オリジナル長編の一話を投稿した途端、お気に入りが一時間で一気に七つも減ってしまいました。
やっぱやらない方がよかったか…?
しかしもう誰にも止められねぇ!(自暴自棄)
ということで二話目です。
さぁ、いよいよ黒幕が明らかに…!?
ではでは、どうぞ!
歪んだ鷹の頭部と虎の両前足、バッタのような脚部を持つ怪人…アナザーオーズと、『KEEP OUT』のテープが巻かれた盾を持ち、左目が壊れた車のヘッドライトのような赤い怪人…アナザードライブと、肋骨と胸骨が浮き出たような上半身を持つ怪人…アナザーファイズの三体は、街で破壊の限りを尽くしていた。
「……敵はアナザーオーズ、アナザードライブ、それとアナザーファイズ…どちらにせよ、複数のアナザーライダーに対応するにはゲイツリバイブしかない、か…」
その様子を、建物の角に身を寄せながら頼斗は分析していた。いつでも戦えるよう、既に腰にはジクウドライバーを装着している。
「………って悠長に分析してる場合じゃねぇ!」
逃げる大人たちに巻き込まれて転けた少女にアナザーライダーたちが狙いを定めたのを見た頼斗は反射的に路地から飛び出した。
「(間に合うか!?…いや!)間に合わせる!」
「変身!!!」
「うおおおお!!ハァッ!!!」
『仮面ライダーゲイツ:リバイブ疾風』に変身した頼斗はリバイブストリーマーを全開にして少女とアナザーライダーの間に回り込み、ジカンジャックローで少女に襲いかかったアナザーオーズを吹き飛ばした。そのまま頼斗は少女を抱えて人々の方へバックジャンプした。
「もう大丈夫だよ。この娘の母親は誰ですか!」
「佳奈!あぁよかった!!」
「お母さん!」
少女が無事に母親と合流できたのを見届けた頼斗は、改めてアナザーライダーたちに向かい合った。
「これで…終わらせる!!」
「うぉおおおお!!!」
リバイブ疾風の怒涛の必殺連撃で、三体のアナザーライダーは断末魔と共に爆散した。
「………怪物を倒した…!?」
「ってことは…」
「……仮面ライダー………!!」
「…ん?」
何やら人々の様子がおかしいことに気づいた頼斗が振り向くと、予想外のことが起きた。
「出ていけ!仮面ライダー!!」
「危うく騙されるところだった!!!」
「ここから出ていけ疫病神め!!」
「え!?ちょなにナニ何!??うわったぁ!?」
突然、人々が石やら何やらを投げつけてきた。頼斗は意味がわからなかったが、反射的に人々とは反対の方向へと逃げ出したのだった。
『仮面ライダーは、人類の敵!!』
『怪物を従える悪魔、その名は仮面ライダー』
「なるほどね。こんな記事が中心になってりゃ、そら石も投げられるし、こんなことにもなるか」
並行世界であるためか、問題なく起動したビルドフォンで情報収集している頼斗がチラリと倒壊した建物の隙間から外を見ると、先ほどの人々がバットやら何やらを持って辺りを見回していた。狙いは十中八九頼斗だろう。
「問題はこの記事の出所と、記事が出る理由だ。この荒廃の理由が怪人と…仮面ライダーってことになる。でも…紫ネキが負けるような仮面ライダーって…アレしかいないよな」
頼斗の頭の中には、一人の仮面ライダーが浮かんだ。
たしかに、オーマジオウならば紫が負けるのも頷ける。しかし、頼斗はすぐその答えをかなぐり捨てた。
「いくらなんでもあり得ない。オーマニキがやるとは思えないし…何よりオーマジオウの力の特典なんて、そうそう通るはずがない。が…だったら一体誰がこんなことを………」
「ナ~」
「ファッ!?」
突然聞こえた声に頼斗がビクリと反応してそちらを見ると、可愛らしい子猫が二匹こちらへヨチヨチと歩み寄ってきた。
「…うぁ~、可愛ぇ…よしよし、こっちだぞ~」
ここだけの話、頼斗は猫好きである。頼斗は思わずビルドフォンでカシャカシャと猫の撮影会を始めていた。
「よ~しよし、もちょっと寄って~。は~いそうそう。そんな感じでもう一………ま、い…」
身を乗り出し、完全に頼斗は子猫に夢中になっていた。が、子猫が向かった方へとビルドフォンを向けた時…
バットを持つ民衆たちとバッチリ目が合った。
「………俺ってバカ?」
どこかでピンポンピンポーンと幻聴が鳴った。
「……ゼ~…ぜ~、ハ~…何してんだ俺…普通に変身解除しろっての………!」
そう言って変身を解除して再び頼斗が外を見ると、そこには見慣れた人物がいた。
「達也くん!」
思わず身を乗り出してその青年…達也の名を頼斗が言うと、達也はクルリと頼斗の方へ振り向いた。
「貴方は…?」
達也がそう言った瞬間、頼斗は自分のミスを悟った。
「(しまった!ついいつものノリで…ここは並行世界だからまだ俺とは面識無いんだ!)…あ~、ごめん。ウチの親類に君みたいな顔の『
「………そうですか…と、納得するとでも?」
「(デスヨネー)」
どうやらここでも誤魔化しの効かなさは健在のようである。
「はぁ…じゃあ、正直に話すよ。俺は…」
「………並行世界の人間…?」
「そ。こっちでも、この世界みたいに怪人があちこちで現れててね。知り合いの話では、こっちの世界からの影響らしくって…それを止めに来た」
「………本当にそんなことが?」
「でも、現にこの世界は怪人のせいで滅茶苦茶になってる」
「………」
「馬鹿げた話だってことはわかってる。けど……こっちだって必死なんだ。一刻も早くこの世界の異変を止めないと、俺の世界も危ない」
「…事情はわかりました。ですが、一つだけ」
「…何だ?」
達也は真剣な顔で頼斗を見た。
「なぜ、そんなにも危険なことをやろうとしたんですか?もしかしたら、貴方の世界の異変はこの世界とは関係ないかもしれないのに、なぜそこまで命を簡単に懸けられるんですか?」
「………」
頼斗はクルリと達也と反対方向へ数歩歩く。そして振り向き、答えた。
「簡単じゃない。俺だって勿論怖いさ」
「…だったら「けどさ」…?」
「…」
「ま、そんなとこかな。それに…どっちみちこの世界の人たちが…それも、会ったことがあるかもしれない人が傷ついてるのを放ったらかしにはできないよ」
「……わかりました。ですが、どうやって奴らを止めるつもりですか?」
「(ギクッ!?)」
頼斗の理由を聞いた達也は、頼斗が最も聞かれたくないことを質問してきた。
「奴らには普通の武器や攻撃は効きません。奴らを倒す方法が、何かあるのですか?」
「そ、それは…………!?」
「?……!!」
達也の問いにしどろもどろになっていた頼斗は、突如
「………アイツは!!」
その人物が誰かわかった瞬間、頼斗は大きな声でその名を口にした。
並行世界で、再び二人のライダーは出会った。
最悪の敵同士として。
さて、いかがでしたか?
安定と信頼のクソザーコモノ君でしたね。
さて次回、いよいよ本戦(?)です!
ではでは、また次回で。