マッドでヤベーイやつにしか変身できないんだが   作:ジューク

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どうも皆さん、ジュークです。
突然ですが、この小説は今日で終わります。
高評価も減るし、もう疲れた………
最後のストーリーをお楽しみください。
では、どうぞ。


スレNo.25『Kの弾丸/撃ち抜くものは』

「仮面ライダーァ!?ふざけた格好しやがって…殺っちまえ!!」

 

 

 男の叫びに、ブラキオ・デッドマンは言葉にならない雄叫びで応え、頼斗に突進した。頼斗もそれを迎え撃つようにライブガンを構えて走り出し、ブラキオ・デッドマンのキャノン砲とライブガンから放たれたエネルギー弾がぶつかり合う。そのままブラキオ・デッドマンはチェーンソーを回転させ、頼斗に斬りかかる。しかし、頼斗はその攻撃を軽々と避けて天井近くまでジャンプした。

 

 

「ふっ!!」

 

【ヒッサツ!ショーニン!!】

【バット!JUSTICE FINISH!!!】

 

 

「おりゃあああ!!」

 

 

「「ぅわああぁあぁ!!??」」

 

 

 上から錐揉み回転と共に降ってきた乱射撃に、二人の犯人は慌てて足場の下に逃れる。縛られた泉美、香澄が思わず目を瞑った時、彼女たちの真後ろから大きな金属音が響いた。するとパサリとワイヤーが彼女たちの手から滑り落ち、二人の両手が解放された。

 

 

「よし。後はッ!!」

 

「うわわわわ!!?」

 

「きゃぁっ!?」

 

 

 すぐさま急降下した頼斗は、泉美、香澄を両手に抱えて廃倉庫の二階、犯人たちの手が届かないところまで持っていった。

 

 

「大丈夫か?」

 

「…はい!」

 

「ありがとうございます!」

 

「お礼はアイツを倒した後だ。悪いけど、自衛はしてくれ!!」

 

 

 そう言って飛び降りた頼斗は、再びブラキオ・デッドマンと戦闘を始める。

 

 

「よっとおっ!?」

 

 

 頼斗がキャノン砲を掴むと、ブラキオ・デッドマンはキャノン砲を振り回して頼斗を地面に叩きつけようとした。しかし、頼斗は抵抗せずに振り回される。そして…

 

 

「ハアアアッ!!」

 

 

 その勢いを逆に利用してブラキオ・デッドマンの腹部に黄金のエネルギー弾を連射した。たまらずブラキオ・デッドマンはよろめき、頼斗に接近する隙を与えてしまう。

 

 

「ふっ!とぉっ!!はぁっ!!」

 

 

 続けざまに黄金のエネルギーを纏ったキックを立て続けに二発喰らった所で反撃を試みるも、胸元にライブガンを押し当てられ、エネルギー弾をゼロ距離から放たれて、更に吹き飛ばされた。

 

 

「………凄い…!」

 

「…ふぁぁ………!」

 

 

 泉美、香澄の二人は頼斗とブラキオ・デッドマンの戦いを、終始惚けた様子で見届けていた。そして、その戦いも最終局面へと踏み入る。

 

 

【ヒッサツ!ショーニン!!】

「大事に…決めようか!!」

【バット!】

 

 

 頼斗はライブガンをツーサイドライバーにセットし、再びバットバイスタンプのアクティベートスイッチを押し、高くジャンプする。そこへ最後の抵抗とばかりにブラキオ・デッドマンが赤、黄、緑の三色のエネルギーを放つが、それは頼斗に躱されて頼斗の真後ろで爆発する。

 

 

【JUSTICE FINISH!!!】

 

「はああああ…ハアッ!!!」

 

 

 頼斗の左足に白金の蝙蝠のようなエネルギーが纏わりつくと、頼斗はそのままブラキオ・デッドマンに鋭い必殺キックを叩き込み、突き抜けた。着地した頼斗がブラキオ・デッドマンの方へ振り返ると、ブラキオ・デッドマンは断末魔のような鳴き声と共に大爆発し、大量の契約書のような紙となって、炎に燃やされて灰となった。

