さて!皆さんお待ちかね、アイツが登場です!
前半のロボもクライマックスでいきます!
ではでは、どうぞ!
二体のダイマジーンと、耀真のアイデアで完成したライナーロボは互いに睨み合っていた。が、その均衡を最初に破ったのはダイマジーンだ。言葉にならない雄叫びを上げ、こちらへと突っ込んでくる。
「てかこれ武器どないすんねん!!」
「武器?あるじゃん。両腕に」
「へ?」
耀真がハンドルを左に曲がるように勢いよく傾けると、ライナーロボの右腕…ゼロライナーのドリルが激しく回転する。その回転はダイマジーンのパンチを受け流し、逆にダイマジーンの胸元へと深く刺さり、ガリガリと火花を散らしてパーツを削り取った。
「
「……関西人のプライドが許したないけど、もうワイはツッコミ放棄するわ…なんやこれ」
「…って次来るぞ!!」
ゼロドリルを喰らい、倒れたダイマジーンの間を縫うように、もう一体のダイマジーンが拳を振りかざした。とっさに頼斗はハンドルを右に切るように傾ける。
「おぉ!弾き飛ばした!!」
左腕のデンライナーイスルギが変形し、正六角形の蒼いバリアを展開してダイマジーンの攻撃を受け止めた。そのままバリアはエネルギーを溜め終えたように光り、強い衝撃波と共にダイマジーンを吹き飛ばした。不意を突いた反撃によって、ダイマジーンは大きな音と共に地面に倒れる。
「あ、そうだ。ちょっとやってみよう!」
耀真はハンドルを右に切り、ライナーロボの左腕を先ほど吹き飛ばしたダイマジーンに向ける。するとデンライナーイスルギは後部…レドームを、デンライナーイカヅチは龍のような首を持ち上げ、それぞれエネルギーを溜める。そして…
レドームとイカヅチの光線発射装置からレーザーが放たれ、ダイマジーンの胸部に命中する。かなりの高威力だったのか、ダイマジーンはその一撃で轟音と共に爆発し、スクラップとなった。
「へっ、汚ぇ花火だ!!」
「…これもう完全に話の内容変わっとるな……」
「トドメいくぞ!」
「あーもー!こうなったら自棄糞や!オラァ!」
ダイマジーンを線路に巻き込み、全身にフリーエネルギーを纏ったライナーロボの突撃でダイマジーンの胴体は粉砕された。その影響か、ダイマジーンは赤い光を激しく放ち、次の瞬間城一つを消滅させるほどの大爆発と共に消えた。
「毎度御乗車、アリガトウゴザイマシター」
「アリガトウゴザイマシター、とちゃうわバカタレ!!!!もうすべてにおいて意味不明やわ!!!」
と、キバオウがツッコんだ瞬間、ライナーロボは元の列車に戻り、腕を形成していたゼロライナーとデンライナーイカヅチ、レッコウ、イスルギはそれぞれ時の砂漠の向こうへ消えていった。そしてそれぞれの列車から降りた三人+達也は、ガオウライナーのドアの前で再び話し始めた。
「取り敢えず、オーマニキの加勢に行かないと。今の戦況も知りたいし」
「あ、それなんだけどさ…まずはキバオウさん。キバオウさんはここで待機しててくれますか?」
「まぁ、しゃーないわな。ワイも足手まといになんのは真っ平御免や」
「それと、達也君」
「…何ですか?」
ガオウライナーに乗り込むキバオウを見た後、頼斗は達也を真剣な顔で見て、口を開けた。
無表情のまま言い放った。
「………どういうことですか?」
「深雪ちゃんを倒す覚悟が無い以上、君を戦場へ連れてはいけない。たったそれだけだ」
「しかし…!」
不意に達也は話すのを止めた。頼斗の顔は、短い間といえど達也が見たことがない程に真剣だったからだ。
「君は優しい人だ。けど、その優しさは時に自分の首を絞めてしまう。だから、君はここに残れ」
「…俺は」
「キバオウさん、後はお願いします」
そう言って、頼斗は達也を突き飛ばした。
ガオウライナーのドアに入るように。
「!?何を!!?」
