マッドでヤベーイやつにしか変身できないんだが   作:ジューク

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どうも皆さん、ジュークです。

※今回はギャグ及びキャラ崩壊成分と原作のよんこま編の成分を過剰に含んでおります。ご注意ください。

それでは、どうぞ。


スレNo.26

 春。それは出会いと別れの季節。

 

 

 旧き者が新たな道へと旅立ち、新たな者が門を潜る、そんな晴れやかな季節だ。

 

 

 そんな中、我らが頼斗はと言うと…

 

 

「………なーんで俺が駆り出されてんのよ…」

 

「しっかりしてください、華貫教官(・・)

 

「教官の実習生だけどな。てかまず、二つしか違わないリア充イチャラブ鈍感系男子の五十里君に言われたかねーんだよ」

 

「何ですかそのネーミング!?」

 

「言葉通りの文字通りだよ。てか大体な、俺まだ大学生だぜ?それも教官とは程遠い縁の経済学部。ホンット百山校長も頑固なんだから。ま、卒業式の日にあんなこと許可して貰った手前断れねぇけどよ…」

 

 

 現在、一高の入学式の準備を行っていた。というのも、彼は今日からこの一高で教官の実習生として生活を送ることとなったのだ。ちなみに期間は未定である。頼斗曰く、どうやら日本魔法学教育界の偉人と言っても過言ではない、一高の校長である百山東が一枚噛んでいるようだ。そんな頼斗のセリフに現生徒会会計であり、頼斗の後輩の五十里は苦笑いする。尚、傍には当たり前のように現風紀委員長の千代田がいた。

 

 

「……まぁ、あれだけ派手にやりましたからね…というか、華貫先輩こそよく生きてましたね…」

 

「ねー。摩利さんや七草先輩、十文字先輩に加えて前の一高のOBたちから逃げきれるのは世界中探しても先輩ぐらいですよ?」

 

「先輩か教官かどっちかにしろ。お前らの黒歴史も卒業式に暴露してやろうか?」

 

「や、やめてくださいよ!!?」

 

「へ~、千代田は見たくないのか?愛しの五十里君の恥ずかしい秘密」

 

「見たいです!」

 

「花音!?」

 

 

 まさかのフィアンセの裏切りを目にした五十里は顔が少し青ざめている。それをケラケラと笑った頼斗は、一通り荷物の移動が終わったのを確認して講堂の外へ出ていった。

 

 

 

――仮想転移(ログイン)中…――

 

 

47:マッドな教官(仮)ライダー ID:MadnA8bEe82

という事情でコテハン変えますた

 

48:世界を旅する飛行タイプ使い ID:16aMaGagAIBo

>>47いきなりブッ飛んだ事言ってて草越えて空

 

49:プリキュア世界の怪人王 ID:kA1ZinriDeR

てか一体卒業式に何をしたんだよ…

 

50:マッドな教官(仮)ライダー ID:MadnA8bEe82

いいや、単純に今までの仕返しをと思って

 

51:スマホ少年の相棒の英霊使い ID:LaN3ErO4

鬼畜かよ

 

52:悪魔高校のバキ刃牙 ID:Dxd5r5rmAcHo

>>51凍結戻ったのか

 

53:スマホ少年の相棒の英霊使い ID:LaN3ErO4

>>52三度落陽を迎えても~!!

 

54:音速のトレーナー ID:O21saMaN

>>55なんという不正!これがローマのやり方ですか!?

 

55:スマホ少年の相棒の英霊使い ID:LaN3ErO4

>>54これも余の能力!不正ではない!こんな惨状からでも、不死鳥の如く舞い戻る!それがYO!自分の才能が恐いぃ…!

 

56:転生者の相談役 ID:CalLSensEi01

>>55なんという自己肯定の化身!!

 

57:隙間の悪転者狩り ID:39mAOa82luTe1Do

そう…なら何度でも凍結させてあげるわよ?

 

58:シンカリオンの保線作業員兼オレンジ6号 ID:ToQ6BuIldeR

あ(察し)

 

59:スマホ少年の相棒の英霊使い ID:LaN3ErO4ごめんなさいやっぱり嘘です許s

 

60:デトアラのスタンド使い ID:OrA6dArasH

…結局こうなんのか

 

61:ロリ女神ファミリアの三刀流 ID:2GirIhA106O106

ま、それはさておきだろ。問題はイッチに教官勤まるのかってことだ

 

62:東京皇国のゴーストライダー ID:hElbA1K315

たしかに…大丈夫そうですか?

