな。この時間腹減るだろ?」

 

 後ろから声をかけらたが、当たり前のように答える。食べながら歩いてるのを注意してくる人なんて1人しかいないからな。

 

「家まで我慢すればいいでしょう?」

「それが出来たら苦労しないかもな」

 

 隣に並んで歩く紗夜に冷えたポテトを差し出した。なんだかんだ言いつつも冷えたポテトに手をつける。昔から2人揃ってジャンクフード好きだからな。そのせいか、俺もポテトをよく買って食べている気がする。

 

「今日の星は綺麗だな」

「……そうね」

 

 山とか行けばもっと綺麗に見えるんだろうな。星に全く興味がないと言えば嘘になる。真っ暗な夜に輝く光。小さい頃、母さんがよく星ざを教えてくれたっけ。

 

 そういえば日菜は確か天文部だったな。よくわからん活動してるみたいだが、本当に大丈夫なんだろうか。そのうち廃部になったりしてな。

 

 それともう1つ思い出したことがある。

 

「紗夜。星の鼓動って聞こえると思うか?」

「急にどうしたのよ。夕らしくないことを聞くわね」

 

 

 

 

『夕先輩! 私、星の鼓動を聞いたことがあるんですよ!』

 

 

 

 

「そうだな。気にしないでくれ」

 

 元気にしてるといいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆーくんゆーくん! 土曜日暇?」

「なんだ藪から棒に」

 

 数日後。帰り道で待ち伏せしていた日菜に捕まり、適当に寄り道していた時だ。自転車を押して歩く中、急に隣に来て言い始めた。ふい過ぎる日菜の発言に嫌な予感がする。大抵こう言う場合はどこかに連れ回されるパターンだ。

 

「観たい映画があるから連れて行って!」

「……仕方ないな」

「やった〜! さすがゆーくん」

 

 この前紗夜と2人で出かけたからな。今回ばかりは断れない。それに今度の土曜日はバイトないしな。・・・ないの知ってたわけじゃない? よな。

 

「当日行って観れるやつか?」

「たぶん大丈夫!」

「若干怪しいなおい」

 

 人気の映画になってくると予約しないと見れないとかザラにあるからな。人気のアニメが映画化すると予約も出来ないとか。

 

 まぁこの場合は見れなくても日菜のことだ。別のことをその場で考えつくから心配ない。ある意味日菜と居ると退屈しないぞ。

 

「なんとかなるよ!」

「そうなるといいな」

 

 俺と出かけるってなるとだいたい紗夜も誘うんだけどな。今回はそういう言動がないから誘ってないのか。いろいろ腑に落ちないところがあるが、今は気にしないでおこう。

 

「そういえば土曜日バイトないの?」

「ん? 知ってて言ったんじゃないのか?」

「ううん。違うよ?」

 

 知らなかったんだな。なんだこのプチ奇跡。というか最初にまずバイトないか確認してくれ日菜よ。そんなところも日菜らしいが。

 

 




主人公は以前SPACEでバイトをしていたという設定です。いろいろあって今はCiRCLEでバイトをという形ですね。そのうちCiRCLEのことを書いていこうと思います。

この前息抜きで書いている小説も投稿しましたので、興味があったらぜひ。タイトルは"気になるのはお隣さん"です
燐子ヒロインのお話です。

2021/12/23追記
紗夜さんのスマホってAndroid?からいつのまにかiPhoneに変わってますよね笑 1番最初の特訓前のイラストで写ってます。後半は全部iPhoneです笑
ちなみに主人公はiPhoneとAndroid両方持っているという設定です。パスワードはまだ秘密ですよ笑 色はiPhoneが黒にケースが赤。Androidがオレンジ色でケースは透明です。


それではまた次回。
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