マッドでヤベーイやつにしか変身できないんだが   作:ジューク

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どうも皆さん、ジュークです。
今回で九校戦編は完結です。
次回から横浜騒乱…の前に夏休みですね。
ではでは、どうぞ!


スレNo.13

 

 

 深雪が飛行魔法によって本戦ミラージ・バットで優勝したことにより、最終日のモノリス・コードの結果を待たずして一高の優勝は確定した。

 

 

 そしてその功労者の一人である達也は、現在は横浜ベイヒルズタワーの屋上で、同じ国防軍独立魔装大隊所属である藤林響子と『無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)』の東日本総支部がある横浜グランドホテルの屋上を見ていたが、達也はとある異変に気づいていた。

 

 

「………ん?」

 

「?どうしたの、達也君」

 

「………無頭竜のアジトに襲撃の痕があります」

 

「……え?」

 

 

 達也の視界には、天井に大きな何かが内部から突き破ったような穴がぽっかりと空いている様子が映っていた。そして達也は自身の異能とも言える『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』を使用して中にいるであろう幹部を探る。

 

 

 しかし、どこにも生体反応はなかった。

 

 

「…少尉。アジトに向かいましょう」

 

「ち、ちょっと達也君?さっきから何を…」

 

「もう敵の幹部は死亡しています。何者かの襲撃によって、です」

 

「…どうやってあの場所を特定したの?私たちですら『ミズ・ファントム(小野 遥)』から聞き出した情報をベースにしたのに…」

 

「とにかく、今は生きてる人間は誰もいません。中で情報を探すしかないかと」

 

 

 そう言ってグランドホテルへ向かうために達也は屋上から地上へ向かい、藤林もそれに続いた。

 

 

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

 

「………これは…」

 

「…何、これ……!?」

 

 

 レストランの中は、惨劇の一言に尽きた。

 

 

 所々に血痕や、人のものと思われる肉片。そしてドミノ倒しのように連なった中年男性の死体。更にはボディガードのような黒服の大男…改造人間である『ジェネレーター』の死体が二つ。

 

 

 何より目立つのは、中年男性たちの死体の先の壁にある、蝙蝠を模した家紋のような窪みだ。血の痕を一切被っておらず、まさしくそれは断罪の証となっていた。

 

 

「………少尉。この紋様に心当たりは?」

 

「…無いわ。こんな紋様、見たこともない」

 

「…傷痕も新しいし、血もまだ乾いていません。恐らく、我々がベイヒルズタワーの屋上に来る前、おおよそ十分程で殺されたものと思われます。何かを運び出した跡もありますし、これ以上の情報は無いかと」

 

「…口封じ、かしら」

 

「…或いは、個人的な怨みを持つ第三者か………それも『ジェネレーター』の骨を粉砕骨折するレベルとなると相当な強者です」

 

「…そんな人物と鉢合わせになってたらと思うとゾッとするわね」

 

 

 現場の写真を証拠として撮しながら震える藤林を他所に、達也はある程度この惨劇を起こした人物を予想していた。

 

 

「(………仮面ライダー…恐らくは華貫頼斗。彼で間違いないだろうが……何故反撃をしてこない?彼にこの惨劇を作るメリットは…)」

 

 

 …だが、神から与えられたミッションであり、頼斗本人も後輩を傷つけられて怒っていたから、という考えが浮かぶはずもなかった。

 

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

 

 

 時は、おおよそ達也たちが横浜ベイヒルズタワーの屋上に来る十三分前まで遡る…。

 

 

「『覚悟しろ、『無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)』。貴様らの絶望に夜明けはない』」

 

 

「じ、十四号!十五号!殺せ!」

 

「了解シマシタ」

 

「排除シマス」

 

 

 無頭竜の幹部たちは、怯えながらも自分たちの切り札である『ジェネレーター』二体に敵の抹殺を指示した。怯えてはいるが、さすがは国際犯罪シンジケート、と言うべきか。

 

 

 しかし、人智を超えた『仮面ライダー』の前でその才能は無意味に等しかった。

 

 

「ぬあぁ!むん!!」

 

 

 頼斗は十四号を天井を突き破る程の勢いで蹴り飛ばし、十五号と呼ばれたもう一体のジェネレーターを闇のエネルギーを纏った拳で殴った。命中と同時に闇のエネルギーが十五号の内部を侵食、内部の骨を悉く粉砕させた。見た目はまるで腹パンのようだが、十五号は全身の骨を砕かれたことで血反吐を吐き、行動不能になる。

 

 

「がああぁぁあぁっ!!」

 

 

 そして重力に従って天井に開いた大きな穴へと墜ちてきた十四号を十五号に向けて再度蹴り飛ばした。

 

 

 怒りのままに放たれた、たった三撃で無頭竜の切り札は完全に沈黙した。

 

 

