※ウマ娘 プリティーダービーとは一切関係ありません。
個性豊かなハジケリスト達と二人三脚! 憧れのボーボボと一緒に戦うため、今日から俺がお前の先生だ! さあボーボボを目指してレッツ・ゴー!
第零話
『ハゲはなぜモテるのか?』
時は遡り、今より遥か昔――。
一人の禿頭の男が荒野を旅していた。男は自らの頭髪について悩みを抱えていた。そのせいだろうか? いつもは穏やかなはずの男の眼光は鋭利な刃物のように鋭く、見る者を震え上がらせたという。男は自らの名をツルリンと名乗った。ツルリンはある日のこと偶然にも一人の少女と出会った。年の頃十四、五歳ほどの黒髪をおさげにした少女だ。少女は自らを『アフロディーテ・ラブラティー』と名乗り、彼に尋ねた。
「あなたの悩みを聞かせてください」
「私の髪がいつまで経っても生えてこないのです」
ツルリンは涙を流しながら自分の現状を訴えた。
「安心してください。私は神の力を授かった者です。あなたの頭に髪の毛を与えてあげましょう」
少女の言葉にツルリンは感謝した。そして彼女はツルリンの額に口づけをした。すると不思議なことに、彼女の口から吐息のような煙が吐き出され、彼の額の皮膚細胞に浸透していった。やがて、ツルリンは奇跡を見た。
「ああ……この私が若返っていく……」
なんと、あれほどツルピカだった彼の額に、僅かな髪毛が生えてきたのだ。それだけではない。みるみるうちに、彼の身体に生命力が蘇り、肉体は瑞々しさを取り戻していった。彼は喜びに溢れた。
「神よ……ありがとうございます」
こうして、二人は共に旅をすることになったのだが、この時から既にツルリンは彼女に心を奪われていたらしい。彼女はツルリンが望めば望むだけの富と、名声と、愛を与えた。いつしか二人は恋に落ちた。だが幸せは長くは続かなかった。二人の前に恐るべき敵が現れたのだ。そう!
「フッハハー!!」
あのボーボボだ。
かつてボーボボは言った。お前らの命を刈り取ることが、俺にとっての至福だと。そんな奴らに、幸せな人生など歩ませない。そう心に誓った俺は決意を新たにする。そう、ボーボボは宣言する。
「お前ら全員のハゲ頭を拝みに行くぜ!!」
――ボーボボはどこからか取り出した『ハサミ型ドライバー』(※第一話で首領パッチが所持)を構えると、それを腰だめにして一気に回転させた。ギュルルルと高速回転するそれは次第に加速していき、遂にはその先端がドリルのように鋭く尖っていった。
「ボーボボアタック・改!」
ドカーン! と音を立ててボーボボの体が弾け飛んだ。全身から凄まじい量の鮮血が吹き出し、周囲に雨の如く降り注いだ。しかし、その程度で怯む者は誰一人いなかった。なぜなら皆がハゲだからだ。彼らは恐怖よりも己が信念に従い、ボーボボへと立ち向かっていった。
「おおおー!」「うおー!」「いけえー!」「殺っちまえー!」
「行くぞ!」「おおー!」「待ってろー!」「殺せー!」「死ねー!」
「俺の屍を越えて行け!」「死んでたまるかー!」「ボーボボ、覚悟しろ!」「毛玉を出せ!」「殺す気でやるぞ!」「毛玉を食わせてやれー!」
戦いは壮絶を極めた。毛髪戦士達はその生命を賭してボーボボへ襲いかかった。
「くっ……まだだ! 俺は絶対に負けねえ! 諦めなければ、必ずチャンスは巡ってくるはずだ……俺はまだ生きている! だから、もう一度勝負させてくれ!!」「ああ! やって見せよう!」
ボーボボとの戦いが激しさを増すにつれ、戦士達の士気も高まっていった。だがそれでも戦況を覆すにはいたらなかった。このままボーボボに敗れてしまうのか? 毛根に絶望的な影が差しはじめたその時――突如、天が裂けるような音が轟き渡った。
空を見上げる一同の目が驚愕に見開かれる。そこには『アフロディーテ』が立っていた。彼女が身に纏っている服こそ以前見た時とは違うが、それ以外は全く変わらない。その姿は神々しい光に包まれていて神秘的ですらあった。彼女の姿を認めた瞬間、戦場に静寂が訪れた。誰も彼もの目と耳が彼女の姿を追い求めていた。