達也が頼斗に迫ろうとした直後、ドアは閉まる。そしてガオウライナーは再び雄叫びを上げてどんどんスピードを上げ、やがて他の列車のように走り去っていった。頼斗が最後に見たのは、何かを叫びながらドアを叩く達也の姿だった。
「………よかったのか?」
「ああ。もう、悲しい思いをさせたくないから」
「…とか言ってるけどさ。本当は…」
「………まぁな。ダサいか?」
「いや、全然。………行くぞ。怪人と相乗りする勇気は………今更言うまでもないか」
「だな」
互いに顔を見合せ、旧知の友人ように笑い合った二人は、同時にゲートを潜り抜け…気を引き締めた。
「くっ…」
「ハァ、はぁ…言ったはずだ…この世界の王は…俺だと………」
オーマジオウとアナザーオーマジオウ…オウジの戦いは、時間の経過と共にオウジへと形勢が傾いていた。その理由として最も大きいのは、やはり平成ライダーの力の無効化だ。オーマジオウ本人はどうやら効かないようだが、召喚したライダーの力は悉く無効化。結果、オウジが召喚した怪人…アナザークウガからアナザー龍騎、アナザーブレイドからアナザーカブト、アナザーキバからアナザーダブル、アナザーフォーゼからアナザー鎧武、アナザーゴーストからアナザージオウⅡ、そしてアナザーシノビら未来のアナザーライダーまで、総数20体のアナザーライダーを一人で相手にする必要があった。それ自体は大して苦ではないが、その合間合間にオウジから攻撃を受け、ダメージは確実に蓄積されていた。
「去らばだ。偽ものぉっ!!??」
そしてオーマジオウにトドメを刺そうとしたオウジの背中を、何者かが攻撃した。
「貴様らは…!!」
「…お前たち、なぜここに…!?」
そこにいたのは、ゼロワンドライバーを着け、アタッシュアローを持った頼斗と左手を翳した耀真だった。
「……のこのことやられに来たか」
「違うさ。オウジ・へイーゼ・トキワ……いや、『富山ホールディングス』の『
「!?貴様…なぜ俺の生前の名を!!?」
頼斗が自分の嘗ての名前を知っていることに驚いたオウジだったが、やがてその眼を細め、冷たい笑みを浮かべた。
「……そうか、貴様、あのゴミの兄か。あまりに貧乏臭い顔だったから忘れていたよ」
「
「ハッ。ゴミに人権など勿体無いだろうよ………それとも、あのゴミの仇でも討つか?」
「俺はもう、過去には縛られない。だからこそ、これは過去との決別……生前から俺を縛り続ける枷へのケジメだ!!」
「………それは…!?正気か!?」
オウジは眼を疑った。頼斗が握るキー…ヘルライズプログライズキーを見て。
頼斗がヘルライズプログライズキーをゼロワンドライバーに認証させ、装填すると、上空から血のように赤黒いバッタのライダモデルが落下し、落下の体に入り込む。直後にスーツが装着され、ドロドロと黒い粘着質の液体と共にアーマーが浮き出てきた。
「バカな…ヘルライジングホッパーだと…!!?だが…いつまでその姿を保てるかな?」
「そんなの…戦ってみりゃわかるだろ!!!」
そう叫び、頼斗はオウジに飛びかかった。
「さあ、仲良く大爆発といこうぜ!!」
「!?くそ…離れろおおお!!!」
オウジの叫びも虚しく、赤黒いエネルギーを溜めた頼斗とオウジは大きな爆発に包まれた。
さて、いかがでしたか?
次々回…決着の刻(多分)
平成最初のライダーであるクウガのセリフと共に令和最初のライダーであるゼロワンへの変身。
そして頼斗は過去を捨て、未来へ進む。天国だろうが地獄だろうが、そんなことは関係ない。
そんな思いを込めたシナリオに仕上げました。
そういえば、皆さんオーズの映画は観ましたか?
賛否両論ありましたが個人的には大満足でした。
次回も頑張って書き上げますので、このオリジナル長編。最後までお楽しみ頂ければ幸いです。
では、また次回で。