マッドでヤベーイやつにしか変身できないんだが   作:ジューク

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どうも皆さん、ジュークです。
最近外伝とかの方にアンチコメントが湧いたりしてちょっとゲンナリしたせいでモチベーションがダダ下がりでしたが、ようやく投稿です。
さぁお待たせ致しました、嶺平のケジメ編!
頑張っていきましょ~!
というわけで、どうぞ!


スレNo.42『なぜ男は死して尚立ち上がるのか』

 

 

 

 …話は、2096年九校戦の3日前まで遡る…

 

 

 

 

「ありがとな~」

 

「頑張れよ!!じゃ、オーマニキも失礼します」

 

「うむ」

 

 

 頼斗とオーマジオウ…本人曰く「何時何が起きてもいいように臨戦態勢は整えるべきだ」との理由で休暇以外はほぼ常時変身しているオーマニキに見送られ、届け物をした耀真はオーマニキが出したゲートをくぐっていった。

 

 

 因みにこの届け物にとんでもない奴がとんでもない細工をしていたことは、この時はオーマニキすら知るよしもなかったそうな。

 

 

「では、我もそろそろ失礼しよう」

 

「あー、その前にちょっと聞きたいことが」

 

「む?何だ?」

 

 

 そのままゲートの向こう側に行こうとしたオーマニキを止め、頼斗はある物を取り出した。

 

 

「これについてちょっと知りたいんですけど…」

 

「…ただのディケイドライドウォッチ…ではないのだろうな。少し見せてみろ」

 

 

 頼斗が出した物…以前、自分の激情態ディケイドライドウォッチとオウジの持っていたディケイドライドウォッチが融合してできたディケイドライドウォッチを手に取ったオーマニキは、それをじっくりと観察し…軽く驚いたように顔を竦めて頼斗に返すと同時に口を開いた。とは言っても、マスク越しなのでその様子は見えないが。

 

 

「これは…ディケイドの完成形とでも言うのか…そうだな、名付けて『仮面ライダーディケイド:究極態』と言ったところか」

 

「究極態ぃ?」

 

 

 首を傾げる頼斗にオーマニキは説明を始める。

 

 

「つまり、通常のディケイドと激情態ディケイドの両方の性質を併せ持った、まさに究極のディケイドとも言うべき力だ。全ての一号ライダーの全てのフォームに変身できるだけでなく、そのライダーのアタックライドもノーモーションで使用可能…更にこれが一番の強みだが、系統の違うライダーの能力すらも使える」

 

「…具体的に言うと?」

 

「そうだな…ハイパームテキがハイパークロックアップを使いながらバリズンソードとザンバットソードでワープドライブを使ったりあらゆる物を一刀両断すると言えばわかるか?」

 

「ムチャクチャじゃないっすか」

 

 

 少なくともショッカーとか歴代ラスボス全員を片手間で潰せるだろと頼斗が死んだ目をしていると、オーマニキが続けて話し始めたので頼斗は真面目な顔になった。

 

 

「更には、我と同様世界のゲートをオーロラカーテンとして出現させて通れる。おそらく、これがお前の例の事件に招いたのだろう…この究極態はどうやら暴走克服フォーム扱いのようだ。まぁ、お前ならば使い方は間違えんだろう。ただし、今までより厳重に扱うようにしておけ」

 

「………うぃっす」

 

「では、今度こそ失礼する」

 

 

 そう言って、今度こそオーマニキはゲートの向こう側に消えた。

 

 

 

⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
 

 

 

「………父さん。本当に…いいんだな?」

 

「ああ。もう俺は立ち止まるわけにはいかない…頼斗。俺が行くまでハジメ君のサポートを頼む。エヒトは強い上に狡猾だ。恐らく、ハジメ君でもかなりの苦戦を強いられる筈…場合によっては」

 

「そっから先は大丈夫だよ。………気をつけて」

 

「…わかった。こっちが終わったらすぐに行く」

 

 

 そう言って互いに頷き、二人の戦士はオーロラカーテンの先へと消えた。

 

 

 全ての過去に、終止符を打つために。

 

 

 

⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
 

 

「…なにもかも…おしまいだ。どうして、こんなことになったんだろう。香織がいて、雫がいて、龍太郎がいて、恵里や鈴もいて、皆一緒に、困難を乗り越えて…そうなるはずだったのに………こんなの、俺が望んだことじゃない。全部、失ったって言うなら……何一つ取り戻せないと言うなら……いっそのこと全部、俺の手で…全てを……!!」