 

63:マッドな教官(仮)ライダー ID:MadnA8bEe82

ええ。取り敢えずやることは頭にブチ込んだので

 

64:米花町のスパイダーマッ ID:Ito2kaIAraI

何この子怖い

 

65:マッドな教官(仮)ライダー ID:MadnA8bEe82

てなわけで一旦抜けますね

 

66:電脳空間の時喰王 ID:NAndE8

行ってら

 

 

 

――現実転移(ログアウト)中…――

 

「よっ。達也君」

 

「…頼斗さん。どうしたんですか?」

 

「新入生の誘導でしょ?手伝うよ」

 

 

 そう言って頼斗は達也と歩き始める。桜の花弁が風に吹かれて舞う様はとても春らしい。そんな陽気に包まれた二人が前庭に出ると、思いがけない人物に出会した。

 

「あら、達也君?と……華貫先輩」 

 

「七草先輩?おはようございます」

 

「よう七草。で、何だその顔は」

 

「…なんで先輩がここにいるんですか」

 

「控えい!この教官実習生の紋所が、目に入らぬか!?」

 

 

 完全に時代遅れな決め台詞と共に出したカードを見て、出会った人物…真由美は目を見開いた。

 

 

「な!?なんで先輩が教官に………!!?」

 

「この前の卒業式の時のアレの見返りだろ」

 

「なっ…」

 

 

 時は3月、一高の卒業式に遡る…。

 

 

 

―――――――
―――――
――――

 

 その日、卒業式が終わった三年生たちは校庭で野外パーティーをしていた。

 

 

そして事件は、パーティーの余興でリーナ率いるバンド隊の出し物が終わった直後に起きた。

 

『グッドアフタヌーン!!!!!2095年度卒業生の諸君!!』

『!?』

 

 

 突然上から(・・・)聞こえた声の方を卒業生たちが見ると、校舎の屋上からなぜか拡声器と右手に何かのリモコンを持った頼斗が片足を屋上の緣に乗せてこちらを見下ろしていた。

 

 

『取り敢えず、卒業おめでとう。君たちはこれから進学就職、様々な人生を歩むだろう…言わば今日は門出の日だ』

 

『だが、君たちは何か誤解しているようだな。悲しいことだ』

 

『まさか…今まで散々やらかしてきた己の過ちと言う名の黒歴史をスパッと清算せず、この学校からおさらばしようとしてないか?』

 

 

 その頼斗の言葉に、大半の生徒は互いに顔を見合わせて頭に疑問符を浮かべている。が、頼斗はお構いなしに続けて話した。

 

 

『二つ、言っておくことがある。一つ目だが、この企画は俺が百山校長直々のゴーサインを得た上で行っているということ。そしてもう一つ。この企画は元々、一高の映像を撮り、それを君たちに渡してこの一高での生涯の宝物として貰おうという、他愛もない企画だった…が、偶然にもその過程で入手したある映像が切っ掛けで、この企画は悪魔の企画とも言うべき恐ろしいものへと変貌を遂げたということだ』

 

『その映像がこれだ!ダッシュでボタンをポチっとな☆』

 

 PI☆という擬音が相応しい音を立て、頼斗は躊躇なく悪魔のスイッチを入れた。それに反応し、いつの間にかせり上がってきたスクリーンに映像が映る。

 

 

 最初のシーンは、部室棟の映像だ。ビデオカメラを持っているのは頼斗だろうか。無言で部室棟の廊下を歩いている。

 

 

『…ある日、撮影の為に部室棟を歩いていた俺は、山岳部の部室の前で異変に気づいた。本来その日山岳部は休みで、部室は施錠されていた…筈だったんだが、何故かドアが少し開いていることに、俺は違和感を憶え、そっと覗いた。その時の映像が、これだ!』

 

 

 そしてカメラがこっそり山岳部の部室の中を覗くと、そこには…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

床に牛乳やカルシウムサプリの容器を置き、ベンチプレスのトレーニング機具に逆さまにぶら下がりながら両手でバーベルを持っている真由美が映っていた。

 

『意味不明な方法で身長伸ばしをしている七草真由美がいたァ!』

 

「いヤあぁあぁああああぁぁああぁアァアアァァア!!!??」

 

 真由美は顔を茹で蛸のように真っ赤にして奇声を上げ、スクリーンを隠そうとアタフタしていた。が、身長のせいでまったくと言っていいほど隠せていない。

 

 

『オイオイ、そんなことしても身長はどうにもならねぇぜ?』

「ひにゃあああああああ!!?」

 

 

 その様子を見た卒業生たちの様子は様々だ。

 

 

 真由美の恥ずかしい秘密を見てプッと笑う者。

 

 