「あれは一体何だ!?」「天使なのか? それとも……神様か?」
誰もが息を飲む中、彼女はその手に巨大な戦斧を持っていた。
「私は神の力を与えられた者です。私の力を授けます。この力を持ってすればあなた方は無敵となります」
彼女の姿を目の当たりにして、ハゲ達の顔色が変わった。
「なんだあの美しい女性は……。あの人の頭を見てくれ。光り輝いている。なんて綺麗な髪の毛なんだ……」
彼女は手始めに、近くにいたツルリンに手招きした。ツルリンは言われるがまま彼女に近づいた。そして、その額に唇を当てた。
すると次の瞬間ツルリンが大爆発した。あまりのことに全員が仰天する中、彼女だけは落ち着き払っていた。
「今、私の力であなたの頭を豊かにしてあげました。どうですか?」
ツルリンは両手を広げて言った。
「あ、頭が軽い……何も生えていない……」
ツルリンは叫んだ。
「神よ……ありがとうございます」
そして彼女は、自らの使命を理解したように告げた。
「安心してください。私は神の力を授かった者です。あなたの頭に、再び髪の毛を与えてみせましょう」
そう言って彼女はツルリンに優しく微笑んだ。そして再びその口から煙のようなものを吐き出す。すると今度はツルリンが苦し気に喘ぎ始めた。ツルリンは膝をつくと、そのまま動かなくなった。その様子を見た他の戦士達は、彼女の行為が何を意味するかを即座に悟った。
「ボーボボを倒せるなら……俺は……死ねる!!」
誰かが叫び、それに呼応するように周囲の者達が次々と倒れた。やがて立っているのは二人だけとなった。ハゲだ。
「ボーボボ……ついに、お前を倒すことができるのか。だが忘れたのか。この戦いはお前が仕掛けてきたことだということを。ならば、お前の命を奪うのは当然の報いだ。お前は死ぬべきだ」
ハゲ達はボーボボの前に立つと、
「行くぞ!」と叫んで突撃していった。彼らの背後では倒れていた者が続々と起き上がってきていたが、そんなことは全く眼中になかった。彼らにとって大事なことはただ一つ。そう――ハゲであることだけだ!
「フッハハー!!」
ハゲ達の気合が重なった。ハゲ達は武器を振りかざすと一気にボーボボへと飛びかかった。しかしボーボボは「うおおぉ!」と一声上げると体をひねって回転を始めた。そして全身をバネのように伸ばし、全身の筋肉を最大限に駆動させて、勢いよく腕を振り下ろした。ギュルルル!「ハゲドリル!!」
ドゴオオォーン!!
凄まじい轟音と共に大地が陥没した。巻き上げられた砂埃が風に乗って散っていく中、そこに立っていたのはボーボボただ一人だけだった。
「毛玉が欲しいのか!? だがもう遅い!」
「おおー!」「やったぞ!」「勝ったー!」
ハゲ達は沸いた。ボーボボはその光景を見渡すと言った。
「ハゲ達の戦いが終わったな」「え?」
ビュティは驚いて振り返る。いつの間にかボーボボの隣に首領パッチが現れていた。彼は肩を回してポキポキ鳴らしながら言う。
「よし、行くぞ!」
ビュティ達がボーボボに案内されて向かった先は、天の助が寝ているテントだった。天の助は先ほどまでの激戦など全く知らぬ様子でぐっすり眠っていたが、首領パッチの姿を見て飛び起きた。
「何事だ!? 敵襲!?」「俺だ! 俺が誰だかわかるな!?」
「ああうん……お前か」
首領パッチは落胆した表情を浮かべると、大きなため息を吐いてまた眠りについた。
「おい、待てや」すかさずボーボボが天の助の頭をつかみ上げ、力ずくで目を覚まさせた。
「ふが……なんだよ?」天の助が目を開く。その顔を見た瞬間、彼の脳裏にある映像がフラッシュバックした。天の助は絶叫を上げて暴れ出した。
「ウワアァ――――!!」
ボーボボは彼の手を離させると、「どうした!?」と慌てて問いかけた。天の助は何事かをブツブツ呟いていた。その目は焦点が定まっておらず、虚ろだった。
「何だよこれ……夢じゃねえのか? あれから何日経った……いや何年経ってるんだ……?」
