やって来ました、完全オリジナル超大作(予定)!
シナリオを脳ミソ搾り上げて書いてます。
ではでは、どうぞ。
スレNo.EX1
…――くんは、怪物にやられた。
…―――ちゃんは、怪物に連れ去られた。
…――先輩も、連れ去られた。
…もう、誰がどうしてるかもわからない。
…大切な友達の―も…。
…大好きな――さんも、何処にいるのかすら…
「………誰か…誰でもいいから、助けてよ…!」
とある世界の廃屋のような場所で、縮こまり、机に向かって何かを書きなぐりながら涙を流す少女…光井ほのかの先には、廃れ、黒煙が昇る東京が広がっていた…。
「………はぁ…」
『CLOSED』の看板が掛けられた寮安堂で、頼斗はアフタヌーンティーに興じていた。
「………平和だ…」
去年の四月には反魔法師団体『ブランシュ』、八月に香港系犯罪シンジケート『
それに加えて大学生としての授業を考えると、ここまでだらけられる一日というのもかなり久しぶりだと感じられる。
「しっかし、何しようか…」
そう、問題はそこだ。
リーナは現在、南盾島に観光しに行っており、頼斗は暇をもて余していた。
「………どっか適当に出かけるか」
修理を行っている嶺平に一言かけ、頼斗は小振りのショルダーバッグを肩に掛けて外へ出た。
「………ホンットに何しよ。この後」
二段アイスを食べ、スプーンを口で上下に振りながら頼斗は上を見上げて呟いた。
「正直言って思いつかないんだよな…こんな事でスレ使って安価取るのも何か違うし…」
平和も平和で色々と問題だ。そう思った瞬間、ショッピングモールの家電量販店が爆発した。
「うぉっ!!?何だ!?」
頼斗が思わず手摺に身を乗り出して爆発した店舗を見ると、店舗の防火シャッターを突き破って三体の異形の怪物が現れた。
鉤爪にも鋏にも見える左腕を持つ蒼い甲殻類。脱皮したてなのか、その体は若干柔らかそうだ。
紅い炎のような鬣を持つ二足歩行のライオン。
右肩に回転式機関銃、左腕に二丁のミサイル、右腕にジェットエンジンを装着した飛行機人間。
それらにすぐピンと来た頼斗は焦った。
「………キャマラスワームにライオンインベスにバーニアバグスター…何がどうなってんだ!?」
ミッションであるならまだしも、何の前触れも無く怪人、それも系統がバラバラの怪人が同時に三体も出現するのは彼から見ても異常だった。
「周りに人は…いねぇな。だったら!!」
頼斗がベルト…ライダーベルトを腰に装着すると、虚空から赤いカブトムシ…カブトゼクターが飛来してきた。頼斗はそれを片手でキャッチし、言い放った。
頼斗がカブトゼクターをライダーベルトにセットすると、正六角形の光と共に頼斗にアーマー…マスクドアーマーが装着され、頼斗は『仮面ライダーカブト:マスクドフォーム』に変身した。
そしてすぐにカブトゼクターの角…ゼクターホーンを半倒しにすると、アーマーが展開準備を始める。
頼斗がゼクターホーンを完全に倒すと、マスクドアーマーは初速2000m/sの速さでパージされ、顎のローテートを軸にしてカブトムシの角…カブトホーンが引き上げられ、頼斗は『仮面ライダーカブト:ライダーフォーム』にフォームチェンジした。
「……見た感じ、あのキャマラスワームは成虫に成りたてだな。だったら楽だ」
未だ頼斗に気づいていない怪人たちを、頼斗は睨み付けた。
「………よし、終わった。…ん?」
一方その頃、華貫嶺平は寮安堂の修理部屋でゴーグルを外して満足げに頷いた。しかし、突然ドサリと店の方から音がしたのに反応した。
「キャアアアア!!?」
「!?な、なんだ!?どうしたんだ!?」
シルヴィアの悲鳴に驚いた嶺平が店の方に向かうと、そこにいたのは…
「……はぁ……はぁ…」
血塗れで荒く息をしながら床に倒れ伏している一人の金髪の女性…八雲紫だった。
「これで…最後ッ!!」
カブト系ライダーの能力『クロックアップ』を展開したまま放たれた頼斗の必殺キックをくらい、ライオンインベスは爆散した。
「………いきなりなんで怪人が…ん?」
変身解除した頼斗は、自身のビルドフォンが鳴っているのに気づき、応答した。相手は嶺平だ。
「どしたの父さん?」
『頼斗か!?すぐに寮安堂に戻ってくれ!大変なんだ!!』
「!?…わかった。すぐ行く」
そして頼斗はオーロラカーテンを出し、くぐり抜けた。
「………ぅ、うぅ…?」
「あ、気がついた」
包帯を頭に巻いた紫は、頼斗の部屋のベッドで目を覚ました。
「………こ、こは…?」