 えぇ!嘘だろ!?と目を見開く者。これは主に山岳部だった生徒たちだ。

 

 

 その映像を見てゲラゲラと笑い転げている者。ちなみに摩利だけだ。

 

 

 白けた顔で何してんですかという顔をする者。これは鈴音である。

 

 

 

 三者三様だったが、とうとう摩利が声を出す。

 

 

 

「ハハハハハ、ヒー!ヒー!真由美、お前一体何をして…ダハハハハ!!ダメだ堪えられん!」

 

「そこ!笑ってんじゃないわよ摩利!!!」

 

 

『そーだぞ渡辺ー。何故なら次はキサマだからだ!!!』

「はァ!?」

 

 

 その言葉で、摩利の様子は一気に変わった。が、頼斗は気にせずリモコンを弄る。

 

 

『ダッシュでボタンをポチっとな☆』

 

 そして映ったのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あぁ~…シュウ~早く会いたいぞぉ~』

 

お手製の千葉修次(彼氏)のアップリケに頬擦りしている摩利の姿だった。

 

『渡辺も心は乙女だったー!!』

「ぬああぁアァアアァ!!!?」

 

 今度は摩利が奇声を上げてステージに上がり、スクリーンの妨害を始めた。それを見て女子っぽいとこあるじゃないですかと笑っているのは嘗て風紀委員だった生徒たちである。

 

 

『で、この二人の次と言えば…』

 

 その言葉で三年生たちがバッと振り返った先にいたのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…む?」

 

巌のような男…十文字克人だった。

 

『十文字克人!と言いたいところだったが…お前は前二人みたいなのは特になかった!が、まァ何もないというのはアレなので…こんなのを撮っておいた!えい☆』

 

 そう言った頼斗はボタンを押し、スクリーンの映像を変える。 それは、一高のカフェテリアの一幕だった。

 

 

『カレー大盛り…………激甘で』

『十文字克人!顔は大人びているがお口はお子ちゃまだったァ!』

「ぬん!!」

 

『ってうおおおお!!!??』

 

 頼斗が叫んだ瞬間、克人の手から幾重もの障壁が頼斗に向かって飛ばされた。頼斗は間一髪で身体を仰け反らせて避け、再び屋上から卒業生たちを見下ろす。

 

 

『今の攻撃型ファランクスは中々殺意に満ちてたぜぇ十文字ィ!!では気を取り直して……続いてはお前だ!ミステリアス&エキセントリックガール、市原鈴音ェ!』

 

「!」

 

 

 頼斗の叫びに鈴音はピクリと反応したが、すぐに平静を取り戻した。

 

 

「…嘘ですね。私にそんなものはありません」

 

『……一応補足しておくが、この映像は何も俺の在学中(・・・・・)のやつだけじゃねぇぞ?ってなわけでお前の黒歴史はコレで決まりだ!!』

 

 再び頼斗はボタンを押し、映像を切り替える。そこに映し出されたのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ド派手なアイドル衣装を纏い、右手にマイクを持つ鈴音の姿だった。

 

 

『皆のアイドルRINちゃんだっぴー。皆、よろしくだっぴー』

『夜露死苦ウウウ!!!』

「………………………」

 

 頼斗の叫びと共に、鈴音は顔を真っ白にして膝から崩れ落ちた。

 

 

『あー、こっからなんだが……あまりに数が多かったもんでもう正直映像編集するのも面倒になったから、この電子ペーパーにデータブチ込んであります。ということで……卒業生の黒歴史のバーゲンセールだ野郎共オオオ!!!』

 

 その叫びと共に、頼斗は屋上に置いておいた電子ペーパー…極薄の情報端末のような物…をバサッと空中に放り投げ、屋上から行方を眩ませた。

 

 

 その後、生徒たちの羞恥と頼斗への怒りの雄叫びが上がったのは、言うまでもない話である…。

 

 

 

―――
―――――
―――――――

 

 

「いや~、アレはもう人生で最も喜びとスリルを感じた瞬間と言っても過言じゃねぇかもな!」

 

「ぐぬぬぬぬ…!」

 

「で?俺はともかくな~んでお前がいるんよ」

 

「え?それは妹たちの付き添いで…」

 

 真由美が言いかけた時、正門から誰かが叫びながら走ってきた。

 

 

「お姉ちゃんから離れろ!ナンパ男共!!」

 

 うぅわめんどくさっ、と頼斗は心底思った。

 

 

 




さて、いかがでしたか?
いや~作ってたら思ったよりふざけちゃいましたアハハハハ~♨️
というわけで、次回もお楽しみに!
では、また次回で。

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