 

 

 ――壊す。

 

 

「…壊す…壊す、壊す壊す壊す壊す壊すゥ!!」

 

「…ッ!雫!おい雫!しっかりしろ!お前がそんな絶望してどうすんだ!!華貫先生に託されたんじゃねぇのか!?おい!雫!!!」

 

「………………」

 

 

 マズい、と龍太郎は思った。

 

 

 元から全ては想定外の連続だったのだ。光輝が暴走し、自分たちに襲いかかり、雫を手にかけようとし…自分たちの副担任である一人の男がそれを庇い………言葉を遺し、目の前で死んだ、と思ったら次の瞬間、死体が消えた。

 

 

 そして放心状態の雫に今度こそ刃が向けられ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――その刃が雫に刺さることはなかった。

 

 

 

ヒッサーツ!フルスロットル!!

 

「がぁっ!!?」

 

「「!?」」

 

 

 突如、右から飛んできた赤いエネルギー弾に光輝が弾かれた。そのまま体勢を崩して地面に転がり倒れた光輝と、突然のことに驚いた雫と龍太郎が見たのは、信じられない光景だった。

 

 

「な……んで…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで…お前がここにいる!?お前は俺が倒した筈だ!!!」

 

 

 真っ赤なスポーツカー…トライドロンに背に、赤い銃…ドア銃を構えた男…死んだ筈の華貫嶺平がそこにいたのだから。

 

 

「決まってるさ。全ての過去に…決着を着けに来た」

 

「せ、ん…生………?」

 

「マジで…華貫先生なのか……!?」

 

「雫ちゃんに龍太郎君………すまなかった。少しこっちにも事情があってな。…さて、天之河。俺はクラスメイトを殺そうとすることが正しいと教えた憶えはないぞ?」

 

「うるさい…うるさいうるさいうるさい!!!!俺は正義だ!俺は正しいんだ!!!!!」

 

「…そうか。だったら教えてやる。今のお前は正義なんかじゃない。正義ってのはな、何をしてもいいっていう大義名分にはならないんだ。だからこそ、俺はお前を止める。正義なんて関係ない。俺は皆を守りに来たんだ!!

 

Exactly(その通りだ)、嶺平。漸くエンジンがアイドリングを始めたようだね』

 

 

 嶺平は腰に装着したベルト…ドライブドライバーから男…クリム・スタインベルトの声が響いた。それに嶺平は少し微笑みを浮かべて答える。

 

 

「あぁ、長く待たせたが…いくぞ、クリム!」

 

『OK!Start your engine!!!』

 

 

 その言葉と同時に、嶺平はドライブドライバーのアドバンスドイグニッションを回してエンジンを入れ、更にポケットから出した赤いミニカー…シフトトライドロンのタイヤパーツを押し込んで起動させた。

 

FIRE! ALL ENGINES!!!

 

 

 そして、シフトトライドロンを左手首のシフトブレスに装填し、一度深く息を吸い…力強く言い放った。

 

 

「変身!!」

 

 

DRIVE!! TYPE TRIDORON!!

 

 

 シフトトライドロンを操作すると、トライドロンが分解され、円柱形のエリアとなって嶺平の周囲に展開される。更に色とりどりのシフトカーが嶺平の左手首…より正確にはシフトトライドロンに弧を描きながら吸い込まれた。そしてアーマーが装着され、最後に大きなタイヤ…タイプトライドロンタイヤが肩に装着された。こうして嶺平は『仮面ライダードライブ:タイプトライドロン』に変身した。

 

 

「何なんだ…何なんだよ…………………死んだり生き返ったり…お前は何なんだ!?」

 

「………そうだな…俺は……………」

 

 

 

⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
 

 

 

「…これが現実だ。この男も、所詮はそこいらの雑魚と大差なく…私の前に倒れ伏す。なに、お前より一足早く死んだだけの話だが」

 

「………テメェ………!!!」

 

 

 目の前で恩師の死体を塵にされたことに対し、白髪の男…南雲ハジメは恋人であるユエの身体を乗っ取られた時に匹敵するほどに怒っていた。

 

 

 思えば、その出会いは他愛もないものだった。

 

 

―――――――
―――――
――――

 

 

 

「おっ、この漫画俺が好きなやつ!好きなのか?これ」

 

「…えっと…親の作品で…」

 

「へ~!いいじゃないか!将来が楽しみだな!」

 

 