 

 

「………嘘だろ…!?」

 

「そんな…アレが負けるなんて…!!おい!!!さっさと逃げるぞ!あんな化物と…」

 

「だーれが化物だって…?」

 

「「ギャアアアア!!!??」」

 

「オルゥアアアア!!!!!!」

 

 

 犯人たちはブラキオ・デッドマンがやられたことで完全に戦意を喪失し、逃げようとしたが、結局それは頼斗によって気絶させられたことで叶わなかった。

 

 

「ふぅ…」

 

「………あの~…」

 

「ん?」

 

 

 犯人たちを縛り終えた直後に上から聞こえた声に頼斗が反応すると、見上げた先には未だ安全な所にいる泉美と香澄がいた。声を出したのは泉美だ。なぜか顔を赤らめ、恥ずかしそうにしている。

 

 

「…降ろして頂けませんか…?」

 

「あ」

 

 

 その言葉で頼斗はハッとした。今の彼女たちはCADを犯人たちに奪われている上に頼斗自身の手でかなり高いところに避難させられたため、自力では降りられない場所にいるのだから。慌てて頼斗は行動を開始する。

 

 

「ごめんごめん。今降ろすから、っと」

 

 

 バサリと背中から生やした白い蝙蝠の翼をはためかせ、頼斗は泉美と香澄を俵持ちして一階の床に降ろした。その後で頼斗はすぐに犯人が持っていたブラキオプロトバイスタンプを回収する。そしてバイスタンプをオーロラカーテンにポイした頼斗は再び二人に向き直った。

 

 

「…で、君たちは?」

 

「私は七草泉美と申します。こちらは双子の妹の七草香澄ちゃんです」

 

「今日はありがとうございました!」

 

「………」

 

「…どうかしましたか?」

 

「………………いや、なんでもない」

 

 

 

 完全にどっかで聞いたことがある名字が泉美の口から放たれたので、頼斗はそういやアイツ双子の妹がいるって前に話してたなめんどくせぇ、と天井を仰ぎ見ながら考えていた。と、サイレンの音が遠鳴りに聞こえてきた。

 

 

「…さて、悪いが俺はそろそろ行くよ。これ以上ここにいると…」

 

 

 面倒な事になる、そう頼斗が言おうとした時、突然サイレンの音が大きくなると同時に倉庫内が夜間用のライトで照らし出された。その直後に複数人の警察官が倉庫内へ銃を構えて叫んだ。

 

 

『動くな!ここは既に警察に包囲されている!!無駄な抵抗を止め、武器を置き両手を上げろ!』

 

「………なんでこうなったんだろか…」

 

 

 そして話は、冒頭へ戻ることとなる…。

 

 

 

⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

 

「いやあの、犯人コイツらです。ホラ」

 

 

 頼斗は慌てて縛り上げていた犯人二人を出したが、むしろそれは逆効果だったようだ。

 

 

「誤魔化すな!」

 

 

 そして拳銃を握る警察官の手の力が強まった時、 泉美と香澄も動き出した。

 

 

「待ってよ!この人は犯人じゃないってば!」

 

「そうです!寧ろこの方は恩人、私たちを助けてくださった方です!!」

 

「……!?」

 

 

 人質となっていた二人の言葉で、警察官たちの間に動揺が走る。が、それを破ったのは警察官…恐らく彼らのリーダー格であろう男だった。

 

 

「…なら、人質を解放しろ」

 

「言われなくても最初っからそのつもりだって。さ、行っておいで」

 

「ありがとうございました。えっと…お名前は」

 

「通りすがりの仮面ライダーだ」

 

「仮面…?」

 

「ほら、早く行きな。親も心配してるだろうし」

 

「…」

 

 

 最後まで二人はその名前を不思議がったが、やがて警察官の方へと向かう。そして二人が完全に警察官たちの方に着いた直後…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拳銃が頼斗に火を吹いた。

 