「ここは『寮安堂』。大丈夫かい?」
「寮安堂………!!そうだわ!あなた、今ここに『頼斗』はいる!?」
「あ、あぁ…頼斗!目を覚ましたぞ!!」
「ホント!?よかった~…」
「まったくだ。あそうそう、これ頼まれてた奴」
「お。サンキュ」
「取り敢えず、俺は抜けるぞ」
何やら事情を察したのか、嶺平は部屋を後にした。そして、頼斗と紫は向かい合う。
「…で、どうして紫ネキがここに?しかもこんなボロボロになるなんて、相当ですよ?」
「………ニュースを見なさい。今頃、世界は大変なことになってるわ」
「?」
訝しみながらも頼斗がビルドフォンを見ると、ちょうど速報が流れていた。
『――速報です。イギリスのロンドンで、突然大量の未確認生物が発生しました。現在イギリス軍が殲滅に取りかかっていますが、作戦は難航しているとのことです』
一般人が撮影したのだろうか、荒い画質の映像には、ぽっかりと口を開けたボロボロの包帯男…屑ヤミーを大量に率いる蒼い結晶のような物が身体中にあるゴツい怪物…ストロングスマッシュが暴れている様子が映っていた。
「………紫ネキ、これって…」
「…並行世界よ」
「並行世界?」
紫の一見見当違いのような返答に頼斗は疑問符を浮かべた。
「こことは違う『魔法科高校の劣等生の世界』でとんでもない事態が起きてるの。私はそれを鎮圧するために向かったのだけど…予想外の力と遭遇してね。結果はこのザマよ。でも…早く止めないと、『魔法科高校の劣等生の世界』とは全く関係ない世界にまで影響が出かねないわ」
「………でも、どうしたら…ん?」
頼斗が状況の難しさに俯くと、自分のポケットが発光しているのに気がついた。そのポケットをまさぐって取り出したのは、マゼンタ色の横長の時計…ディケイドライドウォッチだった。
「なんだ?………うぉっ!!?」
ディケイドライドウォッチを見ていると、突然頼斗の胸から一つの発光体が飛び出た。フヨフヨと空中を漂うそれは、同じくマゼンタ色の時計…激情態ディケイドのライドウォッチだ。
「オイオイ、一体何がどうなって…!?」
と、頼斗の掌からディケイドライドウォッチが離れ、激情態ディケイドライドウォッチへと近づく。そして二つのウォッチはグルグルと渦を描くように回転し、一際強い光と共に一つのライドウォッチとなった。形状は激情態ディケイドライドウォッチだが、額のシグナルポインターは激情態の紫ではなく通常の黄色になっている。そしてウォッチは再び頼斗の手に収まった。
「ウォッチが…一つになった………!」
頼斗が驚いていると、次の瞬間、想定外のできごとが起きた。
「へ!?ちょなんで…うわああぁぁ!!?」
「!待って!!」
ひとりでにライドオンスターターが押され、オーロラカーテンが現れる。反応する間も無く頼斗はオーロラカーテンの向こうへと吸い込まれた。
「………マズい…このままでは頼斗が危ない!」
紫は体に鞭を打って立ち上がった。
「………ここは…?」
頼斗がゆっくりと目を開けると、そこはどこかの都市だった。
否、文字通り
ビルは大小関係無くほとんどが瓦礫と化しており、嘗ての繁栄の面影はほとんどなかった。辛うじて形を保っている建物も今にも崩壊しそうな程にボロボロだった。当然、人の気配も無い。
そんな中、ある程度通りを探索していた頼斗は驚くべきものを見つけた。
「……まさかここって、東京!?」
頼斗が目にしたのは、錆びた看板。店舗名こそ掠れて読めないが、右下の辺りを見ると、確かに『八王子支店』と書かれていた。
「つまり、ここが紫ネキが言ってた並行世界?」
何がどうなったらここまで東京が荒れ果てるのか、と頼斗が呆然としていた時。突然轟音と共に黒煙が立ち上った。
「うぉっ!?爆発!?……あっちか!」
頼斗がそちらへと走って向かうと、通りの角から多くの人々が逃げ出してきた。
「逃げろ!!奴らが現れた!!!」
「早く!早く!!」
「誰か!娘を知りませんか!!?」
口々に叫びながらも通りから逃げる人々。そして人々に遅れて現れたのは…
「………おいおい、嘘だろ…!?」
本来の仮面ライダーの歴史を歪められて誕生した怪人…三体のアナザーライダーだった。
さて、どんな長さになるのやら…(遠い目)
最後までお付き合いいただければ幸いです。
そして最初の方フェアリーテイ○のやつじゃね?と思った皆さん。主もこれ書いてる途中で気づきました。
でも悲惨な感じ出すにはこれしかなかった…。
そんなガバ調子ですが、ガんバります。
では、また次回で。