マッドでヤベーイやつにしか変身できないんだが   作:ジューク

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どうも皆さん、ジュークです。
中々にスレどこに入れるか大変ダァ(遠い目)
次回は絶対入りマス。
更に何気にアイツがもう準レギュラー的存在に…
というわけで、お楽しみください。どうぞ。


スレNo.33『Rの警告/下拵えは入念に』

 

 

 

「…おい待ってくれ。今なんつった?」

 

 

 頼斗は烈が言ったことに理解が追いつかなかったが、すぐに烈に問いかけた。

 

 

『真言は現在、大陸の術士と組んでいるらしい。その新兵器の基幹技術も奴から流れたのだろう』

 

「…そこまでわかってるんなら、何故止めない?いくらアンタでも……いや、アンタだからこそ、彼らを実験台にするだなんて馬鹿げた話を承諾するはずがない」

 

『……頼斗君。私は確かに十師族の直系だ。が、私は所詮そこまでであって神ではない。いくら私でも、十師族を二家(・・)同時に相手にするのは不可能だ』

 

「………今『二家』って言ったか…!?」

 

 

 烈の言葉の中にあった一フレーズに、頼斗から冷静の文字は一瞬消え去った。

 

 

『……この件を承諾したのは真言だけではない。国防軍防諜第三課…そのパトロンは――七草だ』

 

「………七草………!!」

 

 

 烈の放った言葉を繰り返した頼斗は、顔を怒りに染め、ギリッと歯軋りをしていた。

 

 

『正確には当主の弘一だけだ。奴の家族はこの件を一切知らない。奴は基本的にメリットデメリットで物事を判断する。この兵器の実験がデメリットを上回るとでも思ったのだろう。だが…アレを世に放てば、最悪の場合取り返しがつかなくなる…!!』

 

「…烈さん。その兵器の名前は?」

 

『P兵器…『パラサイドール』と言っていた』

 

「パラサイドール………パラサイト………!!!思い出した。ロンドン会議の奴か。たしか人間に取り憑いて変質させるって言う非物質体で、取り憑く相手に適合性があって、宿主を求めるのは自己保存本能に等しいパラサイトの行動原理とか言ってたな…昔興味本位で調べたことはあったよ。軍事利用しようだなんてバカがいたのは初耳だが」

 

『博識だな。そのパラサイトで合っている』

 

「だが、まだその全容は全く解明されていない筈だが…支配なんてできるのか?」

 

『先ほど君が言った『自己保存本能』を利用しているそうだ。依代であるガノノイドからパラサイトに想子を提供する代わりに、指示に従う。従わなければ想子供給を停止し、依代が封印用の殻となるようにされた支配術式…眉唾物ではあるが、既に何台か完成しているそうだ』

 

「………軍事訓練みたいな内容にすれば、兵器の実験も誤魔化せる、ってか。ふざけた話だ………烈さん。アンタはこの件をどうにかするつもりなんだよな」

 

『無論だ。特に、今年の九校戦には光宣も出る。せめてあの子にだけは、手出しはさせん』

 

「………だったら、俺に策がある。けど…これは俺だけじゃできない策だ………当然だが、九校戦に関与できる協力者が要る…もうわかるよな?」

 

『何をすればいい?』

 

「………この会話は大丈夫か?」

 

『問題ない』

 

「………俺の策は――」

 

 

 そうして頼斗が自身の考えた策を説明すると、烈は難しい顔をしながら聞いていた。

 

 

 

「――……ってのが概要だ」

 

『私の役目はそれだけでいいのか?』

 

「ああ。後はこっちで下拵えするだけだ」

 

『…君の案に乗ろう。どのみち、それしか手立ては無いだろうからな』

 

「よし。なら、俺は早速準備に取りかかる。頼んだぜ、烈さん」

 

『武運を祈る』

 

 

 そう言って、烈は通話を切る。そして立ち上がった頼斗の顔には、強い決意があった。

 

 

「絶対に、皆を守り抜くんだ。っと、まずは…」

 

 

 早速頼斗は、旧式携帯…ファイズフォンXを取り出して番号を入力し、コールをかける。コールは三回ほどで出た。

 

 

『おーう頼斗。どした?』

 

「悪い耀真。ちょっと頼みたいことがあってな」

 

 