「………これでこの鬱陶しい肉達磨は終わりか?さて、無頭竜の幹部共よ。覚悟はできたか?」

 

「ヒッ!?な、なぜだ!?貴様が怒っているのは九校戦だろう!?我々は、我々は誰も殺さなかったではないか!!」

 

 

 幹部の一人がヒステリックに叫ぶ。しかし、王の前には耳障りでしかない。

 

 

「だから?」

 

「…え?」

 

 

 そのたった一言で、無頭竜の幹部たちは呆気に取られてしまった。

 

 

「所詮『結果論』。お前たちは、私の大切なものを殺そうとした。その時点で、お前たちの運命は、もう決まっている」

 

「…そ、そんな………」

 

「貴様らに王の判決を言い渡す」

 

 

 そして、頼斗は一つの金色の笛…ダークキバの『ウェイクアップフエッスル』を取り出した。

 

 

「“死”だ」

 

 

 そう言った瞬間、頼斗の足元にエメラルドグリーンの靄を放つダークキバの紋様が現れ、無頭竜の幹部たちを拘束し、一列に並ばせる。

 

 

『ウェイクアップ・Ⅱ!』

 

 

 フエッスルをベルトに収まっているキバットバットⅡ世に咥えさせ、二回下顎を叩く。

 

 

 フエッスルから笛とは思えない程に絶望的で、壮大なパイプオルガンの音色が響くと、辺りが紅い霧で包まれる。

 

「はあぁぁぁ…!!はっ!」

 

 

 頼斗は力を込め、同じく血の色に染まった月と重なるようにジャンプし、キックの構えを取る。そして…

 

「た、助け」

「だああぁぁああぁ!!!!」

 

 

 …ダークキバの使う最凶の必殺キックである、『キングスバーストエンド』が、無慈悲にも助けを乞う幹部たちを貫き、壁にキバの紋様を刻んだのである。

 

 

『ふん、呆気ない最期だったな』

 

「無駄話はいい。さっさとこれを持って帰ろう」

 

『うむ』

 

 

 レストランにあるガラ開きになった隠しスペースから持ってきた、整理中だった大量の資料を手に提げて頼斗はオーロラカーテンをくぐった。

 

 

――仮想転移(ログイン)中…――

 

 

201:転生者の相談役 ID:CalLSensEi01

さてと、だ

 

202:米花町のスパイダーマッ ID:Ito2kaIAraI

イッチ。やり過ぎって知ってるか?

 

203:マッドな元雑草ライダー ID:MadnA8bEe82

面目ないです…

 

204:シンカリオンの保線作業員兼オレンジ6号 ID:ToQ6BuIldeR

てか思ったけどさ、やっぱイッチ暴走してない?

 

205:デトアラのスタンド使い ID:OrA6dArasH

暴走と言うより二重人格か?士道の妹みたいな

 

206:音速のトレーナー ID:O21saMaN

>>205妹と聞いて

 

207:悪魔高校のバキ刃牙 ID:Dxd5r5rmAcHo

>>206お前取り敢えず黙れ

 

208:プリキュア世界の怪人王 ID:kA1ZinriDeR

まーでも、壊滅ってそういうことだしさ

 

209:転生者ハンター逢魔時王 ID:rA1danOo

どちらかと言えばミッションの出し方が問題だ。さっき聞いてきたが、どうやらこうなることを前提にした上でやっているそうだ

 

210:ロリ女神ファミリアの三刀流 ID:2GirIhA106O106

>>209ゑ?

 

211:転生者ハンター逢魔時王 ID:rA1danOo

向こうのスタンスでは『屑は死すべし』だと

 

212:ロズワール家の修行僧 ID:OvArOGg1

うーむ

 

213:世界を旅する飛行タイプ使い ID:16aMaGagAIBo

それは…イッチのいる世界上………

 

214:電脳空間の時喰王 ID:NAndE8

どうしようもない連中ばっかやから何とも言えへんなぁ………事実今まで潰したブランシュも無頭竜?とかも、どっちもゴミクズ集団やし

 

215:マッドな元雑草ライダー ID:MadnA8bEe82

後悔は無い…私がしたことに、最早後悔は無い…

 

216:デトアラのスタンド使い ID:OrA6dArasH

>>215花京院出してもどーにもならねぇよ

 

217:スマホ少年の相棒の英霊使い ID:LaN3ErO4

まぁ、取り敢えず?ミッション乙ってことで

 

218:マッドな元雑草ライダー ID:MadnA8bEe82

そうですね。では、俺はこれで

 

219:転生者ハンター逢魔時王 ID:rA1danOo

ゆっくり休め

 

220:マッドな元雑草ライダー ID:MadnA8bEe82

言われなくても休みますよ…

 

 

――現実転移(ログアウト)中…――

 

 

「………ふぅ」

 

 