 きっかけは放課後、両親が描いた漫画を読んでた時に、先生が話しかけてくれたことだった。

 

 

 そこからは、進路とか、趣味とか…色んな相談に乗ってもらったりもした。正直、学校で一番頼りになる人だったかもしれない。

 

 

「ハジメー!ハジメーー!!!どこ…ハジメ!?ハジ…メ?お前、その髪…」

 

「…先、生…なのか…?」

 

 

 そしてあの異世界転移を巻き込まれて、迷宮の底に落とされた時も、一番に駆けつけてくれたのは先生だった。こっちは変身した先生を見て、先生は魔物を食ったことで変色した俺の髪を見て、それぞれビックリしてたが。

 

 

 その後も、今まで長く旅をしたりもした。

 

 

 その中で何が起きても、先生はいつも笑っていた。そしてそれは、俺たちにも、大切な思い出をくれた。

 

 

 それを…

 

 

―――
―――――
―――――――

 

 

「お前だけは…絶対に潰す!!!」

 

「やってみろ。……まぁ、人間風情が神たる我に勝てる道理は無いが、な」

 

 

 そうしてハジメの放った弾丸を、エヒトは軽々と避け、ハジメの首に一撃を入れようとし…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …割り込んできた弾丸に弾かれた。

 

 

 

「む?」

 

「っ!?」

 

 

 反射的にハジメは振り向き、エヒトは距離を取った。そして二人は同時に、突然現れた乱入者の方を向く。

 

 

「…何者だ、貴様?」

 

「………あー、これどっちが敵?えっと…………あ、キミがハジメ君で合ってる?」

 

「…誰だ?」

 

「ん~、取り敢えずはキミの味方…かな?」

 

「………フン、人間が二匹に増えたところで何一つ変わりはしない」

 

「おいアンタ!誰だか知らないが、ソイツは…」

 

「大丈夫。大体の事情は父さんから聞いてるし…今の俺は…」

 

 

「『無敵』だからね」

 

 

【MAXIMUM MIGHTY X!!!】

【HYPER MUTEKI!!!!!】

 

【ドッキ~ング!!】

 

 

 乱入者…頼斗はそう言って、腰のゲーマドライバーに二つのカセット…マキシマムマイティXとハイパームテキのガシャットをセットし、力強く叫んだ。

 

 

「ハイパー大変身!!!」

 

 

【パッカ~ン!!】

 

 

【ム~テ~キ~~!!!】

 

【輝け~!流星の如く!!】

 

【黄金の最強ゲ~マ~!】

 

【ハイパームテキ~エグゼ~エ~イド!!】

 

 

 ゲーマドライバーにセットされたハイパームテキガシャットのスイッチ…ハイパームテキスイッチを頼斗が押すと、ガシャットから黄金の光が溢れ、そのまま頼斗の四肢と身体、顔に張り付いていく。そして頼斗が腕を振るうと同時に光が散り、頼斗は黄金のライダー…『仮面ライダーエグゼイド:ムテキゲーマー』に変身した。

 

 

「アンタ…まさか先生と同じ……!」

 

「………貴様、何者だ?」

 

「……俺は…いや、俺たち(・・・)は…」 

 

 

 

⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
 

 

 

「「仮面ライダーだ!!!」」

 

「はああああああ!!」

 

「うりゃあぁぁぁ!!」

 

 

 今、二つの戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 




ディケイド究極態はオリフォームです。
理屈としては
頼斗の特典(激情態ディケイドが持つ、全てのアタックライドカードをノーモーションで使える力)と、オウジの特典の一部(通常のディケイドが持つ、全ての一号ライダーに変身できる力)がマザルアップ!!した結果です。
ちなみに出はしただけで基本使いません。
なぜかって?
使ったら「もうあいつ一人でいいんじゃないかな」状態になって、もう、後戻りはできない。状態になるからです。
まぁハイパームテキ(マイティノベルXで永夢が洗脳された状態で変身したため暴走扱い)も余裕のヨッちゃんでアウトなんですけどね()
というわけで…あと多分2話ぐらい続いたら古都内乱編突入だと思います。
では、また次回で。

ブーストバックル、フィーバースロットバックル、コマンドツインバックルの中でデメリットに該当するのは…?

  • 全部入るゾイ☆
  • ブーストバックルのみ
  • フィーバースロットバックルのみ
  • コマンドツインバックルのみ
  • ブーストとフィーバースロット
  • フィーバースロットとコマンドツイン
  • コマンドツインとブースト
  • おやつおいちい!!

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