 通話相手はプリキュア世界の怪人王こと耀真だ。番号は以前のアナザーオーマジオウとの戦いの後で交換したものである。そんな頼斗からの唐突な連絡に、耀真は何かキナ臭いものを感じ取ったように質問した。

 

 

『…何かあったのか?』

 

「まぁな。それで内容なんだけどさ。バグスターの改造って、できるか?」

 

『バグスターの改造?…そりゃあまぁ、やろうと思えばいくらでも』

 

「バグスターの感染能力を0に抑える代わりに、修復性能を最大限まで上げる改造って可能か?」

 

『……訓練用の肉ダルマでも欲しいってのか?』

 

「当たらずとも遠からず、だ。要は時間稼ぎ要員が欲しい。できれば一週間以内で」

 

『………おいおいおい、俺を誰だと思ってんだ?バグスターじゃなくても、俺は怪人の全てを知り尽くしてる。二日で仕上げてやっから待ってな』

 

「…恩にきる!」

 

『んじゃあ今度、こっちで何かあったら手伝ってくれや。礼はそれでいいよ。それじゃ、二日後オーマニキにでも頼んでそっち行くわ』

 

「ありがとう」

 

『じゃ』

 

「これで一番の必須材料は問題なし。後は…」

 

 

 そうして、頼斗の作戦は秘密裏に、そして大きく進んでいった…。

 

 

 

 

⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

 数日後、ある休日の朝…

 

 

 リーナはいつものように目を擦りながら階段を降りた。一階では嶺平がこれまたいつものように珈琲豆を挽いている。

 

 

「………ライトは…?」

 

「ん?頼斗ならさっき達也君と朝練に行ったよ。たしか…九重寺まで」

 

「………?」

 

 

 まだ寝起きで頭が回ってないのか、リーナは頭に?を浮かべたまま首を傾げていた。

 

 

 

 

⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

 

「いや~、達也君速いね」

 

「それはこちらの台詞ですが…」

 

「ふふっ」

 

 

 

 現在、頼斗は司波兄妹と共に道路を爆走していた。勿論、三人とも魔法を併用している。一科生である深雪は兎も角、達也はこういった基礎単一系の魔法程度なら扱える。

 

 

 そして頼斗はと言うと、実は彼は一科生の中でも中の上、頑張れば上の下に入る程度の魔法力を有している。それでも頼斗が二科生だったのは魔法実技の際の多大なプレッシャーが原因だ。早い話、頼斗は魔法を使う時だけ極度のあがり症を発症してしまうのである。今のように一人二人に見られる程度なら問題ない。しかしこれを何十人もの人間に見られるとダメなのだ。

 

 

 加えて、頼斗本人が一科生二科生に関係なく色々とアドバイスをしたことで、『そこまで言うぐらいだし、できるよね?』といった余計なプレッシャーを掛けられ、あがり症が更にエスカレート。結果として『雑草』程地味ではないが、『花冠』程華麗でもない、『朝顔』と呼ばれるようになったのである。

 

 

 つまり、今の状況下で頼斗が魔法を使うのは、実は意外と簡単だったりする。

 

 

 そんなこんなで三人が九重寺に着くと、さっそく門下生とおぼしきテカテカ頭の連中が達也に突貫していく。それを冷静に捌いている辺り、いつものことなのだろう。

 

 

 と、そんな達也の無双状態を眺めている二人に近づく影があった。頼斗は逸早くその気配に気づき、振り向いた。

 

 

「お邪魔してます。貴方が九重八雲さんですか。華貫頼斗と言います」

 

「僕のことを知ってたのかい。まぁ、僕も達也君から色々と君のことを聞いてるがね」

 

 

 片目に傷を持つ胡散臭い僧…九重八雲に頼斗は軽く会釈をする。と、手首と足首で何かをゴソゴソとやっている頼斗に対し、八雲は不意に腰を低く落として拳を構えた。

 

 

「先生…?」

 

「いや~、ここまで来たんだから見るだけなのも退屈かと思ってね。よければ、一手どうだい?」

 

「そいつはありがたい。そんじゃ…いきますよ」

 

「いつでもどうぞ?」

 

「………シッ!」

 

 

 

 その言葉の直後、頼斗は八雲に向かって一直線に駆け出し、腰を捻って全力の右ストレート…

 

