というクリスマスプレゼント感覚で書きました。
正真正銘これが今年最後の投稿です。
そしてこれはあくまで『有り得る展開』であり、この小説の確定した未来というわけではないので、ご了承ください。
「ここは…どういう世界だ?」
遠くに見える、半球状の黒い何か。
都市の外に広がる荒野。
都市を歩く二頭身で二足歩行の機械や、動物の特徴を持つ人の姿。
それを見た青年…“世界の旅人”、華貫頼斗の第一声は、至極単純な疑問だった。
「――…じゃあ、頼斗さんは文字通り『異世界』から来たってこと?」
「ま、そうなるかな」
頼斗がこの世界に来てから数ヶ月後。
紆余曲折を経て、今はここ…『新エリー都』の六分街にある、二人の兄妹が営むビデオショップ、『Random Play』の住み込みアルバイター(家事担当兼店員等)として、頼斗は生活していた。
快活そうな少女…この店の店長の片割れでもあり、伝説級のプロキシ『パエトーン』の片割れでもあるリンの言葉に、頼斗は肯定で返した。
「『ホロウ』が無い世界か…良いとこなんだろうね~…」
「そうでもないさ。国々は何時戦争してもおかしくないぐらいピリついてるし、差別だってこの世界より酷い。ホロウっていう明確な『敵』のおかげでシリオンの人たちへの差別があまり無い分、俺としてはこの世界の方が心地良い。それに…」
「………それは?」
頼斗が話しながらふと手に取った何かを、リンは興味深そうに見る。カチャリと音を立てて開いたペンダントには、頼斗に抱きつく金髪の少女と共に、少女と同年代らしき少年少女たちや、頼斗の父親らしき人物が映った集合写真が埋め込まれていた。
「………最愛の人との思い出、かな」
「……その人って」
「死んではないよ。向こうで元気にやってるさ。ただ――」
「?それってどういう――」
リンが聞こうとした時、頼斗のポケットから警告音が響く。素早く端末…ビルドフォンを取り出した頼斗は、その画面を見ると先程までの懐かしむような顔を引き締め、立ち上がった。
「…ニコからの緊急連絡だ。依頼中にアンビーとビリーが『ホロウ』に落ちたらしい。もうすぐニコがここに来る。値段交渉は任せるね」
「…いってらっしゃい」
リンの言葉にサムズアップで応えた頼斗は、店の入り口に手を掛け…ふと、思い出したようにリンの方を向いた。
「さっきの続きだけど…この街の雰囲気は、どこか懐かしくてとっても好きになれる。だから、俺はここを守りたい。それだけ。じゃね!」
そう言い残して、頼斗はビルドフォンを変形させ、ホロウの方角へ走り去っていった。
「…行っちゃったのかい?リン」
「………うん」
店の奥の扉から出てきた灰色の髪の青年…リンの兄であるアキラの言葉に、リンは頼斗が出ていった店の扉から目を背けずに頷いた。
「…ねぇ、お兄ちゃん」
「どうしたんだい?」
「『人の中から消える』ってどういうことかな」
「………頼斗さんが、そう言ってたのか?」
「…うん」
リンの疑問に、アキラは軽く腕を組み考える。すると、アキラが出てきた扉の奥から機械質な声が聞こえてきた。
『予測。恐らくは、『対象の記憶領域から頼斗様の情報が消滅したことで、広義的に対象から存在そのものが消滅した』ことを指した言葉であると思われます』
「ということは、彼女さんの記憶喪失…?」
「なのかな……。あたしさ、なんとなくあの人をほっとけないんだよね。まるで――」
――涙を仮面で無理矢理隠してるみたい。
そう言うリンの顔は、どこか儚かった。
さて、いかがでしたか?
ゼンゼロは面白そうだけど、インストールしたらPCがクッッッソ重くなったので、泣く泣く削除しました。
必要な容量多スギィ…