 スレからログアウトした頼斗はドサリと自室…九校戦の会場にあるホテルではなく、東京にある自宅のベッドに寝転んだ。たしかに、リーナが入学してから今日まで色々と血生臭いことばかりしていたかもしれない。

 

 

「………いかんいかん」

 

 

 神から与えられたミッションと言えど、彼にも人を殺すことに抵抗はある。だが、その時は何時も自分に言葉を投げかけてどうにかしている。自分が憧れた仮面ライダーの言葉を。

 

 

「こんな顔、アイツ(リーナ)には見せられねぇしな。さ、気合い入れるか!…の前にもう寝よ」

 

 

 パジャマは着た状態だったため、頼斗はそのまま眠りに就いた。

 

 

――仮想転移(ログイン)中…――

 

 

221:転生者の相談役 ID:CalLSensEi01

皆さん、聞きたいことがあるんですが

 

222:米花町のスパイダーマッ ID:Ito2kaIAraI

言わんでもいいよ。やっぱそっちにも来てたか

 

223:シンカリオンの保線作業員兼オレンジ6号 ID:ToQ6BuIldeR

まぁ、こんな大がかりはミッションなら事前に予定合わせとかんと後が面倒だろうしな

 

224:電脳空間の時喰王 ID:NAndE8

ワイんとこにも来たわ。ったく、こっちは七十三層攻略したばっかやぞ?

 

225:音速のトレーナー ID:O21saMaN

こっちも同じくレース控えてるよ。模擬だけど

 

226:ロズワール家の修行僧 ID:OvArOGg1

私としては休暇貰えば良いだけですが

 

227:デトアラのスタンド使い ID:OrA6dArasH

こっちもそろそろ夏休みだからな。問題はねぇ

 

228:悪魔高校のバキ刃牙 ID:Dxd5r5rmAcHo

>>227に同じく

 

229:スマホ少年の相棒の英霊使い ID:LaN3ErO4

学生は比較的楽だな。俺は冬夜にアポ取らんと

 

230:世界を旅する飛行タイプ使い ID:16aMaGagAIBo

こっちは元々旅の身だ。一日二日程度でも問題0

 

231:プリキュア世界の怪人王 ID:kA1ZinriDeR

こっちもだ。高卒FX稼ぎの特権、毎日が休みだ

 

232:ロリ女神ファミリアの三刀流 ID:2GirIhA106O106

俺はベルや神さんにアポ取っとかんとな

 

233:転生者ハンター逢魔時王 ID:rA1danOo

我は行けんからな。多少心配はあるのだが

 

234:隙間の悪転者狩り ID:39mAOa82luTe1Do

>>233それに関しては心配ないわ

 

235:転生者ハンター逢魔時王 ID:rA1danOo

ならいいが

 

236:スマホ少年の相棒の英霊使い ID:LaN3ErO4

ぶっちゃけもう紫ネキだけでよくね?

 

237:隙間の悪転者狩り ID:39mAOa82luTe1Do

>>236あら、私をコキ使おうとはいい度胸ね

 

238:スマホ少年の相棒の英霊使い ID:LaN3ErO4

>>237出来心です申し訳ありませんでした

 

239:世界を旅する飛行タイプ使い ID:16aMaGagAIBo

>>238テノヒラクルー速いなwww

 

240:転生者の相談役 ID:CalLSensEi01

それでは皆さん、現場での作戦会議をしましょう

 

241:スマホ少年の相棒の英霊使い ID:LaN3ErO4

>>240異議無し

 

242:プリキュア世界の怪人王 ID:kA1ZinriDeR

同じく

 

243:デトアラのスタンド使い ID:OrA6dArasH

相談ニキは指揮官担当か?

 

244:転生者の相談役 ID:CalLSensEi01

>>243はい。当日全員に特製の通信デバイス渡すので活用してください

 

245:悪魔高校のバキ刃牙 ID:Dxd5r5rmAcHo

>>244使い方どうすんだ?

 

246:マッドな元雑草ライダー ID:MadnA8bEe82

ボタン押して話したい相手の名前を浮かべたら脳波読み取って繋がりますので、そうですよね?

 

247:米花町のスパイダーマッ ID:Ito2kaIAraI

ああ。バッチリ仕上げておく

 

248:シンカリオンの保線作業員兼オレンジ6号 ID:ToQ6BuIldeR

流石だな米花ニキ

 

249:米花町のスパイダーマッ ID:Ito2kaIAraI

あったぼうよ!

 

250:転生者の相談役 ID:CalLSensEi01

さて、では開始しましょう。作戦会議

 

 

 

 

 

   See you Next thread…

 

 

 




さてさて、いかがでしたか?
夏休みを挟んだ後、横浜騒乱編です。
そして、評価赤バー復帰&お気に入り四桁突入。
ここまで来れたことと、この小説を読んでくださっている方々に、改めて感謝します。
今後とも、この『マッドでヤベーイやつにしか変身できないんだが』をお楽しみください。
では、また次回で。

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