 

「おっ!?」

 

「だりゃっ!!」

 

 

 …と見せかけて左手で右ストレートをパンッと音を立てて止めて、右回し蹴りを放つ。初手からフェイントを織り混ぜた蹴りを放つのは少し想定外だったのだろうが、それでも八雲は冷静にバックステップで避けると、今度は自分で頼斗に手刀を繰り出す。

 

 

「よっ!!」

 

「むっ」

 

「ょいしょぉ!!!」

 

 

 頼斗は手で体を支えながら踵でそれを受けて、更に手首を捻ってブレイクダンスの要領で足を回転させ、八雲を退かせた。

 

 

「中々奇天烈な動きをするねぇ」

 

「最後に技の優劣を決めるのはアレンジってのを教えられましたので」

 

「言う…ねぇっ!!」

 

「っ!…らぁっ!!」

 

 

 言いながら放たれた八雲の手刀による突きを、頼斗は左脚を器用に使って挟み込むように受け、すかさずジャンプして右蹴り。八雲は左に頭を傾けて避けると、頼斗はその勢いを活かして体を捻り、左方向に側転。左脚に絡めた八雲の手を振り回そうとするが、八雲をそれを察してすぐに手刀を引き抜く。

 

 

 そして体勢を整えている頼斗の後ろ首に再度手刀を叩き込もうとする八雲だったが、頼斗はノールックの左腕で手刀を受ける。そのまま互いに腕を反発させると、ザザァッと音を上げて互いに距離を取った。

 

 

「…今の手刀の受け、中々凄いねぇ。まさか左腕で受けると思いきや軽く触れながらこっちのスピードに合わせて腕をバネのように使って衝撃を殺すとは…ここまでされるとは思わなかったよ」

 

「とか言って、まだまだギア全開じゃないんでしょ?まったく言葉と内容が釣り合ってませんよ」

 

「ハッハッハ、バレてたか。なら…本気を出してあげてもいいけど…どうする?」

 

 

 そう言って八雲は目を鋭くさせる。と、頼斗は少し俯くと、やがてニッコリ笑いながら口を開いた。

 

 

「そうですか。なら…こっちもそうしますわ

 

 

 そう言って、頼斗は両手首に巻いたバングルの内、左手に着けていたものをおもむろに外すと、地面に捨てる。

 

 

バングルは一瞬でズドンと音を立てて地面に落ちた。

 

「「………え?」」

 

 

 対峙していた八雲と見学していた深雪が揃って間抜けた声を出す。そんなものはお構い無しとばかりに頼斗は右手首、左足首、右足首とそれぞれ着けていたバングルを地面に放り捨てた。バングルは全て土煙を上げて地面に落ちている。そんな頼斗に、若干震えた声で八雲は問いかけた。

 

 

「………えっと………それは?」

 

「え?錘に決まってるじゃないですか」

 

「おも………!?」

 

 

 八雲は久々に言葉を失った。つまり…頼斗はそんな錘を四肢に着けたまま先程の組手をしていたのだから。

 

 

「あ、因みに手首のやつが1個20キロで足首のやつが1個15キロです。合計70キロですね」

 

「ななじゅっ………!!?」

 

 

 更に頼斗から錘の重量を聞き、八雲の顔から少しだけ血の気が引いた。

 

 

「…君はそんな技を誰から教わったんだい…?」

 

「そうだな…最高最善の魔王、ですかね

 

「…………は、ははは…」

 

 

 構える頼斗に、八雲はもう笑うしかなかった。

 

 




さて、いかがでしたか?
頼斗君、実はライダーに変身しなくてもどっかの亀な仙人並みのトレーニングを受けていたためつよつよだった。
稽古つけた本人は…スレNo.4にて発表済みです。
個人的にスレ民で一番好きなのは怪人王ニキ。
てかこういう肉弾戦描写割と難しい…関節が変な方向逝かないよう注意しないといけないわけで…
変な方向逝ってないよね?(震え声)
作戦と胡散臭僧の下拵えは、入念に。
では、また次回で。

次に変身するのは…?

  • フルショットライズ! ランペイジバルカン
  • ギザギザゴースト!! ディープスペクター
  • ドラゴナイトハンタ~!Z! フルドラゴン
  • 二度目のコンプリート ファイズアクセル
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