 そのまま立て続けに十発以上の弾丸が頼斗に撃ち込まれ、辺りは硝煙に包まれた。

 

 

「なっ!?」

 

「ちょっと、どういうこと!!!?あの人は何もしてないって………!」

 

 

 叫んだ香澄は頼斗の方を見て、目を見開いた。

 

 

頼斗の姿は、幻のように忽然と消えていた。

 

 

⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

 

「………逃げられた?」

 

『はい。まるで煙のように…』

 

「…わかった。引き続き捜査を続けろ」

 

『はっ』

 

 

 十師族・七草家本邸の書斎で、部下からの通信を切った男…七草家当主、七草弘一はふうと息を吐いた。

 

 

「……仮面ライダー…わからないのは情報網だ…どこからあの二人が誘拐された情報を得た…?考えられるとすれば、やはり四葉か…だが、奴らより早く仮面ライダーを手中に収めさえすれば…」

 

 

 独り言を呟きながら、弘一は再度仮面ライダーを捕らえる策を練り始めた。

 

 

 

⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

「…ってな感じでな。いくらなんでも十師族の、それも七草の家系の連中があんなあっさり捕まるって不自然だと思うんだ。なんか知らないか?」

 

 

 数日後、頼斗は真夜に以前の出来事を相談していた。あれからよく考えてみると、彼としては警備がお粗末過ぎたからだ。

 

 

『……その話ですけど、よく聞いてください。七草家は娘を餌に貴方を呼び寄せたらしいわ』

 

「…は?」

 

 

 真夜から飛び出した言葉に、頼斗は一瞬耳を疑った。

 

 

「…じゃあ何か?七草家は俺を捕まえるために娘をわざと(・・・)誘拐させたってのか?」

 

『どうやらそのようね。以前、貴方と元スターズ総隊長との戦いの映像が流出してしまったみたい』

 

「映像?………アレか!!てかアイツ偽装すらしてなかったってのか!!?めんどくせぇ最後っ屁残しやがって………」

 

『問題はその映像よ。実は七草家と一色家が現在、共同で貴方を秘密裏に捜索しているわ』

 

「一色って…師補十八家の?」

 

『ええ。けど、一色は七草の陰謀とは無関係よ。あっちは単純に話がしたいだけだけど……七草は貴方を自分たちの戦力にしたいみたいね』

 

「…四葉と戦争でもおっ始めようってか?」

 

『考え得る最悪のパターンですけどね…』

 

 

 二人はう~んと唸っていたが、再び頼斗が話を始めた。

 

 

「…そういや、そっちに送ったヤツの解析って今どうなってる?」

 

『ええ。バイスタンプ…だったかしら?津久葉家に解析してもらったけど…どうやらアレの中には生物の遺伝子…ゲノムが保存されていたようね。ただ…調べた限りでは、裏のマーケットに極少数だけど流通はしているみたい。他のアイテムも合わせると、ざっと数えて五十個ってところかしら』

 

「五十個か…でも、早いとこ潰したいな。人を怪人にしたり、怪人を生み出すアイテムの中には、金と専用の設備があれば簡単に量産できるような物もある。早く対処しないとマズそうだが…十師族まで俺を包囲しようとしてるとなると面倒だし」

 

『四葉の名前で保護するのはどうかしら?』

 

「…少なくとも”今は“控えた方が良いかもな。今下手にアクションを起こしたら、最悪七草と外国との二重戦線を敷かざるを得なくなる」

 

『…わかったわ。何かあったらまたいつでも連絡してくださいな』

 

「ありがとな、真夜さん」

 

『ッ!!ええ!では』

 

 

 プツリとヴィジホンが切れると、頼斗は天井を仰ぎ見ながら再び考え出した。

 

 

「(どーしたもんかね…)」

 

 

 頼斗は深く考えていたが、数時間後にはその体勢でグーグーと鼾を出していた。

 

 

 




さて、いかがでしたか?
ご察しの通り、前書きの話ですが…






































 エイプリルフールですよ(爆笑)


 まだまだ続きますのでご安心を!
では、また次回で。

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