シンジは私のもの   作:5の名のつくもの

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皆さんお久しぶりです。さて、忙しい日々が過ぎ去りましたので更新を再開していきたいと思います。ただ、暫くぶりですのでリハビリが続きます。若干変になるかもしれないが、リハビリですのでご容赦ください。


使える手は使おう

「新手の出現か…まさか、このタイミングでね」

 

冬月はこの前のユーロNERVで発生した第三の使徒の一件についての最終報告を受けていた。幸いにも第三の使徒は対使徒封印用で仮設だが、急ごしらえで建造していたエヴァンゲリオン仮設伍号機によって殲滅されていた。よって、インパクトに繋がるような大惨事に至ることは無かった。とは言え、封印していた使徒が脱走する事態はいただけないため、再発防止などの具体的な動きを求められる。その最終的な報告がやっと入ったのである。それ自体は特段気にするべきものではなかったが、冬月としては例のエヴァンゲリオンについてが引っかかった。

 

「なぜ彼女がこの世にいるのかは分からないが、もう既に動き始めている」

 

ユーロNERVは「ユーロ」の文字から分かるように遠く離れた欧州の地に根差している。情報は入っても細部の細部までは把握しきれない。もちろん、本部から送り込んだ刺客もいるにはいるが、どうしても限界があった。今回の事態は裏で想定済みあり範囲内だったが、そのエヴァのパイロットは部分的に想定外だった。知らぬ人ならともかく、過去の知り合いなのがいやらしいことこの上ない。

 

「まぁ…いいだろう。彼女がどう動くか、お手並み拝見だ」

 

報告書を机の中にしまって、入れ替わりとして詰将棋BOOKを取り出した。仕事の合間合間に詰将棋を解くのが老人の日課だった。

 

~中学校~

 

授業と授業の間にある短時間の休み時間では各々が友達と会話する時間であろう。シンジは基本的に女子と話していた。女子といっても変な意味合いは一切に含有されていない。ガールフレンド(運命の人)のアスカや戦友であるレイとよく話している。男子と話すことは決してゼロではないが、比較すると絶対的に少なかった。

 

「今度さ、あの駅前に新しくできたスイーツバイキング行こうよ」

 

「あ~チラシが入っていたやつだね」

 

彼らは数少ないフリーな時間を2人で街を歩いたりして過ごしていた。ただ歩くのはツマラナイであるから、良さげなお店があれば突撃して2人で楽しくショッピングや食事をするのである。今回は家のポストに入れられていたチラシ広告を参照して知った、新都市交通システムの駅前に新しく出来たスイーツバイキングのお店をターゲットにした。チラシには切り取る用のクーポン券もあったため、タイミングバッチリ二重丸であろう。

 

「でも、相当お客さんが来るんじゃないかな。いくらお店の人が頑張っても、限界以上のお客さんで混んでいたら入れないし、何よりもスイーツが無くなっちゃうよ」

 

「大丈夫。こういう時こそ、私たちの特権を使うべきでしょ」

 

シンジの心配は尤もであった。人間というのは新しいものに惹かれやすい。特に食べ物だと食欲を刺激してくるため、嫌な相乗効果がある。となれば、必然的にお客が大量に寄ってお店は大混雑になることが容易に予想できた。大混雑で従業員の手が回り無くなり、店内も店外で待つ人も皆がピリピリする悪循環に陥るかもしれない。それをどうにかするのがお店側だから、努力に期待するのが普通だ。しかし、アスカは切り札を持っていた。自分たちの特権は使わずしてどうする。使える手は幾らでも使うべきであろう。

 

「ちょっと失礼」

 

トコトコと教室を後にして、人気が少ない空き教室にて制服のポケットに入れていた携帯電話を取り出した。そこからボタン一発で直接ある人と繋がる電話をし始めた。

 

「もしもし?」

 

(君から連絡してくるとは珍しい。どうかしたのかね?)

 

「別に大変なことは起きてないから。えっとね、頼みたいことがあるの」

 

(ほう。言ってみなさい)

 

「実は…」

 

※電話中略※

 

(なるほど。それならお安い御用だよ。普段君たちには大変な苦労をかけてしまっている。それで構わないなら任せてもらおうか)

 

「うん、お願いするわね。決まったらメールをちょうだい」

 

(うむ、残りの学校はきちんと過ごすのだよ。学は力になる)

 

「は~い」

 

ピ!

 

携帯をポケットに戻して、教室に戻っていった。

 

さて、教室側では、数分程待っているとアスカは教室に戻って来た。そして、定位置であるシンジの前の椅子に座った。彼女の表情は「フフンッ」とやけに誇らしげであって、シンジは何かしでかしたのではないかと推察せざるを得なかった。

 

「もしかして…」

 

「そ、私たちの偉大な司令官に頼んだの」

 

シンジの読みは的中していた。アスカはNERV本部司令の冬月にある事をお願いするために電話をかけた。一応、ここは学校であるため通話は緊急時か許可を得ない限り禁止されている。ただ、それは原則の話だ。シンジ、アスカ、レイの3名はNERVの人間で且つ緊急時か常時を問わず上の人と連絡を取り合う必要性が富士山よりも高い。彼らに学校の校則を適用することは現実的ではないと判断され、特例として色々と免除されていた。今回の電話はその一つである。

 

「その気になれば丸々一店舗を一日貸し切りに出来たけど、そこまで迷惑な人間になる程私は酷くないから。事前の予約枠としてねじ込んでもらった」

 

「そんな力あるんだ…」

 

シンジはNERVが人類の存亡を担っているから諸方面で特権や政府以上のパワーを有していることは知っている。しかし、そんな商業の意味での民間部分にまでねじ込んでいけるとは思わなかった。

 

「別に気負わないでいいわよ。お店側としては特殊でも予約してもらえれば調整しやすいから」

 

「ならいいけど。あ、そうだ。お礼として先生にはお土産を持って行かないと」

 

アスカから頼まれた冬月には後でお礼としてお土産を持って行こうとシンジは決めた。本人は断りそうな気がするが、そこはゴリ押しを決める。冬月にはパイロット皆がよ~くお世話になっている。司令という立場である以上、彼らを使役する外見をしているが、老人は年齢相応以上に優しい人間だった。その恩は必ずや返さなければならないだろう。

 

「追々予約について連絡が入るから、携帯は見ておくのよ」

 

「はいはい、分かっているよ」

 

予約内容などが決まれば冬月を介してメールが来るはずだから、見忘れないように逐一チェックしなければならない。まぁ、彼らのような学生に送られてくるメールは少ないし送り主も限られているので見逃すことは絶対に無いだろう。

 

シンジとアスカはスイーツバイキングに行くことを楽しみにしていればよいのだ。

 

続く

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