首領パッチは彼の目の前に座り込み、落ち着かせるように話しかけた。
「天の助、しっかりしろ。お前にはまだ、大事な仕事が残っているはずだ」
「俺の仕事……?」そう言って天の助は考え込んだ。しばらくすると、天の助の顔つきが変わった。
「そうだ、俺には使命があるんだ! この世に生まれた意味はそこにあったんだ!!」
そう言って彼は再び立ち上がり、叫んだ。
「毛玉が見つからん! どこにもないぞ――!!」
首領パッチは天の助に向き直り、「そう、それだよ!」と言った。そして「おっしゃあ! 思い出せ―!」と言って彼の頭を殴った。再び「ウガアー!」と叫び声が上がる。
「そう、それこそ俺達の真なる目的、ボーボボ軍団の目的なのだ!!」
そして彼は宣言した。「さぁ、もう一度最初から探すぞ!」
天の助は再び「ウガアァ!!」と叫んで立ち上がった。
その後、ボーボボは毛の王国を治めるという、天の助の新たな使命を伝えるため毛の王国の王の元へ赴くこととなった。道中、ボーボボは改めて彼にこう言った。
「今度毛玉を探す時には、もっと広い範囲を探してくれ。あとついでにお前は『ハゲの国』の宰相になっとけ」
「なんだと! なぜそんなことをしなきゃいけないんだ!?」天の助が聞き返すと、「ハゲはみんな家族だからよ!」と答えた。「それにお前のハゲ具合なら適任だ! ハゲだけにな!」ドドドーン!(一同爆笑)
という経緯があり、毛玉探索のために天の助がボーボボ軍に加わった。ちなみに天の助の毛玉捜索隊はハゲの国にも広がっていたが、それはまた別の話である。
ボーボボ一行は再び毛の王国を抜け出そうとしていた。しかしその時、彼らの背後で悲鳴が上がった。振り向くと、いつの間に現れたのか、一人のハゲの戦士がボーボボ達の前に立ちふさがっていた。
「ボーボボ……もう逃げられんぞ。覚悟するがいい!!」
その言葉と同時に、周囲で歓声が上がった。「ボーボボ! ボーボボ!」「首領パッチ!」「ハゲの勇者、ここにあり!」次々と名乗っていく中、ボーボボの隣に立っていた天の助が「ウワアァ――!」と突然発狂した。
「ハゲはもういらないんじゃなかったのかー!」
首領パッチが天の助に向かって叫ぶ。「お前は黙ってろ!」ボーボボが天の助の首根っこをつかみ、持ち上げた。
「何の真似だ!?」ハゲが尋ねると、ボーボボは天の助を差し出して告げた。「この男も俺達の同志となった。ハゲ国でも重用してくれ」
こうして天の助は毛玉探しに駆り出され、『ボーボボ一味』の一員として日夜働き続けることになったのだった。
(終)
「……何で天の助だけなの?」と聞くビュティにボーボボが「天の助だけだからな」と答えるとハジケ組達は納得した。
○鼻毛真拳奥義・天の助大行進
● 1、まずはボーボボを筆頭とする鼻血組の皆さんで、ハゲ王国の上空へ転移します。
2、そこで空中に浮かんだ大量の天の助を、空へ向かって射出するのです。
以上。
毛玉 その1「天の助」真毛神編 完
=ごめんなさい、今回かなり長くなりましたので、毛玉その2に続きます=
【ボーボボのアフロの中について】
ボーボボの頭の中にある空間は宇宙であり、そこにあるのは何もかも飲み込む闇ではなく無数の星々である。またその星には生物が生息しており、彼らと交流することでボーボボは地球の知識を得ている。
なおこの知識の中には毛玉も含まれる模様。
またボーボボの脳髄に存在する、毛の王国の住民たちとコミュニケーションを取るための『精神感応システム』とでも言うべき通信手段が、アフロの内部では使用可能になる。
ただしボーボボのアフロは本人にしか外せないので、通信相手は基本的にアフロの中の住民のみである(つまり毛玉)。そのため通信システムはもっぱらボーボボ個人の意思を伝えるために使われる。ちなみにこれはハツヒコとの会話においても同様のことが起こったので、毛の王国では共通の機能である。
コミック パチヒロイン パチデレラグレイもお楽しみに!
※ウマ娘 シンデレラグレイとは一切関係ありません。